特集 2013年10月15日

磯ダコ捕りツアー in 粟島

粟島という日本海の離島で毎年行われている、タコを捕まえる大会に出場してきました。
粟島という日本海の離島で毎年行われている、タコを捕まえる大会に出場してきました。
昨年、新潟県の佐渡島までいってタコを捕まえてきたのだが(こちらの記事参照)、同じ新潟県の粟島という小さな離島で、タコ捕りを競い合うツアーが毎年行われているそうだ。

9月の週末に3週続けて行われるこのイベントには、人口438人(平成17年度国勢調査)の島に、毎回約100人がタコ捕りをするためにやってくるらしい。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

前の記事:新種のカエル、サドガエルを捕まえた

> 個人サイト 私的標本 趣味の製麺

昨年のタコ捕りチャンピオンからお誘いが来た

磯ダコ捕りツアーという名のタコ捕り大会が行われるのは、佐渡島の上、飛島の下に位置する、粟島という小さな離島。

磯ダコ捕りツアーの存在を知って以来、参加するかどうかをずっと迷っていたところに、昨年のチャンピオンだという人(以下チャンプ)から、一緒にやろうよとのお誘いメールが来た。
粟島の食堂に張ってあった地図より。真ん中あたりにある小さな島が粟島。
粟島の食堂に張ってあった地図より。真ん中あたりにある小さな島が粟島。
このメールが参加を迷っていた私の背中を押してくれたので、思い切ってタコを捕るために海を渡ってみることにした。

粟島にいくのはもちろん初めてで、その島の存在すら、磯ダコ捕りツアーをきっかけに知ったくらいである。

佐渡島には今までに何度もいったが、あそこは離島というよりも小さな独立国なので、離島らしい離島での観光は、今回が生まれて初めての経験だ。
岩船港から写真手前のフェリーで1時間半、奥の高速船だと55分。タコ捕りなので、タコレスラー</a>を持っていった。
岩船港から写真手前のフェリーで1時間半、奥の高速船だと55分。タコ捕りなので、タコレスラーを持っていった。
高速船の中でやっていたテレビでたまたま粟島のタコ捕りが生中継されていた。なんとなく運命を感じる。
高速船の中でやっていたテレビでたまたま粟島のタコ捕りが生中継されていた。なんとなく運命を感じる。

快晴の粟島に上陸

この日の天気は見事な快晴で、最高のタコ捕り日和。澄み切った粟島の空と海に感動しながら上陸をした。

さすがはママチャリで1周3時間という小さな離島だけあって、ものすごくのんびりとした時間が流れている感じがする。

天候の良さもあって、「また来年も来よう!」と、早くも誓ってしまった。
粟島は地名で言うと、粟島浦村だそうです。
粟島は地名で言うと、粟島浦村だそうです。
村のメインストリート。いいでしょう。
村のメインストリート。いいでしょう。
港には宿泊先となる民宿の方が迎えに来てくれていたので、チャンプとその同僚と3人で、まずは民宿へと向かう。この民宿の方が、磯ダコ捕りツアーのインストラクターとなるのだ。

今回お世話になったのは与平という民宿なのだが、7年連続でタコ捕りに来ているというチャンプの話では、ここのご夫婦がタコ捕りに掛ける意気込みは並々ならないものがあるそうで、去年優勝できたのもこの民宿だったからというのが大きいらしい。
与平はタコを捕る~、ヘイヘイホー(浮かれています)。
与平はタコを捕る~、ヘイヘイホー(浮かれています)。
部屋に入ると、記念タオルと白い軍手が待っていた。
部屋に入ると、記念タオルと白い軍手が待っていた。
磯ダコ捕りツアーのスケジュールは、土曜日にタコ捕り大会が行われて、翌日の日曜日の昼にわっぱ煮という粟島の名物料理を食べながらの表彰式となる。1泊2日、夜、朝、昼の3食付き。

昼に到着するフェリーでも大会は13時からなので間に合うが、チャンプに言わせると優勝をするには絶対に朝一番の高速船で上陸するべきなのだそうで、素直にその指示に従ったのだが、確かに早く着いてよかった。

港の周りをぶらぶらと散歩することで、島の空気に自分が少しなじんだような気がした。これでタコ捕りはバッチリだ。
与平だけでなく、どの民宿も磯ダコ捕りツアーには力を入れているようで、入念に準備している姿があちこちで見られた。
与平だけでなく、どの民宿も磯ダコ捕りツアーには力を入れているようで、入念に準備している姿があちこちで見られた。
カニだったり魚だったり疑似餌だったりと、民宿ごとに使用するエサが違うようだ。
カニだったり魚だったり疑似餌だったりと、民宿ごとに使用するエサが違うようだ。
昼食に港の前にある「あわしま屋」で食べた、これぞ食堂のラーメンという感じのラーメン。地物のノリが嬉しい。
昼食に港の前にある「あわしま屋」で食べた、これぞ食堂のラーメンという感じのラーメン。地物のノリが嬉しい。

タコ捕り大会の開会式

ここ数か月で一番というくらいののんびりとした時間を過ごしたら、お待ちかねのタコ捕り大会のスタートだ。

この日の参加者は95名だそうで、フェリー乗り場のある内浦という集落と、島の反対側にある釜谷という集落に分かれての同時開催となる。

ルールは2時間一本勝負で、捕ったタコの総重量を競い合う。そして上位3名にはタコ捕り名人の名誉と共に、島の名産品などの賞品がでるらしい。
開会式では、怪我をしないように、そしてアワビやサザエを見つけても拾わないように、という注意事項が伝達された。
開会式では、怪我をしないように、そしてアワビやサザエを見つけても拾わないように、という注意事項が伝達された。
手前が前年度第2週のチャンプで、左奥のマッカチンが初参加のチャンプの同僚。右の二人は与平のご主人と奥さん。
手前が前年度第2週のチャンプで、左奥のマッカチンが初参加のチャンプの同僚。右の二人は与平のご主人と奥さん。
さすがはチャンプ、磯でも滑りにくいプロ仕様のフェルト底の靴を履いている。
さすがはチャンプ、磯でも滑りにくいプロ仕様のフェルト底の靴を履いている。
開会式が終わると、急いで各民宿ごとにお目当てのタコ捕りポイントへと移動。

このポイント選びが勝敗を大きく左右するのだが、男女合わせて総勢10人の客を引き連れてのタコ捕りとなるので、なるべく安全で広さのある場所がどうしても選ばれるそうだ。ちなみに与平のお客はほとんどが大会のリピーターだった。

与平のおかみさん曰く、タコを本気で捕りたいのなら、少人数で攻められる大会期間以外がおすすめとのこと。時期的にはクリスマスくらいまでできるらしい。
ポイントに到着すると、村祭りの小道具みたいなタコ捕りの道具が配られた。
ポイントに到着すると、村祭りの小道具みたいなタコ捕りの道具が配られた。

粟島流磯ダコ捕りの道具と方法

粟島での磯ダコ捕りに使用するのは、2種類の竹竿。先っちょにタコを寄せるエサが縛られたものと、タコを引っ掛けるための針が付いたもの。

与平のエサはタコの大好物であるカニで、これだと一度食いついたらなかなかタコが離れないそうだ。

竹竿をビニールテープでグルグルと補強してあるのが、子供の頃に使っていたカラーバットを思い出させた。
エサは生のカニ。ピンクのビラビラ付き。
エサは生のカニ。ピンクのビラビラ付き。
カギと呼ばれるタコを引っ掛ける道具。佐渡島流とは形状が違う。たぶんご主人のお手製。
カギと呼ばれるタコを引っ掛ける道具。佐渡島流とは形状が違う。たぶんご主人のお手製。
私は本気なので、赤いマイ軍手を持参してきました。
私は本気なので、赤いマイ軍手を持参してきました。
この2本の竿を使ってどうやってタコを捕るかというと、まずエサが縛り付けてある竿をタコのいそうな場所でカサカサと動かす。

すると保護色で身を隠して潜んでいたタコが、エサに向かってガバっと抱き着いてくるので、そこを針のついた竿で引っ掛けて抜きあげるのだ。

この引っ掛けて抜きあげる作業はある程度の慣れが必要なので、チャンプのようなベテランは自分でおこなうが、私のような初心者はインストラクターである民宿のご夫婦がやってくれる。
エサをカサカサと動かす(水中だと思ってください)。
エサをカサカサと動かす(水中だと思ってください)。
潜んでいたタコが抱き着いてくる。
潜んでいたタコが抱き着いてくる。
そこをカギで引っ掛けて抜きあげる。
そこをカギで引っ掛けて抜きあげる。
ちなみに去年の大会では、チャンプは2時間で6杯も捕ったそうだが、今回は波も風もない絶好のコンディションなので、優勝ラインはそれ以上となる可能性が高い。

個人的な価値観で言えば、タコ捕りチャンピオンの栄冠は孫の代まで語り継げる名誉なので、ぜひともこの手で勝ち取りたいところである。

それにしても毎週100人がタコを捕ってもまだ捕れるって、粟島にはどれだけタコがいるんだろう。
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タコを捕る海岸に到着

与平のご主人がタコ捕りの場所に選んだのは、砂浜にゴロゴロと岩が転がっている浅瀬だった。水深は30センチもなく、水が透き通っているので底が丸見えだ。

これなら子供でも安全に遊べそうだが、とてもタコが捕れるような場所には思えない。どうした、与平。

ところでタコ捕りに夢中になっていて気が回らなかったのだが、あとで写真を見返したら、ものすごく景色がよかったので、写真大き目で掲載します。
レッツゴー、タコ捕り。
レッツゴー、タコ捕り。
びっくりするくらいの浅瀬でスタート。本当にここでタコが捕れるのかちょっと不安。
びっくりするくらいの浅瀬でスタート。本当にここでタコが捕れるのかちょっと不安。
今この瞬間、この小さな島で100人近い人がタコを捕っています。
今この瞬間、この小さな島で100人近い人がタコを捕っています。
水の透明度が素晴らしい。秋のタコ捕りもいいけど、夏のシュノーケルもいいだろうな。
水の透明度が素晴らしい。秋のタコ捕りもいいけど、夏のシュノーケルもいいだろうな。
夢中になってタコを探しはじめて数分、早くも参加者の一人がタコを捕獲成功。そして次々にあちこちから湧き上がる歓声。

すごい、本当にこの浅瀬にタコがいる。観光地のニジマス掴み取り会場みたいな穏やかさだが、ここに野生のタコがいるのだ。
小型ながらもファーストタコをゲットしたのは女性の参加者。
小型ながらもファーストタコをゲットしたのは女性の参加者。
こちらでは良型のタコが上がっていた。
こちらでは良型のタコが上がっていた。
そしてチャンプも楽々とタコをゲット。
そしてチャンプも楽々とタコをゲット。

タコを目視で発見!

この海には確実にタコはいるようだが、なかなか自分の竿にヒットしてくれないので、インストラクターである与平のご主人にアドバイスを求めたところ、岩陰に竿先を突っ込むのではなく、そこから少し離れた場所で誘うのがポイントなのだそうだ。

タコは目がいいので、エサを見つければすぐ飛びついてくるらしく、岩の奥だとタコが食いついてきても、張り付いてしまって抜きあげるのが難しくなるのだという。
このようにタコがいそうな場所をあえて少し外して誘うのがコツだそうです。
このようにタコがいそうな場所をあえて少し外して誘うのがコツだそうです。
ご主人に言われた通り、岩場を少し外して竿先でトレースしながらタコを求めて歩いていると、エサでおびき出す前に、海底にいるタコが見えてしまった。

これは「見えダコ」と呼ばれるタイプの不用心なタコで、慌ててエサを近づけると、すぐに抱き着いてきて竿先がズシンと重くなった。

この竿先から伝わってくる重量感こそが、磯ダコ捕り最大の魅力なのだろう。本当は見えないところからタコが急にガバっと抱き着いてくるので、もっと驚けるはずだ。
透明度が高すぎて、海底にいるタコが見えた。
透明度が高すぎて、海底にいるタコが見えた。
これは翌日に撮った水中の様子。タコ、かっこいい
これは翌日に撮った水中の様子。タコ、かっこいい
しっかりとタコが抱き着きついたことを、目と竿の感覚で確認して、カギを持ったご主人を呼ぶ。

私の竿先に抱き着いているタコを目がけてカギが突っ込まれて、そして一気に引き抜かれた。
タコを目がけてカギが突っ込まれた。
タコを目がけてカギが突っ込まれた。
ナイスタコ!
ナイスタコ!
ご主人から手渡されたのは、頭の大きさがミカンくらいの小さなタコだったが、嬉しい粟島での初タコである。

手にした瞬間、「うひょう!」という浮かれた言葉が口からこぼれた。

なんともいえない達成感。このままタコの足先をガブリといきたいところだが、食べてしまうと検量のときに損をするので、そのままネットにイン。
粟島のタコ、なんだか足が長くてスタイルがいい気がする。
粟島のタコ、なんだか足が長くてスタイルがいい気がする。
この記念すべき一杯目を無事に捕まえた数分後、二杯目もまさかの「見えダコ」だった。

偏光グラスという水面がキラキラしない卑怯なメガネを掛けているからか、こういう浅場だとタコがエサを見つける前に、私がタコを見つけてしまうようだ。
2杯目も見えダコ!
2杯目も見えダコ!
近くにいたチャンプにキャッチしてもらった。
近くにいたチャンプにキャッチしてもらった。
タコって本当にいいよね。
タコって本当にいいよね。

本来の段取りでタコをキャッチ!

3杯目こそは「見えタコ」ではなく、急に襲い掛かってきてほしいなと思いながら探り歩いていると、岩陰からフワッと黒い影が竿先のカニを覆い、竿先が一気に重くなった。

その一連の流れをこの目で見ることができたのだから、これは興奮して当然だろう。タコを目で見つけるのとはまた違った感動が全身を貫く。

これだ、この突然やってくるタコの衝撃こそが、磯ダコ捕りの醍醐味だ。
ものすごくわかりにくい写真ですが、白い砂地で誘っていたら、岩陰からタコが襲い掛かってくるのが丸見えだったんですよ。
ものすごくわかりにくい写真ですが、白い砂地で誘っていたら、岩陰からタコが襲い掛かってくるのが丸見えだったんですよ。
突然やってきたタコに喜びすぎて、思わず手にしていた竿を折ってしまった。

ド素人っぽい失敗をやらかしてしまったが、そのくらい嬉しかったのだと思う。
ごめんなさい。スペアの竿をお借りしました。
ごめんなさい。スペアの竿をお借りしました。
すごく景色がいいのだけれど、みんな下しか見ていない。
すごく景色がいいのだけれど、みんな下しか見ていない。
どんどんと歩いて足で稼ぐのがチャンプのスタイルらしい。
どんどんと歩いて足で稼ぐのがチャンプのスタイルらしい。

素晴らしすぎるロケーションでタコを探す

磯ダコ捕りは同じ場所で粘っても仕方がないので、少しずつみんなで移動をしながらタコを追い求める。

渓流釣りとかと違って、人が一度攻めたポイントでも、そこからタコが出てくることが結構あるので、なかなか油断ができない。

タコ捕り大会は2時間で、やる前はちょっと物足りないかなと思ったが、このくらいが集中力の持つちょうどいい長さのようだ。
私は2泊して月曜日に自転車で粟島を一周したのだが、島の海岸のほとんどが、こんな感じのタコ捕りに適した場所だった。
私は2泊して月曜日に自転車で粟島を一周したのだが、島の海岸のほとんどが、こんな感じのタコ捕りに適した場所だった。
海の向こうに見えるのは本州の山々。
海の向こうに見えるのは本州の山々。
タコがたっぷりと入ったネットをぶら下げたリピーターの女性。
タコがたっぷりと入ったネットをぶら下げたリピーターの女性。
この海岸が家の近所に欲しい。
この海岸が家の近所に欲しい。
初挑戦のチャンプの同僚も見事タコをゲット。
初挑戦のチャンプの同僚も見事タコをゲット。
見かけ以上にワイルド系の人だった。
見かけ以上にワイルド系の人だった。
この日は去年を上回る7杯をとったチャンプ。しかし今年はサイズに不満があるらしい。
この日は去年を上回る7杯をとったチャンプ。しかし今年はサイズに不満があるらしい。
岩から少し離れたところを狙わないといけないのだが、ついついガシガシと突っ込んでしまう。
岩から少し離れたところを狙わないといけないのだが、ついついガシガシと突っ込んでしまう。
その結果、カニがボロボロになってしまう。上手な人のカニは1日やっても傷がつかないそうだ。
その結果、カニがボロボロになってしまう。上手な人のカニは1日やっても傷がつかないそうだ。
仕方がないので、その場でカニを捕まえて、落ちてた紐で縛り付けるDIY作戦。
仕方がないので、その場でカニを捕まえて、落ちてた紐で縛り付けるDIY作戦。
しかしすぐに外れてしまった。カニを縛るのにもコツがいるらしい。来年は予備のカニとタコ糸を持参しようかな。
しかしすぐに外れてしまった。カニを縛るのにもコツがいるらしい。来年は予備のカニとタコ糸を持参しようかな。

結局3杯でした

なんだかんだで後半失速してしまい、結局3杯しか捕まえることができなかったのだが、磯ダコ捕りのコツはなんとなく掴めたような気がするので、もし来年も参加することができたのなら、今度こそは優勝争いに絡めそうな気がする。

ちなみに与平のお客さんは、ご夫婦による全力サポートのおかげで、全員がタコを捕ることに成功したようだ。
小型のタコが3杯。大会は天候の安定している9月に行われるけれど、タコはこれから冬にかけてサイズがどんどん大きくなるらしい。
小型のタコが3杯。大会は天候の安定している9月に行われるけれど、タコはこれから冬にかけてサイズがどんどん大きくなるらしい。
ナイスタコ!
ナイスタコ!
厳正なる検量の結果、266グラムでした。
厳正なる検量の結果、266グラムでした。
優勝を狙えるような結果とはならなかったが、とりあえず無事にタコ捕り大会を終えた後は、港にある温泉にゆっくりと入って、港でちょこっと釣りをして(ものすごく簡単に釣れる)、宿に帰って島で捕れた魚たっぷりの食事をいただいた。スズキの煮付が絶品だった。

そして食後にそのまま食堂でダラダラとしていたら、ご主人やその友人との宴会となり、明日の朝5時半から、またタコ捕りにいこうという話になった。タコは早朝や夕方のほうがよく捕れるらしい。

まさに朝飯前であるが、こちらとしてははるばる粟島までタコを捕りにやってきたので、その申し出は大歓迎だ。起きられたらだけど。
粟島の水を使って仕込んだ日本酒が、なんだかスイスイ飲めるんですよ。
粟島の水を使って仕込んだ日本酒が、なんだかスイスイ飲めるんですよ。
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朝日を眺めながらの磯ダコ捕り

翌朝、どうにか5時に起きられたので、昨日のポイントとは別の場所に連れて行ってもらった。チャンプの同僚は持参したアルコール46%の酒を飲みすぎて、起きられずに不参加。

ここは足場が少し悪いが、その分大きなタコが残っている可能性が高いらしい。

ちょっと興奮気味、そして緊張気味だった大会中とは違い、朝日の昇る海の絶景を眺めながらの、のんびりとしたオープン戦のスタートだ。

大人数で競い合う大会もいいが、こうやってマイペースにタコを捕るのもまた味わいがある。
こちらは島の東側なので朝日が綺麗。
こちらは島の東側なので朝日が綺麗。
このロケーションで、磯釣りではなく磯ダコ捕りというのが粟島っぽい。
このロケーションで、磯釣りではなく磯ダコ捕りというのが粟島っぽい。
昨日一緒に飲んだタコ好きのおじさんが良型をゲット。
昨日一緒に飲んだタコ好きのおじさんが良型をゲット。
今日は自分でカギを持って、セルフサービスでタコを捕った。
今日は自分でカギを持って、セルフサービスでタコを捕った。
確かに昨日よりも良型が多かった。ナイスタコ!
確かに昨日よりも良型が多かった。ナイスタコ!
朝ご飯までの2時間弱で、昨日を大きく上回る5匹をキャッチ。明らかに上達しているのが自分でもわかった。

この場所は少し水深があるため、竿先の様子が目でははっきりとわからないので、タコが抱き着くと、動かしていた竿先がいきなりズシンと重くなる。その感触がたまらないのである。

チャンプもタコ好きのおじさん(この大会で2位だった)も5匹だったので、来年はやっぱりいい線行くと思う。
良型を5匹ゲット。昨日これだけ捕れたら優勝だったかな。
良型を5匹ゲット。昨日これだけ捕れたら優勝だったかな。

3度目のタコ捕り

宿に戻って、これぞ民宿の朝ご飯という感じの朝食をたっぷりといただき、表彰式までまだ時間があるので、また竿を持って海へと出た。

まさかの3度目の磯ダコ捕りである。

他にすることがないという訳でもないのだが、それくらい磯ダコ捕りが楽しいのだ。
また違う磯を攻めてみました。
また違う磯を攻めてみました。
まさかのエチゼンクラゲ!
まさかのエチゼンクラゲ!
この旅で一番の大物をゲット。ここで2杯捕ったので、トータル10杯!
この旅で一番の大物をゲット。ここで2杯捕ったので、トータル10杯!
2日間で計3回、トータル6時間に及ぶ粟島の磯ダコ捕りはこれにて無事終了。

たっぷりと堪能させていただきました。
グッドタコ!
グッドタコ!
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昼飯を食べながらの表彰式

日曜日の昼に行われたタコ捕り大会の表彰式は、粟島名物のわっぱ煮という焼けた石で作る味噌汁とおにぎりを食べながらの、のんびりとしたものだった。

こういう遠足っぽい食事の雰囲気、大好きだ。

なんだか昨日の大会がすごく前の事のように思える。
なんだか昨日の大会がすごく前の事のように思える。
焼き魚とネギと味噌が入った「わっぱ」に、たき火で焼いた石を入れて一気に煮る。焼け石に味噌汁。
焼き魚とネギと味噌が入った「わっぱ」に、たき火で焼いた石を入れて一気に煮る。焼け石に味噌汁。
イシダイの子供が丸ごと入っていた。豪快。
イシダイの子供が丸ごと入っていた。豪快。
今大会で優勝したのは、女性の方だった。数としては6杯とチャンプよりも少なかったが、どうやら捕ったタコのサイズが大きかったようだ。チャンプは数グラムの差で4位となり、残念ながら入賞を逃した。
優勝おめでとうございます。
優勝おめでとうございます。
私はもちろん入賞しなかったのだが、表彰式の後に抽選会があり、それで島のあずきを使ったお菓子をゲット。こういう抽選会で当たった試しがほとんどないので、自分の番号を呼ばれてびっくりした。
抽選会で当たった!
抽選会で当たった!
たぶん島唯一のお菓子屋さんで売っている千代華というお菓子。島のあずきで作った餡が上品で超おいしい。池袋で11/23、24に行われるアイランダー2013</a>に出展されるらしいよ。
たぶん島唯一のお菓子屋さんで売っている千代華というお菓子。島のあずきで作った餡が上品で超おいしい。池袋で11/23、24に行われるアイランダー2013に出展されるらしいよ。

粟島観光ダイジェスト

そんな感じで磯ダコ捕りツアーを堪能した訳だが、せっかく粟島までいくのだからと、2泊してタコ捕り以外も楽しんだので、そちらもちょっとご紹介。

役場にレンタル自転車があり、それで島をぐるりと一周すると3時間くらい。島を自力で一周できるというのが、征服した感が味わえて素晴らしい。

タコを捕って、自転車に乗って、温泉に入ると、ちょっとしたトライアスロン気分が味わえると思う。
海がものすごくきれい。シュノーケルの道具を持ってくればよかったと激しく後悔した。
海がものすごくきれい。シュノーケルの道具を持ってくればよかったと激しく後悔した。
島の西側にあるワイルドなキャンプ場。たぶん椎名誠の本で読んだ場所だ。民宿もいいがキャンプもしたい。
島の西側にあるワイルドなキャンプ場。たぶん椎名誠の本で読んだ場所だ。民宿もいいがキャンプもしたい。
ロールプレイングゲームの世界みたいな階段。コスプレ撮影会とかどうですかね。
ロールプレイングゲームの世界みたいな階段。コスプレ撮影会とかどうですかね。
フェリー乗り場から海に向かって右にずっと歩いていくとあるアゲハチョウの幼虫そっくりの奇石。ナウシカのオウムっぽくもある。
フェリー乗り場から海に向かって右にずっと歩いていくとあるアゲハチョウの幼虫そっくりの奇石。ナウシカのオウムっぽくもある。
なんかメーメー聞こえるなと思ったら、ヤギがいた。
なんかメーメー聞こえるなと思ったら、ヤギがいた。
海沿いにあるあわしま牧場</a>。ものすごくいいロケーション。
海沿いにあるあわしま牧場。ものすごくいいロケーション。
海を見ながらの優雅な乗馬体験。
海を見ながらの優雅な乗馬体験。
あわしま牧場の蛸懐っこい犬。
あわしま牧場の蛸懐っこい犬。
このほかにも、大謀網(大型定置網)漁の見学や、誰でも簡単に釣れるという穴釣りなど、とても小さい島だけれど、やってみたいことがたくさんあった。

春はタイなどの魚がおいしく、バードウォッチング天国だそうで、夏はもちろん海水浴が楽しめるし、冬になると防波堤からでっかいヤリイカが釣れるらしい。タコもいいけどイカもいい。

粟島、いいところだと思います。

粟島を知れてよかったです

捕まえたタコは冷凍してもらって持ち帰ったのだが、旨みがたっぷりとあってとてもおいしかった。タコ捕り大会というきっかけがなければ粟島へ行く機会は一生なかっただろうけれど、またきっと行くと思う。

とりあえず粟島と佐渡島への定期券が欲しい。
タコ、脚がクルクルしてかわいい。
タコ、脚がクルクルしてかわいい。

■問い合わせ先:粟島観光協会

イカとタコの本が出ています

ところでタコといえば、元デイリーライターの土屋遊さんが編集した「イカタコ大合戦」という本に参戦しました。

いろいろな参加者が、写真・イラスト・漫画・日本画・フェルト作品・編み物・ビーズ作品・紙切り工作・妄想工作・ぬいぐるみ・フォント・ネイルアート・絵封筒・消ゴムはんこ・コレクション・作文・回文・レポート・恐怖小説などを寄稿していて、盛りだくさんの内容です。

デイリーライターの乙幡さん、べつやくさん、高瀬さん、大北さんも参加していますので、よろしければどうぞ。
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