ペンギンショー再録
最初に断っておくと、このペンギンショーはひどいわけではなくて最高におもしろかったのだ。
飼育員がいちいち「きみやってくれるかな」とペンギンにやさしく声を掛けるところに愛情を感じるし、ペンギンの生態もよく分かった(言うことを聞かないということも)。
ペンギンショーのはじまり。集まらないペンギンもいる。
ここにいるのはフンボルトペンギン。南米大陸に住むペンギンである。岩場に住んでいるのでジャンプ力もあるそうだ。そこで用意されたハードルを飛ぶ種目。
エサの前にあるハードルを…
横からよけてエサに群がるペンギン
「避けないようにねー」とやんわりつっこむトレーナー。
ボケとツッコミのようになっている。そういう演出なのかと思ったが、そのあとジャンプしていたのでやるときはやるらしい。
ペンギンフリーダム
やらないかと思えば次の種目のジャンプ台に早くものぼっているペンギンもいる。
「勝手にやらないでよ」とトレーナーにさとされるペンギン
去年見たときはショーの最中に紛れ込んできたカラスがこの台に乗ってしまい、トレーナーに「きみは誰かなー」と言われていた。
滑り台。「豪快に決めてくださいね、それ!」
ちょこちょこと歩いて降りるペンギン。
トレーナーは「歩かないでよー」とつっこんでいた。
手前の台にはさっきのペンギンが乗ったままである。ちなみにこの台は下の水面にジャンプする種目で使う。そのときのようすはこう。
滑り台。「豪快に決めてくださいね、それ!」
1羽目、ジャンプ成功
2羽目、足をすべらせて落ちる
3羽目、階段を下りて帰る
飛び込んだほうが早い気もするが、ペンギンは短い足で慎重に階段を下りていった。
ペンギンが足を踏み外した瞬間。真顔
終始この調子である。
飼育員のかたに聞くと、エサの使い方しだいでは(空腹にさせてしまうとか)もっと芸をするかもしれないけど、そうすると飢えたりケアが大変なのでやらないと話していた。そのほうがいい。
ちなみに夏は羽が生え替わる関係でもっと動きが悪くなるそうだ。
締めのセリフはトレーナーによって違うようで、この日二回目のショーでは「ペンギンたちは人間にあまりなつかないことがおわかりいただけたと思います」と言っていた。
そうか、だって野生動物だ。
すべてのショーがこういうわけではない
おたる水族館のショー全てがペンギンショーのテイストではなく、ほかのショーでは海獣がきっちりと芸を見せていた。
セイウチは人間の言葉を理解して(20語ほどは聞き分けるそうだ)、ボールをはじいたりポーズをとる。人間と力加減して相撲をとっていた。力加減とは賢い。見ていたおじさんが興奮して子どものようにガラスのところに寄って話しかけていた。
トドも「オゥヴェエエエ」と低い声で鳴きながら逆立ちしたり飛び込みをする。
セイウチ。1000キロ超えるのに芸達者
トド。ゴウェエエエエと鳴く。
ただ、どちらもイルカやアシカのようにわかりやすくかわいくはない。おっさんっぽい。言うことを聞かない生き物もいればおっさんっぽいのもいる。生物の多様性とはこういうことを言うのだろうか。
魚を丸のみするおっさん三匹
トドは魚を頭から丸のみするが、しっぽから丸のみすると骨が引っかかるからだそうだ。なにも考えてないようでいてしっかり考えた末の丸のみだった(これ水族館で聞いていちばんへーと思ったから書きたかった)。
海獣が勝手に来る水族館
おたる水族館の海獣プールは海に面したところにある。プールは海につながっているため、勝手に野生のトドが入ってくるそうだ。
朝見ると一匹多いなんてことがあると話していた。
水族館から逃げるという話は聞いたことがあるが、増えるという話ははじめて聞いた。
撮影協力
おたる水族館
〒047-0047 北海道小樽市祝津3丁目303番地
電話 0134-33-1400
(2012/12/1~12/9,12/29~2013/1/1は休館です)