まずはうまい棒を菓子化する
うまい棒を菓子化って意味がわからない。だって、うまい棒はお菓子だ。それを菓子化?なにを言ってるんだ。違うな。言い直そう。
「うまい棒の好感度を菓子化する」。これでどうだろう。
近所のドラッグストアで4種類買ってきた。
やさいサラダ味が好きだ。
好感度を菓子化…。菓子化かー。これでいいのかな?って、自分でも首をかしげながらグラフを作ってみた。
こんなにフワフワした気持ちでデイリーポータルZの記事を書くのは初めてである。「これでいいんだろうか…?」社会人になって初めて仕事を任されて書類とか成果物を作った時の気持ちに近い。
30代も半ばにしてまたあのフワフワ感を味わえて得なんだか損なんだか判らない。
やさいサラダ味が好きなんですよ。変なマスタードの味が強いテリヤキバーガー味はいまいち好みじゃない。
あああ、これで良いのだろうか。うまい棒を使って「うまい棒グラフ」を作って、うまい棒に対する個人的な好感度を可視化した。お菓子で可視化ってダジャレを1枚の写真に収めた。
僕がやりたかったのはこういう事だったのだろうか。苦悩は続く。
かっぱえびせん買ってきた
フワフワした気持ちのまま、カルビーのかっぱえびせんを買ってきた。察しの良い方はこの後の展開も予想が付くだろう。
うまいよねぇ、かっぱえびせん。
夏にカルビーの株を全力買いしておけば!しておけば!
意味がわかるだろうか。「かっぱえびせんグラフ」である。折れ線グラフと掛かったダジャレである。
表しているのは7月から先月末までのカルビーの株価である。最後にちょっと下がっているが、基本的には右肩上がり。順調に上がっている。
もし夏にカルビーの株を買っていたら、今頃差益でかっぱえびせん食べ放題である。
ああ、カルビーの株を買っておけばよかった。なんで買わなかったんだ。上がると思わなかったからか。こんなにしっかり上がってるのに。
かっぱえびせんグラフは、株価っていうか僕の金銭欲と株売買のセンスの無さを可視化してくれた。ありがとうかっぱえびせん。
フワフワである
ギモーヴ(※)もかくや、というフワフワした展開が続く。声優の花澤香菜さんのフワフワボイスすら越えているフワフワ感だ。これで可視化だの菓子化だの書いてていいのだろうか。
自問自答と苦悩は次のページでも続く。まだクッキー作ってないしな。
※…食感が生の内臓に似ているというフワフワお菓子。
友人のお勧め。カルディで買ったというお勧めの調味料。鶏肉のバジル炒めが美味いそうな。
で、友達の家でグラフを作る事にした
三日三晩悩んだ挙げ句、友達の家に遊びに行った。友人宅には「Rainbow food colors」という食用色素があって、前に遊びに行ったときにカラフルなお菓子作りをしたのだ。
僕はお菓子作りは苦手だが、妻や友人はお菓子作りが得意っぽいので手も借りられるはず、という打算でもって妻とお邪魔した。なお、妻は基本的にはテレビを見ていたのでお菓子作りは友人に教わった。
シドニーに住む共通の友達が送ってくれた食用色素。4色の色素が入っていて、紫などは絵の具みたいに混ぜて作る。
2012年の6月に作ったレインボーパンケーキとレインボー白玉。
サイケケーキも作った。悪夢みたいだ。
欧米文化のこのカラフル具合、生粋の日本人である僕には全く理解出来ない。が、友人の長女は幼児期をニューヨークで過ごした影響か、こういうカラフルお菓子が好きなのだという。僕も幼児期をニューヨークで過ごしたらそういう感覚になったのだろうか。干物屋の次男がそんな幼児期を過ごせる訳ないんだけど。
まずは簡単なホットケーキから始めることにした。ホットケーキなら僕だって作ったことある。
僕が唯一作ったことあるお菓子。
卵黄を抜いて白いホットケーキの生地を作り、そこに色素を混ぜる。なんかパステルカラーで可愛いが、欧米人はこの色に食欲を感じるのだろうか。
まずは4種類作ってみた。あとは焼くだけ。
黄色はかなり普通にホットケーキ。ちょっと発色良すぎるけど。
青はやっぱ食べ物に見えない。
抹茶味と言えば通じないことも無さそう。
赤もアリっちゃアリかな。
他にも作っておくかって事で、ゼリーも作ることにした。ゼラチンをお湯で溶かして適当に砂糖とレモンで味付け。あと色づけ。
基本の4色+混ぜることで他の色も作れる。箱の裏面には色素のレシピが載っている。
こんな型に入れて冷蔵庫で固めますよ。既にカラフル。
問題のクッキーである
お菓子作り、ここはからは未知の領域だ。クッキーなんて焼いたことがない。だってなんか面倒くさそうだし。
噂によると、お菓子はレシピ通りに計って手順も寸分違わずやらないとうまく出来ないと聞く。計量や時間も正確に、と。
仕方ないので計ろうとしたら、バターは包み紙に目安の線が入っていると言われた。え、そうだったの?
なんと、デザインの縞模様かと思ってたら線1本で10g分なのだそうな。
あらま!あたし知らなかったわ。バターの包み紙なんて何十年も前から何度も見てるけど知らなかった。しかも、計ってみるとちゃんと重さも合っていた。
これも一種の可視化であろう。重さの可視化である。すごいアイディアなんじゃないか。
っていうか、クッキーにバターってこんなに入れるんだ。
バターの包み紙に施された可視化のアイディアも驚いたが、60gのバターにも驚いた。そして更に砂糖80gである。
うわ、お菓子ってなんか容赦ない。
こんな量が入ってるなんて…。
レシピによるとバター60g、砂糖80gである。80gの砂糖って凄い量だ。って思ったら、500mlのコーラには65gの砂糖が入っているらしい。上に乗せた画像に写ってる砂糖の8割である。…ドン引きですわ。
山に登った後にコーラを飲むのが好きなんだけど、やめようかなって思うほど。これも菓子化の効果か。
お菓子作りの本には、粉を振るって少しずつ混ぜろって書いてあったし、友人も妻も「レシピ通りにやれ」って言ってたけど無視してそのまま混ぜる。
お菓子作りは淡々と続く。で、この記事のテーマはなんだっけ。「初めてのクッキー作り」だっけ。
最初はバターを練ったり砂糖を振るって混ぜたり、ちゃんとレシピ通り忠実に作っていたが段々面倒になってきた。しめしめ、妻も友人も見てない。混ぜ工程の最後、小麦粉を混ぜる部分は手を抜いて粉を振るわずしかも200g一気に混ぜ込んだ。
お菓子作りは性格を可視化するね。
粉なんて振るわねぇぜぇ~ワイルドだろぉ~?
友人が言うには、お菓子作りで手を抜くとその5倍の手間が後で返って来るという。なるほど、確かに混ぜるのは大変だった。が、なんとか混ざった。結果オーライである。
大体混ざった。
それにしても、このクッキーとやらのレシピの恐ろしき事よ。たっぷりのバターと砂糖を混ぜて、そこに山盛りの小麦粉である。どれも世界有数の高エネルギー体だ。それらを練って焼いたら、そりゃ美味いに決まっている。
たまにお菓子を作ってきては配る女子がいるが、あれは自分で全部食べると太るからなんじゃないか。そういう邪推をしたくなるレシピだ。
色を付けて焼きますが
しまった、普通にクッキーを作っているだけだ。基本の生地が出来たので、それに色を付ける。まぁ、4色あれば良いだろうって事でホットケーキの生地と同じように着色した。
焼くと色が薄くなるかもって事で濃いめに着色している。どうなんだ、この色。
欧米人のこういうとこ、あたし解りません。
生地を伸ばしたり冷やしたりお昼ご飯を食べたりしてたら友人の長女が帰ってきた。カラフルなクッキー生地を見て大喜びである。ワーオ、本当にこういうの好きなんだ。意識の底にアメリカ人が住んでいるのだ。
色んな色や形のクッキーが整形された。って事で焼くのだ。
わーい、カラフルで楽しー。
ホットケーキからやるか
では、結果発表である。お菓子で可視化をしたいという僕の願いがこのページで叶う。多分。
あ、赤を写し忘れた。撮影あるある。
なにがしたいのかっていうと、カラフルなパンケーキで円グラフを作りたいわけだ。僕が考えられる可視化ってのはその程度のものだ。
で、どうなるかというと、こうなる。
あ、可愛いかもって思った。
これだけじゃなんの円グラフかわからない。これでなにを可視化してるのかというと、クッキー作りに対する僕の感想を可視化したグラフなのだ。
文字を入れてみよう。
クッキー作るのは面倒でした。
折角なので色々なものをホットケーキで可視化したい。次は、犬派と猫派のグラフである。僕の周りは猫好きが多いので猫派が多いのかと思ったら、世間的には犬派が多いのらしい。へー、知らなかったニャン。
「その他」には「どちらでもない」も含まれます。
猫好きとして悔しいので猫の写真を載せる。
次は、幕末に世論調査をしたらこんな感じだろうか?というグラフである。可視化って言ってるのにデータの根拠がない。僕が勝手に決めた。
攘夷派は外国との戦争で欧米の驚異を感じ、富国強兵を目指して文明開化、欧米化する。結局攘夷ってなんだったんだって気もする。そして今、僕は欧米の色彩感覚に驚異を感じている。
犬派、猫派、攘夷派など、「なんとか派」と言えばそう、白樺派である。なんだかよくわかんないし、Wikipediaを読むのも面倒なので完全に適当に雑に菓子化してみた。
カブトムシが好きな樹液で派閥争いみたいなグラフになった。
カラフルゼリーも出来た
ゼリーも固まったので型から出してみた。いやー、すごい色である。友人の長女は喜んでいるが、大人3人はドン引きだ。
食べ物に見えない。
適当に切って並べてみた。ゼリーの棒グラフである。長さは適当だが、営業の人がよくやりそうな成績のグラフにしてみた。
なお、名前と順位には一応根拠となるデータがある。元ネタはなんでしょう?
わっかるかなー、わかんねーだろうなー。
クッキーは無残なことになった
菓子化出来てるのか出来てないのかよくわかんない事態になっているが、どうなんですかね、この記事。
で、もっとも手間を掛けたクッキーはご覧の有様だよ。
可哀想な仕上がり。これがクッキーなのか。
帯グラフのクッキーを作りたかったのだが、薄くしすぎたのが悪いらしく変な物が出来上がった。形もヘロヘロしてるし焦げた。食べてみれば普通にクッキーなのだが、普通のクッキー作ってもしょうがないじゃないか。
見かねた友人が作り直してくれた。ベースの生地にカラフル生地を乗せる2重構造作戦である。なんだか妙なノウハウが生まれてしまった。
クッキーってある程度厚みが無いといけないんですねぇ。
綺麗な帯グラフクッキーが焼けた
15分後、見事な帯グラフクッキーが焼けた。流石である。僕が作ったヘロヘロ帯グラフとは全然違う、しっかりした帯グラフクッキーが出来た。
可愛い。
なんか可愛く見えるようになってしまった。色に慣れた。
これはなにを菓子化したのかというと、三国志の勢力である。例によって幅はかなり適当なので細かい突っ込みとか要りません。
ざっくり蛮族とか書いちゃったけどよかったのだろうか。三国志のいつの時代なのかってのも判断が分かれるだろうが、そこまで詳しくないです。はい。
結局菓子化とはなんだったのか。ちゃんと可視化出来たのだろうか。今の気持ちを可視化するとこんな具合になります。
今回はこれで終わりだよ!さぁ、帰った帰った!
可視化と菓子化。これでよかったのだろうか。いや、ここまで書いちゃって悩んでもしょうがない。これでよかったのだ。
今回の記事で一番ビックリした可視化は、クッキーに含まれるバターと砂糖の量である。あんなにたくさん入っていたとは。そりゃ食べ過ぎれば太るってもんだ。
一応の成果はあったって事で、一つご容赦いただければと思います。