日高に広がる超広大な牧場施設
北海道の海岸沿いを反時計回りで旅行していた私は、日高幌別からキャンプ場のある内陸部へ原付を走らせた。
地図を頼りに国道から外れてブーンと行ったのだが、途中で真っ直ぐな桜の並木に遭遇しておやと思った。並木の周囲には草地が広がり、馬が草を食んでいる。
北海道で真っ直ぐな道は珍しくないが、ここは並木で良い感じ
しっかり管理された牧場というのが第一印象である
なんとなく、ただの牧場でない事は分かった
日高地方は馬の名産地という事もあってこれまでにも牧場をいくつか目にしていたが、ここは特に大規模である。道沿いには職員の宿舎らしき建物が何棟も並んでおり、どうもただの牧場ではないようだ。
並木道が終わった辺りの路肩に案内板が出ていたので、私は原付を止めてそれを眺めてみる事にした。
ほぉほぉ、日高育成牧場……とな
案内板の右下に書かれた概要によると、ここはどうやらJRA(日本中央競馬会)の競走馬を育てる牧場らしい。要するにサラブレッド養成所という事か。
さらに進むと展望台があった
おぉ、すっげぇ広い
奇妙な形の建物も多い
こっちは、なんか長いぞ
広大な芝生の牧場に不思議な形の建物が並んでいる。ふむ、これはおもしろそうだ。単に通り過ぎてしまうのはもったいない。牧場の風景を楽しみながら行くとしよう。
牧場内を通る道道746号線には馬の通りを知らせる看板が
厩舎から顔を出すお馬さんがキュート
馬を中に入れて回転させて歩かせる、回し車的な施設
そしてあまりに広すぎるトラック
残念ながら馬は走っていなかった
展望台から見ても十分に広い牧場ではあったが、下から見るとますますその広さが際立つ。
厩舎に見える馬の姿も可愛らしい。私には普段あまりなじみの無い馬だけど、こう見るとなかなか良いもんですなぁ。
そんな牧場の風景にいちいち心動かされながらキャンプ場に向けて進んだ私の前に、一棟の建物がその姿を現した。
これまた不思議な円形の建物だ
……って、うぉお、なんだこの長さ!
入口にあった案内板の写真をズームにして確認してみると、どうやらこれは屋内馬場らしい。
ちなみに馬場とは、マラソンとお酒が好きで料理上手な当サイトライター馬場さんの事……ではなく、馬が走る直線のトラックの事だ。
馬を走らせる場所という事でこのような長い建物になっているのだろうが、それにしても長すぎだろう。その全長は1km、ここまで直線的で細長い建造物はそう多くないのではないだろうか。
とりあえず、道路から馬場の建物を追ってみる
途中途中に出入りのできる扉があった
反対側の終端にも円形の建物がくっつく
端から端まで歩けば15分。しかし最高速度が時速80kmにも達するというサラブレッドなら、1分足らずで走ってしまうのだろう。
全長1kmというと建造物としては極めて長大であるものの、馬場と考えるとそれほど長いものでもない気がするが……いや、それでもやっぱり長いだろう。
江戸時代の城や大名庭園には馬術の演習場として馬場が設けられている所が多いが、長さはせいぜい200m足らずだ。天下の江戸、その郊外に作られた高田馬場でさえ約650mである。……って、競走馬用と比較するのはナンセンスか。
奥の方にも屋内馬場と思われる長い建物が見えた
案内板によると、こちらは屋内坂路馬場らしい。長さは先程の馬場と同じく1km。いずれも雪の積もる冬季にも使える馬場として重宝される設備なのだろう。
内部も見学できるツアーがあるみたいです
今回、キャンプ場に行くその途中でたまたま見かけ、物凄く長い馬場に興奮した日高育成牧場であるが、牧場内は基本的に立ち入り禁止の為に内部を見る事はできなかった。
しかし夏季には場内見学ツアーが実施され、屋内馬場の内部にも入る事ができるようである。
実施日は7月から9月が毎週水曜日と金曜日、10月は毎週水曜日の10時からで、参加費用は無料らしい。ご興味のある方は来年の夏休みにでもいかがでしょうか。