特集 2013年12月19日

外国人観光客についていってみる

ジョンとヨーコはどこへ向かうのだろうか
ジョンとヨーコはどこへ向かうのだろうか
外国人観光客についていったら一体どうなるのだろう?

きっとメジャーな観光地を周る事になるだろうけど、ふだん見落としているような新たな発見ができるんじゃないか。

東京の旅を目いっぱい楽しむ彼らについていき、私も楽しく有意義な一日を過ごしたい。

そう思い1日をかけてやってみた所、「外国人観光客にはついていかない方がいい」という結果になりましたので報告します。
東京葛飾生まれ。江戸っ子ぽいとよく言われますが、新潟と茨城のハーフです。
好物は酸っぱいもの全般とイクラ。ペットは犬2匹と睡魔。土日で40時間寝てしまったりするので日々の目標は「あまり寝過ぎない」(動画インタビュー)

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やはり浅草から

期待を胸に、東京観光で一番人気であろう浅草にやってきた。案の定、外国人がいっぱい。

その中で隅田川の近くで楽しそうに撮影していた集団がいたのでついていってみることにした。
ポージングが素敵で楽しそう
ポージングが素敵で楽しそう
すぐ近くでひっきりなしに観光船がでているので、もしかしたらそれに乗ってお台場まで行ったりしないかな、などとつい自分に都合のよいプランを思い描いてしまう。
向かった先は「名代 富士そば」
向かった先は「名代 富士そば」
しかし彼らが向かったのは、チェーン展開をしている立ち食いソバ屋だった。
日本に来たらやっぱりソバなのだ。そして分かりやすいサンプルに惹かれたか
日本に来たらやっぱりソバなのだ。そして分かりやすいサンプルに惹かれたか

ついて行かない方がいい理由
その1:外国人観光客にはチェーン店とか関係ない

おそらく「日本と言えばソバでしょ」という話し合いをした所で、分かりやすい食品サンプルが並ぶお店を見つけ入ったのだろう。
私も入って肉ソバをいただいた。予想を裏切らない味。でも正直、浅草の特別感がほしかったな
私も入って肉ソバをいただいた。予想を裏切らない味。でも正直、浅草の特別感がほしかったな
ソバは大好きだ。昼時でお腹がすいていたし、半熟卵が嬉しい。だけど、浅草にしかないソバ屋さんだったらもっと嬉しかった。だって「富士そば」は日本に100店舗以上ありいつだって食べられるのだ。

しかし旅行者にしてみればそんな事はどうだっていいのだろう。私だって韓国に行ったら焼肉、タイに行ったらトムヤンクンが食べられればどこの店でもとりあえず満足する。旅行者の気持ち忘れてた。

ついて行かない方がいい理由
その2:心配になる

観光客が道を知らないのはあたりまえ。迷いながら進む
観光客が道を知らないのはあたりまえ。迷いながら進む
今度は地下鉄で移動する年配の外国人たちについていくことに。

しかしこれがまた、たよりない。地図や路線図を見つけては立ち止まって確認。そりゃそうだ、東京の地下鉄は便利だが複雑に入り組んでいる。
たっぷり時間をかけ大手町駅についた
たっぷり時間をかけ大手町駅についた
彼らは銀座線と丸の内線を使い大手町で降り、最終的には皇居へと向かった。

改札を出るときや地上にあがってからも地図を確認したり聞いたりしていた。「初めてのお使い」を見守る親の様な気持ちになった。心配になるのだ。

こうなったらもう声をかけて一緒に行きたかったが、旅行者にしてみたらそうやって迷うのも旅の醍醐味だったりする。邪魔してはいけない。(英語分からないし)

ついて行かない方がいい理由
その3:いきなりチューする

ゆっくり歩いて観光する彼らと離れ、皇居の人気スポットである二重橋にやってきた。ここもたくさん外国人がいる。
ジョンとヨーコについていこう
ジョンとヨーコについていこう
ジョンレノンとオノヨーコのような雰囲気をしたバックパッカーがいた。カップルで海外旅行なんて深い絆がうまれそうで羨ましい。何枚も撮影しながら、ゆっくり景色を楽しむ二人。
いきなりチューしたぞー!
いきなりチューしたぞー!
早くどこか移動しないかな、とソワソワして待っていると彼らは向き合い突然チューをした。え、なんで?!思わず目をそらす。

洋画では決まって主人公とヒロインのキスシーンがあり、小さい頃から「そこでキス必要か?」と憤っていたがその気持ちをライブで感じた。
脱力
脱力
これが外国人についていくということなのか。
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ジョンとヨーコがそのあと注目していたのは楠正成像だが、どうでもいい気持ち
ジョンとヨーコがそのあと注目していたのは楠正成像だが、どうでもいい気持ち
いやいや、躍動感あってかっこよかった
いやいや、躍動感あってかっこよかった
2人は二重橋から東京駅方面に向かう途中にあった楠正成像の前にやってきた。こんな像があるとは知らなかった。外国人ウケしそうな、立派な武将の姿である。

ジョンたちと別れ、像の前にあったお土産やさんをちょっと覗いてみてみる。
外国人に人気のお土産は人形。特に「サムライ」として売られている義経。忍者もあるのだが、服が一番安っぽく見えるから売れないそう
外国人に人気のお土産は人形。特に「サムライ」として売られている義経。忍者もあるのだが、服が一番安っぽく見えるから売れないそう
ちなみに日本人観光客に人気なのは菊紋章入りのもの。特にぐい呑みや保険証入れが人気だとか
ちなみに日本人観光客に人気なのは菊紋章入りのもの。特にぐい呑みや保険証入れが人気だとか
外国人向けと日本人向け、分かりやすくて面白かった。

ついて行かない方がいい理由
その4:観察眼が問われる

皇居を見たあと東京駅に行く外国人は多かろう、とオフィス街を通り東京駅に向かう。

行きがてら、颯爽と歩く男性の外国人を何人か見かけるのだが、これが観光客なのかビジネスマンなのか見分けがつかない。ついていった結果オフィスに入られても悲しい。
観察眼が問われるのだ。
オフィス街では観光客かビジネスマンか見分けがつかない
オフィス街では観光客かビジネスマンか見分けがつかない
しかし運よく観光客と思われる外国人男性を見つけることができた。たまたま彼が持っていた本の裏表紙が見えたのだ。そこには裸で和太鼓をたたく勇ましい男の写真があった。日本だ。これは日本のガイドブックであり彼は観光客に決定。
彼は東京駅前で写真をとったあと
彼は東京駅前で写真をとったあと
新丸ビルの中へ
新丸ビルの中へ
観光客が新丸ビルに入るとはちょっと意外に感じたが、迷わずレストラン街の方に向かっていったのを見て納得。この辺で食事する所は他にあまりないからだ(個人的感想)。きっとあのガイドブックに書いてあったのだろう。

彼がなんのお店に入るのか気になるものの、私のお腹にはまだ肉ソバが残っていたので、初めて入った新丸ビルを軽く歩くことにした。
ディズニー作品が描かれたステンドグラスに、クリスマスツリーがある所を見つけた。綺麗だ
ディズニー作品が描かれたステンドグラスに、クリスマスツリーがある所を見つけた。綺麗だ
外国人の生チューよりインパクトは薄いが、楠正成像とかこうして初めての場所にたどりつけるのはなんだかんだでやっぱり楽しい。
記念撮影
記念撮影

ついて行かない方がいい理由
その5:みんな新幹線に乗っちゃう

場所を移動したいと思い、東京駅の中に入ってみる。
アキバに行ってきたらしき3人についていくが…
アキバに行ってきたらしき3人についていくが…
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新幹線乗り場に入っていってしまった
新幹線乗り場に入っていってしまった
このパターンが何度も!
このパターンが何度も!
東京駅は、思ってたより外国人が見当たらなかった。いた!と思ってもスーツケースをひくビジネスマン。そこで軽装の人を探してついていってみるのだが、皆なぜか新幹線乗り場に向かっていってしまう。

荷物が少ないまま、彼らはどこに行くのか…不思議だ。
場所を変えて探しても同じ。駅の中だけで45分経過
場所を変えて探しても同じ。駅の中だけで45分経過
東京駅にいる外国人はみんな新幹線に乗ってしまうという事実。新発見だけど、別に知って得する情報でもない。とにかく疲れた。

ついて行かない方がいい理由
その6:落し物してる

東京駅が嫌になったので出て、今度は大手町の地下道をウロウロ。そこで見つけた大柄な外国人夫婦についていった。
どこでも良いから別のエリアに移動してほしいな
どこでも良いから別のエリアに移動してほしいな
ちょっと急いでいる様子だ。5分以上歩き続き、
ちょっと急いでいる様子だ。5分以上歩き続き、
ついたのは落し物センター
ついたのは落し物センター
あるある…!

よりによって旅先でものを落とす事はよくる話だ。私も初の海外旅行で財布を落とした苦い経験がある。
しかしたまたまついていった外国人が落し物をしていた確率はかなり低いんじゃないか?
その後も外国人が30分見つからず
その後も外国人が30分見つからず

ついて行かない方がいい理由
その7:ついてく人がそもそもいない

大手町もうろついたがビジネスマン風しかいない。もうこうなったら観光名所に移動しようと都庁の展望台に向かった。あそこは無料の展望台があって人気なのだそうだ。
新宿に移動。疲れてトロンとなった目で外国人を探す。でもいない。
新宿に移動。疲れてトロンとなった目で外国人を探す。でもいない。

ついて行かない方がいい理由
その8:微妙に遠出したり、やたら疲弊してたりする

新宿駅を降りると観光らしき外国人が何人かいた。都庁に行かずともいいかもしれない。期待してついていってみるがやはり思うようにいかなかった。
駅員さんに小田原への行き方を聞いていたカップル。この時間(19時)ではさすがについていく気力はない
駅員さんに小田原への行き方を聞いていたカップル。この時間(19時)ではさすがについていく気力はない
海外旅行に行くと「せっかく来たのだから」精神が働き1~2時間くらい電車に乗ってでも見れるものは見ておこうとする事がある。

そういったタイプかなと思われるカップルや、予定を詰め込み過ぎたか疲労感が半端ない外国人家族もいた。 そのたくさん持った土産袋の中に「浅草」と書かれた袋があり、もしかしたら朝すれ違っていたかもしれないと思うと、色んな一日があるなと思う。
という訳でけっきょく都庁にやってきた
という訳でけっきょく都庁にやってきた
いったん広告です
都庁の展望台には客の3割をしめるほどの外国人がいた。エレベーターの中にいた外国人が「無料なんてスゲー」みたいなことを言っていたが同感だ。
そんなに広くはないけれど、綺麗な夜景を一望できるのだ。
ほどよい空き具合
ほどよい空き具合
外国人向け漢字シールが面白かった。自分が外国人なら絶対買ってる
外国人向け漢字シールが面白かった。自分が外国人なら絶対買ってる
舞家瑠(マイケル)と沙美癒恵琉(サミュエル)は売り切れ
舞家瑠(マイケル)と沙美癒恵琉(サミュエル)は売り切れ
誰についてくるでもなく自らやってきた都庁で楽しんでしまった。疲労もピークなのでこれが最後とロシア系の6人家族についていくことにした。
大勢でゆっくり移動する家族。ついていくのがラクそう
大勢でゆっくり移動する家族。ついていくのがラクそう
彼らは都庁前から大江戸線に乗り、青山一丁目で乗り換えた。
切符を買い間違えたか改札で引っかかり一人一人精算しなおす場面があった。やっぱり地下鉄は難関だ。
手間取っているときは地図を見たりして待つ
手間取っているときは地図を見たりして待つ

ついて行かない方がいい理由
その9:いなくなる

彼らは人であふれかえる渋谷の改札を出た。しかし少し進んだところで立ち止まり、ガイドブックを広げみんなで相談しはじめる。なんとなくだが、まだ乗り換えそうな雰囲気を漂わせているようにも見えた。

私は「またちょっと待機だな」、そう思い他に視線を向けた。するとそこに可愛い犬がいて、私の意識が一瞬それた。
立ち止まって相談し始めたのでちょっとよそ見をしたら
立ち止まって相談し始めたのでちょっとよそ見をしたら
可愛いワンコがいまして
可愛いワンコがいまして
振り返ると、恐ろしいことに誰もいなくなっていたのです!
振り返ると、恐ろしいことに誰もいなくなっていたのです!
ビックリした。私が一瞬犬に気を取られている間に彼らはきえた。ボリショイサーカスの出し物か。あれだけユックリ移動していた家族、探せば見つかると思ったが見つける事はできなかった。

人の多さで見失って終了

私はずっとどこかで「外国人は目立つから見失わない」と甘く見ていたようだ。その結果がこれだ。

大変だ。外国人観光客についていくのは大変だ。だから、ついていくのはやめた方がいいのだ。
あの一家はハチ公を見に来たことにした
あの一家はハチ公を見に来たことにした

自分が旅行者の立場であれば想像ができたのに

いろいろあったような、無かったような一日だった。
しかし外国人の生チューを見れたり、電車に乗った時、「この路線ならここに行きそうだな」と予想をするのは楽しかった。

それにしても、なぜ自分は今回スムーズに観光できると思っていたのか。自分が外国に行った時にあれだけ迷い、無駄に歩き、財布を落としたりした過去を思い出せば、ついていくのは困難だと分かっただろうに…。
観光客についていくと疲労する。それが全てだった。
観光客の立場を忘れていた朝の自分
観光客の立場を忘れていた朝の自分
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