特集 2013年1月7日

埼玉、ロードサイドの24時間ゲーセンへ

!
そもそもは、お正月に、埼玉出身の友人4人で、
「最近、『山田うどん』(埼玉発祥の飲食チェーン店)の検証本が出たけどさ、『田舎っぺうどん』のほうが美味しいし、地元の人は食べてるよね」
……という話をしていたところからはじまる。
『田舎っぺうどん』は知る人ぞ知る、ロードサイドの名チェーンだ。

実は私、「田舎っぺうどん」は食べたことがなかった。
そう言うと、
「いや、食べておかないと駄目でしょ。関東のうどん文化、武蔵野うどんの代表的なものなんだから!」
と言われ、車を出して、連れて行かれたのだった。
埼玉生まれ。電子書籍『初恋と座間のヒマワリ』(リイド社刊)発売中。最近、ほぼ毎日ブログを更新していますので、良かったら読んでください。

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元祖田舎っぺうどん。営業時間が10-15時と、短いので注意。
元祖田舎っぺうどん。営業時間が10-15時と、短いので注意。
正直、量は多めです。
正直、量は多めです。
これが、なかなか美味しかった。腰がキュッキュとあって、汁もうまい。
名物なし、と言われる埼玉の中では、かなり高得点なお味。こんなものがあったのか! と、ビックリ。
で、食べながら「正月で暇だし、ブックオフめぐりしつつ、ロードサイドで遊ぼう」ということになった。

すると、ふと、友人Sさんが
「久々に、24時間ゲーセン行きたいなー」
と言った。
……そんなところあるの?
「いや~風営法があるから、正確には、食堂など休憩所にゲームコーナーが付いているというテイなんだけど、あるよ。10年以上前は、友だち皆で車に乗って、夜中に『バーチャファイター』をやったもんですよ」
へえ~。そういうの、埼玉特有のものなの?
「いや、ほかの地方都市とかでも、人口が多くて、車社会のところには存在したらしいよ。今現在、残ってるかどうかは知らないけど」
……それ、見てみたい!

というわけで、行ってきました、24時間ゲーセン、「オートパーラー上尾」。
なんだか建物の色が黄色ですよ。
なんだか建物の色が黄色ですよ。
南国っぽい色彩感覚ですね。
南国っぽい色彩感覚ですね。
楽しみにしていた食堂は、正月休みで閉まっていました。
楽しみにしていた食堂は、正月休みで閉まっていました。
いろんなメニューがあるのね。
いろんなメニューがあるのね。
「今日、食堂は閉まってるけど、フードコーナーはあるから大丈夫!」
と、Sさんは自販機に、私たちを案内した。
………こ、これが!?
フードコーナー!?
ばばばばばばばばばばーーーーーん。トースト自販機。日本国内で、何台稼働してるんだろうか?
ばばばばばばばばばばーーーーーん。トースト自販機。日本国内で、何台稼働してるんだろうか?
コンビーフとチーズハムから選べるみたい。
コンビーフとチーズハムから選べるみたい。
しかし、見本の写真があまりにも美味しくなさそうだ。
しかし、見本の写真があまりにも美味しくなさそうだ。
うどんを食べておなかいっぱいだったが、好奇心には勝てず、
「ま、食べきれなければ、持って帰ればいいか」
と思い、買ってみた。
いや、買うよね、買いたくなるでしょ、コレ!?
だって、もう二度と出会わないよね、この種の自販機!
1分くらいトーストされます。
1分くらいトーストされます。
どさっ、とパンが落ちて来ます。取り出そうとしたら、熱くて苦労しました。指先であつつつつっ。
どさっ、とパンが落ちて来ます。取り出そうとしたら、熱くて苦労しました。指先であつつつつっ。
こ、これか…。
こ、これか…。
おおーう、こんがり焼けてる。
おおーう、こんがり焼けてる。
コンビーフ、こんな感じ。
コンビーフ、こんな感じ。
食べてみる。
……なんだか普通のパンの味がしない。不思議な味のする食べ物だった。
「おいしい/まずい」を超越した存在、というか…。
強いて言うなら、マクドナルドのハンバーガーのようなテンションというか…。
とりあえず、甘いコーヒー牛乳には、ぴったり合う味だった。
ゲーマーの少年、青年が、好きそうなお味。
ドット絵のような、のっぺりしてるけどポップな、レトロフューチャーなお味。
ハムチーズは、比較的、普通の味がしました。
ハムチーズは、比較的、普通の味がしました。
そして! もうひとつ気になった自販機がコレ、「うどん&そば!」
「これ、インスタントじゃないんだよ! ゆで麺なんだよ!」と友人S。まじすか。
「これ、インスタントじゃないんだよ! ゆで麺なんだよ!」と友人S。まじすか。
衝撃の200円。
衝撃の200円。
買っちゃった。
買っちゃった。
天ぷらのふやけ方がハンパ無い。ふわっふわだ。もちろん、麺も、のびっのびだ。
でも天ぷらうどんが200円で食べられると思うと、安いし、インスタント麺よりは美味い。

しかしこれ、自販機の中身の構造、どうなってるのかなあ~……と思いながら
もそもそ、みんなで分けて食べてたら、
食堂からおっちゃんが出て来て、
自販機をパカッと開け、
中身の入った器をひとつひとつ、
セットしているのを見てしまった。
……手動なの!?
ほぼ手動だったのか!?
なんてローテク……!
他の自販機の中身もシブいものが多かった。
他の自販機の中身もシブいものが多かった。
チーカマとか……。
チーカマとか……。
ゲームセンター部分自体は、そんなに激烈レトロゲームはなかった。ただ、10年前くらいのゲームは多かった気がする。『ミスタードリラー』とか。
ゲームセンター部分自体は、そんなに激烈レトロゲームはなかった。ただ、10年前くらいのゲームは多かった気がする。『ミスタードリラー』とか。
UFOキャッチャーの中身が女性用下着……。なんだか懐かしいですね、このノリ。
UFOキャッチャーの中身が女性用下着……。なんだか懐かしいですね、このノリ。
でもUFOキャッチャーのマシンが妙にかっこいい。
でもUFOキャッチャーのマシンが妙にかっこいい。
なんだろう、このゴリラは。
なんだろう、このゴリラは。
レトロっぽいゲームがちょっとあっても……。
レトロっぽいゲームがちょっとあっても……。
景品は『エヴァンゲリヲン新劇場版』のグッズだったり、最新ですね。
景品は『エヴァンゲリヲン新劇場版』のグッズだったり、最新ですね。
昼間の24時間ゲーセンは、すいていて、ぼんやりとした雰囲気だったので、
せっかくなら、普段やったことないことをしよう、と思い、
人生初パチンコをしてみました。
よりによって『ぱちんこ冬のソナタ』。ヨン様ー!
よりによって『ぱちんこ冬のソナタ』。ヨン様ー!
エヴァのパチンコもやってみました。
エヴァのパチンコもやってみました。
パチンコ未経験の友人・Uちゃんも、珍しそうに、画面を覗き込んでいた。
二人で、
「めまぐるしいねえ」「これでストーリー分かるのかねえ」「分かんないんじゃないの」「でも楽しいよね」「はまる人がはまる理由がわかったよ…」と、
未経験者らしい意見で一致しました。
(まあ、200円ぶんしかプレイしなかったのですが…)。
ひげそりの自販機をリメイクした、ライター自販機。斬新。こんな使い方あるんだ!
ひげそりの自販機をリメイクした、ライター自販機。斬新。こんな使い方あるんだ!
ロードサイドのブックオフ、ハードオフ、モードオフ、しまむら大型店舗をめぐり、
ロヂャースで買い物をしまくっていたら、日が暮れてしまった。
激安の元祖、ロヂャース
激安の元祖、ロヂャース
しかし、時間が遅くなっても大丈夫。
もう一軒行こうと話していたゲーセンも、24時間営業だから!

名前もすごい。
「埼玉レジャーランド」、ですって。
ばばーん。これが埼玉レジャーランドだ!! ネオンがきれい。
ばばーん。これが埼玉レジャーランドだ!! ネオンがきれい。
まず、駐車場。シャコタンの車が入れないように、でっぱりがあります。つまり、不良の溜まり場にならないように、という配慮で作られたものらしいですよ。でもこの2013年の世の中では、もう、不良の方自体が、ほぼいないと思いますが…。
まず、駐車場。シャコタンの車が入れないように、でっぱりがあります。つまり、不良の溜まり場にならないように、という配慮で作られたものらしいですよ。でもこの2013年の世の中では、もう、不良の方自体が、ほぼいないと思いますが…。
なんでもあるよ。バッティングセンター!
なんでもあるよ。バッティングセンター!
ボーリングもあるよ!
ボーリングもあるよ!
ラジコンサーキットもあったよ!(マニアの皆さんが集ってました)
ラジコンサーキットもあったよ!(マニアの皆さんが集ってました)
ガシャポンもあるぜ!
ガシャポンもあるぜ!
広い広い敷地内には、レジャーが本当にたくさん。
ゲーセンというよりは、まあ、小さな遊園地といった感じ。
しかし家族連れで来るような雰囲気ではないし、うーん、やはり、埼玉の若者が息抜きしに来る場所なのかなあ、せつない遊技場なんだなあ、とは思った。

とりあえず「体感ライド」があったので、乗ってみた。
ジェットコースター気分が味わえる乗りものです。
ジェットコースター気分が味わえる乗りものです。
友人Uちゃんと2人でライド。ひえええええ。
友人Uちゃんと2人でライド。ひえええええ。
ライドはよく出来ていた。ゴーグルで見る立体画面がせまってくるし、効果として、前面から風が送られてきたりする。でも本物のジェットコースターみたいに重力はかからないので、こわくはない。
絶叫マシーン苦手な私にも、ジェットコースター気分が味わえたので、満足。ちなみにゲーム代は1回300円。
こんなマシーンが、ひっそり、埼玉の片隅で、稼働しているなんて……!

そして! なんと、カラオケボックスが、新しい解釈で作られていた。
広告してるのは、きゃりーぱみゅぱみゅさん。
広告してるのは、きゃりーぱみゅぱみゅさん。

ものすごくせまくて、2人入ってぎゅうぎゅうのスペースで、
ヘッドフォンをして歌う。5分で100円。

こ、こんなのあるんだ……。

若い子がカラオケ離れしてるから、こういうことになったんだろうか?
……よく分からないが、歌ってみる。
宝くじ売り場並みのせまさ。
宝くじ売り場並みのせまさ。
紅白で感動したのでヨイトマケの唄を歌ってみましたが、よく考えたら、メロディをあんまり知らなかった。
紅白で感動したのでヨイトマケの唄を歌ってみましたが、よく考えたら、メロディをあんまり知らなかった。
私はヘッドフォンをしているので、自分の声がエコーがかかって聞こえるのだが、
ドアあけっぱなしで歌うと、周囲には生声が、だだもれ。
同行した友人全員に爆笑された。
新年早々、羞恥プレイ。

そのあと、またロードサイドで夕ご飯食べようか、とも話したんだけど、
居酒屋とか行きたい、という話になり、
『酒蔵 力』という、サッカーファンの中では有名な居酒屋チェーンに行った。
運転担当の人は、ノンアルコールビールで乾杯。

「おつかれー」
「あけおめー」
「しっかしさあ、自分たちで言うのもなんだけど、埼玉、なんもないよね」
「ないね、武蔵野うどんを売りにする店は増えているけど…」
「ほかはなあ、名物ないからなあ」
「ないねえ。しかし、しまむら、でかかったね」
「しまむら、いま、日本にどこでもあるからなあ。でもブーツが1480円って値段おかしいでしょ、買っちゃったけどさ」
「バクハツする安さだったよね」
「ロヂャースも爆安だったね」
「980円のダウンジャケット、買えば良かった!」
「ヒートテック的な下着も、300円で売ってたよね」
「ユニクロ以下の値段って、どうかしてるよねえ」
「その値段で、悩んで買わないのが意味わかんないわ」
「っていうかさ、道ぞいに、ステーキ屋、増えてない?」
「あったね。あれ何だろ?」
「まあうちらの県は、魚ないからね…肉にいくんじゃない?」
「肉かー」
「肉ねー」
「肉っていってもなあー」
「あとさあ、ブックオフの他にも、中古なんとか屋、増えてない?」
「増えてる!」
「中古屋ばっかりのロードサイドって、心がすさむよね」
「すさむ、すさむー。世も末って感じ」
「……しかしあの24時間ゲーセン、いつまであるのかなあ」
「いつまでもあるわけじゃないだろうなあ」
「トーストの機械も、いつまであるんだろうね」
「わっかんないね」
「わからん!」
「埼玉は日々、変わってますからね」
「変わる部分と、全く変わらない部分と」
「どこの地方も、そんなもんだよ」
「多分ね」

埼玉に生まれて良かったな、と思うことは、あんまりないけれど、
なんにもない田舎の閉塞感の中で、ゲームをしたり、車に乗ってうどんを食べたり、
やるせない青春を、過ごしてきた友人たちと、
一緒に生きてきた場所だと思うと、
なかなか大事な故郷なのです。


(そして今回の、「田舎っぺうどんでランチ→オートパーラー上尾→ブックオフ&しまむらめぐり→ロヂャースで買い物→埼玉レジャーランド→酒蔵 力」は、なかなか良いリアル埼玉体感観光コースなので、おすすめですよ!)
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