巨大わらじから身体の比率を求める
雷門に比べると知名度は劣るが、 浅草寺の門には巨大わらじがある。
巨人が履いてたとしたら相当臭い門になってる。
説明看板によるとその全長は4.5m。なるほど、これで巨人の足のサイズはだいたい予想できる。
そしてこの足のサイズだけで、実はもう身長を導き出せてしまうのだ。以下の図を見てほしい。
これは「人体のデッサン技法」(ジャック・ハム著)という人体の描き方の本に載っていた、8頭身男性の一般的な比率を模したもの。
あくまでも標準的な比率なので必ずしもこの限りではないだろうが、 足の長さは頭4つ分で、肩幅は2つ分、腕は4つより少し短いぐらいが目安になりそう。
また頭、足、手のサイズに関しても、このような比率があるという。
手の長さはおでこ辺りで、頭は足よりちょっと小さい。 つまり頭のサイズを足と比較して考えれば、足の大まかなサイズから先の図により身長も手足の長さも分かるということだ。
うーん、これぐらい?
わらじを履いたことはないからなんとなくのイメージでしかないけど、 ちょっと足先が出る感じの履き方をするのではないか。
ということは巨大わらじの全長4.5mより少し長い4.7mぐらい? でも顔は足よりちょっと短いから4.5mぐらいか。 そして8頭身だとすると4.5×8で身長36mになる。
巨大わらじから分かるのはこんなところか。やっぱりでかいぞ巨人。
あと股間の18.8mは足先から股までの長さである。 説明しなくても大丈夫かと思いますが、念のため。
雷門提灯から探る手のサイズ
足の大きさからだいたいの身長その他が決まれば、 前述の比率の図で腕や足の長さも自然に決まる。
ただそれだと普通の人間の身体にしかならないし、正確性も微妙。 規格外の巨人が平均的な人類とまったく同じ比率とは考えにくい。
ここはやはり手に近いオブジェから手、足に近いオブジェから足のサイズを 導き出すべきだろう。
そこでこの提灯。
雷門の提灯の高さは約3.9m。通常の提灯の高さは、えーと、いくつなんだ。
そういえば提灯と手の大きさの関係も分からない。 提灯なんて普段持ち歩いてないから、手に対してどれくらいの大きさが普通なんだろう?
た、たぶんこれぐらい…。
提灯のことを調べてみても、色んな型があるらしく定まらないので、 写真に合わせてみて一番しっくりきたサイズで考えることにした。 世の中見た目がすべてだから。
提灯の高さが3.9mであることを考えると、 持つ手の幅はだいたい3分の1。約1.3m程であろうか。
しかし手の幅から手の長さを導く比率は本に載ってなかったため、 比率からは求める方法は使えない。 なのでここは倍率から求める方法をとろう。
経済産業省が過去にまとめた統計によると、平均的な男性の手幅はおよそ8.1cm。 そしてさっき巨人の手幅は1.3mとしたので、その倍率はおよそ16倍。
また平均的な男性の手長さは19.2cmなので、つまりそれの16倍、3.07mが巨人の手長さだ。
実際そんな風になるのかどうかはさておき、手長さが分かれば腕の長さも分かってくる。
ということを考慮すると、腕の長さは3.07m×3.5倍として約10.7m。 足の長さ18.8mに対してずいぶん短い。
ちょっとずつ巨人の姿が明らかになっていく。 なっていくと同時に結構見た目危ない感じのになるんじゃないかという懸念もある。 大丈夫かこれ。
「これは巨人のうんこですね」という編集部安藤さんの意見は却下しました。
巨大ゴルフボールから特になにも求めない
山手線に乗っていると駒込から田端の間で巨大なゴルフボールを目にする。
直径4m。ジャイアント馬場さんの2倍。
巨人はゴルフをしに来たのだろう。しかしピンにボールを置いたところでクラブを忘れたことに気づき「いけねっ」と取りに戻ったきり帰ってこなかった。そして伝説へ…。
臭そう。
ゴルフボールからはさすがになにも身体的特徴は掴めないので、 ここではそういうストーリーを妄想するだけにしておこう。
メガネから推測する顔
頭の大きさは足や手の長さからある程度導けるといっても、 やはり一番大事な部分なので顔に関する巨大オブジェから直接推測したい。
ただ提灯とかわらじとか、手足に関する部分に対して顔関係の巨大オブジェが全然見つからない。いろんな単語で検索しても、だいたい頭の大きい人ばかり出てくる。
そこでオブジェ以外に範囲を拡大。顔の連想が出来る物ならなんでもいいことにして、 ようやく一つ見つけることが出来た。
めがね之碑。
上野公園内にあるめがね之碑。巨大オブジェではないが、メガネとしては十分巨大なメガネだ。
これは巨人のメガネ。巨人のメガネ…。
見えてきた!
ちなみにこのメガネ、徳川家康が愛用していたメガネらしい。 つまり徳川家康も巨人だったのだ。
横幅57cm。
縦幅24cm。
むかしのメガネだから、メガネの幅に対して顔の幅はもう少し大きいはず。 それを考慮して70cmとしよう。
そして顔の比率から顔の長さを求める。
顔の幅はほぼ目5つ分で、縦幅は7つ分と本にあったので、 それに合わせると顔の長さはおおよそ126cm。
つまり巨人はこうなる。
こわいっ!
顔を巨大オブジェでなくメガネの碑で決めたからか、 異様な小顔巨人になってしまった。その結果として首も長い。
ただメガネがあるのはちょっとしたチャームポイントか。 おまけにドジっ娘だ。 超小顔のドジっ娘メガネなんて絵に描いたようなキャラじゃないか。巨人だけど。
のこぎりも持ってる
巨人比率とはあまり関係ないが、 東京ビッグサイトに巨大なのこぎりのオブジェがある。
初めてのこぎりだと知りました。
これは伝説の剣みたいな巨人の武器かもしれない。 しかしここは「土を切ってみたけど途中で抜けなくなっちゃった」ものだと思いたい。 巨人はドジっ娘だからだ。
そしたらもっと恐ろしい巨人になってしまった。 どうしようこれ。
これがかつて東京にいた巨人の姿だ!
新宿の高層ビル群と比べればそこまで大きくはない巨人。
参考として僕も巨人になってみた。なんの参考かは分からない。
のこぎりが抜けなくなって困ってる巨人。
浅草観光がてら雷門を強奪していった巨人。
巨大こいのぼり(100m)と比べるとこれぐらいだった巨人。
東京の巨人は物騒な超小顔巨人だった
東京にある巨大オブジェで巨人を想像したら、 愉快なのか怖いのか分からない異様な巨人になってしまった。 でも小顔なのは流行の最先端を行く大都会みたいで東京らしい。
きっといまでも東京湾から潜水艦の潜望鏡のように東京の街を見守ってくれていることだろう。
本当にこれがやりたかったのかという戸惑いを隠せない。