鬼と私
鬼が好きだ。 鬼の歴史とか、伝統芸能としての鬼とか、そういうのにはまったく詳しくもない。ただなんとなく好きだ。
今までにもいくつか鬼を手作りしてきた。
毛糸で作った鬼の面とか(趣味)
去年はベネチアンマスクの鬼をつくって豆まきをした(
この記事参照)
去年はベネチアンマスクを鬼の面にカスタマイズする、ってテーマで作ったし、今年もなんかテーマを設けたいなぁー……
よし、今年はコレだ!!
レース編み~~!!
「レース編みでエレガントな鬼をつくろう!」というテーマにしてみる。
エレガントなモチーフからどんどんエレガントさが失われていく様を見てもらえたらと思う。
鬼っぽくないエレガントさのレースを鬼に!
初めてのレース編み
初めて、とは言っても編み物(かぎ編み)とそんなに変わらない。ただ、糸が超ほそくなっただけ!
……と思ったが、実際編んでみると進みが悪すぎる……! 編みづらい!
レース糸、細すぎる! 毛糸との質感も違って編みづらい!
そんな不慣れな作業を進めていくと、花っぽいモチーフが出来上がった。
これだけならキレイめ花モチーフだ
一気に鼻眼鏡に!
こういうのいっぱい作ってパーティーしたい
目の周りを花っぽくしたらエレガントかなぁ? と思って目から作り始めたらこんな仮面舞踏会っぽいアイテムができた。
つぎに周りに更にレースを編み足す。
こんなことになった。なんだろうこれ……
あとはキバをつけたら鬼の顔のできあがり。
レース編みっていうと、花瓶の下に敷いてあるようなイメージだ。
鬼VS花
鬼の髪までレースで作ってもボリュームが絶対でない。なのでこうした。
自分の髪がそのまま鬼の髪に! 角は頭の上に乗るようにした。
レースなので自分の顔がすけて見えてしまうんじゃないかと思ってたが、意外と大丈夫そうだ。
おおお、鬼に見える! 鬼だ鬼だ!!
後ろから見ると「あっ……あの人、角生えてる!!」って言われそうなほどだ。ナチュラルすぎる!
よーし、これで豆をまかれに行こう!
20人ぐらいの子供に豆をまかれに
豆まき役に友達の子供にお願いできないかと相談したところ、ちょうど節分の日に雪遊びのレクリエーション的なものに参加するので一緒に来ないかという話になった。
雪で遊んだり、かまくらを作ったりしてる。親子が。
親子連れ、または近隣の子供ばかりで、鬼をやるまでは「なんでこの人ひとりで来てるんだろう」と思われてやしないだろうか……と思いつつ雪を固めたりしていた。だが、この日来たのは鬼としての任務をまっとうするためだ。
自信を持とう! 怪しいことなんかない!
……と3~4時間ほどいろいろ遊んで、ついにやってきた。鬼退治タイム………。
節分ということで、あらかじめ豆まきも予定に組み込まれていたので、主催者側の鬼役の人と一緒に出ていくことに。
鬼、颯爽と登場
もう一人の鬼、なまはげっぽいなぁ……と思ってたらどうやら東北出身らしい。やっぱり鬼となるとこの格好が一番しっくりくるんだろうか。
いざ出陣! いくぞおおおうおおおお
落花生を本気でぶつけられまくる
やばい……
相手は本気だ!! ひるんでたらやられる……!!
うおおおおおおお!!!!!!!!!
子供たちに大声で威嚇されまくる。こっちも負けてられるかと大声で対抗。
すると「人間だってことは分かってんだよ!!!!」と罵声を何度も浴びせられる。
ヒィィィーーーなんだそれ!!
取り押さえられ、その隙に雪玉作って当てろ! という展開に!! ギャーー!!!
もはや周りの大人たちが「やめなさい! 落花生だけにしときなさい!!」と注意するのも耳に入らないような興奮状態……!
こういうときの小学生男子って一体どういうつもりなんだろう。いや、「どういうつもり」とかそんなレベルの高い話じゃないな、多分。
パシィィィッッ……!!
「こわいと思ったら大間違いなんだよ!!」 ギャーー!!!!しぬっっ!!
「早く諦めてお面をとれ!!」というような言葉を何度か浴びせられた。
男子たちの興奮状態もピークへ。取り囲まれ、もはや収集が付かない状態になったところで……
「鬼をいじめるのはやめろぉぉぉーー!!」とお面をはずしたもう一人の鬼役の人が止めに入ってくれる
お面をしてる人に対しては全力どころじゃない全力で攻撃してくるけど、お面をとった人の言うことはある程度聞くってなんなんだろうなー、小学生男子……
よし、そろそろずらかろう……
ずらか……らせろ……
ずらか……りたい……
「お面を取れぇぇぇ」「諦めろぉぉぉぉ」って言われても!!
追ってきすぎ
目的はとにかく「お面を取って諦めろ」ってことらしい。そっちが諦めてくれ……
結局追いつかれて、「観念しろ」みたいな感じで取り囲まれる
その後また大人の人に助けられ、撤収に成功した。ほんとこの「お面を取って諦めさせよう」と容赦なく攻撃してくるパワーは一体なんなんだろう。
素顔に戻ったあと、「肌色の部分が見えてたから人間だって分かってた」と言われた。これって強がりなのか、どういう種類の発言なんだろう。子供と触れ合う機会なんて滅多にないので新鮮すぎる。
この日作ったかまくらの中に入って記念撮影
こっちもこっちで負けてたまるか! と思うと、諦めどきがまったく分からなかった。
こんなときすんなり負けてあげられる大人の人って大人だなぁ……とぼんやり思ってたら、「もう一人の鬼と違って、最後まで諦めなかったから鬼としてはよかった」と小学生に褒められた。
やられっぱなしの節分だった
そういえばこの日、午前中は二日酔いで午後は鬼……。一日通してなんだかずっとグッタリしていた。エレガントでもなんでもない。
「今年の節分は一日中やられっぱなしだったなー」と振り返ってる行為自体がすごく鬼っぽい気がした。
今回行ったこの町(島根県飯南町)には炭酸の温泉があるらしいと聞いて気になってる。今度は普通に行こう……