世界的に住所が足りない
技術的なことは完全に専門外なので、間違いを指摘されないようあやふやなことばかり言います。
IPというのはインターネットの識別番号というか住所みたいなものらしく、 ネットに繋ぐときには知らず知らずのうちに必ず割り当てられるものらしい。
そしてそれが現在主に使われているIPv4なる技術では、42億個までしかIPがないそうだ。 地球人口が70億人以上であることを考えるとかなり足りない。
IPv4おじいさんが生み出せるIPが人口に対して足りなくなっている。
IPが足りなくなると、ネットに繋げなかったり空くまで順番待ちすることになるんだという。ハイテクなパソコンの世界でも、戦後の芋の配給みたいな状況が起きるのだ。
もう単位が謎のIPv6
そこで生み出されたのがIPv6で、これはIPの数が340澗という、斬新なタレント名みたいな謎の数字であり、ほぼ無限だそうな(澗の読みは“かん”で、340兆の1兆倍の1兆倍ぐらい)。
IPv6はIPの数がほぼ無限。
あやふやなイメージから作るIPv6
というIPv6の話から連想して、見た目がかっこいい何かを作ればいいらしい。 特に動いたり光ったりしなくいいから気は楽だが、どうしよう。
先ほどの説明からすると、IPv6は世界中のIPを生み出す全IPにとっての母のような存在と言えるかもしれない。つまりマザーコンピューターだ。
そう考えると、いろいろ想像出来る。 きっと近未来的な空間に大きな顔が浮かんでいて、 そこから全ネットワークに接続、地球上のIPを監視しながら人類への反乱を企てているに違いない。
そういう想像を元にスケッチしてみた。
IPv6想像図。
かっこいいマザーコンピュータを目指して
だいたいのイメージが(あれでも)出来たので、 後は作りながらその場のフィーリングでアレンジしていこう。
付けたらかっこよさそうな物を手当たり次第に買ってきた。
マザーコンピューターの筐体はダンボールです。
この中にこの顔が浮かぶ。
パーティーグッズ売り場にある仮面はどれもかなりふざけた顔をしているものだが、 これはその中でも一番マジメそうな顔をしていた。
それもそのはずで、この仮面はベネチアンマスクを作るときの型として使われる物だそうな。札にもThis is not a toyと書かれている。
でもハンズでひょっとこと一緒に売られていた。
かっこいいダンボール爆誕
とりあえずまずはマザーコンピューターの筐体となるダンボールの見た目をかっこよくしよう。
ダンボールそのままだとこの後なにをやっても生活感丸出しに なってしまうので、出来るだけかっこいいダンボールにしないといけない。
シルバーに塗って近未来感アップ。
ハンズで売ってた用途不明の金の端材を貼ってゴージャスに。
全方位レーダーみたいな玉を追加。
ハイテクに見える意匠を施す。これはかなり効果が大きかった。
最後にシルバー塗装したスチロールの円錐を付けて角を再現。 角はいつの時代もかっこよさの象徴である。
かっこいー。
500円のダンボールが、一気に2000円ぐらいのダンボールになった。 実際それぐらいの材料費かかってるから当たり前なんだけど、やっぱり金と銀とあと角があればグッとかっこよくなる。
仮面をマザー化
筐体が出来たので、本体のマザーの方もかっこよくしていきたい。
スケッチの段階ではどうするか決めていなかったが、 秋葉原のパーツショップなどを回って見ることで、いろいろ案が浮かんできた。
コンデンサー。これを仮面に付けてサイバーパンク風にしたい。
予想外にかわいくなった。小鬼系ギャル。
あとやっぱり目が欲しいので中にピンポン球を入れている。
LANケーブルの穴が売ってたので、ダンボールと仮面はLANケーブルで繋ぐことにした。
ルーター化。
どんな物でも寝させるとかわいい。
この仮面と筐体をLANケーブルで接続して吊せば、一応は完成である。
しかしケーブルが長かった。
束ねるとリボンみたいでもっとかわいい。
長さに関しては、特に工夫することもなく針金で巻いて短くした。 こういうのもむしろマザー(お母さん)らしくていいと思う。
IPv6マザーコンピュータ完成
「こんにちは、IPv6です」
まるで雑なスケッチからどうなることかと思ったが、 最終的には最初の想像したのとかなり近い。
そして見た感じすごい機能を持ってそうなのに、ただかっこいいだけというのがまたさらにかっこいい。
意外とシンプルな造形にまとまった。
なにかの映画で見たことある気がする。
しかしこれだけ作って「IPv6です」と言っても、予想通りより意味不明になった感は否めない。
アイドルが認知度高めるための営業として地方のお祭りで歌うように、 IPv6のメリットをアピールしたことを色んな場所でさせてやるべきだ。
IPv6は速いらしい
IPv6の利点はどういうものなのか、IPが無限ということ以外は正直よく分かってない。むしろ無限なのはすごいことだから、無限なだけでいいじゃないか。
でも聞いた話によると、IPv6はIPv4に比べてネットが速いらしい。それは分かりやすくていい利点だ。それをアピールしよう。
車輪を付けた。
速い=スピード=車だから、車輪を付けて走らせようというものすごい単純なやつだ。
難解なものを説明するときは簡単な方法でするのがセオリー。もうすでに工作でわけ分からなくなっているのは気にしない。
起動前のIPv6。
加速性能が半端ないIPv6。
横から見るとただの箱だったIPv6。
速さは変わらないらしい
だがもっとよく聞いてみると、どうもIPv6とIPv4で出せる速度は下り最大1Gbpsで同じらしい。そうなのか。
なんだ・・・
速くないのか・・・
空いてるから速いかもしれない
しかしIPv6はIPv4に比べてまだだいぶ空いてるらしい。340澗もあるのに、現時点ではまだIPv4の方が利用者が多いなら、それはものすごいスカスカだろう。
出せる最大速度は同じでも、速度の出しやすさは空いてる方が圧倒的に出やすいはずだ。
空いてるから速い!
速いぞIPv6!(※実際に空いてるから速いかのは分かりません)。
IPv6がどれだけ速いかご理解いただけたかと思う。
しかしIPv6の利点はこれだけでは伝えられない。 次はもっと人を引きつける方法でIPv6をアピールしたい。
姿を変えるIPv6
実はなんとあのIPv6をイメージした工作(言っておかないと忘れる)は、あれで完成ではない。仮面に映像を投影して様々な顔に変えられるという機能があるのだ。
つまりプロジェクションマッピング(物や建物に映像を投影する方法)である。
あの顔を仮面に合わせるように持ってきて…
怖っ!
最近流行りのプロジェクションマッピングで人を引きつけてIPv6をアピールするという算段だったが、すごい不気味になったじゃないか。引きつけるどころか逆に引く。
工作のイメージがマザーコンピューターということで女性の顔を投影したのがダメだったのか。いやでもそこはいまさら変えられない。
なんとか不気味さをなくしてみよう。
かわいらしくハートを散りばめてみました。
全然かわいくなってないけど、華やかさはある。 愛想はないけど着てる服はかわいいマザーさんなのだ。
しかしこれではIPv6を連想させるものが一切ない。 それを言ったら最初からないだろという話だが、 その分ここで一気にIP寄りにさせたい。
IPv6マザーコンピューター始動。
世界中のIPがここから生み出されていく。
かっこいい。六本木のクラブとかに置いてあっても不思議じゃない。 マザーコンピューターの周りを輪になって踊るのだ。マザーコンピューターの人類侵略はそういうところから始まっていく。
IPv4との比較
ここまでIPv6工作をフィーチャーしてきたが、 現在主に使われているIPv4との比較も工作でしておいた方がより分かりやすいかもしれない。
用意するのはスチロールの長方形ひとつ。
「こんにちは、IPv4です」
顔がおじいさんなのは、1ページ目でIPv4の説明画像におじいさんを使ってしまったからです。
並べてみると、IPv6とIPv4の違いがよく分かるだろう。
IPvの変遷を表現
ところでIPv6とv4の話を聞いてから気になっていたが、 v1,2,3と5はどうしたのか。
おそらく進化の過程でなんらかの事情により消えていったのだろう。 だとしたら、その変遷をプロジェクションマッピングで表現すれば、 IPv6をより身近に感じてもらえるかもれない。
IPv1。全世界のIPが産声をあげた。
IPv2。若干イラッと来る。
IPv3。v2からの老け込みがすごい。
IPv4。技術的にも相当熟してきてる。
IPv5。失敗作。
IPv6。最高の未来。
v5で突然絵になってる。これは大幅な方向転換を断行した後、やっぱりダメだったから闇に葬ってまた元に戻るという事態が起こったのだと想像したからだ。
その顔がこんな風に変わっていく。
音声読み上げソフトで演奏したIPv6の歌も良い感じに雰囲気を出してると思う(個人の感想です)。
これからはIPv6
マザーコンピューターから人類へ送る言葉。
いろいろやってきたが、とにかく言いたいことは「これからはIPv6だ」ということである。
これで良かったのかなあ。
マザーコンピューターを思い出してください
僕自身技術的なことはちっとも分かってないので、IPv6がなんなのかについては結局全然伝わってないかもしれない。
それでも IPv6をイメージしたかっこいい工作でIPv6を具現化したことで、 ビジュアル的な印象を少しは残せたとは思う。
今後IPv6のことを目にする機会があったとき、 「ああ、マザーコンピューターね」と思っていただけるようであれば幸いです。