山形土産の麩かりんとう
いただいたかりんとうは、山形土産で文四郎麩の「ふかりんとう」というものでした。
サクサクした歯ごたえがうまい。こんどお取り寄せで買うか。
山形県東根市の六田地区というところでは麩が名産品だそうで、この「ふかりんとう」はその六田の麩を使って作られた物。
よくある棒状のかりんとうと比べ、サクサクとラスクのように軽い歯ごたえで、素朴な甘さが実においしいです。麩のかりんとう、いいですね。
他の乾物でも出来るのでは?
ところで、麩のかりんとうを食べていてあることを思いつきました。麩のかりんとうがうまいなら、他の乾物でもかりんとうにすれば美味しい物があるのでは?ということです。
そう思って調べてみると、高野豆腐を使ったかりんとうのレシピが多数出てきました。
高野豆腐 かりんとう
乾物で作るかりんとう、どうやらアリのようです。
とりあえず作ってみよう
子供の頃は独特の香りがあまり好きではない食材でした。
まずは高野豆腐のかりんとうを作ってみましょう。高野豆腐を水で戻します。
煮物に使う際には戻し汁を煮汁に使ったりしますが今回は不要。
中まで軟らかくなるまで水で戻したら、しぼって水気をよく切ります。
水で戻してからでないと硬くてうまく切れません。
油の温度は180度ぐらい。水気をよく切っておかないと油が激しく跳ねるので注意。
表面がきつね色になるまで揚げたらキッチンペーパーの上に置いてよく油を切ります。
高野豆腐はスポンジ状なので油をよく吸います。キッチンペーパーを変えてよく油を切ります。
検索して出てきたレシピでは、揚げずにオーブンで焼くというのが結構出てきました。しかし、一般的なかりんとうの作り方では小麦を練った生地を揚げて作っているので、揚げる方法を採用。油はうまいのです。
砂糖と水を1対2ぐらいで混ぜて加熱。フツフツと煮立ってきたら絡めます。
油をよく切ったら続いて蜜をからめます。砂糖と水をフライパンに入れて一度煮立たせます。そこに揚げた高野豆腐を入れて煎ります。最後にもう一度砂糖を軽くかけてサッと煎ったら出来上がり。
砂糖の焦げた甘い香りで茶を入れたくなる。
出来がった高野豆腐のかりんとうはサクサクと軽い歯ごたえ。砂糖の素朴な甘さがどこか懐かしい味です。
高野豆腐の独特な風味はそれほど気にならず、むしろ砂糖の甘さにちょっとしたアクセントをつけて美味しく感じます。
これうまいな。見た目は子供の頃に食べたパンの耳のかりんとうのようだが、もっと軽い歯ごたえだね。
今回は通常の砂糖を使っていますが、黒糖を使えばもっとコクのある甘さのかりんとうになると思います。更に、高野豆腐を戻す時に砂糖水で戻せばより深い甘さになりそうです。
一度作ってみてください。美味しいです。
他の乾物はどうだ?
高野豆腐のかりんとうに続いて他の各種乾物もかりんとう化していきたいと思います。用意したのは以下の品。
山系ダシ代表。干しシイタケ。
御惣菜の定番。切り干し大根。
巻き寿司や汁物で活躍。かんぴょう。
海系ダシ代表。昆布。
鍋の季節に大活躍。マロニー。
結論を先に言いますと、切り干し大根のかりんとうがかなりうまい。2つほどイマイチなやつがありますが、総じて乾物のかりんとうはイケます。順に、または気になる物からクリックしてご覧ください。
干しシイタケは香りが強い
ダシにも使うが煮物に使ったりもする。
揚げると香ばしいシイタケの香。そのまま塩をかけて食べれば美味しそうだが、砂糖でからめます。
高野豆腐と同様に水で柔らかくなるまで戻して、水気をよく切って揚げます。油を切ったら水と砂糖で煎って、最後に砂糖をかけてサッと煎れば出来上がり。
見た目は割と美味しそうだが味はどうですかね?
出来上がった干しシイタケかりんとうは甘い砂糖の焦げた香りと共にシイタケの香ばしい香りがかなりします。とにかく食べてみましょう。
う~ん、香りがちょっとねー
食べてみると、ソフトキャンディのように柔らかく、砂糖の甘さにシイタケダシの味が強く感じられます。またシイタケの香ばしい香りがお菓子という感覚をつぶします。あまり美味しい組み合わせではありません。
干しシイタケは主張が強くお菓子にはあまり向かないようです。
切り干し大根の予想外のうまさ
一度に大量に煮てオカズや酒の肴に重宝する。
炒め物にしたことはあるが、揚げたのは初めて。こうなるのか。
切り干し大根も作り方は同じです。水で戻して、水気をよく切って揚げ、油を切ったら水と砂糖で煎って、最後に砂糖をかけてサッと煎れば出来上がり。
こんな見た目のスナック菓子が何かあった気がする。
切り干し大根かりんとうは単体だと細く、あまり香りなどは感じません。曲げると簡単にポリポリと折れていく硬さです。
これうまいな!
食べてみると、ポリポリと切れていく食感が心地よく、甘さと揚げられた切り干し大根の香ばしい風味が実によくあいます。お茶うけに丁度いい味わい。これはうまいです。
今度から大根の切れ端は切り干し大根にしてかりんとうにしよう。
かんぴょうはパリパリとうまい
炒め物にしてもうまいです。
何かの付け合せに使えそうな見た目になった。
かんぴょうも作り方は同じ。戻して、揚げて、水と砂糖で煎って、最後に砂糖をかけてサッと煎れば出来上がり。
変わった形のポテトチップという見た目。
かんぴょうかりんとうは薄くパリパリと割れます。ポテトチップのような感じです。
軽い歯ごたえでいいね。
食べるとパリパリとしていて、食感は少し硬めのポテトチップ。薄い為か、かんぴょうの味や香りはほんのりと感じる程度。かりんとうというよりも、甘いかんぴょうチップ。これはこれでなかなか美味しいです。
ただ、砂糖でからめず塩をふりかけて食べる方がより美味しいと思われます。
上品な味わいの昆布
ダシに使った昆布は佃煮やふりかけにするといい。
揚げた昆布はちょっとグロテスク。
昆布も作り方は同じ。戻して、揚げて、水と砂糖で煎って、砂糖をかけてサッと煎る。かなり油が跳ねるので揚げる時は注意してください。
海苔の佃煮みたいだが、しっかり甘い。
昆布のかりんとうは軽くカリカリに揚がっていますが、多少弾力があります。昆布の香りはほんのりとしてくる程度。
昆布の風味は甘さにも合うな。
食べてみると、最初はパリパリとした食感ですが、直ぐに柔らかくなり弾力があります。昆布の風味が甘さとよく合っていて美味しいです。お菓子とお惣菜の中間ぐらいの感覚でしょうか。
好きな人には昆布の風味と味わう甘さがクセになりそうな味でした。
マロニーは揚げるとこんな風になるのか
鍋以外だとスープに入れるぐらいしか使っていないか。
続いて、マロニーです。他の物は一度水で戻してから揚げましたが、マロニーはそのままを揚げてみました。するとこんなことに。
ふえるマロニー。
油に入れたとたん、ウネウネと動き出して一気にふくれあがりました。カリカリになり、中華料理の皿の端に盛ってある付け合せのようになっています。とりあえず、食べるのには問題ないでしょう。
あとは、水と砂糖で煎って、砂糖をかけてサッと煎って出来上がりです。
飴細工のようになりました。
マロニーかりんとうは、表面が硬く砂糖に包まれた細い棒のようになりました。砂糖の焦げた香り以外に香りはありません。
歯にくっつくし、ひたすら甘いだけだな。
食べてみると、粘りがあり歯に付く硬さ。味は焦げた砂糖の味以外に感じるものはほとんどありません。甘いのでお菓子といえばお菓子なのですが、飴とも違うしかりんとうともいいがたい。なんとも中途半端です。
マロニーは素直に鍋やスープに入れておこう。
水でちゃんと戻して使おう
乾物で作るかりんとう。概ね美味しいのですが、あまり合わない物もありました。なんでもやればいいというものではないようです。
ちなみに、乾物は戻さないで揚げるとうまく揚がりません。泡立ちもせず、油の中に沈んでいて、やがて黒ずんでいきます。水で戻してから揚げましょう。
なんでわざわざそんな事を書くかといえば、最初にそうしてしまったから。そうやって出来る乾物のかりんとうは総じて不味いです。乾物は戻してから使え!
戻さずに揚げて作った切り干し大根のかりんとう。苦いし、香りが変だし。水で戻してから作ったものは本当に美味しいのでつくってみてください。