そんなわけで9月某日、渋谷。
私と友人Tさん、Kくんが集合。
TさんとKくんに「で、どんな店なの?」ときかれ、
「なんかスゲー中華なんだよ…」としか答えられない私。
人並みをかきわけて、午後3時くらいに行きました。
なぜならば、24時間営業のお店だから、すいている時間をねらったのです。
あった、あった。渋谷J(ジェイ)! なんとH&Mの向かいにあります。好立地。
で、看板が出てるんですが…。
「ベロ生」って。まあ、なんとなく、意味は分かるのですが。
うん、ベロフォー…。ベロフォーって言われても。
……なんだかよくわからない。
「なんか得なんだろうな~ということは分かるんだけど、イマイチ頭に入ってこない看板だね…。」とKくん。
いわゆる「ほろ酔いセット」もあるんだけど、これもイマイチよく分からない。
お店の入り口。酒オーケーって言われなくても…飲みますよ?
セ、セルフチャイナシステム? 要するに食券ってことですよね? 富士そば的な。
激安店なのに、お茶、無料なんだ。親切。
そんなわけで食券の前に立ったんですが。やはり、イマイチ分からない。
ハチ公コーナーって何よ!? すげー気になる!
「ねえねえ、ハチ公コーナーってあるんだけど!?」と私。
「押してみりゃいいじゃない。」とTさん。
そうね、押すわ。
ハチ公、押しちゃうよ?
ハチ公コーナーを押すと、こんな画面になりました。
3人で、画面を覗き込む。
「ハチ公もみじって何?」
「鶏の手みたいよ。」
「ああ、あのもみじか…。」
「100円って安いねえ。」
「餃子も5個80円だ、これ頼もう。」
「しかし、ハチ公ハイボール、3種類あるけど、なんぞ、これ!?」
「うーん、これは店の人にきいてみようよ」
「あと、J老(ジェイビー)ってなんだこれ!?」
「エビマヨ、ってメニューに書いてあったよ。」
「これも頼むかー。」
「飲み物は……ビールがいいよね?」
「じゃあ、このベロ生セットじゃないの?」
ベロコーナー…。
1杯267円くらいか? 安!
出て来たチケットは、生ビール、と書いてなくて、「オールマイティ」。 なんか嬉しいね、オールマイティを手にいれるのって!
とりあえずビールで。
ハチ公ハイボールの、差異を店員さんにきいてみた。
「初代はブルーハワイで、二代目は梅味で、ハチ公ハイボールはメロン味ですー。」
とのことだった。
渋谷っぽい、コンパっぽいお酒だったのね。
餃子はやっぱり安い。
あとのメニューは、中華街より、ひとまわり安い感じかな?
見上げると、シカの頭が。なんというか、インテリアが奇妙だ、ツイン・ピークスっぽい。
ペンギンが無意味に、吊られているし。
5つある時計は止まったままだし。
もみじ来ました! 見た目と違って、意外と噛み切れる、美味しい!
餃子来た。え、これ80円!(1人1皿までだって!)
羊肉カレー炒めをオーダー。
これだ、前回来た時、意識がモウロウとした中で、「なんかすごくうまい…」と思った料理は。
羊肉に、クミンがふんだんに使われている。
カレー炒めというより、クミン炒めだ。
「やばい、これ美味いね…。」
「いいねえ…。」
「すごく美味しい、クミン、ケチってない…。」
もぐもぐ、ぐびぐび、もぐもぐ、ぐびぐび、ワケわからなくなっていく一同。
「中華街で、ハズレの店に行くより、ここのほうが全然ウマイ…。」
「そうかも…。」
「店構えからは、想像つかないクオリティだよね…。」
海老マヨ450円、レタスに包んで食べる。めっちゃ美味いんですけど…。
ビールを飲み終わった我々は、ついにベロフォー突入。
これがベロフォー券! 1杯175円!
色付きの酒を飲み始める、友人Tさん。キケン!
「そんな、学生のコンパ酒を飲んで大丈夫なの?」ときくと、
「だいじょーぶ! おいしいし!」とTさんは無意味に自信まんまん。
ひとくち貰ったら、ほぼガリガリ君の味がした。
蒸し鶏の塩だれあえ。ツマミ仕様の塩かげん。
「俺、あんまり酒飲めないから、定食頼むー!」
と、言い出すKくん。
「だって定食、500円なんですよ、安いですよ!?」と。
どーん、来ました、マーボ豆腐定食。
「これ、ごはんの盛り、すごくない? 実質お茶わん3杯ぶんくらいあるよ!?」
「マーボも山椒きいてて本格派でウマウマですよ。いいわ、いいわああ。」
しかしKくん、その直後、酔っぱらってスープをドバシャーとテーブルに倒した。
ささっと掃除してくれるうえに、新しいスープを持って来てくれる店員さん。
なんだここは。天国か。そしてあなたは天使ですか。
私はハチ公ハイボールをおかわり。ほぼメロンソーダの味。
マーラータン(お店のおすすめメニュー)。これも山椒でしびれる! 海鮮が中に入ってるんだけど、イカがすごくやわらかかった!
「ねえねえ、麺とチャーハンとどっちがいい?」
とTさんがきくので、
「麺かなー」
と言ったら、Tさんがタンタン麺の食券を買ってきた。
「見たら、単品より、定食のほうが安かったから、定食のタンタン麺にしちゃった…。」
ええええ。
タンタン麺、ミニライスが付いて500円。
「ゴマをケチってない、濃厚な味だね!」
「濃さだけで言うと、天下一品の濃度だもんね、これ。」
「確かに、これの汁だけでゴハン食べられる…。」
昼間のお店利用者は、近所から来る、渋谷で働くアパレル関係の人が多かった。常連さんもいて「ちょっと辛めで!」とか、注文していた。
Kくん、Tさんが、白飯で完全におなかいっぱいになり、ギブアップしたので、この日は終了することにした。
っていうか、もっと、大人数で来たかった。いろんなメニューを、長時間かけて、食べたかった…!
渋谷という異常な場所で、チケット制で、スパイスばりばりの異国の料理を食べる。
それは、ちょっとしたフェスみたいな空間だった。
「この店はつぶれないで欲しいね…。」
「若い子とか、来るといいよね。」
「若くなくて、全然大丈夫だけどね。」
「広めよう! この店を広めよう!」
というわけで、渋谷ジェイ、みんな行こうぜ!!
大衆酒場 J渋谷
東京都渋谷区道玄坂2丁目25-10 清建ビル3F