女子率100%、 市ヶ谷「PHO24」
まず行ってみたのはベトナム発のフォー専門店、「PHO24」。日本ではセブンアンドワイが運営している。フードコートのような場所に出店することが多いようだが、ここ市ヶ谷の店舗は路面店だ。
当サイトライターの大坪さんによると本場ベトナムの「PHO24」はおっさんにもおじいさんにも大人気ということだったが、この写真を見てほしい。
文字通り女子であふれている!
店内、入店待ち、店外、みんな女性!
すごいのだ。中も外も女性だらけである。店員さんの男性が浮くくらい、びっくりするほどの女子率であった。
大学が多い場所柄、学生らしき若い女性が集まるのは分かるのだが、30代~50代くらいの女性もいる。
この状況、どこかで見たことがあるぞ。女子高、女子大のような世代の一貫性はないが、でも見渡すと女しかいないという不思議な空間。そうだ、女性専用車両だ。
店の中の雰囲気も女性が集まるあの独特の空気が流れている。店全体がかしましい。
しかしただようのはニョクマムの、まぎれもないベトナムのにおい。ちょっと普通じゃない。
嵐の番組で紹介されたというのも大きかったようだ
デザートメニューも充実
みんなガッツリ食べている?!
メニューを見ると、1食としては低めのカロリー値が分かりやすく書かれていたり、デザートメニューが充実していたりと、なるほどこれは女性が集まるよなあと思わせる。
私もここは女性的にと意識して「たっぷり野菜のPHO」357kcalをオーダーしてみましたよ。630円なり
おいしいわあ、優しい味だわあ、でも香菜でパンチもあるわー、こんなの毎日食べてたら痩せちゃうわよねえ、そりゃ女の子に人気もあるわよねえ。
などとご満悦で食べていたのだが、周辺から聞こえてくるオーダーの様子が変だ。
「牛肉のフォーと揚げ春巻き」、「おこわとフォーのセット、フォーは大盛りで」
って、みんな結構ガッツリ食べてるのだ。時間帯としては13時とお昼時だったのだが、ベトナムのビールで乾杯する主婦仲間らしきグループも私は見逃さなかったぞ。
あっさり味、だから女性が集まるというだけではないんじゃないかこれ。
うーん、と考えながら店を出たところで、店に入る男性とすれ違った。2人連れの外国人ビジネスマンだった。うむ。外国人だったら間違えて女性専用車両に乗ってしまうこともあろうて。
フォー専門店について分かったこと1
・フォー屋は女性専用車両のようだ(老いも若きも女子がいる)
・女性はあっさりしたものを求めて来ているわけではない?
続いては中はきらびやかだけど入り口は地味なことで有名な渋谷駅の地下、東急フードショーへ
フォーは女の立ち食いそばなのか
渋谷駅に直結する東急東横店地下のフードショー。その端っこの方に以前からフォーを中心にしたメニューを出す「サイゴン」というベトナム料理店のイートインがある。
ここもまた、いつ行っても女性の、しかもひとり客でいっぱいだ。
店の前でメニューを眺めていると、テキパキした店員さんにぐいぐいと入店をすすめられた。あうあう入店するとすぐに水とメニューが出てくる。
客の回転もかなりよさそうで、立ち食いではないし食券もないのだがちょっと立ち食いそばっぽくもある。
頼んだのは季節限定の梅とアボカドのサラダフォー735円。ここでもまた女子っぽいものを頼んでみた
さっと食べてさっと帰る
この日は11時台に行ったのでまだお客はちらほらだったが、やはり全員が女性だった。向かいにはお茶漬けの店があり、こちらは男女問わずでにぎわっている。やはりフォーにひきつけられるのは女性なのか。
私が味を確かめようとゆっくり食べているのに対し、周りのみなさんはさっと食べている印象である。
私は駅の立ち食いそばに入ることがよくあるが、ホームの店などはとくに男性客がほとんどだ(以前そのことについて調査したこともある「
駅そば女子率調査」)。
フォー専門店は女版の立ち食いそば屋なのかもしれない。
フォー専門店について分かったこと2
・みんな男らしくさっと食べてさっと帰る
・フォー専門店は女版立ち食いそばなのか
続いてはオフィスビルのテナントとしてのフォー専門店へ
オフィスビルにもあるぞフォー専門店
オフィスビルにもフォー専門店はテナントとして入っている。
と、他人行儀に語っているが、ニフティ(このサイトを運営している会社ですよ)の入っているビルに フォー専門店があったのだ。こんな近くに! 女子率の高さも驚くが、今回フォー専門店の浸透ぶりにも驚かされております。
こちらは「Com Pho」というお店。プランタン銀座や丸の内オアゾなど聞いただけで女性の多そうなスポットに多数出店しているチェーン店だ。
調味料やトッピングが豊富
もやしとパクチーを混ぜたもの。「モヤパク」って呼んでた
入ったのは12時30分だったがすでに1回転目(2回転目?)のお客のはけた後のようだった。
すりガラスで仕切ったイスつきカウンターと、立ち食い用のイスのないテーブルもある。おしゃれできれいな店内だが什器の配置は立ち食いそばと完全に一致だ。
食券制ではないものの、カウンターでオーダーしてから着席するシステムで、これはますます立ち食いそばっぽいぞ。
ここでようやくフォーらしいフォーの写真です。鶏のフォー730円
男は女が連れてくる
そして、この店には男がいた。男じゃ! 男がおったわ! ようやくめぐり合えた男性客である。それも2人だ。
例によって1人の女性客に女性連れが多いなか、女性と2人連れでの男性客である。どうも女性につれて来られているようだった。もう一方はベトナムに詳しいようでもある。
あとで同僚に聞いた話だが、この店は1人の男性客も見かけるということだった。フォーというメニューとおしゃれな内装に隠された立ち食いそば性に気づいたのかもしれない。
ただ、立ち食いそばと決定的に違うのは価格帯だろうか。
今回のことを知人との間で話題にすると、フォー専門店に男性がいないのは値段の高さじゃないかという話になることが多かった。
自由にトッピングできるえびせんと、「モヤパク」を追加。スープをしみしみさせて食べる。楽しいわ~
ちなみに、この店のフォーは他店にくらべて麺がよりもちもちしていたように思った。ここまで来てようやく味のレポートが出ましたよ。
フォー専門店について分かったこと3
・おしゃれなテナントに出店しているチェーンもよく見ると立ち食いそば体制
・男性がいる場合は女性に連れられている場合が多い?
・立ち食いフォーは立ち食いそばよりやや高い
あのミッドタウンにもフォーの店がある
都内にはまだまだフォーの専門店はあるようだが、今回最後に訪れたのはあの東京ミッドタウンだ。
東京の商業施設の中でも本気で泣く子が黙るのはここミッドタウンと銀座の和光くらいなのではないか。
実際ミッドタウンで見かけた美しい母に連れられた赤子はみな穏やかで静かであった。近所のジャスコで泣きまくる赤子を思うとやはり赤子なりに空気を呼んでいるのだなと思う。
そんなミッドタウンでフォー店の女性率を確認させていただこう。
泣く子はいねえが~
いねえな…と空を仰ぐと竹林が。それがミッドタウンだ
ミッド……タウン……(どう言っていいかわからず感慨する)
ミッドタウンもB1でなら息ができる
ミッドタウンにあるフォーの店は「フォーナム」。小さなイートインのテナントが集められた一角にあって、お弁当は500円からあるなど思ったよりも庶民派だった。よかった。
ミッドタウンに勤める友人が一緒に来てくれたのだが、ミッドタウンでもB1は安い店もあるから息ができるといっていた。他では息ができないのかい。
そして肝心の店内である。なんと11時に覗いてみるとおじいさんが店内に1人、フォーをたぐっているではないか。
メニューにも「レディースセット」のほかに「メンズセット」が
おじいさんは幻
ミッドタウンの磁場がフォー専門店におじいさんを呼んだのか。どうなんだろうと思いながら12時に再訪するとやはり店内は女性であふれていた。おじいさん……。幻……?
メニューにはフォーと小カレーとデザートの「レディースセット」とチキンカレーと小フォーの「メンズセット」もある。
つまり男性が多く訪れるのだろうかと思っていたら、同行の友人(女性)がレディースセットにするかメンズセットにするかで迷っていたのだった。そういう女性も多いのかもしれない。
こってりしたフォーもあるんだぞ、ということでブンボーフエ950円を。Wikipediaには「牛肉うどん」と書いてあった1品。この店には「ビーフシチューフォー」というボリューミーなフォーもあった
牛肉うどん!
友人は結局レディースセットに決定していた。ご飯は大盛りでオーダー(無料)。 これって、ラーメン界における半チャーハンセットですよね
お弁当は男女問わず大人気
店内は1人客の女性が多かった。グループ客もやはり女性連れである。ただ、店頭で販売されているお弁当(500円からと安い)の列には男性もたくさん並んでいる。
エスニック自体は男性だって好きだという証明だろう。
なのに、店内は、店内はやはり女性ばかりなのだ……。
フォー専門店について分かったこと4
・お弁当は男性も買っていく
・メンズセットも女性が選択肢の一つにしている
ブンボーフエの麺は角のないタイプだった
いまさらですが、フォーというとだいたいこういう麺(「PHO24」の野菜たっぷりPHOの麺)
軽いものをゆっくり食べる女なんていない
店頭には「フォーはお米のヌードル カラダに優しいヴェトナム伝統の味」とかかげられていた。女性が集まりそうなキャッチコピーである。
でも店に入ってみるとヘルシーというよりもむしろガッツリしたメニューが人気のようだし、ヘルシー系の一杯を選ぶ場合は立ち食いそばのようにささっと食べて店を出る人が多い。
軽いものをゆっくり食べる。私はそんな女性こそがフォー専門店にはいるのだと勘違いしていた。ひとりでフォーをたぐっていたおじいさん以上に、そんな女性像こそが幻なのかもしれない。
何か、フォーという食べ物が概念のようなものにすら感じられてきた。
ねえ、フォーはスカートなの?
フォーは女性ばかりが食べて、洋服におけるスカートみたいだなと思っていたのだが、実際フォー専門店の女子率の高さはスカート着用の男女比くらい女性が多かった。
フォーが好きだから自宅で作って食べているという男性がいる(ライター大山さんです)。外には履いて出ないけど、家だけでスカートをはく男性もいる、そういうことか(違うか)。
フォー専門店は増えている。この分だと、男性もぐいぐいフォーの世界に進出してくるのではないかと思う。ということはスカートも…(もういいか、スカートの話は)。
大食いコンテストは男性は4杯、女性は3杯で競うそう。客層、見てみたい。(「PHO24」で発見)