関東の祝いの肴三種をカレー味で
おせち料理のメニューはやたらに甘い物が多いです。砂糖を沢山使う事で保存性を高めたり、貴重だった砂糖を大量に使うことで祝いの料理という意味を持たせたりしたのだとか。
料理を毎日作ってくれる人に休んでもらうことや、神様を迎える正月に台所を騒がせないようにするというのはいいのですが、やはりあれだけ甘い物ばかりだと2、3回食べるともう飽きます。
ということでカレー。伝統にはこの際目をつぶりカレー味おせちです。今回はこの肴と餅があれば最低限の正月の祝いが出来といわれる三種をカレー味にします。黒豆、田作り、数の子の三種です。
材料は黒豆、醤油、塩、砂糖、味噌。そしてカレー粉。
まずは一番時間のかかる黒豆から。用意する材料は以下の通り。
黒豆 2カップ
水 4カップ
醤油 大サジ2.5
塩 小サジ2
砂糖 小サジ1
味噌 大サジ1
カレー粉 大サジ2
重曹 小サジ1
古くぎ的な物 適量
砂糖の量を最小限に減らし、代わりにカレー粉と味噌を入れています。
醤油と味噌をつかって和風カレー味。
我が家では古くぎのかわりに「鉄玉子」という物を使っています。多分ハンズで売っています。
黒豆の煮かたは色々ありますが、我が家では断熱調理鍋をつかって調理しています。まず黒豆以外の材料を混ぜて煮汁を作ります。煮汁を50度まで温めて洗った黒豆を入れたら約10時間保温。
不気味な色の煮汁だが気にしない。
10時間経ったらアクをとりながら20分煮て再び保温。
黒豆は煮汁の色が驚くほど真っ黒になります。カレーの色がもうわからない。
見た目は普通の黒豆と同じ。でもほんのりカレーの香り。
出来上がったカレー黒豆は、見た目は通常の黒豆と全く変わりません。しかしほんのりとカレーの香りがしてきます。味見はのちほど。次の品を作ります。
ごまめとも言います。小さめの煮干しです。
関西では田作りの代わりにたたきごぼうが一般的です。今回は関東式なので田作りで。材料は以下の通り。
田作り 40から50gぐらい
醤油 大サジ2
みりん 大サジ2
酒 大サジ1
砂糖 小サジ1
カレー粉 大サジ1.5
白ごま 小サジ2
カレー粉はお好みで増減させてください。
田作りは内臓をちぎって、手で簡単に折れるようになるぐらいまでフライパンで煎ります。オーブンで焼いてもいいです。
白ごま以外の調味料を混ぜ合わせたら中華鍋に入れて加熱します。
部屋中カレーの香り。
調味料が半分ぐらいまで煮詰まったら田作りを入れて全体に絡めます。最後に白ごまを入れてサッと混ぜ合わせたら出来上がり。
写真だと醤油色ですが、実物はかなり黄色いです。
出来上がったカレー田作りは色も香りもカレー。形を除いて田作り的な部分はありません。
もう一品作ります。
下処理が面倒なので家ではあまり作りません。
使う材料は以下になります。
数の子 200gぐらい
だし汁 1.5カップ
醤油 大サジ1
酒 大サジ4
砂糖 小サジ1
ミリン 大サジ1
味噌 大サジ1
カレー粉 大サジ1
数の子は薄い塩水に浸して塩気を抜いて薄皮をとっておきます。
調味料を一度煮たてる。和風カレースープ。
数の子はおせち料理の中では甘く無い系なので酒の肴として割と食べます。
冷めた汁に数の子を漬けてひと晩置いたら出来上がり。
出来上がった物を盛り付けてカレーおせち完成です。
無駄に正月風の飾りもつけてみた。
カレー味なので不味くはないはず。
おや?これはっ!
甘くない!カレー風味の煮豆だ!おだやかなカレー味に醤油や味噌の風味。これならご飯の上に沢山かけて食べたい。おせちだけどカレーだね!
甘くない!カレー味と魚の旨味で酒の肴に最適だぞ!おせちだけどカレーだね!
カレー味だ!和風カレー味の数の子だ!コリコリとした魚卵の歯ごたえにダシのきいたカレー味。これも酒の肴にいいぞ!おせちだけどカレーだね!
おせちだけどカレーだね!どれもうまいぞ!
来年は半分カレーおせちにしよう
カレーおせちは予想以上においしかったです。カレーの香りと味が食欲をそそり、米の飯や酒と一緒に食べたくなる味でした。来年おせち料理を作るなら、半分はこれにしたいです。
特にカレー田作りは、比較的簡単に出来て正月でなくても酒の肴として時々作ろうかと思うレベルでした。
今年の年末、もしこの記事を覚えていたら是非作ってみてください。そして「おせちだけどカレーだね!」と言ってください。ただし、普通のおせちに飽きた3日あたりに。
経営しているお店でお客様にサービスで出してみました。かなり好評。通常メニューに組み込もうか検討中です。