誰がなんといおうとも「海の家」 !?
最初に書いちゃいますが、どーかした感じになっている民家の紹介記事です。
家主が和製・ガウディとばかりに、なにかに突き動かされるがまま自宅を改造して、アバンギャルドにもほどがある建造物にしてしまった家というのは時々見かけますが、その手の家があるのはたいてい地方なんですよね。やっぱり持ち家じゃないと、そこまで家をいじくるのは難しいので……。
ところが今回紹介するのは、都心から電車で20分程度のベッドタウン。駅からも近い場所で、こんな交通の便のいい場所にある家が今まであまり話題になっていなかったことが不思議です!
1975年群馬生まれ。ライター&イラストレーター。
犯罪者からアイドルちゃんまで興味の幅は広範囲。仕事のジャンルも幅が広過ぎて、他人に何の仕事をしている人なのか説明するのが非常に苦痛です。変なスポット、変なおっちゃんなど、どーしてこんなことに……というようなものに関する記事をよく書きます。(動画インタビュー)
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案の定、ものすごくインパクトの強い家には、ものすごーくインパクトの強いおっちゃんが住んでいました。
ツッコミどころ満載なこの「海の家」(?)、おっちゃんと一緒に細かいところを見ていきましょう。
「ほらコレ見て。ウチの住所、品川区西品川なの!」
――埼玉ですよね、ここ!?
「娘のウチが品川なんだけど、建て替える時にもらってきたんだよ」
――こういうものって勝手に貼り付けていいんですかねぇ? コレ見て混乱する人もいますよ!
――この「たちかわ」ってのは、駅にあるアレですよね? どこからこんなものを!?
「大昔に酔っぱらって拾ってきたんだよなぁー」
――ええーっ、ダメでしょ!
「ずいぶん前の話だから! 時効、時効!」
――えーっと、この写真は?
「アグネス・ラムだよ、知らない?」
――そういう意味じゃなくって!(どうして飾ったの!?)
「やっぱり、最近のヒョロヒョロした細い女はダメだなー。もっとムチムチしたグラマーな娘が好きだよ」
――……あ、そっすか(そういうことが聞きたかったんじゃない!)。
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――この辺の、わけの分からないオブジェたちは?
「たいだい拾ってきたか、誰かからもらったものだね。でも、オレのセンスに引っかかったものしか飾ってないよ」
――ほほーっ。
「『氷』っていうのれんを出してるから、喫茶店かなにかと間違えて入ってきちゃう人もいるんだよー」
――こんな飾り付けをされている一般住宅があるなんて思わないですからね……。
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――色んな人の写真が貼ってありますけど……?
「孫とか、オードリー・ヘップバーンとか、落語家とか、海でナンパしたお姉ちゃんの写真とか……とにかくオレの好きなものを貼り付けてあるの」
――な、なんで?
「自慢したいからかなー」
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――よく分からないメッセージも書いてありますね、標語? ポエム?
「コレは好きな言葉とか詩を貼り付けてるの。『For Others,With Others』っていうのは、尊敬する誰だかがいってた言葉なんだけど……どういう意味だったっけなぁー?」
――それを忘れちゃうってことは尊敬してないですよね。
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この辺の「晴耕雨読」「大空へのびる若竹なやみなし」という含蓄のある言葉たちも、周りのワケ分からない写真&オブジェたちのせいで説得力ゼロ
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電柱に貼られた標識(?)も勝手にカスタマイズしちゃってます。いいのか!?
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電柱の支線カバーも水色にカラーリング。いくら住人でも、コレを勝手に着色していい権利は持っていないと思いますよ!
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さらに、道路から見える壁には、こんなメッセージが。
「この壁があったらハッとしてスピードを落とすから、交通事故が減るでしょ?」
――逆にビックリして事故を起こしそうですけどねぇ。
ポイントポイントで色んな主張がありそうな感じはするものの、統一感がなさすぎて意味はイマイチ分かりません……
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セルフ・リフォームは一生の趣味なんでしょうね
「古いボロ家だから恥ずかしい」ということからセルフ・リフォームをはじめてしまったおっちゃん。結果的に「通りがかった人たちにバシバシ写真を撮られるくらい変な家」になってしまったことは恥ずかしくないんでしょうか?
近所の人たちがどう思っているかはともかく、おっちゃん本人は「自分が好きな物」だけをとにかく飾りまくった自宅に満足そうでしたが。
ちなみに海なし県・埼玉には「海の家」だけではなく、県営の「ビーチ」もあるそうで、そちらも近いうちに行ってみたいと思います。