特集 2012年6月25日

一回溶けてもおいしいアイス調べ

!
みんな大好き、アイス。僕も夕食後には毎日食べているほどのアイス好きだ。

ところで、アイスって重大な矛盾をはらんでいると思わないか。暑い日にこそ冷たくておいしいのに、暑い日はすぐ溶けてしまうのだ。
溶けてしまったアイスは悲しい。もう、元には戻らないのだろうか?
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変な音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。(動画インタビュー)

前の記事:「ちくわサラダ」は完全武装のポテトサラダだった

> 個人サイト nomoonwalk

また凍らせる

人間を生き返らせるのはゾンビパウダーだが、アイスを生き返らせるのは冷凍庫の仕事だ。今回は、アイスを片っ端から溶かして、また凍らせてみることにした。一度ドロドロになったアイスは、元通りおいしくなってくれるのだろうか。
2本(溶かす用と比較用)×10種類、子供なら嬉ション必至の大量のアイス
2本(溶かす用と比較用)×10種類、子供なら嬉ション必至の大量のアイス

溶かすのも以外と大変

再冷凍の前に、まずは溶かす工程。それほど気温が高くないことと、一部のアイスに入っているチョコまで完全に溶かすことを考え、電子レンジで溶かすことにした。
東南アジアの満員電車みたいになったレンジ皿
東南アジアの満員電車みたいになったレンジ皿
加熱中
加熱中
あっ…
あっ…
マメに止めては溶け具合をチェックしていたのだが、温まり方が均一じゃなかったのか、下の方のアイスが破裂事故。上の方のアイスは溶けてないのに。
中は半溶け状態だったのでとりあえず食べる
中は半溶け状態だったのでとりあえず食べる
しかたがないのでひとつずつレンジ加熱することにした。
加熱前
加熱前
加熱後
加熱後
加熱前
加熱前
加熱後
加熱後
加熱前
加熱前
加熱後!?
加熱後!?
なんだと…。

どうも、一部のアイスは袋が銀紙になっており、レンジで温めると袋から溶けてしまうようなのだ。さっき失敗したのも、温まり方が均一じゃなかったせいではなく、袋が溶けたからだ。中身のアイスは冷たいままなのに。
しょうがないので銀紙チームは室温で自然に溶かすことに
しょうがないので銀紙チームは室温で自然に溶かすことに
実験の準備で1ページ使ってしまった。アイスひとつ溶かすのにも、落とし穴は存在するのである。

おすすめ再冷凍3選

試したのはこの10種
試したのはこの10種
次ページからは結果発表。まずは再冷凍しておいしかったものから紹介していこう。
チョコモナカジャンボ
!

甘さ控えめ大人のアイスクリームケーキ

パリパリのモナカに、バニラアイスと板チョコを挟んだ商品。サイズもボリューム満点で、食後に食べるとやや手に余る。個人的には満腹中枢の麻痺した飲み会後などによく食べるアイスである。
左:溶ける前、右:再冷凍
左:溶ける前、右:再冷凍
再冷凍の方が若干ふくらんでいるが、それほど違いはないように見える。しかし裏返してみると…。
ブヨーン
ブヨーン
やや食欲をそぐ見た目。しかしこれが意外にもおいしかった。
パリパリだったモナカがしっとり柔らかに
パリパリだったモナカがしっとり柔らかに
スプーンですくえる喜び
スプーンですくえる喜び
しっとりしたモナカをスポンジ的なものと考えると、そこに現れるのはアイスクリームケーキである。それでいて、モナカ自体はもともと甘くないので甘さ控えめ。板チョコのバリバリ感も一度溶けたことでマイルドになっており、すっかり大人のアイスクリームケーキである。
ブロックごとに食べる喜びも健在
ブロックごとに食べる喜びも健在
普段食べるときはパリパリのモナカが散らばって床が汚れるのだが、それがないのもいい。
紅茶と一緒にいただきたい一品である。
うまさ
★★★★★

別の食べ物度
★★★★★

あずきバー
!

「あずき」から「あんみつ」へ

和風アイスの定番ながら、その硬さにも定評のあるあずきバー。再冷凍でどう変わるだろうか。
手前:溶ける前、奥:再冷凍
手前:溶ける前、奥:再冷凍
一部だけ露出した棒が、発掘前の化石のようで男のロマンを刺激する。食べてみると…。
甘い!
甘い!
甘くなった。なんでだ。いろんな場所を食べたり舐めたりして探ってみたところ、原因はここにあった。
この透明の部分
この透明の部分
この液体、溶かしたことによって水が出ただけかと思いきや、どうもこれが甘いのだ。あんの味だったあずきバーに、この蜜が加わることによって、あんみつバーに。
この蜜はもともとあずきバーの中に含まれてたはずだけど、分離して外側に付着することで、より甘さを強く感じるのだろう。あずきバーとは別物としておいしい。
個人的には、おやつにするならあずきバー、デザートにするなら甘さの強い再冷凍あずきバーを選びたい。

あと硬さもちょっと柔らかくなった気がしたけど、単に形状が薄くなったせいかもしれない。
うまさ
★★★★☆

別の食べ物度
★★★☆☆

スーパーカップ バニラ
!

チープさがおいしいシャリシャリバニラ

いわずと知れたバニラアイスの定番である。
左:溶ける前、右:再冷凍
左:溶ける前、右:再冷凍
表面に泡立った跡が。色も香りも普通のバニラアイスだが、この中で何かが起こったことは間違いない。
なんか固い
なんか固い
スプーンがなかなか入っていかない。なんとか差し込んで食べてみると、食感がなんだかシャリシャリなのだ。

アイスの中の水分が、再冷凍したことによって細かい氷になったのだろうか。口溶けが素早く、シュワッと涼しい。君は、バニラアイス入りのかき氷をグリグリに混ぜてしまったことがあるかい?あれと同じ食感だ。(ない人は、バニラアイスを一回溶かして再冷凍すると大体同じ食感が得られる)
うまい
うまい
反面、アイスのなめらかさとか乳製品としての濃厚さみたいなのは完全に失われており、悪く言えば安っぽい味。しかし、この安っぽさがいいのだ。夏祭りで出店で買って食べるのが似合いそうな味だ。
うまさ
★★★★☆

別の食べ物度
★★★★☆
10種の中で、これはおいしいぞ、と思ったのは以上の3つ。
次は、逆に「これはないわ…」と思ったものをご紹介します。
スーパーカップ チョコミント
!

ハミガキ

スーパーカップバニラがおいしかったので、これもいけるだろう。そう思ってたら見事に裏切られた。
道路際の雪、降って2日後。といった感じのビジュアル
道路際の雪、降って2日後。といった感じのビジュアル
ヒキの比較写真撮り忘れました。左:溶ける前、右:再冷凍
ヒキの比較写真撮り忘れました。左:溶ける前、右:再冷凍
食感のシャリシャリした感じはバニラのそれと同じ。ただし、甘みが弱まっており、そのぶんミント味が強く立ち上がっている。

このミント味がくせ者で、ミントと言えば聞こえはいいのだが、要はハミガキの味なのだ。あれ、チョコミントってこんなだっけ…、と思って溶かす前のを食べてみると、ちゃんとおいしい。再冷凍の方を食べてみると、やっぱりハミガキ味。おかげで清涼感だけはバツグンだが、これ食べるくらいなら歯磨きした方が虫歯にならないし良いよな、と思いました。
うまさ
★☆☆☆☆

別の食べ物度
★★★★★

ピノ
!

デロデロのかたまり

手軽でおいしくて、形も可愛いピノ。普段はチョコでコーティングされた小さなドーム型の形状だが、一度溶かすことによってその崩壊は必至である。まずは見ていただこう。
左:溶ける前、右:再冷凍
左:溶ける前、右:再冷凍
チョコとバニラがマーブル状に解け合っておいしくなるかも知れない、という狙いがあった。確かにマーブルにはなったが、このあふれっぷり…。
スティックが埋没してしまったため、スプーンですくって食べてみる
スティックが埋没してしまったため、スプーンですくって食べてみる
ご存じの方も多いと思うが、アイスには乳固形分によって「ラクトアイス」「アイスミルク」などグレードがある。ピノはその中でも乳固形分の多い「アイスクリーム」に分類されるはずなのだが、この再冷凍のピノは、アイスもチョコも、濃厚さを全く感じない。ペラッペラの味である。
開封前。振っても音がしないのが衝撃的であった
開封前。振っても音がしないのが衝撃的であった
マーブルになったり形が変わったりと変化はあったが、それ以前に味のクオリティがだだ下がりした。今後、ピノを溶かすことは大罪であると心得よう。
うまさ
★★☆☆☆

別の食べ物度
★★★★★

ガリガリ君 ソーダ
!

ガッカリ君

去年、梨味が品薄となり話題だったガリガリ君だが、今回はオーソドックスにソーダ味で実験。
左:溶ける前、右:再冷凍
左:溶ける前、右:再冷凍
なぜか色が変わった。再冷凍の方はエメラルドグリーン入ってて、元の人工的な色と比べてネイチャー感アリ。
棒に注目すれば、氷漬けのマンモス的なかっこよさも。
棒に注目すれば、氷漬けのマンモス的なかっこよさも。
棒がこの状況なのでかじりつく姿も自然と野性的に
棒がこの状況なのでかじりつく姿も自然と野性的に
食感が、板だ。再冷凍したことで、氷の目(?)が変わったのだろう。かじると雲母のように板状になって剥がれてくる。噛むとパリパリするのだ。そして、味の方はなぜか薄い。

ガリガリ君と言うよりも、食感的にはパリパリ君、味的にはガッカリ君、といった感じです。
うまさ
★★☆☆☆

別の食べ物度
★★☆☆☆

チョコパイ
!

裏返しになって死ぬ

チョコケーキ系代表はこちら。スポンジっぽい生地にアイスが挟んであり、その上をチョココーティングしてある。
左:溶ける前、右:再冷凍
左:溶ける前、右:再冷凍
なんで袋のままかというと、どう頑張っても袋から取り出せなかったからだ。
同化している
同化している
袋の中に、繭でも作ったかのように同化している。
スプーンですくって食べてみると、チョコがただ甘く、ビターな味わいが失われてしまった感じがする。あとスポンジが潰れて、味も妙に甘くなったような。全体に味が甘みに偏りすぎているのだ。
断面
断面
気づいたんだけど、このチョコパイ、裏返っている。中にあったバニラアイスが外に染みだしているし、外側だったチョコ+スポンジが中に格納されている。
前に読んだ怪談で、さいご「裏返しになって死ぬ」という結末のものがあり、どういう状態だよ、と思っていたのだがこういうことなのだろう。チョコパイは再冷凍すると裏返って甘くなって死ぬ。
うまさ
★★☆☆☆

別の食べ物度
★★☆☆☆
というわけで「これはないわ…」は上記の4つ。
最後のページでは、「可もなく、不可もない」3つをご紹介します。
ふんわりかき氷 いちご
!

給料は日払い

ダメだろうなー、と薄々感じてはいた。しかしついついやってしまったのは、怖いもの見たさというやつだろうか。結果、思ったほど悪くはない。
左:溶ける前、右:再冷凍
左:溶ける前、右:再冷凍
見た感じ、完全に氷!
ガンガン掘削
ガンガン掘削
実際に掘ってみると、意外に掘れる。固いけど、氷ほどじゃない。でも、固い。

良いところとしては、一番上からちゃんと味がついていること。この商品、普段はある程度食べ進めないとシロップ層まで到達しないのだ。今回は掘れば掘っただけ、すぐにおいしいシロップが味わえる。掘るの大変だけど。
仕事はきついけど給料は日払い、働いてその場で手渡し。みたいな感じであった。
労働!
労働!
うまさ
★★★☆☆

別の食べ物度
★★★★☆

スイカバー
!

よりスイカバー

スーパーで買ったら、いつもコンビニにあるのとは違う「BIGスイカバー」というやたらデカイやつだった。もちろん再冷凍後も、「塊」と呼ぶにふさわしいでかさ。
薄さだけで笑える
薄さだけで笑える
左:溶ける前、右:再冷凍
左:溶ける前、右:再冷凍
皮部分の緑色のアイスが、実に吸収されてしまった!

食べてみると、ガリガリ君と同様、板状に剥がれてくる食感。
味の方は普通のスイカバーよりなんだか水っぽい。だが考えてみれば、、スイカってもともと水っぽい果物だ。再冷凍してむしろスイカに近づいた感もある。
それなら、と思って塩をかけてみた
それなら、と思って塩をかけてみた
すごいフェイク感。全然スイカ味じゃなく、砂糖水と塩水混ぜたみたいな味だった。
うまさ
★★★☆☆

別の食べ物度
★★★☆☆

JUN HIT CHOCO
!
個人的に好きでよく食べるアイス。
安いアイスならではの、氷の筋?がカシュカシュした感じが大変おいしい。
氷の筋っていうのはこれのことです
氷の筋っていうのはこれのことです
で、一回溶かして再冷凍したのがこれ。
左:溶ける前、右:再冷凍
左:溶ける前、右:再冷凍
スプーンですくって食べてみると、あのカシュカシュした感じが消えており、むしろ高級感がある気がする。アイスなんだけど、ちょっとブラウニーっぽいような…。
あれ、これ、いけてるのか?って思うのですが。
冷静になってもう一口食べてみると、
冷静になってもう一口食べてみると、
いや、やっぱ違うわ。バニラアイスと同じで食感がシャリシャリしてて、そこまで良いものでもない。でも安いチョコアイス的なおいしさはあり、悪くはないよね、ってことで評価は★3つです。
うまさ
★★★☆☆

別の食べ物度
★★★☆☆

再冷凍するとシャリシャリになって甘みが減る

全体として、こんなことが言えそうだ。
・食感がシャリシャリになる
・甘みが減る
・分離する要素があれば分離する
・なんにしろ元通りにはならない
商品ごとにこれらの要素が吉と出るか凶と出るかで、再冷凍アイスはおいしくなったりまずくなったりすることがわかった。

余談だが、準備段階で出てきたアイス、ひとつ実験に出てきてないのにお気づきだろうか。
これ
これ
失敗したぶんをあとで買い直そうと思ってすっかりわすれていた!
▽デイリーポータルZトップへ

デイリーポータルZを

 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ

↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓