特集 2012年9月27日

大通りの一本裏を歩こう

これ、銀座です
これ、銀座です
大通りの一本裏を歩くのが楽しい。

車の騒音も気にならないし、なにより、この街にこんな場所があったのかという発見がある。逆に、ふだんいかに大通りしか通ってないかも分かる。

一本裏の魅力をたずねたい。
1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

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こっちの道に行きたい!と思う、一本裏

一本裏とは何か。

なんていうまでもなく、みんな分かってる。分かってると思うんだけど、ちょっと説明させてほしい。

たとえばこういう道を歩いてるとする。
ザ・大通りという風情
ザ・大通りという風情
そんなとき、ちょっと脇を覗くとこんな道があったとしたらどうだろう。
おっ!
おっ!
いい道である。この、細くていい具合のカーブ。大通りより断然こっちを歩きたくならないだろうか。

どうでしょう。ひとまず、なるということで話を進めさせてください。
振り返ったところ。この景色でごはん3杯はいける。
振り返ったところ。この景色でごはん3杯はいける。
いい道だねえ。
表通り(右)と、一本裏(左)
表通り(右)と、一本裏(左)
10メートルくらい裏に入っただけなのに、印象ががらっと変わる。それが一本裏の面白さだと思うのだ。
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銀座すずらん通りの一本裏がすごい

そういう一本裏のギャップは、繁華街こそ面白い。このまえ銀座を歩いてたときのことだ。
すずらん通り
すずらん通り
この道から一本入った場所に、ただならぬ雰囲気を感じた。
なにか気配を感じる
なにか気配を感じる
これはなんだ?!
これはなんだ?!
不法投棄禁止・・
不法投棄禁止・・
「ここはゴミ捨て場ではありません」の張り紙と、うず高く積まれた自転車。ほとんど銀座とは思えない雰囲気だ。

はっきりいうと、地元の商店街の裏手みたいだ。ダンボールとかが積み上がってるところ。
どっちゃり
どっちゃり
これは油断だ、と思った。バーニーズニューヨークの一本裏で、銀座が油断している。

あるいは、ここはどうか。
銀座和光の見える、晴海通り
銀座和光の見える、晴海通り
・・の一本裏の商店街
・・の一本裏の商店街
この入口のたたずまいがすでにドキリとさせる。
入口の看板はほとんど白く塗られている
入口の看板はほとんど白く塗られている
銀座、大通りの一本裏
銀座、大通りの一本裏
奥は、長屋の商店街になっていた。
メニューの値段が分からない
メニューの値段が分からない
「中華 三原」は東京オリンピックと同じ年の創業だそうだ。抑えた価格で、お昼時には行列ができるという。

遠くまでいかなくても、たった一本裏に入るだけで知らない景色が待っているのだ。
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広尾駅前の一本裏は昭和だった

渋谷区広尾といえば高級住宅街である。

大使館が立ち並び、駅前のローソンまでも高級である。
ピカピカとしゃれているぞ
ピカピカとしゃれているぞ
というのは単にぼくの印象だが、そういう雰囲気を感じる街だ。そんな広尾の屋台骨となるのは外苑西通り。
ざます
ざます
そして女子大への通学路でもある駅前の商店街も賑わっている。
ですのよ
ですのよ
しかしそこから一本裏に入ると・・。
こ、これは
こ、これは
こういう雰囲気はよく知ってる
こういう雰囲気はよく知ってる
こういうところには、
井戸がある
井戸がある
苔むした路地に手押し式の井戸。広尾の駅前を一本入るとそんなことになっているのだ。
近くの家の方が草の手入れをしていた
近くの家の方が草の手入れをしていた
話を聞くと、このあたりは関東大震災でも空襲でも焼けずに残った地区のようで、
「古いだけがとりえ」
と笑って教えてくれた。

この地区の地図
地図を見ると、中央部分に家が密集している。

そういう場所は空襲を逃れた住宅地であったりする。表通りから見えない場所に、町の昔の姿を残しているのだ。
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大通りに寄り添う裏通り

大通りにたいして、裏通りがずっと寄り添うというパターンもある。

板橋。中央を上下に走る緑色が大通り、うすい青が裏通り
別の例も。

品川。中央を上下に走る黄色が大通り、うすい青が裏通り
これは、裏通りのほうが実はかつてのメインルート(街道)だったものだ。こういう場合、裏通りには地元の商店街が続いていることが多い。

板橋の例で見てみよう。
表通りに対して、
表通りに対して、
裏通り。商店街になってる。
裏通り。商店街になってる。
裏通りのほうは、いわゆる旧中山道だ。巣鴨のとげぬき地蔵の商店街もそう。
地元の商店街、というほかない佇まい
地元の商店街、というほかない佇まい
街道のパターンでは、国道として何車線にも整備された大通りに対して、裏通りはのんびりした商店街だ。迷わず裏通りを歩きたい。

もう1つ別のパターンもある。

青山。中央を上下に走る黄色が大通り、うすい青が裏通り
黄色い大通り(外苑西通り)にたいして、裏通りが一定の距離でずっとまとわりついている。まるでストーカーだ。こりゃなんだろう?
行ってみると、裏通りはゆるいカーブを描いている
行ってみると、裏通りはゆるいカーブを描いている
家の玄関がなぜか階段の上にある
家の玄関がなぜか階段の上にある
これだけでピンときた人は相当すごいと思うが、裏通りのほうはかつて川だったのだ。川よりちょっと高い場所に表通りが作られて、その後川にフタがされて裏通りになったというわけ。
いい雰囲気の裏通り
いい雰囲気の裏通り
川跡は自然にくねってその先を辿る楽しみがあるし、なかなか再開発されないので懐かしい景色が残っていることも多い。

こういう場合も迷わず裏通りをいきたい。つまり、どんな場合でも裏通りを行けばいいのだ。

大通りから見た街しか知らない

裏通りにはいくつかの楽しみがある。繁華街の見せる油断、時間が止まったかのような路地。いずれも、この街にこんなところがあったのか!という驚きがある。

そこから逆に、ふだんいかに大通り沿いからしか街を見れていないかということにも気づく。ぜひ一本裏を行きましょう。もちろん、マナーと安全は守ったうえで。
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