特集 2014年2月26日

サイゼリヤの間違い探しが超絶むずかしい

間違い10個何分で探せる?
間違い10個何分で探せる?
サイゼリヤに行くたびに思う。「キッズメニューの間違い探し超絶むずかしくね?」と。

今回は、その思いを皆さんと分かち合いたいと思う。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

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ほんとに難しいんです!

サイゼリヤのメニューに「KIDS MENU」という子供向け料理のメニューがあり、その裏にサイゼリヤの食材や料理がどのように生産されているのかを子供向けにわかりやすく説明した図が載っている。

じつはこの図が左右で間違い探しになっているのだが、この間違い探しがものすごく難しいのだ。

間違い探しは何年か前から定期的に代わっているらしく、最新バージョンがこれだ。
最新バージョンです
最新バージョンです
この間違い探し、左右で間違っているところが10箇所あるのだが、この10個すべて見つけるのが超絶に難しいのだ。

サイゼリヤにいくたびに挑戦し続けているものの、料理を頼んでから料理が来るまでの間にすべて見つけ出せたことがない。

きた料理を食べつつ探しても見つからず、最終的には全部見つけることもできずに店を後にしなければいけないことが多い。

とりあえずやってみた

この間違い探し、一体どれぐらいの時間をかければ解けるのか? きちんと時間を測って挑戦してみた。
時間無制限でどれぐらいかかるのか?
時間無制限でどれぐらいかかるのか?
こういった簡単な間違いはサクッとみつかるが……
こういった簡単な間違いはサクッとみつかるが……
10分をこえたあたりから急激に難しくなる
10分をこえたあたりから急激に難しくなる
「ドリアが顔になってる」「屋根の色が違う」といったわかりやすい間違いは最初の2分ぐらいでポンポンと見つかるものの、6,7個発見できたあと10分を超えたあたりから間違いが見つかりにくくなってくる。
ほんとに間違いあるのかこれ?
ほんとに間違いあるのかこれ?
わかんねー
わかんねー
約20分で集中力が切れた
約20分で集中力が切れた
結局、20分頑張って9個までは見つけたものの、最後の1個がどうしてもわからず、集中力が切れたためギブアップしてしまった。

悔しい。悔しいし、子供向けの間違い探しを20分かけても解けなかった大人がぼく一人だとは信じたくない。

そこで、デイリーポータルZ編集部の大人3人に集まってもらって、ぼくがギブアップした問題を、20分の間にどれだけ解けるのか挑戦してもらった。

優秀な編集部の大人たちを「子供向け間違い探しをクリアできない大人」の側に引きずり込んでやろうという魂胆である。

目論見は崩れ去る

左から古賀さん、石川さん、安藤さんが挑戦
左から古賀さん、石川さん、安藤さんが挑戦
編集部から古賀さん、石川さん、安藤さんに集まってもらい、さっそく間違いを探し始めてもらった。

「そんなに難しいんですかぁ? 子供向けでしょう?」と訝しがる3人。そんなでかい口が叩けるのは今のうちだ、覚悟してほしい。
子供向けだろうと見くびると痛い目にあうぞ
子供向けだろうと見くびると痛い目にあうぞ
スタートから2、3分の間に立て続けに間違いを発見する大人たち。

あれ? 簡単だったか? と思ったものの、やはり6個をこえたあたりから発見のスピードが鈍っていき、11分をこえると完全に新しい発見が止まってしまった。
一つの絵を指さし確認しながらチェックしてもなかなかみつけられない
一つの絵を指さし確認しながらチェックしてもなかなかみつけられない
当初、立て続けに8個まで間違いを発見したものの、それ以降完全にストップした石川さん
当初、立て続けに8個まで間違いを発見したものの、それ以降完全にストップした石川さん
ほらほらほら、難しいでしょうが。

「探すのに必死で内容は頭に入ってこない」(石川)、「ぜんぜんわかんない」(古賀)と音を上げる中、14分をすぎたころに突然「わかったぁ!」と安藤さんが絶叫。
なんと、10箇所全部わかったという。
ひとり全問正解した。人相が悪くなっている
ひとり全問正解した。人相が悪くなっている
さすが……30代で一戸建てを買うひとはちょっと違う。
本当は、大人4人で「間違い探しわからない! 悔しい!」と地団駄を踏む様子をお伝えしたかったのだが、ひとりがあっさり全問正解してしまったため、私の目論見はもろくも打ち砕かれた。
14分で全問正解されたため呆然とするわたくし
14分で全問正解されたため呆然とするわたくし
しかしながら、残りの2人は2箇所、1箇所を残して20分経過してしまった。

したがって、サイゼリヤの間違い探しは、20分程度だと75%の大人は全問正解することができない。ということがわかった。

これはかなりの高難度ではないだろうか?

マジさかげんに作っている人の本気さを感じた

全箇所分かったという安藤さんによると、一番やばかったところ(石川さんと古賀さんが最後までわからなかった箇所)を発見したとき、その難しさの鬼っぷりに「やばい、こいつらは本気だ」と思ったらしい。

野良猫が生命の危険を感じ取るように、安藤さんはサイゼリヤの本気を感じ取ったのだ。
一番やばかった場所はモザイクで
一番やばかった場所はモザイクで
残念ながら、その一番やばかった場所は公開できないけれど、モザイク画像でその難しさを感じ取っていただくか、実際にサイゼリヤに行って間違い探しを見て欲しい。

古賀さんは、残り2箇所の間違いがどうしてもわからず、男の子の手の部分についていたゴミを、間違いと勘違いするほどだった。

ただ、みんなでわからなかった部分を答え合わせすると「あー、これかぁ!あはは!」となぜか爆笑してしまうという奇病のような状態に陥った。確実に脳からなにがしかの快楽物質は分泌されている。
答えを聞くたびに笑いが止まらない古賀さん
答えを聞くたびに笑いが止まらない古賀さん

交差法で間違い探し

その後、場所を移動し、デイリーポータルZ編集部の新入部員、藤原くんにも間違い探しに挑戦してもらった。

藤原くんに挑戦してもらったのは、さきほどサイゼリヤで最新バージョンとは別に、大人4人で解いた間違い探しで、最後まで発見することができなかった1個の間違いを探してもらうことにした。
これの最後の1個をさがしてもらいます
これの最後の1個をさがしてもらいます
静かに見つめ始める藤原くん
静かに見つめ始める藤原くん
さっきの大人3人とはうってかわって黙々と間違い探しを始める藤原くん。これがゆとり世代か。

しばらくすると「交差法使っていいですか?」と言い出し立ち上がった。
交差法で間違い探します
交差法で間違い探します
交差法とは立体視するときにやるより目のことだ。右と左の図をより目で重ねあわせて間違いを探そうということらしい。やはりゆとり世代だ。
より目で……
より目で……
諦めたらしい
諦めたらしい
その後、15分ほど経ったところで「分かりましたっ」との声。一体どこが違ってたのか?
なんでこれに気付かなかったのか……
なんでこれに気付かなかったのか……
何の事はない、矢印の形である。

わかってしまえば「なんでこれがわかんなかったんだ!」ということになるからふしぎだ。

なぜこんなに難しいのか?

しかし、不思議なのは子供向けなのにどうしてこんなに難しいのか? サイゼリヤの間違い探し担当の方に直接メールで問い合わせてみた。

――間違い探し、ちょっと難しいと思うんですが、どうしてこんなに難しいんでしょうか?

「間違い自体は、見つけてしまえば「なんだ~」というものばかりだと思います。「アハ体験」に近いものなので、難しく感じるのではないでしょうか?」
「小学生以上のお子さまのほうが見つけるのが早い場合もありますので、あえて、ご家族のみなさんで愉しめる程度の難しさにしています。」

家族みんなで挑戦した場合に、大人がやったとしても簡単すぎないようになっている。ということらしい。
すごい間違いシリーズその1「マが逆」
すごい間違いシリーズその1「マが逆」
――この間違い探し、答えをこっそり教えて貰うことはできますか?

「当方よりお伝えすることもできますが、各店舗で「答え」を用意しております。また、過去の問題と解答に関しては弊社サイトで公開しております」

なんと、間違い探しの正解は店員さんにお願いすれば教えてくれるらしい。
すごい間違いシリーズその2「四国がオーストラリア」
すごい間違いシリーズその2「四国がオーストラリア」
――「間違いが難しすぎる」と言ったクレームや「面白い」といった感想がきたりすることありますか?

「特にそういったことはありませんが、店舗でお客様と店員が間違い探しについて話をしている光景はみかけます」

――間違い探しはどれぐらいの頻度で入れ替わっていますか?

「今後は各店舗でのメニューブックの入れ替えに合わせ(半年に一回)間違い探しも更新していく予定です」
すごい間違いシリーズその3「サルディニア島がオーストラリア」
すごい間違いシリーズその3「サルディニア島がオーストラリア」
「あくまで子供たちに「食」に関して興味を持ってもらおうということで企画しているもので、ご家族で料理が来るまでに、ちょっと楽しんでもらえればというツールです。 これからも、ちょっとした楽しみがご提供できればと考えています。」

たしかに、簡単すぎるとすぐ飽きてしまうので、これぐらいの難易度(大人でも最後の1箇所が分からないぐらい)が家族で楽しめるちょうどいいラインなのだ。

「ちょっとした楽しみ」にすこし熱くなりすぎていた。

もっと肩の力を抜いて、間違い探しに向き合うことが、今後の健やかな暮らしのために必要かもしれない。

楽しみが増えた

初めて見たときは「難しいわ! こんな問題わかるか!」などと、メニューに向かって悪態をついていたものの、こうやって仲間たちと情報を共有し合い、サイゼリヤの人に直接その意図をきくにつけ、いつのまにか次の新しい間違い探しが楽しみになっている自分に気づいた。

今は年に2回の楽しみが、朝の連続テレビ小説の他に増えてうれしい。という気持ちでいっぱいです。
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