立体地図が欲しい
ひまさえあれば地図を見ている。
場所の高さによって色を塗り分けた地図はとくに好きで、見ていて飽きることがない。
こういうやつ
これは渋谷付近の地図だけど、どこに坂があるのかみたいなことが一目瞭然なのだ。
もっと一目瞭然にしようと思ったら、実際に街の地形の立体模型を作っちゃうのがいい。
東京の地形の立体模型を作っちゃった人がいる
神保町の南洋堂書店のご主人はそう思って畳2枚分くらいもある東京の立体模型を作ってしまった。
うらやましい。ぼくも欲しい。でも作れない。どうしよう?
ブロックで作れないか
するとおもちゃのブロックが目に入った。色鮮やかでなかなかいい。
高さによって色を塗り分けた立体地図を、ブロックで作ってみようと思った。
作ってみた
いろいろ大変だったが、作ってみた。
結果からお見せしましょう。どん!
浅草です!
これだとさすがに分からなすぎるので、説明をつけます。
隅田川がダイナミック
道玄坂がダイナミック
ほら、だんだん渋谷を上空から見てる気分になりませんか。どうかなってください。
写真だとなかなかあれだけど、実物はけっこういい感じなんです。
自分も作ってみようのために、制作過程を紹介させてください。
ブロックを選ぶ
まずは、どんなブロックで作るかだ。
素直にレゴブロックでよさそうだったんだけど、計算してみると、あまりに大きく、膨大な量のブロックが必要なことが分かった。
そこで、ナノブロックというすごく小さなブロックを使うことにした。基本セットに800ピースも入っているのもよかった。
カワダのナノブロック
試しに組んでみた
どんな感じになるのか、まずは目で適当に見当をつけて立体地図を作ってみることにした。
新宿の都庁があるあたりは碁盤の目っぽくて分かりやすい
制作風景
都庁あたりなら適当に見当をつけて作れるだろうと思ったのだ。
そしたらこんなふうになった。
都庁周辺
比べてみる
似てない。なんか非常に残念な感じだ。
目で見当をつけるんじゃ全然だめだということが分かった。
中間色を作ろう
あとは、色がどうも足りない。基本の4色だけだと、標高によって色がグラデーションで変わっていく感じがでない。
グラデーションにならない
悩んだが、塗ってしまうことにした。
調べてみると、こういうブロックはカラースプレーで良く塗れるらしいのだ。先人がいるなら大丈夫だろう。
買ってきた
色を塗る
ためしに1つのブロックを塗ってみたところ、スプレーの風圧で飛んでいってしまった。
なので、新聞紙にセロテープを逆向きに貼って、そのうえに乗せて並べることにした。
すべてが試行錯誤
色を塗って乾くのを1時間待つ
グラデーションぽくなった!
標高データからブロックの設計図をつくる
それから、国土地理院の出している標高データをもとに、ブロックのどの色をどう積むかの設計図を作る必要がある。
こういう緯度、経度、標高のデータをごにょごにょして
どういう風に積むべきかの設計図に変換するのだ。
ね、大変そうでしょ。実際大変でした。
あとは、実際にブロックを積んでいくのだ。1段ずつ行きますよ。
1段目。まだなんだか分からない。
2段目。まだまだ。
3段目。うーむ。
5段目。ちょっと雰囲気変わった。
6段目。地形っぽいかも。
7段目。渋谷だ!
いや、これを見て「渋谷だ!」とはふつうならない。
でもこれを作っている最中は、もう完全に渋谷に見えていた。道玄坂を登る人々が見えていたのだ。
ダイナミックな隅田川をごらん頂きながらお別れです
お気に入りはこの浅草と隅田川だ。地形的に砂州に由来する浅草側のほうが対岸の横網より明らかに高いのが分かる。面白いなあ。
地味で大変だけど面白い
今回はかなり迷走した。新宿副都心が完全に失敗したので心が折れかけたんだけど、そのあと工夫してそこそこ満足できるものができたのでよかった。
あと思うのはこのスケールで山手線の内側くらいは表現したいなということだ。でも、今回の20x20のセットが2000円で、組むのに2時間はかかるので、2畳分つくると1ヶ月で200万円くらいかかりそう。でもやりたい。