特集 2013年12月6日

カブトガニの街でシャコを食べ尽くす

シャコです!
シャコです!
シャコという生き物がいる。エビほど頻繁に食べないし、カニのような憧れる食材でもない。スーパーに行ってもあまり売られておらず、お寿司などで極稀に食べれる程度ではないだろうか。

しかし、岡山県・笠岡市はこのシャコの街である。「市のさかな」として「シャコ」が定められているのだ。シャコを提供するお店も多い。ぜひ食べてみたいと思う。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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実はカブトガニの街

岡山県に笠岡という街がある。瀬戸内海に面した港町で、古くからカブトガニの生息地として知られ、世界で唯一のカブトガニをテーマにした博物館もある。駅前の看板には「カブトガニの街」と大きく書かれている。間違いなく笠岡はカブトガニの街だ。
笠岡はカブトガニの街
笠岡はカブトガニの街
しかし、笠岡は「シャコ」の街でもあるのだ。どこにも「シャコ」の文字はムード歌謡のコーラスの人以上に踊っていないけれど、笠岡は「市のさかな」として「シャコ」を掲げている。笠岡ではカブトガニも生息し、シャコだって元気に生息しているのだ。
シャコです!
シャコです!
シャコとは、見た目がエビに似ている甲殻類である。お寿司のネタとし食べられることが多いが、マグロやサーモンなどと比べるとあまり人気がない気がする。私はあまり食べたことがない。しかし笠岡はシャコが有名なのだ。シャコの街なのだ。シャコを出すお店も存在する。ぜひそれらのお店でシャコを食べてみようと思う。
笠岡駅の接近メロディは「がんばれカブトガニ」。シャコもがんばれ!

シャコ丼の店

さすがシャコの街だけあり「シャコ丼の店」というお店がある。店名でそのお店で何が提供されているのか分かる。実に素晴らしい名前だ。駅前では全く感じることのできなかったシャコの風をこのお店では強風で感じることができる。
シャコ丼の店(岡山県笠岡市笠岡5914-5)
シャコ丼の店(岡山県笠岡市笠岡5914-5)
メニューを見ても「シャコ丼」に「シャコラーメン」、「シャコカレー」とシャコの優勝パレードのようにシャコが並ぶ。「シャコ丼定食」を頼めば、シャコ丼、シャコ天、シャコ酢というセット内容。笠岡はやはりシャコの街だ。
シャコ丼定食
シャコ丼定食
シャコ、シャコ、シャコ、汁ともうほとんどがシャコである。数えたら15匹もシャコがいた。私の今までの人生で食べたシャコの数をこの定食だけで越えている。これを食べれば今までの私のシャコのない人生を少し取り戻せる気がする。
美味しい!
美味しい!
シャコはクセのある食材だと思っていた。しかし食べてみるとそんなことはなく美味しい。エビのようなプリプリ感はなく、見た目こそ似ているが味は似ていないらしい。ただし素朴な味わいで食べていて安心感がある。
シャコラーメンもシャコだらけだった! フライが全部シャコ!
シャコラーメンもシャコだらけだった! フライが全部シャコ!

シャコの何か

笠岡の道の駅に行けば、笠岡で捕れたシャコが牡蠣やタコ、カニと同じ並びで鎮座している。逆にカブトガニは無い。やはり笠岡はシャコなのだ。カブトガニは食べられないし、向こうは博物館まであるが、食ではシャコなのだ。
道の駅笠岡ベイファーム(岡山県笠岡市カブト南町245-5)
道の駅笠岡ベイファーム(岡山県笠岡市カブト南町245-5)
シャコが並ぶ
シャコが並ぶ
練り物コーナーを見ればそこにも「シャコ」がいた。シャコだらけなのだ。周りを見るとほかのお客さんはソフトクリームを食べる人が多かったけれど、シャコなのだ。シャコを食べなければ笠岡でないのだ。
ソフトクリームよりも「シャコ」!
ソフトクリームよりも「シャコ」!
シャコ真丈です!
シャコ真丈です!
シャコ真丈、魚肉のすり身の上にシャコが乗っている。私がシャコに詳しくないからだろうか、素直にシャコパワーを感じてしまう。きっとすり身だけで成立する食べ物だと思うが、そこにシャコ。笠岡だけの一品ではないかもしれないが、シャコ無き人生を送ってきた私には二つの意味で衝撃だった。
シャコ真丈です!
二つ目の衝撃が来ました!
シャコだね、これがシャコなんだね、空が綺麗だ……
シャコだね、これがシャコなんだね、空が綺麗だ……
いったん広告です

美味しいシャコあります!

「シャコ真丈」は今までシャコとあまり縁のなかった私にはなかなかのハードルだった。やはりクセがあるのだ。先の天ぷらなどはその辺を考えて調理されたいたが、「シャコ真丈」はストレート。バッターは空振りするだろう。速球のストレートなのだ。
次のお店は「マドモァゼル(岡山県笠岡市用之江327-10)」です!
次のお店は「マドモァゼル(岡山県笠岡市用之江327-10)」です!
後でシャコ好きの人に話を聞けばそのクセこそがクセになるそうだが、シャコ初心者にはまだ早い。もっと好きになってからすべてを知りたいのだ。今はキッカケ作りの段階。ということで「マドモァゼル」である。
マドモァゼルの「シャコスパ」
マドモァゼルの「シャコスパ」
期間限定のメニューである「シャコスパ」。トマトベースの地中海スパゲティの上に茹でたシャコが乗っている。シャコは死んでしばらくすると身が溶けるらしく茹でてあるのが定番。パスタの上のシャコはなかなか様になっている。
これはすごく美味しい!
これはすごく美味しい!
シャコの旨味とトマトの酸味が素晴らしき味を演出している。ハマったら出られないような深みを感じる。とても美味しいのだ。店員さんに「美味しいですね!」とわざわざ伝えたほど。さっきダメだったシャコの部分をトマトが消し、さらによき部分を引き出している。シャコ料理として美味しいのではなく、料理として美味しい。
顔も食べられる!
顔も食べられる!
エビの尻尾も頭も食べる人生を送ってきたので、シャコの顔の部分も食べてみた。すると「えびせん」のような味わいで非常に美味しかった。顔までも美味しいのだ。アンパンマン以来である。いや、それ以外もあるけれど頭も美味しいのだ。問題はエビの頭よりも痛いこと。尖った部分が多いのだ。それが実に惜しい。
でも、味はよい!
でも、味はよい!

シンプルに!

一度シャコとは分かり合えないと思ってからの「運命かも」という出会い。シャコはドラマを作ってくれる。別れそうで別れないカップルとはこのような心理なのだろう。むしろ興味がわいてくるのだ。
かとう小料理(岡山県笠岡市三番町6-16)
かとう小料理(岡山県笠岡市三番町6-16)
茹でたシャコというおそらく一番シンプルであろうシャコを食べていなかったので、「かとう小料理」でそのシャコをいただく。小料理屋という上品なところに行くことは普段無いので、これもシャコのおかげ。シャコは大人の世界を見せてくれるのかもしれない。食通への入り口なのだ 。
シャコ!
シャコ!
改めてよくその姿を見るとエビやカニほど人気がでないのが分かる気がする。美男美女がモテるように、魚介界でもやはり見かけは重要なのだろう。しかし、見た目より性格(味)という考え方もあるように、シャコもまたそうなのだ。
美味しい!
美味しい!
殻が若干痛く剥きにくいが、クセが絶妙な加減で美味しい。エビの味が「青春」だとすれば、シャコは「壮年」のような味。フレッシュさは無いが日本の心みたいなものが詰まっており美味しいのだ。道の駅のやつだけが特別に上級者向けだったようだ。シャコを見直した瞬間だった。
よく見るとかわいい気がしてきた!
よく見るとかわいい気がしてきた!

シャコ食べたい!

笠岡で帰りに寄ったスーパーにもシャコは売られていた。また別のお店では今日はないけど普段はシャコ天を出している、と言っていた。シャコを食べる文化が他よりは濃い地域なのだ。なんてったって「市のさかな」が「シャコ」である。魚じゃないのに。だったらカブトガニでいいのに。しかし「シャコ」。目立たないけれどシャコに愛があるのが笠岡なのだと思う。
これはカブトガニ!(カブトガニは仰向けになって泳ぎます)
これはカブトガニ!(カブトガニは仰向けになって泳ぎます)
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