これがパスタを電子レンジで茹でる道具だ
100円ショップでも売られているので愛用している人も多いと思うが、電子レンジでパスタを茹でる道具(正式名称は知らない)がとても便利である。
一度に1.5人前までしか茹でられないという弱点はあるが、鍋でお湯を沸かして茹でるよりも、圧倒的に手間が少ない。
これが電子レンジでパスタを茹でる道具。
使い方は、蓋についている丸いゲージでパスタを量り、パスタと水と塩を入れて、600ワットの電子レンジなら標準茹で時間プラス4分加熱するだけ。
最初はパスタを水から茹でることに抵抗があったのだが、不思議なことにちゃんと茹ってくれるのである。
パスタと水と塩を入れてチンするだけ。蓋はしない。
中で何が起こったのかわからないが、グルグルになったパスタが現れる。
茹であがったら蓋をして、カップ焼きそばのようにお湯を切れば一丁上がり。普通に鍋で茹でたものに比べると、細かい湯で加減の調節はできないが、とても機能的な道具だと思う。
あとはこのパスタを好きなソースでいただけば、これであなたもイタリアンだ。
お湯を切る機能が付いているのがえらいと思う。
レトルトのたらこソースを掛けてみました。
このように、とても簡単にパスタを茹でることができる道具なのだが、どうせなら電子レンジから出した段階で完成していると、さらに便利なのではないだろうか。
正直に言えば、レトルトのソースを掛けるのなんて大した手間ではないのだが、あえてその手間を省きたい。
そこで、「水ではないなにか」、あるいは水になにかを加えて茹でることで、スープパスタを一気に完成させてみたいと思う。
トマトソースのスパゲティに挑戦
パスタの基本はやはりトマトソースだろう。そこで手始めに1人前のパスタに対してカットトマトの缶詰を1缶入れて、トマトソースのスパゲティ作りに挑戦してみることにした。
味付けは塩、胡椒、そしてオリーブオイル。本来ならタマネギのみじん切りや香草類も入れたいところだが、ここで手間を掛けると本末転倒なので、あえて一番シンプルな方法で試してみよう。
やはり基本はトマトソースでしょう。
カットトマトを1缶入れて、水を足して、塩、胡椒、オリーブオイルを加えてみた。
このパスタの標準茹で時間が8分なので、4分足して12分加熱。
電子レンジを開けてみると、いい感じに煮詰まったトマトソースが出てきた。
パスタが水分を吸って、だいぶ煮詰まったようだ。
せっかくパスタを茹でる道具だけでスープパスタ的なものが完成したので、本来ならこのままズルズルと食べたいところだが、一応記事として人様に見せるという手前、洗い物を増やす手間を惜しまず、皿に盛って食べることにした。
スープパスタというか、トマトソースの多すぎるパスタだ。
どうもパスタの量に対して、トマトの量が多すぎたようで、トマト味のさらっとしたスープにパスタが入っている状態を想像していたのだが、間違えて3人分のトマトソースを掛けちゃったみたいな状態になってしまった。
パスタも水分が足りなかったためか、ところどころまだ硬い部分があるようだ。
しかし、味自体は思ったよりもちゃんとしている。しっかりと煮詰まったトマトソースだ。カットトマトの分量さえ加減すれば、イメージに近いものになっただろう。
クリームスパゲティに挑戦
とりあえず一度やってみて、だいたいの要領がわかったところで、今度は味付けを市販の粉末スープにチェンジしてみる。
スープパスタというくらいだから、スープでパスタを作ればできるはずだ。
クラムチャウダーにしてみました。
作り方は一人前100グラムのパスタと定量の水を入れ、そこにインスタントのクラムチャウダーを入れて、レンジでチン。
スープの素に対してちょっと水の量が多いような気がするが、パスタが水を吸うからちょうどよくなるような気もする。
水なので粉末スープが全然溶けない。
12分後、電子レンジを開けると、ちょっとスープが薄めのスープパスタが出来上がっていた。
やはりちょっと水が多かったか。あるいは贅沢にスープを2人前入れるのが正解だったか。
少し薄そうだが、やりたいことのイメージとはだいぶ近いかな。
食べてみると、やっぱりちょっとスープが薄いが、パスタ自体にスープの味が染み込んでいるので、それほど薄くは感じない。しかし、もう一味欲しいかな。
そこで粉チーズと胡椒をたっぷりと掛けたら、断然味が引き締まっておいしくなった。
具のない寂しさは若干ある。
とにかく、このスープパスタを電子レンジだけで作る取り組みの、根本的な部分での狙いは間違っていないようだ。あとは経験だけだろう。
和風スパゲティに挑戦
続いても粉末スープを使ったパスタだが、今度は和風にシジミとわかめのスープでいってみよう。
もしかしたらクラムチャウダーみたいなコッテリ系のスープよりも、パスタを茹でることを考えれば、こういったアッサリ系のスープのほうが、この料理法とは相性がいいかもしれない。
しじみ70個分のちからとやらを見せてもらうか。
作り方はさっきと一緒だが、スープの味を濃くするために、水の量を少し減らしてみた。
これでおいしいパスタができたら人生楽しいのだが。
カップラーメンに慣れている身としては、この加熱時間12分というのが結構長くて手持無沙汰で、やっぱりこの時間を利用してパスタソースを用意するのが正解だよなと思いつつも、冷蔵庫の中の賞味期限チェックをしたりして、無理矢理時間を有効に使う。
水の量がちょうどよかったような気がする。
茹で上がると同時に仕上がった、シジミとわかめのスープパスタをいただいてみると、今回は水を少し減らした分、スープの塩加減もちょうどよく仕上がっている。
手間のまったく掛かっていない料理としては、なかなかの味といっていいだろう。
多少味がぼやけているので、胡椒が少し欲しいかな。
ただ、パスタがちょっと茹ですぎな感がある。お湯を少なくした分、水が温まるのが早くなって、その分茹ですぎになってしまったのだろう。
その点も含めて、二日酔いの日の遅めの昼食なんかに良さそうな味だ。
きのことソーセージのパスタに挑戦
インスタントスープを使ったスープパスタづくりに成功したところで、今度はもうちょっとだけ料理っぽいことをしてみたくなった。
次のステージとしては、材料を切って入れるだけで、ハイできあがり!みたいな感じでいってみたい。
ということで、冷蔵庫にあったシメジ、エノキ、ソーセージを入れ、塩と胡椒で味付けをしてみた。
きのことソーセージという手堅い組み合わせ。
今までの経験から、水の量は少し少な目、そして加熱時間は1分短くしてみた。だんだんと電子レンジのスープパスタ作りをマスターしつつあるぜ。
この具の組み合わせ、普通にフライパンで炒めたパスタを作ったことなら何度かあるが、レンジで作るスープパスタとなると、いったいどんな味になるのだろう。
やはり具があるとおいしそうだ。
出来上がったきのことソーセージのスープスパゲティは、塩と胡椒以外の調味料を使っていないが、具材からちゃんとダシが出ていて、物足りなさはまったく無し。
パスタのゆで具合もちょうどよく、予想以上にちゃんとした一品に仕上がっている。
水の量がぴったりと決まるとうれしい。
これにバターと刻んだ大葉でも乗っけたら、水出しコーヒーが自慢の喫茶店で出されても不思議のない完成度となった。
豚キムチのパスタに挑戦
適当な具を選んで、電子レンジで加熱するだけのパスタづくり、やってみると具の組み合わせを考えるのがなかなか面白い。
続いては豚肉とキムチとごま油で、豚キムチパスタといってみようか。
豚キムチのパスタ自体を食べたことがないが、きっとおいしいはず。
自分が給湯室の電子レンジを自由に使えるOLだったら、お弁当代わりに毎日日替わりでこのレンチンパスタを作ってブログにアップするのになと妄想しながら出来上がりを待つ。
ちょっと水が少なかったか。
今回は具材が多かった分、目分量で入れた水の量が少なすぎたか、スープパスタというよりも、普通のパスタのような仕上がりとなり、麺と麺が少しくっついてしまった。水加減を決めてから具を入れればよかったか。
しかし味自体はちゃんとしていて、豚キムチなのに粉チーズをあえてたっぷりと掛けたくなる不思議な仕上がり。
刻み海苔を散らしてもうまそうだ。
次はアサリと菜の花でやってみようか。あるいは長ネギと塩昆布なんてどうだろう。牛乳とツナの缶詰なんていうのもいいかもしれない。なんだか試したいアイデアがいくらでもでてくる。
いっそシンプルに水だけで茹でて、あとで具やソースと絡めたらどうだろうとも考えたが、それは普通のスパゲティだ。
80点くらいは取れると思う
電子レンジだけで完成させるスープパスタ、思ったよりも完成度の高い料理ができて、個人的にはとても満足である。きっとまた小腹が空いたときに作ることだろう。
もちろん本格的に作ったパスタには勝てないだろうけれど(最近はレトルトのパスタソースの完成度もとても高いし)、インスタントラーメンに通じるチープなおいしさがあったり、炊飯器で作るお好み焼きのような意外性があったり、神になって新しい生命体を生み出すような達成感があったりするのが素晴らしいと思う。