まずはこちらが「鍋ダス」だす
「コロカル」開発チームがねじり鉢巻で実装した「鍋ダス」。
鍋食べたよ! の報告ツイートが一覧で表示されつつ 、その発信地点がツイート量に応じて徐々に赤くなっていく仕組みです。
こちらがテスト画面。日本列島がサーモグラフィーのように!
これにより、日本列島でいまどこのあたりで鍋が盛んに食べられているのかが分かるのです。すごい!
分かるのは鍋が盛んに食べられている地域じゃなくてデイリーポータルZとコロカルの読者の多い地域なんじゃないかという冷静な判断は置いておくだすよ!
ツイートは一覧でも表示。みんなの食べたおいしそうな鍋写真のいっき見もできますぞ
みんなに鍋を食べてほしいだす
さて、この企画ページが機能するのに必要なのはみなさまからの「鍋食べたよ」ツイート。
では今日から先、いつごろが鍋の食べごろになるのでしょう。
デイリーポータルZで「
あと出し天気予報」を好評連載中の気象予報士、増田雅昭さんに年末年始の気象に沿った鍋のたべごろ=「鍋度」の高まりをうかがってみようじゃないだすか。
増田さん、よろしくお願いするだす
直近の鍋ピークは18日だった?
早速おうかがいすると、取材日だった18日こそかなり鍋をやる方が多いのではとのこと。この日は東京都心でも雪が降るのではといわれ、日中から雨が降ったりやんだりでかなり寒かった日。
増田「昼間5℃~6℃でずーっといって、それで夕方から雨ってなっちゃうと、温まるしささっと買物がすませられる鍋をやる家は多いかもしれないですよね。
そういう意味でここのところでいうと18日はかなり鍋度が高かったはずです」
ということはもう鍋ピークは過ぎちゃったということか?!
寒さは続くが、その寒さに慣れてくる
増田「でも20日~23日の3連休の終わりくらいまではまだ鍋日和じゃないかなと思います。朝昼晩寒いです」
おお!ではまだまだ鍋の写真を投稿するにはうってつけの気候ということだすな。
増田「ただ、体感温度ってギャップから来るんですよね。急に冷えると『寒い』と感じやすいのですが、18日みたいな寒さを経験してると、『うおー、これは耐えられない!』といった、バリバリの寒さを感じることはしばらくないと思います。この時期らしい、年末らしい寒さだなという感じだと思います。」
なるほど…。これも以前増田さんに聞いた話だが、コンビニのおでんが9月ごろでも急に冷えたときなどに突如売れることがあるのだそうだ。それも気温のギャップからということだろう。
急に寒くなるのではなく、寒さが続く、ということだと鍋料理の実施にはややきびしいか…。
ちなみに今回の鍋写真の投稿は、おでんもOK! 食べた方はぜひ!
次に急激に来る冷えは年末
じつは私自信も若干、12月の寒さには慣れ始めている感じはしていた。自宅でも「ぎゃー寒い、これは鍋だ」ということもなく、平常心でカレーを作ったりサバなど焼いている。
ではギャップ込みでここからまた「こりゃ寒くなってきたぞ!」って感じるようになるというといつごろですか?!
「みんなが鍋食べてくれないと、私たち困るんだす!」と増田さんに詰め寄るのはコロカル担当ドリタさん(中央)と当記事ライターの古賀(右)
増田「年末ですね。みなさん年末休み入ったころに次の寒波がやってくるんじゃないかと見てます」
どうやら、年末に今よりもぐっと気温の下がるタイミングがあるらしい。一気に2℃~3℃まで下がりますかね…?
増田「そうですね……いや! 具体的な数字はかんべんしてください(笑)。ただもう一段階寒くなるというのはあるはずです。
このころはもう年末で忙しいし調理時間を短縮しようかななんて思うと、これは鍋度が上がるんじゃないでしょうか」
みなさん、年末は寒くなります。鍋、鍋ですよ!
はっ…! ということは大掃除も休みに入ってしまう前にすませた方がよさそうだすな。
具体的な数字をメモされあわてて写真もブレる増田さん
クリスマスは洋食気候
とすると、待てよ。
連休が終わる23日ごろまでが寒く、次に大きな寒波がやってくるのは年末。ということは24日~26日ごろは鍋度がいったん下がるということだろうか。
増田「そうですね。このころ寒気が抜けるはずなんですよね。それでまた28日、29日くらいにかけてぐーっと寒気がくるのでここでまた鍋が登場です」
いったん鍋度が下がる頃って、クリスマスだ!
増田「そうなんです! クリスマスは洋食のイメージですが、気候的に見ても鍋度下がりますよ」
食卓的に洋食が並ぶだろうころに鍋度が遠慮をするように下がるとは。天気、気をつかわなくてもいいのだよ。
ざっと鍋の盛り上がりの図を書いていただく。クリスマスには落ち込む鍋度
年明けはお節が終わって鍋がくる
増田さんが書いてくれた鍋度のグラフ(上の写真)を見ると1月も鍋度は高そうだ。やっぱり寒いということでしょうか。
増田「寒い日は多そうです。寒気が次々やってきて鍋度は高い状態が続くんじゃないかなあと。
お節が終わったらまた鍋にシフトチェンジするでしょうね」
さきほどの図で1月に鍋度がいったん落ちていたのは「お節」を考慮してのことだった。気象予報士なのにそこまで…
1月はお節を過ぎると家庭だけじゃなく新年会でちょっといい鍋を食べるケースもあるかもしれない。蟹なべとかあんこう鍋とか高級鍋の投稿もぜひおまちしておるだすよ。
ただ、1月もなかばになってくると鍋の登場回数は減ってくるかもしれないと増田さん。
増田「いわゆる『真冬』というのが1月の下旬から2月の上旬なんですね、一番気温が下がりやすくなるんですよ。
下がりやすいんですけれども、だんだん鍋に飽きてくるってころじゃないでしょうか。鍋の回数も漸減していくんじゃないかと…」
漸減…! 確かに2月に入ってくると寒いこと自体にも飽きるころなんですよね。
増田「夏のそうめんなんかも飽きますよね。それと同じで」
ちゃんとした長期予報を見つつ、自らの「そうめんに飽きた」体験を織り交ぜて鍋度の下落を予想
雪で鍋度のピークをもう一度作れるか
鍋への飽き。これを打開するのは、どうだろう。関東で言うならもう雪しかない。降雪はかなり地域によってしまうが、関東の年明けの降雪は、どうでしょう!
増田「うーん、しばらくないかなー。かな、かな、かな……というのも、天気ってクセがあるんですよね。18日に雪が降るか降らないかって天気になっていたのは南岸低気圧という、予報の難易度的にはボスキャラレベルの低気圧が来たからなんですが、それがこの冬もしかしたら何回か来るかもしれないんですよね。
そうやって、南岸低気圧が来るクセがついちゃうと今後も予測が難しいといいますか」
雪がどうなるか……
天気にはクセがある
クセ…! 天気にもクセがあるのか。
増田「結局天気って流れなんですよね。川みたいに風が流れているので。その大きな流れがあまり変わらないと同じような天気が繰り返すことがあるんです。
いやー今年は○○のクセついてるなーってことはよくありますね。
今この南岸低気圧が来るクセがつくと、予測は難しいのですが年明けくらい気温が下がってくるとドカッと雪が降るようなことがあるかもしれないと。
そうなってくると鍋にも飽きながらも、また盛り返してくるかもしれないですね」
雪で盛り返せるか、鍋!(本物の天気予報につかっていた「雪」のマークを使わせてもらった。かわいい)
鍋の食べごろは3連休&年末
というわけで、増田さんの予報によると近々の鍋の食べごろは21日からの3連休と年末になりそうだす。
予報を参考にしつつも鍋を食べたらぜひツイートを! 企画は1月いっぱいの予定でおります。飽きに負けずどうぞどうぞ、投稿をよろしくお願いします(ツイートのくわしい方法は
「鍋ダス」をどうぞ)。
情報や経験を駆使しての鍋度予報、ありがとうございました!
寒波の墓場はアリューシャン列島付近
ちなみに一行はその後も居座り、増田さんに天気にまつわる質問をしまくっていた。
せっかくなのでダイジェストでご紹介します。
・“寒波”は北極からくる
ルートとしては北極圏発、シベリア経由、日本行きで早くて1週間、概ね10日から2週間かけてやってくる(年末に来るだろう寒波は18日現在ちょうど出発し始めたとのこと)。
北極から来る寒波が鍋の食べどきを連れてやってくる。このため鍋度も日本海側から日本へひろがって半日から1日かけて最後に関東へたどり着く
・寒波の墓場、アリューシャン列島
アリューシャン列島のあたりは世界的に見て低気圧の墓場と呼ばれている場所の一つ。
寒波はその低気圧にぐいっぐいっと引き込まれて終わる。
・寒波とはそもそも何か
シベリアにいるときは高気圧自体が寒波。そこから高気圧の一部の空気をぽーんとパスするように日本方面へ送り込んでくるイメージ
・朝の気温で鍋か否かは判断できない
秋冬春は特に朝寒くないときこそ天気は崩れる。朝の温度のまま日中気温が上がりにくく寒く感じる。逆に「朝冷えは晴れ」ということわざがあるとおり、朝キンキンに冷えているような日は晴れることが多い。
朝は寒くないと思っても、油断するべからず!(鍋のマグネットは作って持ってきました!)
・スーパーの売れ行きは昼の気温が決める
スーパーで何が売れるかは昼の気温によってかわるそう。昼にメニューを決めて買物するケースが多いからか。
・コンビニの売れ行きは即時反映
スーパーと違い、コンビニでは買う時間の気温で買うものが決まるといわれている。
・増田さんの好きな鍋は、水炊き
なお増田家では11月に初鍋を終了したとのこと。
かつては「コタツ初日」を気象台が観測していた
予報にあわせいろいろな話を聞かせていただいたなかで、さらにこんな話もあった。
増田「50年代~60年代は気象台が桜の開花発表のような感じでコタツ、火鉢、冬の服装、手袋、ストーブ、夏の服装、蚊帳、水泳といった項目ごとに”初日”を記録していたそうです。気象台の地域住民の2割に達したら、など基準があったようです」
なんと。これにもし「鍋」の項目があったら私達がやろうとしている「鍋ダス」にかなり近いじゃないか。
かつては気象台がやっていたような一大事業に着手、胸がふるえる。ここはひとつ、ぜひ鍋の写真の投稿をお願いする次第だす!
デイリーポータルZとコロカル「鍋ダス ~鍋食べたツイート大募集だす!~」
ドリタさんは最後にたっての希望で憧れのポーズを取らせてもらっていただす