天使のような寝顔
布団はすでにもぬけの殻
「ちくしょう!逃げやがったな!」と賊は吐き捨てるように言って、掛け布団をはいで布団に手をやる。
「まだ暖かい!そんなに遠くに行ってないはずだ、探し出せ!」
ここである。遠くに行ってないってどれぐらいだ。僕が指示される立場だったら半径100mなのか500mなのか教えて欲しい。
賊必見!時間による布団の温度変化
ここでサーモグラフィ画像である。この写真は布団から出た直後の温度。
布団から出た直後
敷き布団の最も暖かいところで33.7℃。
温度を測り、33.7℃であればまだ近くにいるどころか、たぶん布団の脇にいるはずである。
武家屋敷風の間取り図で言うとこう。赤丸が捜索範囲だ。
×の部屋で襲ったとしたらたぶん同じ部屋にいる
2分後
誰もいない布団をまた戻し、2分後にはがして温度を見る。
2分後
頭の部分がなぜか直後よりも上がってしまった。またさっき33.7℃だったところもほぼ同じである。布団全体が温かくなっているのが特徴だ。
賊のみなさんは布団全体に暖かさが残っていたら2分ぐらい前に出て行ったな、と思ってもらえれば幸いである。
布団が32.7℃、布団全体にあたたかいときの捜索範囲
4分後
かけ布団を誰もいないところにまた戻し、また2分後にはがして温度を見る。
4分後
急に布団が冷えた。いちばん暖かいところでも31℃。布団全体に29~30℃である。
温度よりもあたたかい部分が人の形でなくなっているのが特徴かもしれない。布団をサーモ画像で見たときに人の形でなくなっていたら4分経っていると考えていいだろう(サーモグラフィカメラを持っている賊向け情報)。
暖かいところが人の形でなくなったときには屋敷全体が捜索範囲となる。池に潜っているかもしれない。
10分後
次に6分放置してみた。最初からだと10分経ったことになる。
10分後
4分後と10分後があまり変わってない(いまさらだがこの実験は25℃の部屋で行った)。
10分後の特徴としては布団に27℃以下の冷たいところが広がっていることがあげられる。なんとなくあったかいんだけど、冷たいところもあるな、という場合は逃げられてから10分過ぎている可能性がある。追うには馬が必要だ。
冷たいところがあるのは、僕が寝汗をかいてそれが冷えていることも考えられる。
18分後
最後にもう8分放置した状態(トータルでは18分後)を撮ってみた。
18分後
冷たいところがぼんやりして布団全体が同じ温度に近づきつつある。人の輪郭も消えた。
この状態だと「布団は暖かい!でもこれは布団本来の暖かさだからいついなくなったかわからん!」というセリフが正しい。
サーモ画像を並べた
時間による変化がわかりやすいようにサーモ画像を小さくして並べてみた。
暖かいところの輪郭が消えたら4分以上経過、布団全体の温度が均等になったら10分経過だろうか。
「まだ布団が暖かい!遠くに行ってないぞ」は正確には「まだ布団の暖かいところが人の形だ!遠くに行ってないぞ」である。
アプリにもなる
スマホに温度計がついていたら、布団の温度から布団から逃げてどれぐらい経ったか、現在地からどのあたりまで逃げてるかが地図で示すアプリが可能だ。名前は i-賊(アイゾク) にしよう。