確かに早い
1年生上巻の算数の教科書の目次。
(1)数えましょう (2)比べましょう (3)1~5までのたしざんとひきざん
1年生上巻の教科書を見ると、3番目に足し算と一緒に引き算をやるけれど、けれども計算するのは5までの数字で、6から10までの数字は(6)まで待つようだ。
さらに(8)でいきなり時計の読み方を教えるみたいだ。確かに1年生から勉強量は日本より多そうだ。でもって教科書は分厚い。
まず最初のページ「数一数(数えましょう)」のページを見てみると…
まずは国旗だった。
国旗からスタートする。
次は…なんだろう。鉄棒だろうか。3はスケボーではなくきっとベンチだろう。4の謎の物体はなんだろう。
そこにりんごやみかんはなかった。
鳥が7羽、木が8本、9人の友達ときて…
10人目も友達だった。
次の章は「比べてみよう」。絵から数を比べたり、並べたりする。文字ばかりだったら漢字だらけになるから絵ばかりなのかもしれない。でも直観的でいいと思う。
絵の中から様々なテーマで数を比べっこ
テストでは法則性を求める問題も。答えの絵を描くのが難しそうだ
その先のページでは小学1年生で直方体に立方体に円柱に球と進度が速い!
さりげなく愛国心を挟むコラム「生活中的数」
2000年のオリンピックで中国は28枚の金メダルを獲得したとか、 今年10月1日に中国成立何周年になったとか。
時計と時間の章では、切符や国旗を掲げる時間を例として出してる。
算数はりんごやみかんだけではない
足し算(加法)と引き算(減法)の章がやってきた。足し算と引き算、1つの章で両方ともやってしまうのだ。早い!
足し算といえば、活躍するのはりんごやみかんである。たろう君は2個のりんご、花子さんは3個のみかん、合わせて何個のくだものがあるでしょうか、というアレである。
お国が変われば例も変わる。中国の教科書も違っていた!
足し算。折り紙を使っている。
引き算では折り紙をもって颯爽と立ち去っていく。
日本人から見れば、折り鶴を持って去る男の子に、にこやかな男の子女の子と、シュールな絵柄に見える。でもそれは中国人にとっては当たり前の絵でクスッとなるポイントではない。
机に並べられたりんごやみかんはもう飽きた。漫画家が自由に足し算引き算の例を描いたほうが想像力がはぐくまれるのではないだろうか。
「計算をしましょう」なんて書かない。 最初から日本の大学の教科書のように黙ってやらせるのである。
「3匹のカエルは全部で何匹の害虫を食べたでしょう」 …テストには文章題もある。
「登山。」という設問はあった。 割り算は2年生のうちに習うようだ。
デシリットルよりも中国元
2年生で早くも割り算を勉強するが、1年生に話を戻すと、このあと時間のほか、お金についての章が出てくる。日本だと単位は円だけだけれど、中国だと元のほかに、元の10分の1の「角」、元の100分の1の「分」が現役で使われているのだ。算数では実社会になれるよう、1年生のうちにお金について学ぶのだ。
僕は小学校低学年で覚えたデシリットルについて、生活上使った記憶がないけれど、デシリットルの概念にも似た人民元はより実践的な勉強ではないだろうか。
お金の話には、中国でもぶたの貯金箱が登場する
単位換算も覚える。リットルとデシリットルのような関係だ
白黒印刷のテストだと、どうもぼくら外国人にはわかりづらいが、 中国の子供たちは見極め方を勉強済みだろう。
元と角を使った足し算も。買いたくないけど実用的!
時速6kmで歩く兄に思いを馳せる
調べてて面白かったし、如何にりんごとみかんの呪縛にとらわれていたかを考えさせられた。日本のもう数年上の教科書には、時速6kmで歩くお兄さんと時速4kmで歩く弟が登場し出会うような問題がでてくるけれど、中国だとどういう問題がでるのだろうか。
算数は数字が主なのでぼくらでも違いがわかる。きっと英語でもわかる。きっときっと他国の算数や英語の教科書も発見の連続だろう。海外旅行に行ったら現地の本屋で小学1年生の算数の教科書を捜すというのもオツな行為ではないだろうか。