コラボ企画 2013年6月10日

等身大トントン相撲で遊ぼう

久しぶりにトントン相撲をやりました。本物の土俵で
久しぶりにトントン相撲をやりました。本物の土俵で
子どものころ「トントン相撲」が好きだった。紙製の力士を小さな土俵に置き、指でトントンはじいて雌雄を決するシンプルな遊びだ。4つ上の兄とともにハマっていたが、紙とハサミがあればすぐできるコストパフォーマンスの高い遊びにハマってくれて、うちの両親的にも大助かりだったに違いない。

しかし、遊びが多様化した現代の子どもが紙相撲で遊ぶ機会はあまりないかもしれない。いまここに、昭和の遊びを復活させ、その魅力を伝えたい。
1980年生まれ埼玉育ち。東京の「やじろべえ」という会社で編集者、ライターをしています。ニューヨーク出身という冗談みたいな経歴の持ち主ですが、英語は全く話せません。

前の記事:集まれ最強のおかずたち「コンビニ弁当」マイベスト

> 個人サイト Twitter (@noriyukienami)

トントン相撲で角界復興を

「若者の相撲離れ」が叫ばれる昨今だが、僕が子どもの頃は相撲人気はかなり高かったと記憶している。兄は千代の富士、ぼくは小錦が好きで、それぞれのアイドル力士に見立てた紙相撲でよく遊んだものだ。
あの頃の角界には華があったよね
あの頃の角界には華があったよね
その後はミニ四駆に興味が移ったが、アバンテJr.をチューンナップしつつも角界の動向は常に気にかけていた。特に昨今の相撲人気の凋落ぶりには心を痛めている。

紙相撲の楽しさを伝えることで、相撲人気回復の一助になれば嬉しい。
そーれトントントントントントン
そーれトントントントントントン
わーい!
わーい!

楽しいけど写真が地味だ

じっさいの現場は写真の10倍楽しいのだが、いかんせん見た目が地味なのでそれが伝わっているか不安だ。もう少しインパクトがほしい。

でかくしよう

「困った時はでかくしろ」はデイリーポータルZに脈々と受け継がれる伝統。そうだ、せっかくなら世界最大級の紙相撲を作ってやろう。

さっそく素材を探しに、当サイト心の友「東急ハンズ」にやってきた。
素材を物色
素材を物色
素材はダンボール板に決定。人ひとりすっぽり隠れるサイズ
素材はダンボール板に決定。人ひとりすっぽり隠れるサイズ

工作力はないが気持ちでカバー

ところで、この記事は東急ハンズとのコラボ記事なのだが、名だたる工作マスターが居並ぶ当サイトにおいて僕の腕前はダントツの最下位であることを最初に告白しておく。

そんな僕にまさか工作系コラボ記事のお鉢が回ってくるとは思わなかったが、紙相撲への思いでなんとか実力不足をカバーしたい。
買ったダンボール板をラッピングしてもらう
買ったダンボール板をラッピングしてもらう
購入したダンボール板は持ち運びしやすいよう店員さんがラッピングしてくれる。その鮮やかな手さばきは一見の価値ありだ。巨大なマグロを解体する寿司職人のように、熟練の技でテキパキとダンボールを包んでいく。
持ち手もつけてくれる嬉しい心配り
持ち手もつけてくれる嬉しい心配り
「持ちやすい!」と喜ぶ編集部・安藤氏
「持ちやすい!」と喜ぶ編集部・安藤氏
「あのでかいダンボールがこんなに持ちやすくなるとは…」と同行の安藤さんも感動しきりだ。あまりに感動していたので安藤さんにそのまま作業スペースまで運んでもらうことにした。おかげで工作に使う体力を温存できる。ありがとう東急ハンズ。
自動改札も通れた
自動改札も通れた
山手線にぬりかべが出現
山手線にぬりかべが出現
そんなこんなで渋谷ヒカリエの編集部に戻ってきた。さっそく巨大紙相撲の制作に入ろう。
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2体の力士を作って対決させよう

(安藤さんが)運んできたダンボールを開封し、さっそく制作にとりかかる。休日の編集部は閑散としていて場所をとる作業にもってこいだ。

今回は安藤さんにも力士を作ってもらって対戦することにした。
材料は180cm×90cmと90×60.5cmのダンボール板
材料は180cm×90cmと90×60.5cmのダンボール板
その他もろもろ
その他もろもろ
調べたところすでに180cm級の紙相撲は存在しているらしいので、我々はそれを上回る2メートルオーバーの力士を作る。
ハンズでいちばん大きなダンボール板が長さ180cmだったので、2枚組み合わせて2メートル超えを目指す(ちなみに筆者は168cm)
ハンズでいちばん大きなダンボール板が長さ180cmだったので、2枚組み合わせて2メートル超えを目指す(ちなみに筆者は168cm)
理想の力士を思い浮かべながら下書き
理想の力士を思い浮かべながら下書き

「そっぷ」か「あんこ」か

作り方は単純。カッターでダンボールを力士の形に切り抜いていくだけだ。力士の体型は大きく分けて筋肉質・やせ型の「そっぷ型」と肉付きが良く丸い体型の「あんこ型」がある。スピードと技の切れ味がモノをいう近代相撲ではあんこ型は不利といわれているが、紙相撲の世界においてはどっちが有利なんだろう?

これはけっこう難しい問題だ。何度も何度も下書きを繰り返し、理想の体型を模索していく。

と思ったら安藤さんはすでにザクザク切り始めていた
と思ったら安藤さんはすでにザクザク切り始めていた
ウルトラマンみたいなフォルムの安藤山
ウルトラマンみたいなフォルムの安藤山
一方、榎並丸。重心を低くするため小顔にした
一方、榎並丸。重心を低くするため小顔にした
全身はこんな感じ。背中をテープで止めればだいたい完成
全身はこんな感じ。背中をテープで止めればだいたい完成
立ててみたら想像以上に迫力があった。曙クラスの巨漢力士
立ててみたら想像以上に迫力があった。曙クラスの巨漢力士
腕はダンボールの切れ端を利用
腕はダンボールの切れ端を利用
ちょっとリーチが短いけどまあいいか
ちょっとリーチが短いけどまあいいか
このままだとダンボールの素材感が強いので、上にピンク色の模造紙を張ってみる。
なんせでかいのが大変だ。腰がメリメリ鳴る
なんせでかいのが大変だ。腰がメリメリ鳴る
だいぶ血色がよくなった。なお、上半身と下半身はマジックテープで着脱できるようにした
だいぶ血色がよくなった。なお、上半身と下半身はマジックテープで着脱できるようにした
次に、マジックで顔を書く
次に、マジックで顔を書く
こだわりはオシャレなもみあげ
こだわりはオシャレなもみあげ
黒いガムテープのまわしをしめる
黒いガムテープのまわしをしめる
かなり足が短くなってしまったが、安定感はありそうだ
かなり足が短くなってしまったが、安定感はありそうだ
かなり力士の体を成してきた。なかなかの出来栄えに満足していると社会科見学でヒカリエに来ていた高校生たちが「これ、なんのために作ってるんですか?」「これでお金もらえるんですか?」とまっすぐな目で聞いてきたので「そうだよ少年。おじさんはダンボールで力士を作ったりしてご飯を食べているんだよ」と正直に答えておいた。
少年は「ウケる」と言い残して去りました
少年は「ウケる」と言い残して去りました
足に車輪を取り付けて動きをスムーズに
足に車輪を取り付けて動きをスムーズに
最後に背中をテープでくっつければ完成
最後に背中をテープでくっつければ完成
というわけで完成だ。
編集部の守り神のようでもある。怪しい輩を突っ張りで撃退
編集部の守り神のようでもある。怪しい輩を突っ張りで撃退
で、でかい…
で、でかい…
車輪をつけたので前後左右の動きもスムーズ
車輪をつけたので前後左右の動きもスムーズ
それでは完成した力士を闘わせてみよう。
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いざ決戦の地へ

完成した力士たちをトントン相撲の会場に運ぶ。なお、移動は電車である。
空いてて本当に助かった
空いてて本当に助かった
圧死しそう
圧死しそう
そんなこんなで
そんなこんなで
試合会場に到着
試合会場に到着

都内ボクシングジムへ

やってきたのは荒川区にある「矢代ボクシングフィットネスクラブ」。友人の矢代くんが会長を務めるボクシングジムのリングを、紙相撲の闘技場として貸してもらえることになったのだ。

ちなみに僕はかつてここに半年ほど通い17キロのダイエットに成功。その顛末は当サイトでも紹介した。あれ以来まったくジムに顔を出していないため、体重が7キロリバウンドしてしまったことは会長には内緒である。
会員募集中です
会員募集中です
いざリングイン
いざリングイン
リングが狭く感じるデカさ
リングが狭く感じるデカさ
失禁しそうなほどの迫力
失禁しそうなほどの迫力
リングインしてみると想像以上の迫力。間に立ってみたら、曙とボブ・サップに挟まれた角田レフェリーの気持ちが分かった。

それはそれとしてトントン相撲だ。白熱の闘いの模様を動画でご覧いただこう。
まあ想像はしてたが、まったく、これっぽっちも、ビクとも動かないダンボール力士。なぜ動かないかといいますと、でかくて重いからです。

両者とも下半身の安定感は横綱クラスだが紙相撲的にはこれじゃ困る。
しびれを切らして手で押し始める
しびれを切らして手で押し始める
のこったのこった
のこったのこった
追い詰められたと思った、その時
追い詰められたと思った、その時
膝から崩れ落ちる安藤山。土俵際で榎並丸に軍配が上がった
膝から崩れ落ちる安藤山。土俵際で榎並丸に軍配が上がった

膝に爆弾を抱える安藤山

安藤山は足が長いため、膝が折れやすいという弱点がある。平成の大横綱・貴乃花は膝に爆弾を抱えながら優勝し、当時の小泉首相から「感動した!」と称賛を賜ったが、安藤山は痛みに耐えて頑張ることはできなかったようだ。
一方、足の短さが功を奏した榎並丸
一方、足の短さが功を奏した榎並丸
自慢の弟子です
自慢の弟子です
以上でやりたいことは大体やったが、親方として最後に本物の土俵の上に彼らを立たせてあげたいと思う。
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最後の決戦地へ
最後の決戦地へ
やってきたのは「江戸川区立総合レクリエーション公園」。なぜか土俵があることで知られる公園だ。国技館とまではいかないが、かなり本格的な土俵なのでダンボール力士の引退相撲にはふさわしい舞台といえよう。
地域の相撲大会なども行われる本格的な土俵
地域の相撲大会なども行われる本格的な土俵
なお、土俵を使用するには事前に管理事務所に申請して許可を得る必要があるのだが、困ったのが申請書の「使用目的」の欄。

仕方ないので「トントン相撲大会開催につき」と書いたら、意外にもそのまますんなり受理された。江戸川区はけっこう頭がやわらかい。
力士の安全を考慮し、子どもたちがいなくなるのを待つ
力士の安全を考慮し、子どもたちがいなくなるのを待つ
子どもが去ったので満を持して土俵入り
子どもが去ったので満を持して土俵入り
やはり力士には土俵がよく似合う。
どすこい感が一気にアップ
どすこい感が一気にアップ
ごっつぁんでごわす
ごっつぁんでごわす
さあ、お前たち、思う存分はっけよいのこるがいい。

榎並丸の勝ち

序盤の睨みあいから押し相撲という先ほどとまったく同じ展開。約1分の大相撲となったが、やはり最後は安藤山の膝が折れて連敗を喫した。

いくら土俵を揺らしても力士がまたく動かないので、長時間立っていられない安藤山はどうしても分が悪くなる。ダンボール力士としては致命的だが「膝に爆弾を抱えている」満身創痍な感じがリアルな力士っぽくて僕は好きだ。
全力でトントンするもまったく動かず
全力でトントンするもまったく動かず
動けー
動けー
動けったら!
動けったら!
そうこうするうち、膝がふにゃふにゃで1分しか立っていられないという致命的な弱点を露呈する安藤山
そうこうするうち、膝がふにゃふにゃで1分しか立っていられないという致命的な弱点を露呈する安藤山
悲しい勝ち名乗り
悲しい勝ち名乗り
勝敗はともかく満身創痍の体で最後まで闘った安藤山に拍手を贈りたい。

展示のお知らせ

でかすぎてトントン相撲みたいに遊ぶことはできなかったけど、工作としてはなかなかの力作(力士だけに)が出来たので僕は満足だ。

なお、今回作ったダンボール力士たちが6月15日、16日に東急ハンズ新宿店8階の展示スペースに登場します。お時間のある方は、ぜひ満身創痍の安藤山を見に来てください。
最後の取組で首にも重傷を負う安藤山
最後の取組で首にも重傷を負う安藤山

撮影協力(リングをお借りしました):矢代ボクシングフィットネスクラブ
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