特集 2013年5月3日

休日は近場で化石堀り

お金もかからないし、これはけっこう自分好みのレジャーかもしれない。
お金もかからないし、これはけっこう自分好みのレジャーかもしれない。
さて休日だ、何をしようか?
と考えていたところ、子供が実に気楽に
「恐竜の化石を堀りに行きたい!」
と言ってきた。その上、
「あんまり遠くはイヤだ!」
とも言う。難しい注文だ。

が、ためしにネットで検索してみると意外にも近場に化石発掘スポットがあることがわかり、そのうえ行ってみたらガシガシ見つかったのだ。(恐竜ではないけど)
長崎より九州のローカルネタを中心にリポートしてます。1971年生まれ。茨城県つくば市出身。2001年より長崎在住。ベルマークを捨てると罵声を浴びせられるという大変厳しい家庭環境で暮らしています。

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古第三紀の地層が露出する海岸

やって来たのは長崎は伊王島。
以前は離島だったが、橋が架かってからは車でサックリ行けるようになった。

ここは古代(古第三紀)の地層が海岸に露出しており、化石マニアには知られた場所らしい。
言われてみるとたしかに太古の地層って感じだ。
言われてみるとたしかに太古の地層って感じだ。
階段で簡単アクセス。
階段で簡単アクセス。
干潮時刻に合わせてやって来た。ここで化石を探す。
干潮時刻に合わせてやって来た。ここで化石を探す。
とはいえ我々はスーパー素人。
果たしてみつけられるだろうか?

「先達はあらまほしきことなり」
と徒然草にもあるが、こういうものこそまさに先達の指南がほしいところ。。

が、探してみたらこれが実にあっさりとみつかった。
石に貝の模様が!娘(小4)が発見。
石に貝の模様が!娘(小4)が発見。
こちらはさらにクッキリ。
こちらはさらにクッキリ。
複数の貝が埋まってる石。
複数の貝が埋まってる石。
と、こんな感じでゴロゴロみつかった。

ちなみに、タイトルに「化石堀り」とあるように最初は掘る気満々でそれ用の道具も持ってきたが…
平タガネとハンマー。
平タガネとハンマー。
これらの道具は途中からほとんど使わなかった。というのも、石は簡単に割れるのもあるが硬くて割れないのもあり、さらに割ってみてもほとんどはハズレ。だったらその辺に転がってる石をひとつひとつ見ていった方が効率がいいような気がしたから。
5歳の息子の方は化石よりイソギンチャクを愛でることに夢中だった。
5歳の息子の方は化石よりイソギンチャクを愛でることに夢中だった。
という感じで、いくつか化石っぽい石をゲットでき、また子供たちは磯遊びも満喫してこの日は帰路に着いた。

新事実発覚

が、その日の夜、思い出に浸りながらネットを見ていたところ、新事実が発覚。

「千畳敷(せんじょうじき)」と呼ばれるところが伊王島の化石スポットで、我々もそこに行ったとばかり思っていたのだが、ネットで見るとどうも景色が違う。場所が間違っていたようだ(我々が採ってた場所も化石スポットではあったが)。
「これが千畳桟敷かぁ。」
「これが千畳桟敷かぁ。」
そうとも知らずに、
「なるほどたしかに千畳桟敷って感じだなぁ~。」
などと言っていた自分がアホくさい。(しかも千畳敷ではなく千畳桟敷とか言ってたし)
!

というわけで翌日再び向かった

たしかに全然違う場所で、ちゃんと案内板もあった。そして相当な秘境。看板には次のように書かれていた。
千畳敷

平家謀反の罪に捉えられ俊寛僧都・藤原成経と共に島に遠流に処せられた平康頼が、熊野宮に見立ててお詣りしていた『岩戸恵比寿』の見せるこの岩場を舞台にして舞を奉納したと伝えられている。
よくわからないが、どことなくドキドキ感を煽る説明文。
こういう小道をしばらく下りていくと、やがて…
こういう小道をしばらく下りていくと、やがて…
目の前に絶景が現れた。
目の前に絶景が現れた。
写真だと高さがわかりにくいがけっこうな急斜面。
写真だと高さがわかりにくいがけっこうな急斜面。
ロープが垂れ下がっており、それを伝って下りていく。
一気に「冒険」って感じになった。
一気に「冒険」って感じになった。
ロープの後は柵につかまって降りていく。
ロープの後は柵につかまって降りていく。
その柵もかなり危うい。
その柵もかなり危うい。
正直子供には(大人にも)かなりの危険度。スリル満点。
正直子供には(大人にも)かなりの危険度。スリル満点。
でもって、またしてもありえないところに釣り人がいる</a>。
でもって、またしてもありえないところに釣り人がいる
辿り着くのが困難だっただけに、「人があまり訪れない場所」という雰囲気が高い。これは期待できそうだ。
三葉虫の化石みたいなヒザラガイ。このまま化石になるんじゃ?という雰囲気漂う。
三葉虫の化石みたいなヒザラガイ。このまま化石になるんじゃ?という雰囲気漂う。
潮に取り残されたアメフラシが岩の上に転がっていた。
潮に取り残されたアメフラシが岩の上に転がっていた。
ここで化石を探す。
ここで化石を探す。
かみさんがさっそく貝の化石をゲット!これまでで一番カタチと大きさがいい。
かみさんがさっそく貝の化石をゲット!これまでで一番カタチと大きさがいい。
これもたぶん何かの化石だろう。
これもたぶん何かの化石だろう。
骨みたいなのが石に埋まってる。
骨みたいなのが石に埋まってる。
生物っぽいぐちゃぐちゃしたものがびっしり入ってる石。
生物っぽいぐちゃぐちゃしたものがびっしり入ってる石。
これも化石っぽいなぁ。。
これも化石っぽいなぁ。。
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小石のようだけど、よくみれば2枚貝。
小石のようだけど、よくみれば2枚貝。
詰め合わせセットみたいな石もよく落ちてる。
詰め合わせセットみたいな石もよく落ちてる。
ばぁーーっ!
ばぁーーっ!
左に巻き貝、右にもよくわからないものが埋まってる。
化石はどうした?
化石はどうした?
採取したのは干潮前後の1時間半ほど。

博物館に展示されてるような(あるいは販売してるような)カタチのいい化石はなかなか無いものの、「とりあえず何かの化石」というレベルだったら本当にゴロゴロ落ちていた。
!

宝くじ買うより化石掘る

調べてみると化石が採れるスポットは、意外とたくさんあった。長崎だと他に茂木の植物化石層が世界的に有名だが、そちらは天然記念物に指定されていて採取はできない。また恐竜の骨がみつかった例もあり(野母崎や鷹島)、いきなりビッグ・トレジャーを掘り起こす可能性まである。

いや、そういうことは抜きにしても、海辺でまったりと化石を探す作業は一日中やってても飽きないくらいで、これはなかなか良いレジャーかもしれないと思った。化石で有名な天草の御所浦にも今度行ってみたい。
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