特集 2013年10月15日

たまたま訪れた町がコナンの町だったこの感じ

おとずれた町がコナンの町だった
おとずれた町がコナンの町だった
大北海道展にドキッとする。

大北栄人というのが私の名前で、大北海道という文字を見るたびに呼ばれているような気がするのだ。同じ意味で鳥取県北栄町にもドキッとする。そんな中の方で呼ばないでくれ。

一度、マイタウン北栄町に行って思う存分ドキドキしたいなと思っていた。実際に行ってみたらコナンの里だった。なんだそれは。
2006年より参加。興味対象がユーモアにあり動画を作ったり明日のアーという舞台を作ったり。

前の記事:モーツァルトうどんとは何か

> 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー

駅降りてすぐにもうドキーン!
駅降りてすぐにもうドキーン!
コナンじゃなくてここ、ドッキーン!
コナンじゃなくてここ、ドッキーン!

名探偵コナンの町

鳥取県東伯郡北栄町。かつてながいもとスイカの町、今や名探偵コナンの町である。

一時間に一本程度の山陰本線に乗って由良駅でおりる。無人駅なうえに平日の午前中でだれもいない。ただ「コナンに会える町」だと書いてある。
銅像ならではの悲愴な感じが名探偵コナン像にもよく出ている
銅像ならではの悲愴な感じが名探偵コナン像にもよく出ている
大北栄人の北栄町に大栄支所……なんというミラクル
大北栄人の北栄町に大栄支所……なんというミラクル

超新星のように肥大する自意識

北栄町大栄支所。まさかと目をうたがった。

この北栄町は大栄町と北条町が合併してできたまちであるらしい。なんていうことだろう。胸のドキドキがとまらない。つり橋効果で農協から出てくるおじいさんに恋してしまいそうだ。

たとえば、たとえばですよ、ちょっといいですかね。

「元大栄町、今北栄町の人」

オー……ハウオールドアーユー……(※)。TwitterやFacebookをあれだけやっていても満足することがなかった自意識が今、大きく満足しようとしている。

「大北海道展、北栄町で開催し大勢の人」

自意識と折り合いをつけるためにはSNSでは足りない。そういうシムシティを、市長となって発展のための町づくりではなく自分の名前ばかりつける町づくりを行うべきだ。

そしてそのゲームがおもしろいかどうかはまた別の話だ。

※ここ意味はありません
この北の字は大だったあとがある
この北の字は大だったあとがある
わたしには見える……消された大の字がはっきりと見える。そして今、自意識がエクスタシーに達しようとしている!
わたしには見える……消された大の字がはっきりと見える。そして今、自意識がエクスタシーに達しようとしている!

一仕事終えた感

すばらしい町だった。ひと通り自分の名前を堪能したあとはコナンの里とやらを味わってみようと思う。

この役場からコナン通りがのびていて、コナンの石碑や銅像が設置されているそうだ。コナンファンでない、たまたま訪れた者でも楽しめるものなのだろうか。
コナン通り沿いに何があるかといえば主に家だ
コナン通り沿いに何があるかといえば主に家だ
瀬戸大橋につづく大橋、コナン大橋
瀬戸大橋につづく大橋、コナン大橋
こういう石板が町のあちこちに設置されているらしい
こういう石板が町のあちこちに設置されているらしい
町には人が少ないが、コナンの写真を撮っている人は2人くらいいた
町には人が少ないが、コナンの写真を撮っている人は2人くらいいた
コナンの里で運転免許とりたいという欲望をかなえるならここだ
コナンの里で運転免許とりたいという欲望をかなえるならここだ

地味だが人気はちゃんとあるようだ

コナンの石板と銅像はコナン初心者にとって少しハードルが高い。

鬼太郎の妖怪とはちがってこっちはキャラクターが少年なのだ。どちらかというとウリはトリックのおもしろさだろう。

むずいなこれは。と思いながら写真を撮っていたら同じようにコナンの写真を撮る人が二人ほどいた。町に歩いている人は少なく、二人でも一大勢力に見える。

なんかちゃんと人気あるようなのだ、コナン通り。
そしてコナン通りの終点は青山剛昌ふるさと館。名探偵コナンの作者青山氏の記念館だ。記念館化するのはまだちょっと早いのではないか。
そしてコナン通りの終点は青山剛昌ふるさと館。名探偵コナンの作者青山氏の記念館だ。記念館化するのはまだちょっと早いのではないか。
コナンに出てくるビートルだそうだが、なんとこのビートル、青山先生のお父さんが制作したらしい。「キャー!青山先生のお父さんが!」ってなるかな
コナンに出てくるビートルだそうだが、なんとこのビートル、青山先生のお父さんが制作したらしい。「キャー!青山先生のお父さんが!」ってなるかな

がんばって町おこした感ある

なぜここがコナンの里なのか。それは作者の青山剛昌氏が生まれ育った町だから。コナン通りの終点は青山剛昌ふるさと館、なんと記念館である。

手塚治虫や藤子不二雄ならわかるが名探偵コナンの作者だ。見たことがないせいかみょうにハラハラする。

なんでこんなことになってるかというと、鳥取県がまんがで町おこしをしているからだ。

しかし、がんばっておこしました感は否めない。青山先生のお父さんがフィーチャーされていたり、向こうからくる電車が谷口ジローの絵でラッピングされていて渋すぎるセレクトに震え上がったりするのだ。
記念館は新しくてけっこうおもしろい。原画や執筆の映像を見てると本作を知らなくても圧倒される。
記念館は新しくてけっこうおもしろい。原画や執筆の映像を見てると本作を知らなくても圧倒される。
青山先生の少年時代。ファン度求められるぞ。
青山先生の少年時代。ファン度求められるぞ。

知らなくてもなかなかおもしろい

どうかなと思っていたが、青山剛昌ふるさと館は知らなくてもなかなか見応えがある。見応えの二本柱は「マンガのすごさ」と「先生の持ち上げられ方」だ。

マンガの原画は今見るとけっこうおもしろい。大人になって自分の絵の技術の限界を知った今では、よくこんなものが描けるなと素直に感動してしまう。

そして青山先生の生い立ちや仕事部屋をつぶさに紹介されるのも、ファンハードルが高すぎておもしろい。

一体あと何冊コナンを読みこめばここを楽しめるのかというコンテンツは遠い国のそっくりな別世界をのぞいている感じがある。
山陰の一人旅で知らないおっちゃんの仕事場を見る旅情
山陰の一人旅で知らないおっちゃんの仕事場を見る旅情
おっちゃんのちらかった机を展示している。ファンでないこの違和感はけっこうたのしめる。
おっちゃんのちらかった机を展示している。ファンでないこの違和感はけっこうたのしめる。
スケボーに乗って青山先生のふるさとをめぐる体験機。けっこうなスピード感のなか次々と知らない場所が現れる。めくるめく「ふ~ん」体験!
スケボーに乗って青山先生のふるさとをめぐる体験機。けっこうなスピード感のなか次々と知らない場所が現れる。めくるめく「ふ~ん」体験!
コスプレ体験もできるらしい。舞妓さんみたいなものかな
コスプレ体験もできるらしい。舞妓さんみたいなものかな

コスプレもあって内容は充実している

戸惑いつつもなかなか満足したふるさと館であったが、お土産コーナーにてコスプレ体験を発見。

これやるの勇気いるなと思い、お店の人にきくと利用者はけっこう多いらしい。しかしそれは二人以上の団体のお客さんだという。やはり。
一人でコスプレ体験をたのむとやはり恥ずかしい。とくに借りる瞬間が
一人でコスプレ体験をたのむとやはり恥ずかしい。とくに借りる瞬間が
この人は本当に熱心なファンだなと思われたことだろう
この人は本当に熱心なファンだなと思われたことだろう
旅先でのコナンのコスプレ、山陰のさびしさをよく感じます
旅先でのコナンのコスプレ、山陰のさびしさをよく感じます

次々とお客さんがくる

町に人がいないなか、この青山剛昌ふるさと館には人がけっこういる。

コナンの格好をして駐車場うろついていると、「あーっ!」と言いながら黄色いビートルに走っていく家族を見た。

名探偵コナン、人気あるんだなと思いながら隠れようとするが駐車場は広く物陰もなく。顔だけ伏せる名探偵コナン。足元のスニーカーが見える。本物のコナンは革靴をはいているのだろうか。

これが山陰の旅情か。思えば遠くに来たものだ。
扮装により気が大きくなって、とおりすぎる車にコナンをアピール。幽霊の格好してる人の気持ちか変態のそれだ。
扮装により気が大きくなって、とおりすぎる車にコナンをアピール。幽霊の格好してる人の気持ちか変態のそれだ。
コナンの格好でコナングッズ売り場を視察するのはなかなかの「私のグッズ売り、ごくろうさん」感
コナンの格好でコナングッズ売り場を視察するのはなかなかの「私のグッズ売り、ごくろうさん」感
コナンコスプレの一仕事終えた感たるや
コナンコスプレの一仕事終えた感たるや
すごいイベントがあった。愛車が来るのか。
すごいイベントがあった。愛車が来るのか。
帰り道、住宅街にさまよってたら「ようこそコナンの里へ」のれんが何軒かあった。えらいなあ。
帰り道、住宅街にさまよってたら「ようこそコナンの里へ」のれんが何軒かあった。えらいなあ。

マンガでまちおこし、自分の町なら応援したい

帰り道住宅街をさまよっていたら「ようこそコナンの里へ」とかかれた布を窓に貼った家を何軒か見た。この人たちはコナンのファンなんだろうか。そういうわけでもないだろう。

町おこしで人が来てくれるならという思いで応援しているにちがいない。そして実際に人は来ている。

平日昼間でもお客さんがちゃんといるし、帰りの電車に乗ろうとしたら「ギャー、コナンの駅だ~!」と大興奮している女性二人組がおりてきた。二人とも首もとには大きな赤い蝶ネクタイをしている。なつかしい、それ私もやった。

マンガで町おこし、盛り上がっている。少なくとも町名と同名の方いらっしゃいキャンペーンよりは盛り上がることだろう。

まんがでもなんでもいい。盛り上がってほしい。北栄町の名をいたるところに入れてほしい。そしていずれはメガロポリス。自意識シムシティはまだつづく。
電車から赤い蝶ネクタイの女性二人が大興奮しておりてきた。人気あるな、コナン……
電車から赤い蝶ネクタイの女性二人が大興奮しておりてきた。人気あるな、コナン……
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