特集 2012年8月20日

ティッシュはホームセンターで買うと13.3倍安い

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もともと通年アレルギー体質で、出かけるときはポケットティッシュが手放せない。それに加えて、ここ最近は先週引いた風邪が長引いている。誇張抜きで、5分に1回鼻をかまねば、鼻が水の都状態なのである。鼻の都と言ってもいい。そんなベネチアとパリが一気にやってきたような、巨大観光都市が誕生しているのだ。鼻に。
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変な音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。(動画インタビュー)

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行きすぎた比喩表現でわかりにくくなったが、要は鼻水が出るという話である。そのためティッシュが欠かせない。
毎日ポケットティッシュを持ってでかけるのだけど出先で切らしてしまうことも多いわけで、そういうときは適当な店で買う。で、ここから本題。ティッシュって、場所によって値段が違いすぎないだろうか。

ホテルの自販機のビールが高いが如く

僕はいつもホームセンターで買うんだけど、でかい袋にたくさん入って100円である。一方、コンビニで買うと4つしか入ってなくて150円くらいする。さらに、駅の売店で買ったときはもっと高かった。場所によって値段が全然違うのだ。

この価格差について、前々から一度調べておかねばと思っていた。
というわけで、価格調査の結果をいきなり発表してしまおう。

普通のティッシュ

調査結果は3つのジャンルに分けた。普通のティッシュ、保湿ティッシュ、水に流せるティッシュだ。まずは普通のティッシュから見てもらおう。
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表の見方は左から、買った店、商品名、ポケットティッシュ1つに何組(2枚重ねなら2枚で1カウント)入っているか、外袋にポケットティッシュがいくつ入っているか、そして値段、1組あたりの単価。

1組あたりの値段を見てみると、なんと、価格差は最大で8.16倍!ただ最高値の商品は「香り付き」というちょっと特殊なモノだったので、それを除外すると、6.66倍。最高値は東京メトロの駅売店で買ったティッシュだった。
東京メトロ独自パッケージ。
東京メトロ独自パッケージ。
ほかのはぜんぶ複数パックのまとめ売りなのに、これだけは堂々の単体売り。結果、価格差は6.66倍である。駅改札内、競合がないがゆえの殿様商売…!という感じもするが、とはいえ小口で買えるのは良心的といえなくもない。量が少ないだけで、販売価格はこの中で一番安いのだ。「1枚だけ欲しい」という場合には実は最もお買い得。

一方で最安値はホームセンターで買ったもの。いつも僕が買ってるやつだ。特に比較せず直感で安く感じて買ってたのだが、その判断は正解だったようだ。ただ、安いだけあって紙が硬い。1日に数回の使用ならいいが、今みたいに5分に1回鼻をかむチェーンブロワーのみなさまにはお勧めできない。
いつも買ってるやつこれです
いつも買ってるやつこれです
つづく上位にはホームセンターとイオンが並ぶ。結論としては、ふつうのティッシュ、安く買うならホームセンターかイオンである。

保湿ティッシュ

ではチェーンブロワーのみなさまにお勧めのティッシュは?といわれると、こちらのランキングが参考になる。
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調べてみてびっくりしたのだが、世の中に流通しているティッシュは、普通の商品より保湿タイプの商品の方が多い。1組あたりの平均価格も通常2.09円に対して保湿2.27円と、0.2円しか変わらない。鼻かみ用途には迷わずこちらを使おう。

この中でダントツで安いのが、100均の商品。
化粧落としにも推奨
化粧落としにも推奨
1回0.66円で鼻をかめる。16パック入りという保湿系最大の大量パックは、買いだめにはぴったりだ。他に上位に食い込んだのはイオンとマツキヨ。100均を含め、この3つのどこかで買っておけば保湿ティッシュは問題なさそう。

逆に高い方を見てみると…鼻セレブの独壇場である。これは店の値付けの問題というより、鼻セレブ自体が高級品なのだろう。セレブの名に恥じぬハイソぶり。ただしこちらも駅の売店が頭ひとつ抜けて高いため、できるだけそれ以外の店で買いたい。
店頭ではこのつぶらな瞳がグイグイ迫ってくる
店頭ではこのつぶらな瞳がグイグイ迫ってくる

水に流せるティッシュ

最後に、水に流せる部門。溶ける紙は鼻をかむのに向いていないので個人的にはあまりお世話になることはないが、別の緊急シチュエーションもあるだろう。せっかくなので比較しておこう。
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ここでも100均が健闘。0.66円の単価は保湿ティッシュの最安値と同じだ。続いてイオンが跡を追う。
これが最安値
これが最安値
ティッシュみたいな元々安い商品は「100均で買うと意外と損」というイメージがあるが、キャンドゥのティッシュに関してはしっかり最安値。えらい。

続いて最高値、ついにアイツの登場である。
コイツ
コイツ
駅のトイレにあるあの自販機だ。困ったときの最後の頼みの綱的存在であるが、単価でいえば実は100均の10倍以上。見事に足下見た価格である。
しかし背に腹は変えられない状況もあるだろう。需要と供給の結果にたどり着いた10倍である。

価格比較まとめ

そんなわけで3つの表を検討した結果、傾向はだいたい以下のとおりである。
・安いティッシュ探すならキャンドゥ、イオン、マツキヨの順にいけ
・ただし普通のティッシュはホームセンターが狙い目
・駅でティッシュを買うな
・ただし「少しだけ」(1パック以内)欲しい場合はあえて駅売店利用もアリ。小口で買える。

ちなみに種類を横断して比べると、1組あたりの最安値はホームセンターの普通のティッシュで0.5円、最高値は駅のトイレ自販機で6.67円。なんと13.3倍の開きがあった。

「場所によってティッシュの値段が違う」現象、、その全貌が明らかになった。個人的にはここまでで大満足であるが、調査の過程でいろいろ面白いことも見えてきた。次のページでは調査過程を紹介するとともに、お店別の傾向も見ていこうと思う。

お店別傾向

ちなみにここから紹介する傾向は、今回僕が訪れた店では、という話に過ぎない。お店によって状況は違うと思うが、そのへんはご勘弁いただきたい。

安値少数精鋭、100均「キャンドゥ」

キャンドゥのティッシュ売り場
キャンドゥのティッシュ売り場
キャンドゥの特徴は、商品がものすごく絞られていること。3品しかないのだ。
流せるティッシュのランキング最安値、「水に流せるティッシュ」
流せるティッシュのランキング最安値、「水に流せるティッシュ」
保湿ティッシュの最安値「ローションティッシュ モイス」
保湿ティッシュの最安値「ローションティッシュ モイス」
保湿のランキング4位「シルキーローション」
保湿のランキング4位「シルキーローション」
3つしかないのに、そのうち2つがそれぞれランキング1位なのだ。この精鋭ぶり。オーソドックスなものばかりで変わった商品はなく、また独自ブランドのためネームバリューも薄い。しかし実用的にも経済的にも申し分ない、ティッシュ界のDELLみたいな存在である。ここで買えば、間違いない。

ティッシュの理想郷「イオン」

一方、全ての部門で2位を獲得したのはイオン。しかしイオンの強みは価格だけではない。圧倒的なラインナップの幅広さを誇るのだ。
売り場の写真が
売り場の写真が
一枚では収まりきらない!
一枚では収まりきらない!
独自ブランドのTOPVALUで各部門の2位を確保(保湿のみ別のティッシュが2位)、さらにTOPVALUは大きいパッケージと小口のパッケージを用意することで幅広いニーズに対応している。さらに注目なのが、変わり種ティッシュの数々である。
香り付きティッシュ。2パック入りで、それぞれ「コンフォートタイム」「スイーツタイム」の香り。
香り付きティッシュ。2パック入りで、それぞれ「コンフォートタイム」「スイーツタイム」の香り。
1パック10組か12組入りが標準のポケットティッシュ界に、いきなり60組で殴り込み。超重量級1パック。
1パック10組か12組入りが標準のポケットティッシュ界に、いきなり60組で殴り込み。超重量級1パック。
和柄入り、和ティッシュ。「夢うさぎ」という名前も粋で高級品かと思いきや、流せるティッシュ部門3位の安値である
和柄入り、和ティッシュ。「夢うさぎ」という名前も粋で高級品かと思いきや、流せるティッシュ部門3位の安値である
新開発、アコーディオンポケット採用。ポケットティッシュの欠点である「広げにくさ」に対策
新開発、アコーディオンポケット採用。ポケットティッシュの欠点である「広げにくさ」に対策
こんな個性派ティッシュがオンパレード。安さを求める層と物好きなティッシュマニアを両方満足させる、まさに最強のティッシュ売り場といってもよい。もちろん定番の銘柄もほとんど押えており(しかも他店より安い値付けで!)、もう非の打ち所がないのだ。

ティッシュがないと死ぬ人種としては、全ての駅前にイオンがあればいいのに…と切に思う。

ちなみに途中で登場したアコーディオンポケット、実際に買ってみた。
ひっぱって…
ひっぱって…
取り出したそのままの状態。確かに広がってる!
取り出したそのままの状態。確かに広がってる!
…のだが、大きさが違う
…のだが、大きさが違う
ちょっとずるい気がするが、商品名がフェーシャルティッシュということでもともと鼻かみ用ではない。若干腑に落ちなさを感じつつ、問題を果敢に解決しようとする企業努力は買いたい。

殿様商売かと思いきや「METRO'S」

名前を聞いてもピンと来ないかもしれないが、駅の売店である。東京メトロ版キオスクだ。

メトロでまず驚いたのが、独自商品のティッシュが売られているところ。
この台紙にどっさりなってる
この台紙にどっさりなってる
台紙にスコッティと書いてあるので中身は日本製紙クレシアのOEMなのだと思うけど、まさか独自パッケージで販売してるとは思わなかった。枚数も18組入りと独特。我が道を行くパッケージ形態である。

で、このMETRO'Sティッシュが1組あたりの最高値であること、そして60円で購入価格としては最安値であること、この2点については前ページで触れた。
しかしだからといって、駅で安くティッシュを手に入れる方法がないわけではない。こんなのがあるのだ。
メカ売店登場
メカ売店登場
AUTO METRO'Sといって、自販機のみの売店。どこの駅にもあるわけではないと思うが、大きな乗換駅ならたまに見かける(写真は永田町)。飲み物、お菓子、日用品まで幅広く売られているのが特徴。
もちろんティッシュも!
もちろんティッシュも!
ここで買うと1組当たり2.50円。有人売店と比べると75%の値段で買えるのだ。この値段、実は同商品をセブンイレブンで買うより安い。攻略法さえ覚えておけば、駅でティッシュを買うことはそんなに恐ろしいことではないのだ。

もはや遺跡 駅トイレ自販機

今回最も気になっていたのが、この物件だ。
これほんとに動くのかよ、という年季。
これほんとに動くのかよ、という年季。
実は僕はこの自販機、一度も使ったことがない。一応「営業中」の表示が出ているのだが、実際の所、本当に動くのだろうか…。
100円玉を投入
100円玉を投入
カツーン
カツーン
乾いた音とともに、下からそのまま出てきた。何回試しても同じ。明らかに営業していない感じである。もはや、遺跡。


だが今回は価格調査のために100円で何組入りなのか調べる必要があって、「遺跡でした」で終わるわけにはいかない。別の駅で試してみた。
よく見ると駅によって商品ラインナップが違うのである
よく見ると駅によって商品ラインナップが違うのである
そして手に入れたのがこれ
そして手に入れたのがこれ
出てきたのは、15組入りとまた独自路線のポケットティッシュ。今回調査した全ティッシュ中、最も最高値だったのがこちらである。しかしいくつかの駅をめぐってようやく、しかもどこか古代テクノロジーの匂いを感じる機械を操作して手に入れたこのティッシュ。手にすると妙な達成感があった。この体験、プライスレスである。

バラの花舞う高級コンビニ「ナチュラルローソン」

コンビニは3軒回ったのだが、中でもナチュラルローソンは高級コンビニとしての意地を見せたハイソサエティなラインナップであった。
あるのは厳選2品のみ
あるのは厳選2品のみ
右にあるのは言わずと知れた、高級ティッシュ・鼻セレブである。左にあるのはピンク地にバラのプリントがエレガント、「BALA」だ。
「おしゃれでクールなティッシュ」を自称
「おしゃれでクールなティッシュ」を自称
これ、買ってみたのだが、なんと透かしが入っている。
お、おしゃれでクール!!
お、おしゃれでクール!!
香りつきではないのだが、それでも鼻をかむときはなんだかエレガントな気分になるティッシュである。高級感に対する妥協しなさ、さすがナチュラルローソンであった。

その他ティッシュ売り場あれこれ


その他にもコンビニ2軒、薬局2軒、ホームセンターにスーパー、100均もう1軒と、全部で10軒の店を回っての調査となった。他の店で見つけた細かいティッシュコネタを、ここでは紹介していこう。

子供ティッシュの充実ぶり

今回の調査をするまで全然知らなかったのだが、子供用ティッシュというジャンルがあるのだ。
ゴーバスターズにプリキュア
ゴーバスターズにプリキュア
裏までプリキュア
裏までプリキュア
大人用との違いはサイズが小さいことと、キャラクターの絵が描かれていること。メーカーが文具メーカーというのも興味深い。
他の店でもこの品揃え
他の店でもこの品揃え
少しジャンルの違う商品なので今回は調査対象としなかったのだが、実用品としか考えていなかったティッシュに、こんなカラフルな世界があったのか!というのはひとつの発見であった。

薬局商品はどことなく小林製薬っぽい

もしかしたら偶然かもしれないが、薬局にしかおいてなかったティッシュは、妙に説明口調の商品名が多かった。(ちなみに小林製薬ではない)
「水に流せるティッシュです」
「水に流せるティッシュです」
「お鼻が赤いと困ります」
「お鼻が赤いと困ります」
と、サンプル数が2つしかないので「偶然かもしれない」と自信なげに書いてみた。特に後者の「~困ります」については、商品の説明ですらない。意見である。

おしりセレブもある

今回の調査で鼻セレブの高級ティッシュぶりが明らかになったが、いまや鼻だけでなくおしりもセレブなのであった。
残念ながらウェットティッシュのため今回は対象外としました。
残念ながらウェットティッシュのため今回は対象外としました。

ポップの長体がすごい

もう読めない
もう読めない
以上、コネタでした!

ティッシュ買うにも戦略がある

そういうわけで、ティッシュ購入時のおさらい。

・安いティッシュ探すならキャンドゥ、イオン、マツキヨの順にいけ
・ただし普通のティッシュはホームセンターが狙い目
・駅でティッシュを買うな
・ただし「少しだけ」(1パック以内)欲しい場合はあえて駅売店利用もアリ。小口で買える。

夏風邪、ブタクサ、冬の寒さ、そしてスギ花粉と、シーズンごとにティッシュの季節はやってくる。いつ何時ティッシュが必要になってもいいように、自分の行動範囲のティッシュ売り場を把握し、最適な購入ができるよう用意しておこう!
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