そっくりなゴミ箱をAmazonで売ってた
新しいMacProが発表されるやいなや、ネット上ではその形状を「ランチジャーだ」「炭火焼だ」「いやバッファローマンの腕についてるやつだ」などと様々に形容していたものの、
Amazonでそっくりなゴミ箱が売られているということが発覚して以降、該当のゴミ箱のレビューが「新型MacPro大喜利」の様相を呈し、Amazonの公式Twitterアカウントが注意をうながすほどの事態に発展した。
このゴミ箱、新しいMacProそっくりだ!
「こちら新型MacProではありません」
つい買ってしまう
魔がさした、といえばそうかもしれない。買ってどうこうしようというもくろみがあったわけでもない。ほんの軽い冗談のつもりだった。Amazonでついやってしまいがちの衝動買いである。
しかしAmazonはすごい。冗談のつもりで注文しても、ほんとに商品が届くのだ……。
黒船登場
そして届いたゴミ箱がこちらだ。おしゃれでスタイリッシュなゴミ箱である。
このゴミ箱は、二重構造になっており、内側の筒にゴミ袋をかぶせておけば、外側の筒でそのゴミ袋を隠すことができる。
ダイソーで買ってきた適当なゴミ箱(100円)にレジ袋を突っ込み、騙し騙し使い続けて10数年。ついに我が家にスタイリッシュの黒船(3,465円)がやってきた。
といっても、最終的にはゴミ箱では無くなってしまうのだが……。
で、どうするのか?
「MacProそっくりのゴミ箱を手に入れた」場合、まず考えるのはこれを「本物のパソコンにしてしまう」という方策だ。
しかし、残念ながら、ぼくにはパソコンを自作するほどのハイブロウな知識は持ちあわせていないので、とりあえずコンピューターと名のつくものをゴミ箱の中に入れてみた。
それがこちらだ。
コンピューターとなったゴミ箱の登場です
ファミリーのコンピューターと言われるゲーム機をゴミ箱に挿入してみると、ただのゴミ箱が「感性を阻害しない最先端のトラッシュゲームマシン」に様変わりした。
ただ突っ込んだだけなのでちょっと触れただけですぐバグる
ただ、コンピューターの本体部分を立てて入れているだけなのでちょっとした振動ですぐにバグって動かなくなるという繊細なつくりとなっている。
オンリーワンを目指す
そうこうしているうちに、実際にこのゴミ箱で
PCを自作してしまうひとが現れてしまった。
今からこのゴミ箱にパソコンを付けて「新しいMacProでござい」とやったとしても二番煎じになってしまって面白くない。
こうなっては致し方ない。本体ではなく、おもいきってマウスにしてしまおう。
このゴミ箱をパソコンにするひとはほかにも居るかもしれない。でも、マウスにする人はいないだろう。誰もやらないことをやる。このゴミ箱の処遇については、オンリーワンの精神でもってこれに当たりたい。
そうと決まれば善は急げ。東急ハンズで木材とホットボンドを購入。そしてマウスに関してはビックカメラで売っていた一番安いマウスを調達。役者はそろった。
コンビニ弁当より安い
ちなみにこのマウス、かっこいいことに光るのだ。センサー部分の赤い光だけではなく、おまけで青白い光まで出る。
ディスコっぽい
この無駄とも思われたマウスの光がのちに思わぬ効果をもたらす。
ホイール機能は無視することに
このゴミ箱マウスのしくみは簡単だ。
数字がいっさい無く、わかりやすい設計図
市販のマウスをゴミ箱の外側の筒の下に取り付け、左右のクリックボタンに細長い木を接着して上まで延ばし、カチカチできるようにする。完璧である。
ししかし、ここで一つ考えなければいけないことは、真ん中のホイール部分のことだ。
この部分に関しては棒を接着させるだけというわけにはいかない。
なにか、歯車的な物をあいだにかませるか、分解してホイール部分だけを上に持ってくるか、いずれかの方法をとらざるをえない。
で、出した結論は「何もしない」である。ホイール機能を無視するのだ。
ホイールなんて無くてもスクロールバーを直接上げ下げすればなんとかなるだろうし、そもそもマウスのホイール機能なんて10数年前までなかった。こんなに便利な世の中、すこしぐらい便利さを手放したっていいはずだ。
適当な設計もホットボンドに助けられる
木材の長さが微妙に合わない……
行き当たりばったりで工作を始めてしまったため、マウスをゴミ箱に固定させる木片の長さが微妙に合わない不具合が発生したが、木片とゴミ箱のすき間にホットボンドをドバドバ注入することによって、すき間を埋め強度を確保しつつ長さを調節。あっという間に接着完了。
ホットボンドをすき間に注ぐ
マウスの後ろにも木片を付ける予定だったが、ホットボンドの接着力が強力だったため、左右だけで十分だった
しかしこのホットボンドの強力さといったらない。木片とプラスチックがたちどころに固定されてしまった。
一昨年、靴べらの便利さに気づいたときはずいぶん驚いたが、今回、ホットボンドの便利さにも恐れ入った。
後手後手の作業に難儀する
続いてはマウスのクリックボタンに取り付ける棒だ。
これもホットボンドのお陰でサクッと接着できてしまった
マウスをゴミ箱につけた後にクリックボタンの棒をつけようとしたため、接着に若干難儀するものの、ホットボンドの強力さでなんとか接着できた。
棒の白い色が目立つな……
クリックボタンの棒が白くて目立つため、あとからマジックインキで黒く塗る。
棒をつける順番にしろ、棒に色を塗る作業にしろ、いずれも手順を考えずに手をつけたので、後手後手の作業になり、仕事のできないやつの見本みたいな仕事ぶりをお見せすることになってしまい、お恥ずかしい限りだがなんとか完成した。
じゃーん(Macの起動音っぽい感じで)
地味すぎてわかりづらい
さっそくパソコンに繋げて使ってみる。
ちゃんと動いてますよ!(ホイール以外)
出来たもののでかさにくらべると、カーソルの動きは小さい。はた目では動いてんのか動いてないんだかよくわからない。
せめてもと思い、動画をアップした。
動画で見れば、地味ながらちゃんと動いてるのがわかっていただけるかもしれない。
ぼくがバカでした
Stylishなノマドワーカーの皆様、CafeでのWorkにいかがでしょうか?
きちんと動作するにもかかわらず、図体がでかいため若干の使いづらさは否めない。
しかも、ホイール機能が手元で操作できないので、ページを上下させる場合、カーソルをいちいちスクロールバーに持っていかねばならず、この操作がことのほか面倒くさい。
ふだん、我々がいかにホイール機能に頼ってパソコンを操作しているか、ということを骨身にしみて実感することになった。
ぼくが初めて使ったMacはLC630という機種だったが、そのパソコンに付属のマウスはボタンがひとつしか無かった。その後、マウスはボタンが2つになり、ボールが光学式になり、ホイールがついた。
そんな先人たちの工夫の歴史を無視したぼくが愚かであった。
でも、暗い所だときれい
しかしながら、このマウスにも取り柄がひとつあった。マウスが無駄に光るという機能を偶然にも持ち合わせていたため、暗い場所で使うと、ガスコンロにともった炎のようになり、幻想的なのだ。
ほら! 暗い所で使うとガスコンロみたいできれい!
このマウス、熱帯魚の泳ぐ部屋でお使いいただくとぴったりかと思われます。
工作はうまくいった(と思っている)
新型MacProにそっくりなゴミ箱をマウスにする試み、成功したのか失敗したのかよくわからない結果となってしまった。
いや、でも工作は上手くいったのだ。ホットボンドという文明の利器を駆使し、細かなミスを糊塗して無かったことにすることは出来た。
しかし、図体のでかさにくらべ、動きが地味すぎて結果が尻すぼみになってしまった。もっとこう、クリックしたら空を飛ぶぐらいの仕掛けが必要だったのかもしれない。
こういう状況を「試合に勝って勝負に負けた」というのだろうか。