地元でよく見かけてた棒の先の手袋
道を歩いてたらいきなり手が現れた。
何かと思ったら、棒の先に手袋が被せられているようだ。 いったい誰がなんのために?場所からして庭先に置いてあるオブジェとかではない。
なんか元気そう。
おそらくは落とし物であろう手袋。それを誰かが見つけて、棒の先に被せておいた物と思われる。
思い起こせば、札幌の実家に住んでたときにも、こういった手袋が被せられてる棒をよく見かけてた気がする。
その頃はそれが「いまさら気にするほどでもない当たり前のこと」ぐらいに思ってて気にとめたことはなかったけど、上京して4年経って気づいた。これは変だ。
むしろ冬の風物詩
しかし一つだけ見つかったところで、そういえばたくさんあったなと決めつけるわけにもいかない。単に気まぐれな愉快犯がやってたということもありえる。
ここは街中を探索して、どれぐらい見つかるか探してみよう。
子供用と思われる一品。
最初に見つけた物から20分ぐらい歩いた先の動物園内で発見。 デザインやサイズから子供用だと思う。ただ棒の長さから考えると、棒の先に被せたのは大人だろう。
誰も気にしてない。
動物園の通路という場所柄から、結構人通りの多いところにあるのだが、 気にしてる感じの人は皆無。
かなり謎の物体だと思うのだが、雪国の人たちにとっては自然な物なのだろうか。確かに数年前まで自分もそうだった。
ちなみにこの棒は道路の端を示すスノーポールと呼ばれる物。(初めて知りました)
冬になって路肩に雪が積もると道路の境界が分からなくなって除雪しにくい。 そのため目印となる棒が大量に設置されるそうだ。それが棒の先に手袋被せがちな理由なのかもしれない。
ただ「棒が多い」→「手袋を被せる」という流れは相当ムリがあるような気がする。
棒的なものならなんでも
しかし手袋被せられてるのは棒だけとは限らなかった。
雪が積もってぐったりしてるのにサムズアップする健気さ。
降り積もった雪が、随分長くここにあることを物語る。 手袋を被っているのは歩道用の街灯。なんでまたここに?
手袋ないバージョン。
棒と違って太いから、ちょっと手首を広げて被せたはず。 なぜわざわざそんな手間をかけて被せたいのか。
それとも手袋で街灯がちょうどいい間接照明になったりするのだろうか。
もうなんか可哀想。
さっきのよりもさらに雪が積もり、その重みでダラ~ンとしてしまっている。
たぶん始めは最初見つけた手袋みたいにピンピンしていて、雪が積もるにしたがって萎れていったのだろう。一種の植物のようだ。
すごい目立つところにあるのに。
これは水戸で見つけた手袋。棒の先にないのがむしろ不思議。
棒の先に手袋を被せる心理
なぜ雪国の人は棒の先に手袋を被せがちなのか。
冬になると手袋も棒も増えるから、素材は豊富に揃ってる。 ただそれがどうして棒に手袋被せることに繋がるのかが分からない。
手袋を被せた人の行動を再現するとこんな感じだろうか。
手袋見つけました。
拾いました。
棒が近くにあります。
被せてその場を去りました。
うーん、やはり手袋を見つけてから棒に被せるところの心理が謎だ。 棒が寒そうだったから被せました的な、かさこ地蔵みたいなものだろうか。
なおこのCGキャラクターは手元にあったものを使っただけなので気にしないで欲しい。
しかし見てると自分でもやりたくなってくる。
再現CGで想像してみてもいまいちピンと来なかった。 次はチャートにしてより詳細に分析してみよう。
簡易的に表すとこんな感じか。 やっぱり「雪国か」→「棒の先に手袋を被せる」が突拍子なさすぎる。(Yes)あたりになにかありそうだ。
棒先手袋の半分は優しさで出来ています
しかしそのチャートの答えになりそうなものがある。 この棒の先に被せられてもいない手袋だ。
両手揃っててかつ棒に被ってない、レアポケモンのような手袋。
棒に被せてないならなぜ棒の上にあるのか。それは手袋に付いた雪から分かるように、 地面にあると雪が積もってどこにあるか完全に分からなくなってしまうからだろう。
つまり棒の先に手袋を被せるのは、落とした人が探しに来たとき見つけやすいようにという、見つけた人の(交番に届けるほどではない)優しさなのだ。
それを考慮してチャートを作り直すとこうなる。
見た目が愉快だから説も浮上
棒の先に手袋を被せてしまうのは、雪国の人のちょっとした優しさかもしれない。
ただ手袋をもっと見つけてみたら、どうもそれ以外の節が感じられるものがあった。
雪を載せるためにあるような噴水の手前のポールにぐっさり。
チェケラ的な形。
なぜ親指をそこまで深く被せたかったのか。 やっぱり見た目が元気な感じがしてうれしいからだろうか。
意図的か偶然かは分からない。 ただ親指だけやたら伸びちゃっているであろう手袋が心配である。
雪国特有の冬囲いに雪国特有の棒の先に手袋。冬はやっぱりこれですね。
「あの子でお願いします」
先ほどのとは違って、人差し指に細い竹が刺さっている。 なにかを選んでるときの手みたいだ。女性像があったので思いついたキャプションを適当に付けてみたが意味は気にしないで欲しい。
冬の札幌の代表的な風景。
仁王像のように両脇に配置された手袋たち。
もうこれで正解な気がしてくる。
うん、正解!
おそらく生理現象
なにが人々を棒の先に手袋を被せてしまうのだろう。それはちょっとした優しさだと思うけど、幾ばくかのユーモアもあるような気がする。
ただ先端がむき出しの何かがあれば、尖った物の先に安全キャップ付けるような感覚で何かを被せてしまうものではないだろうか。抑えようのない生理現象のように。
雪が積もると棒と手袋が増える雪国ではその欲求がより叶えやすいということなのだと思う。
なにが埋まってるのか気になるが、たぶんなにもない。