特集 2012年9月19日

札幌にクマの剥製はいくつあるか

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札幌のあちこちにクマの剥製があった気がする。

北海道のお土産といえば木彫りのクマ、と同時に土産屋の店先などにクマの剥製がある確率はかなり高かった。 札幌に住んでた頃はあまり意識せず、むしろベタな北海道感出し過ぎで 少し恥ずかしかったが、いま思うとそんなクマの剥製がある街はちょっと可笑しいと思える。

実際どれくらい札幌市内にクマの剥製があるのか探してみよう。
1985年生まれ札幌市出身。髪がとても硬いため寝癖がなかなか直りにくい体質。そのためよく帽子をかぶっています。

前の記事:コンビニのお菓子を東京土産と偽ってもバレないか

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クマの剥製のよくある置き方

クマの剥製はだいたいこういったシチュエーションで置かれてる場合が多かった気がする。
お土産屋の店頭、または奥まったところにいたり、
お土産屋の店頭、または奥まったところにいたり、
歓迎の看板の隣で全然歓迎してない様子だったり、
歓迎の看板の隣で全然歓迎してない様子だったり、
観光地に無造作に置かれてたり。
観光地に無造作に置かれてたり。
やっぱり道外から来た観光客に北海道らしさを演出するために置かれてるのだろう。

ただ本物の剥製、しかも威嚇のポーズだったりするから怖くてちっとも歓迎してる感じがない。

クマの剥製探しモデルコース

というのが記憶してるクマの剥製のイメージ。では現在札幌市内にどれくらいクマの剥製がどういった場所にあるのか、剥製がありそうな札幌の観光地を回って確かめてみたい。
そこで、クマの剥製を探すのにピッタリな地図を作ってみました。
※マウスオーバーで道順が出ます
※マウスオーバーで道順が出ます
実際の札幌にはもっと道路があります。あと縮尺も適当なので、これを参考にして いったら想像より遠くて途中で行き倒れたとか言われても責任は取れませんのであまり 信用しないでください。
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札幌駅からスタート

地図に描いた道順通りにクマの剥製を探していきます。
まずは札幌駅から。
まずは札幌駅から。
札幌駅は何年か前に再開発でいまの駅舎になった。 それまでは青くて低い天井のいかにも地方駅な佇まいで、そのころはクマの剥製とか あっても不思議じゃなかった。
とはいえ今の雰囲気では厳しいか。
とはいえ今の雰囲気では厳しいか。
安定の木彫りのクマはいろんなタイプで販売中。
安定の木彫りのクマはいろんなタイプで販売中。
とても鮭ばかりのロッカーがあった。
とても鮭ばかりのロッカーがあった。
ひとつひとつに”サケ”とテプラする丁寧な仕事。
ひとつひとつに”サケ”とテプラする丁寧な仕事。
というコネタはあったけどクマの剥製は見つからず。 駅内のビルにGAPとかコムサとか入ってきてる時代ではムリがあるか。 そんな中でも木彫りのクマだけは売ってる。

売ってる、といってもいつ帰省しても同じ物がずっと置いてあるので、 たぶん何年も売れてない。
札幌駅:0匹

時計台で札幌の水が売ってます

がっかりスポットとは言っても記念写真撮る人は割と絶え間なくいる。
がっかりスポットとは言っても記念写真撮る人は割と絶え間なくいる。
中はこんな素敵空間。
中はこんな素敵空間。
クマの剥製があったとしてもさすがに外にはいないなと思い、 数年ぶりに時計台に入ってみた。あまり知られてないけど、入館料は300円で 中には洋風の素敵空間が広がっている。

そんな素敵空間にクマの剥製が置いて…あるわけなかった。
時計台:0匹
クマはいなかったけど代わりに自販機(クマと背丈は似てる)を見つけた。
全然知りませんでした。
全然知りませんでした。
「水は冷やすと一層おいしく飲むことができます」ですよね。
「水は冷やすと一層おいしく飲むことができます」ですよね。
結構頻繁に帰省してるのに「さっぽろの水」というミネラルウォーターが発売されてるとは知らなかった。駅とか他の観光地でも見かけたことないのでかなりレアかもしれない。

味は水が冷えてておいしかったです。

テレビ塔でも木彫りのクマは売ってます

続いては高さ約147mのさっぽろテレビ塔へ。
続いては高さ約147mのさっぽろテレビ塔へ。
パンダの方のクマが売り出し中。
パンダの方のクマが売り出し中。
うーんなんとなくクマの剥製あったような記憶があったが思い違いか。 むしろヒグマではなくパンダを前面に出してる。

念のため一番上の展望台まで登ってみよう。
やっぱりないか-。
やっぱりないか-。
中を覗くと、タワーを足下から覗き込んだように見える映像が見える、斬新な井戸?があった。
中を覗くと、タワーを足下から覗き込んだように見える映像が見える、斬新な井戸?があった。
それでも木彫りのクマはきっちり売る道民の意地。
それでも木彫りのクマはきっちり売る道民の意地。
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アーケード街に佇むクマ

テレビ塔を抜けたら次はアーケード街の狸小路に行こう。 狸小路は観光地というより古くからあるお土産屋が多いので、 そういったところの店頭を期待したい。
狸小路1丁目から端の7丁目まで見ていく。
狸小路1丁目から端の7丁目まで見ていく。
あ、
あ、
いきなりいた。
いきなりいた。
しかも二匹も。しかも質屋の前で。
質蔵 屋太郎ていいます。
質蔵 屋太郎ていいます。
なんとなくこの辺りにいたような記憶はあったけども、 それが質屋の前だったとは思わなかった。地元にいたころは 意識して見てなかったから。

通りすがる人も誰もクマの剥製に興味を持ったりしてない。 むしろ写真を撮ってる僕の方が気になるようだ。いやここにクマの剥製があることの方が 変じゃないのか。
こっちのクマにも名前付けてあげて。
こっちのクマにも名前付けてあげて。
「なんでこんなことに」の叫びが聞こえる。
「なんでこんなことに」の叫びが聞こえる。
ちなみにこのクマたち、売り物というわけではなく 普通に客寄せとして置かれてる物らしい。それにしても威嚇しまくりだろう。
下より胸がやたら気になるタヌキ。
下より胸がやたら気になるタヌキ。
突然変異のカニかと思った。
突然変異のカニかと思った。
1丁目でいきなり2匹も見つかったからこれは7丁目まで期待が持てるぞ。

と思ったらその後はまったく見つからなかった。あの2匹には末永く道行く人を威嚇しつづけて欲しい。
狸小路:2匹

不埒なすすきの

一応は名の知れた観光地ということですすきのも見て回ることにしたが、 クマの剥製は正直期待できないかもしれない。

繁華街なんかにクマの剥製があったら、ちょっかいを出した酔っ払いが血まみれになりそうだ。
すすきのに来たことを説明するだけの写真。
すすきのに来たことを説明するだけの写真。
訪れた時間はまだ昼間でまだすすきのもおとなしい。 とはいえ明るい分、随所に夜のすすきのを連想させるものが目に付く。
もう少し奥まった路地にあってほしい。
もう少し奥まった路地にあってほしい。
なにを作ってるんだ。
なにを作ってるんだ。
なにを言っているんだ。
なにを言っているんだ。
やっぱりクマの剥製は見つからない、するとこういうのを撮ってしまうので本当に困りますね。
すすきの:0匹

剥製はあってもクマはない道庁

赤レンガとしてまあまあおなじみの旧北海道庁舎。
赤レンガとしてまあまあおなじみの旧北海道庁舎。
中では北海道の歴史などの展示スペースとなっていて、 北海道を代表する動物の剥製もあった。
しかしクマはおらず。
しかしクマはおらず。
ここもそれほど期待してなかったので剥製の展示を見たときは「おほ!」となったけど、 クマの剥製はなかった。ヒグマは北海道の動物にかかせないのにこれはおかしい。もしやあの質屋に…。
しかし知事室の部屋の隅にもあれはあった。
しかし知事室の部屋の隅にもあれはあった。
おそらく世界で最も権威があるであろう木彫りのクマ。
おそらく世界で最も権威があるであろう木彫りのクマ。
なんで道民がこんなに木彫りのクマ大好きなのかは生まれ育った僕にもさっぱり分かりません。
これは企画に全然関係ないけど思わず載せてしまったセクシーすぎる土偶。
これは企画に全然関係ないけど思わず載せてしまったセクシーすぎる土偶。
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植物園の歴史ある巨大熊

札幌市内の主要な観光地をいくつか巡ってここまで見つけたクマの剥製は2匹。 しかも2匹1セットなので実質1つだ。どうしよう。

しかしそんなこともあろうかと、モデルコースに観光地と言えるかどうか分からない植物園を入れていたのだ。姑息ですみません。
植物園内の博物館。クマの剥製があることは分かってた。
植物園内の博物館。クマの剥製があることは分かってた。
うっかり股間が虹色になってるのは無視してください。
うっかり股間が虹色になってるのは無視してください。
本当に人里を襲った歴史あるクマ。
本当に人里を襲った歴史あるクマ。
質屋のとは顔つきが違う。
質屋のとは顔つきが違う。
小さい頃よく植物園に来ては、毎回このクマの剥製を見てその大きさに度肝を抜かれてた。 そういったわけでここにあることは知ってたわけだが、 今回久しぶりに見たら意外と小さく感じた。もっと大きかった気がしてたけど。

と、クマの剥製に久しぶりに会ったおばあちゃんみたいな感想を持ってしまった。
ついでにツキノワグマもいた。
ついでにツキノワグマもいた。
植物園:2匹

むしろクマいすぎな博物館

クマの剥製巡りモデルコースも遂に最後のスポット、 北海道大学構内にある総合博物館にやってきた。
無料で入れます。
無料で入れます。
正直言うとここも安全パイとして入れた場所。 ただ入館料は無料なので観光のついでに来ても損はないと思う。
誰かの気配を感じてみれば、ノーベル賞を獲った鈴木教授特集を開催中。
誰かの気配を感じてみれば、ノーベル賞を獲った鈴木教授特集を開催中。
記念スタンプとして個人的な判が押し放題でした。
記念スタンプとして個人的な判が押し放題でした。
鈴木教授は良い(=素晴らしい)として、クマの剥製である。
「2階へもどうぞ♪」
「2階へもどうぞ♪」
絶対言ってない。
絶対言ってない。
博物館1階の通路の奥にいたクマ。2階へもどうぞと案内してくれているがその顔は思いっきり怒ってる。

ちなみにこのクマの後ろは札幌の重力基準点となっており、そういった意味でもとても重要なクマの剥製だ(クマ関係ない)。
2階にはシロクマがいました。
2階にはシロクマがいました。
さすがにでかい。あとなんで首にパネル載せられてるの?
さすがにでかい。あとなんで首にパネル載せられてるの?
シロクマがいたのは予想外だった。以前帰省時に寄ったときはいなかったので いつからいるのかと思ったら、2011年の5月に寄贈されたらしい。

お相撲さんみたいに身体をベタベタ触る人が多いらしく、 注意パネルが首に載せられているのがなんだかすごく大変そうだ。
あらカワイイ。
あらカワイイ。
小悪魔フェイス(クマだけに!)
小悪魔フェイス(クマだけに!)
いままでの剥製とはうってかわってかなりかわいいクマ。 パネルによると、寄贈されたもので詳しいことは分からないが、1歳のメスの可能性が高いらしい。

それにしてもクマがそんなに寄贈されるのは実に北海道ならでは。と言っていい? シロクマは住んでないけどいい?
博物館:3匹

クマの剥製番外編

これで札幌市内でクマの剥製がありそうなとこ巡りは終了だ。 見つけたクマを地図に書き込んでまとめよう。

や、その前にもう1匹クマの剥製を紹介したい。
同じネコ目のキャラクターと共に。
同じネコ目のキャラクターと共に。
このクマは小樽のお土産屋で見つけた物。 今回は札幌市内限定だったので載せないつもりだったが、 お土産屋の店頭にいるクマの剥製を札幌で見つけられなかった。

でもいないわけではないから!という言い分けとして載せておきたい。
怖いんだけど、なぜか悲しくなる佇まい。
怖いんだけど、なぜか悲しくなる佇まい。
顔!顔!
顔!顔!
腹!腹!
腹!腹!
見てる方が痛々しくなるほどのこの満身創痍。 これからも小樽の風雪に耐えて、なんの動物かも分からなくなるぐらいここに立ち続けて欲しい。

札幌市内にいるクマの剥製は7匹以上

ということで札幌市内にいるクマの剥製を地図にまとめてた。
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市内を隈無く探したわけではないのでひょっとしたら他にもいるかもしれない。 少なくとも7匹以上はいるということだ。もし札幌でクマの剥製が見たくてタマラナイ!という方はぜひこのマップを参考にしてください。

生きてるクマの方が多いかもしれない

クマの剥製は7匹見つかった。でも剥製ではない生きてるクマが 札幌駅から10km程の真駒内駅付近で出没したらしい。

札幌でクマが目撃されるのは西区や南区の山辺りではよくある。 しかしここ数年札幌近郊でのクマ目撃情報はかなり増えてるようなので、 剥製より生きてるクマの方が全然多いのかもしれない。それはもう絶対発見したくないです。
一応見に行ったけどクマはいなかった。よかったー。
一応見に行ったけどクマはいなかった。よかったー。
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