実家の車が錆びていた
まず、実家の車である。そもそもボロい車なのだが、それにしても錆びている。ざっと見たら、タイヤの辺りとかサイドミラーの辺りが錆びていた。流石、海まで100mの実家である。容赦ない錆びっぷりだ。
この辺はタイヤに飛ばされた小石などで傷が付いて錆びやすいのだろう。
塗装の下が錆びている。ゴリゴリと剥がしたいが、きっと母に怒られるのでやめといた。36歳になって母に叱られるというのは避けたい。
駅前から錆びている
そもそも、町で一番栄えているはずの駅前からして錆びだらけだ。外房線の安房小湊駅という駅なのだが、駅前のポストがいきなり錆びまくりだ。
そうか、ポストは赤いから錆が目立たないんだな。でも下のコンクリに錆が落ちている。
角に錆が浮いている。これもゴリゴリ剥がして錆を落としてみたいが、郵便局員に叱られそうなのでやめておく。この歳で大人に叱られるのは避けたい。
駅前の広場には数台の自転車が駐められていた。都会の場合は速攻で係員に注意されたり速攻でどこかに撤去されてしまうが、流石に千葉の先の方となると牧歌的である。
そして、そんな自転車も錆びていた。
シルバーの自転車なのだが全体的に茶色い。
スタンドやチェーンカバーに錆が浮いている。
ハンドルの錆びも凄いが、カゴが錆びすぎて底が抜けていた。
自転車と言えば、錆び錆びの自転車が落ちていた。廃墟ならあり得る光景だが、普通に人が住んでいる民家のわきである。
ブレーキもダイナモ周辺も錆びすぎである。
錆びすぎてスタンドがちぎれていた。ここまで錆びると、いっそ清々しさすら感じる。萌えである。ちなみに、この写真を撮った場所から海までは5mである。
鉄橋の錆に萌える
駅から実家に向かう道すがら、鉄橋が錆びていた。しかも尋常じゃない錆びっぷりである。俺、こんな鉄橋を通る電車に乗ってきたのか…という驚きがあった。
遠目に見ても十分判る錆び方。
鉄って錆びると層になるんだなぁ。ミルフィーユの様で可愛い。なお、この錆びた部品は鉄橋の橋桁本体ではないので安全上の問題は無いと思われる。
セブンイレブンの看板も錆び錆びだ
駅前のセブンイレブンもなかなかだった。駐車場の隅に砂が溜まって、ちょっとした砂丘みたいになってたりする店なのだが、看板の足が錆びてひしゃげていた。
一番左の足がなんか曲がっている。
ほぼ朽ちかけである。大丈夫なのか。それでも健気に看板を支える錆びに萌える。
標識もガードレールも錆びる
公共の標識なんかも錆びまくりだ。なにせ、下の写真は左側がもう砂浜である。1年中海風を浴びまくっているもんだから、そりゃあもう、錆びないわけがない。
駅から200mくらい海側に立っている案内板。海→この案内板→セブンイレブン→駅という位置関係である。
外側はゴムのような素材で覆われていたが、支柱は金属だったらしい。亀裂から塩気が入ったのか見事に錆びていた。一時「ど根性野菜」なんて言って舗装を突き破る野菜が話題になったが錆びも相当にど根性である。厚く膨らんだ錆びに萌えーである。
こんな標識の支柱もなかなかの錆びっぷりであった。
なぜかところどころ錆びて、そこから錆びダレが下に伸びる。
カーブミラーの標識も良い感じに錆びていた。言っておくが、普通に人が生活している町の、そこそこ交通量がある道のカーブにあるカーブミラーである。
ガードレールの裏側も錆びていた。
看板もこの通りだ。錆び文字である。赤は日光に当ると消えやすいとかそういうレベルをすっかり越えている。
看板と言えば、この看板もよかった。錆びている部分はおそらく赤く塗られていたのだと思う。赤が消えて赤錆になった事で、図らずも錆びる前と同じ色関係を保っている。いずれ見事な錆び文字になるのだろう。
側溝の蓋は最終的に錆で埋まる
道路の脇にある側溝だが、たまに金属の格子の蓋があるだろう。あれも港町の場合は錆びていく。
隅の方が錆びるのはまだ若い。
最終的にはこうなる。なんだろう、食べ終わったトウモロコシの芯みたいだ。良い感じだ。壁紙にしたい。
漁港は錆び天国だ
さて、錆の本場と言えば漁港だろう。漁港には今までの錆を超える見事な錆があった。
あ、そうだ。海の音をバイノーラル録音してきました。BGMとして聴きながら読むといいと思います。
コチラ。必ずヘッドフォン(またはイヤホン)で聴いてください。じゃないと立体感を感じないから。
※なお、バイノーラル録音については
「168円で立体的に録音する」をご覧ください。
漁港なので目の前が海です。
漁港にはこういう小屋っぽいものがいくつもある。なにかって言うと、漁師が網を直したり仮眠を取ったりする「番屋」である。
番屋の屋根はトタンで出来ている場合が多く、大体錆びている。
壁も屋根もトタンの場合、全体的に錆びまくる。良い色ですなぁ。
一斗缶なんかも錆びすぎて原型を留めていない。
金属のパイプもこんなに錆びている。これも普通に使われている番屋の一部だ。
港にある金属は大体どれもひどく茶色い。そう、茶色くない唐揚げが存在しないようにね。
なぞの金属の道具もすっかり茶色い。
足を乗っけて格好つけるための台である。これも茶色で萌えー。
流石漁港である。もう、全てが錆びまくっていて萌えまくりである。下の写真の錆びもなかなかの物だ。錆が見事な層を成している。
なんで層になるんですかね。伸ばした鉄を重ねて部品を作ったりしてるんでしょうか。その層構造が錆によって分離するとか。ペリペリと剥がしたいが、多分漁師にぶっ飛ばされるのでやめといた。
そして次の写真は、今回の記事の為に撮った中でのベストショットだ。この写真1枚を見せたいためにここまで書いてきたといって過言ではない。
コンクリの塊に付いていた金属のフックなのだが、雨水が溜まるためか見事に錆びきっていた。
これ、いいわー。持って帰りたい。この質感は表面が濡れているからこそだと思うので、部屋に飾るのは無理だけど。壁紙にしたい人向けに原寸サイズをご用意しました。
コチラ。
ステンレスすら錆びる
更に驚くべき事に、なんと錆びない金属と言われるステンレスも錆びていた。流石海っぺり。金属は全て錆びる運命にある。
ステンレス製の流しである。こういうのが庭先にある家が妙に多い。
うっすら錆が浮いていた。いずれ茶色い錆で覆われるのだろう。
魚市場は木で出来ている
そんな錆の町ゆえ、魚市場の建物は木で出来ている。確かに木なら錆びないので長持ちしそうだ。コンクリートなら保つだろうって?いやぁ、港町の場合はコンクリートも微妙なのだ。
でも、近隣の漁港では木造って珍しいんだけど。鴨川や勝浦の漁港はコンクリで出来てた。
市場部分の近くに、巨大なコンクリートで出来た傘状の建物がある。漁師が資材を置いてたり、夏になるとここで相撲大会が開かれたりしていたのだが、今では立ち入り禁止になっていた。
鉄筋コンクリートの鉄筋が錆びて、コンクリートの塊が落ちてくるらしいのだ。昔はコンクリに海の砂を使ってたとかで、鉄筋が錆びてしまうケースがあるらしい。
子供の頃、この下で遊んだ記憶がある。
でも立ち入り禁止。頭上からモルタルの塊が落ちてくるそうだ。
確かに一部欠けてたりする。鉄筋が剥き出しになっているので、鉄筋が錆びて膨らんだのが原因だろう。
大黒柱も鉄筋が剥き出し。例えば筋肉ムキムキの人が力を入れてシャツを破ったりするだろう。それと同じである。
柱の下には見事に崩れ落ちた塊と、それが当って壊れたテレビが放置されていた。あんなの人間に当ったら死ぬぞ。
でも、そんな傘の下に普通に番屋があって、漁師さんがネコにエサやってた。流石、命知らずである。
どうだろう、錆の良さがわかっていただけているだろうか。そろそろ房総に遊びに行きたくなってきたんじゃないだろうか。
もうちょっと錆びの話は続く。
ウッドチップかと思ったら錆だった
漁港近くの民家の横を見たら、ウッドチップみたいなのがたくさん落ちてて、錆び錆びの鉄棒も落ちていた。よく見たら、それはウッドチップじゃなくて錆だった。
一見ウッドチップ風ですが、よく見ると。
錆チップだった。金属って朽ちると木みたいな見た目になるのだ。
要は全て錆びている
長々書いてきたが、要するに、港町にある金属は概ね錆びていると言うことだ。そして、その錆びっぷりが良いのだ。
「わびさび」って言うだろう。錆の侘びた佇まいがなんとも渋い。
シャッターも錆びているが。
自販機も錆びている。ちょっとでも塗装が剥げると、たちどころに錆びていくのだ。なお、ここから海まで10mくらいだ。
おそらくまだ使われているだろう、ガスのメーターも錆びて膨らんでボコボコになっていた。危なくないのかって気もするが、その危うさがまた萌えである。
大丈夫か、これ。漏れたりしないのか。それとももう使われていないのか。
そこらじゅうにある金属が全て錆びているので、こういうワケのわからない金属の箱なんかも錆び錆びである。
30年以上はここにあって、水を溜め、そして錆びている。
中には水がいっぱいに溜められてて、僕が子供の頃から同じ佇まいでここにある。
このテクスチャ、萌えますでしょう!
誓いの南京錠も錆びる
輪廻とかが好きな人たちに人気のスポットが鴨川にあるのだが、そこも見事な錆びスポットだったので最後に紹介したい。
魚見塚という高台があり、そこに女神像が立っている。ここに誓いを込めた南京錠を掛けると、その誓いが未来永劫続くのだという。
女神像を下から激写。
これが名高い「鴨川松島」である。正直「ふーん」以上の感想は出てこない。
鴨川の市街地を一望できる。僕の実家は10kmくらい離れているので写真の範囲には無い。
これがまぁ、見事に錆びていた。いいんだろうか、っていう錆びっぷりだが、きっと10年くらいは保つだろう。10年も誓いが続いたら立派な物だと思うので十分か。多分これでマルだ。
さて、これで記事は終わりだが、最後にサービスとして太平洋に沈む夕日の写真を載せておこう。サービスである。錆の記事だけに。
わはは、ダジャレだ。なんか文句あるかワン。
小湊の「蓮華が淵」っていう砂浜で見られる景色です。綺麗でしょ。錆びも良いけど夕日も良いでしょう。色的には同じだし。
錆は黄昏を想起させる
錆は良い。なにが良いって、金属の朽ちていく様が、諸行無常を感じさせて良い。しかも、そんな錆びだらけの町で普通に人が生活してるってのが更に良い。
夕日の色と錆の色は通じる物がある。僕の実家がある辺りは過疎化が進んでおり、ぶっちゃければ黄昏の町であり、その町が黄昏れ色の錆びに覆われていく様は退廃的な美しさがある。
そして、海に沈む夕日は美しい。錆と夕日でオレンジ色に染まる港町は、格別に輝いているように見えた。
みんな、もっと房総に遊びに行くべきです。
お知らせ:新しい無料アプリ作りました
忙しいふりをしつつ、無料のiPhoneアプリを作りました。広告もなしなので僕は1円も儲からない慈善事業みたいなアプリです。というか慈善事業そのものです。天気予報の画面に広告が出るけど、それは天気予報のWebサイトが載せてる広告なので僕には1円の広告料も入りません。
さて、どんなアプリかというと、地図上に雨雲を表示するアプリです。東京アメッシュの全国版とでも言いますか。あと、お気に入り地点にジャンプしたり、その地点の天気予報を見たり、画面中央の天気予報を見たり、なぜか百名山の位置にジャンプ出来たり百名山の天気予報を見ることが出来たりします。
一言で言えば「地図を中心にした新しい形の天気予報アプリ」って感じでしょうか。無料なのでこれを読んだiPhoneユーザーは全員インストールして下さい。
アプリ名:「雨かしら?」
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