特集 2012年6月20日

京都コロッケおばんざい派

すごく焦げたコロッケじゃありません。
すごく焦げたコロッケじゃありません。
京野菜・京料理、なんて言い方をするように、京都の食事は他と違うというイメージがありますね。総菜のこと「おばんざい」なんて言い方するのもまた独特。それが京都人のプライドなのか、他地域からの羨望なのかはまあどうでもいい。大事なのはそんな京都ならではのオリジナル揚げ物があるということですよ!ということで京都市内中心におばんざい系のオリジナルコロッケを調査してきました。
1972年佐賀県生まれのオトナ向け仕事多数のフリーライター。世間の埋もれた在野武将的スゴ玉の話を聞くのが大好き。何事もほどほどに浅く広く、がモットー。

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見た目は焦げてるけど味は軽い

最初に京都にしかないコロッケ、ということで最初に見つけたのが上京区は大将軍商店街。個人的には近くの大学に通ってたので、なんとなくなつかしい通り。

しかし、ただなつかしいと思ったらなんか雰囲気が変わっていた。しかもなんか既視感が…。
商店街の店先にば、ばけもんだー!
商店街の店先にば、ばけもんだー!
しかも一店のみではない。
しかも一店のみではない。
ほお、こういう町おこし的な…て最近見たよねコレ?
ほお、こういう町おこし的な…て最近見たよねコレ?
ってこの前北村ヂンさんの「紫の麺に真っ黒スープ!
妖怪の街のやばいラーメン」
に出てきたばかりですね、この商店街。お互い「フェティッシュ大会」での上洛タイミングなのでネタがややかぶり。ということで詳しい紹介はそちらに丸投げるとして…。

こちらに妖怪系揚げ物があると聞いてやってきましたよ。その名も「山田フライ専門店」。店名だけで妖怪以上にゾクゾクしますね。フライ専門店!胃が騒ぐ。
普通のコロッケから変わり種カツまでその場で揚げてくれます。
普通のコロッケから変わり種カツまでその場で揚げてくれます。
その中に…妖怪コロッケ?しかもヘルシー!
その中に…妖怪コロッケ?しかもヘルシー!
見た目が真っ黒の「妖怪コロッケ」がこの店のオリジナル。北村さんが行ったラーメン屋も黒スープでしたが、黒=怪しい=妖怪なんですかね?京都的には。

その場で揚げたてをいただけるということで、待つことしばし数分。せっかくなのでその辺で食べようということで、近所の北野天満宮に行きました。最近さるアイドルが福岡に飛ばされるということで、数百年ぶりにトレンドワード化した菅原道真公を祀った神社です。
HKT行きの大先輩。神7じゃなくて神です。
HKT行きの大先輩。神7じゃなくて神です。
京都は普通の住まいの近所に当たり前に神社とか寺があって、当たり前にぶらぶらする感じがとてもいいですねえ。大学当時はその感覚わからなかったけども、今思うとゼータクな話だ。

ということでその辺に座ってコロッケいただきます!にしても黒いなあ…。竹炭の黒らしいけど、ここまで黒に染め上げるとは。考えてみると衣の色が違うコロッケって初めて見たかも。
揚げ物=茶色、きつね色の概念を変えるコロッケ。
揚げ物=茶色、きつね色の概念を変えるコロッケ。
しかも中は緑だ!抹茶粉だそうです。
しかも中は緑だ!抹茶粉だそうです。
食べてみると…まず驚くのは衣の部分がぜんぜん油ぽくない!軽い軽い。竹炭パワーなのか専門店ならではのパワーなのか、どっちかはわかりませんがこりゃ食べやすい。

そして緑の中身は味は通常のコロッケベースでありつつ、あっさりな味わいを引き出してるのが抹茶入りぽい。見た目の不気味さに比べてライトな食感です。これはビールあったらヒョイパクと食えるなあ。
普通の揚げ物と比べると色の差がすごい。
普通の揚げ物と比べると色の差がすごい。
ひとり座り込んでぱくりぱくり。
ひとり座り込んでぱくりぱくり。
手に黒い衣がつきます。
手に黒い衣がつきます。
山田フライ専門店

京都市上京区一条御前西入ル大上ノ町65

観光地嵐山はコロッケ激戦区

さて続いてやって来たのは京都の観光地オブ観光地、嵐山。今も昔も修学旅行生のサイフを狙う土産物屋でいっぱいです。懐かしいなあ、おじさんは学生時代に朝の番組に永井美奈子(当時日本テレビアナウンサー)が嵐山から中継してるの見て、慌てて見に行ったのが唯一の思い出だよ。
駅看板も和風というか木目調。
駅看板も和風というか木目調。
早々にコロッケ屋発見。ただ普通コロッケ。
早々にコロッケ屋発見。ただ普通コロッケ。
最近TVの町歩き系の番組で「とりあえずコロッケ買って歩く」的なシーンをよく見る気がしますが、最近は観光地もそうなのか、積極的にその土地に関係なくてもコロッケが売ってあるのをよく見かけますね。食べ歩きの定番化。

そんな揚げ物に優しい時代なだけに、嵐山でも数件コロッケ屋を発見。その中で京都らしいおばんざい系というと…。
嵐山にコロッケ王国が!キングダム!
嵐山にコロッケ王国が!キングダム!
豚すきも気になるけど、ここはお豆腐コロッケ。
豚すきも気になるけど、ここはお豆腐コロッケ。
せっかくなので、店の前の渡月橋をバックに。
せっかくなので、店の前の渡月橋をバックに。
クラッシュ豆腐に出汁がしみててうまい。
クラッシュ豆腐に出汁がしみててうまい。
お、ステーキ→豆腐ステーキ的な代替物ぽい味をイメージしてたのだけど、予想以上に豆腐というか、すきやき豆腐をグチャグチャにしてコロッケにした感じか。これは通常コロッケとは別のものとして美味いなあ。洋風揚げ豆腐というか。

そして嵐山でおばんざい系コロッケをもう一品発見。
京福電鉄駅前の通りに並ぶ嵯峨野コロッケ。
京福電鉄駅前の通りに並ぶ嵯峨野コロッケ。
全国コロッケコンクールで金賞を取ったコロッケが名物な同店ですが、今回はおばんざい系コロッケを調査してる身としてチョイスしたのは「竹の子コロッケ」。
続けてこちら近かったのでバックに。
続けてこちら近かったのでバックに。
けっこうゴロっと竹の子が入ってて驚く。
けっこうゴロっと竹の子が入ってて驚く。
名前どおりシャキシャキした竹の子が入ってて食感もいいのだけど、鰹出汁のじゃがいも部分も美味い!海のものと山のもののハーモニー、て感じでこれは確かにおばんざい系って感じだなあ。京都市は海ないけども。
しかし修学旅行生ほんと多いすね。
しかし修学旅行生ほんと多いすね。
こういうおばんざい系スイーツもある。
こういうおばんざい系スイーツもある。
嵐山コロッケ王国

京都府京都市右京区嵯峨天竜寺造路町31
嵯峨野コロッケ

京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-56
さてさらに京都市を離れてコロッケ探してみたり、京都の台所といえば!な場所でもコロッケを食べますよ。あげもの探訪、というとたてもの探訪みたいですね。
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目当てはなくても美味いもんはある

さて京都のおばんざいコロッケ屋をぐるぐる回ったわけですが、コロッケ屋が観光地のそばにあるのか?それとも京都に観光地が多すぎるのかわかりませんが、とりあえずコロッケ撮る時にすぐ側にある観光地と組み合わせられるのはありがたい。外見だけじゃ絵にはならないからな…。

ということで次に来たのは祇園「コロッケ半蔵」。今度も知恩院そばということでぱちり。
ここで食すのは「京湯葉カツ」です。
ここで食すのは「京湯葉カツ」です。
湯葉に巻かれてるのは海老。250円だけあるゴージャス感。
湯葉に巻かれてるのは海老。250円だけあるゴージャス感。
祇園でも食べ歩きできるテイクアウト店。
祇園でも食べ歩きできるテイクアウト店。
狙いは紫いもコロッケだったのだけど…。
狙いは紫いもコロッケだったのだけど…。
残念ながらコロッケ系が売り切れだったので、おばんざい系として京湯葉カツを食べてみた。まあ中が普通のノーマルカツじゃない時点で名称は「カツ」でも「コロッケ」でもいい気がしますが…。やっぱコロッケだと潰してないとダメ?

海老を湯葉でつつんだものを揚げたこの一品、見た感じは薄味っぽいけどしっかり味ついてて満足。なんか湯葉の部分がすごいゴージャスなつなぎみたいな感じだ。でも歩き食いだとなんかもったいない気がするのは「コロッケ」というB級感あるネーミングではないからか。

さて続いて向かったのは京都市を離れて宇治市へ。
宇治茶で有名な宇治ですが…。
宇治茶で有名な宇治ですが…。
電車も緑のお茶カラー。
電車も緑のお茶カラー。
目指したのは「豆匠屋 大忠」の「おからコロッケ」。おからっていかにもなおそうざい系じゃないすか、しかもガチのお豆腐屋さんの、というと高まりますよね!
平等院近くの普通の路地に。
平等院近くの普通の路地に。
各種豆腐系バリエーションあり、ですが…。
各種豆腐系バリエーションあり、ですが…。
コロッケは売り切れ。やむなくおからドーナツで。
コロッケは売り切れ。やむなくおからドーナツで。
コロッケがないの残念だったけれど、ドーナツも美味そうじゃないか。軽いものをイメージしてたら意外と詰まった感じでひとつでけっこう腹に溜まる。さすが豆腐屋のおからアイテム。

しかしコロッケ狙いの身としては、カツにドーナツと2連敗。どうしてもこの手の店は確実にモノがあるとは限らないんだよなあ。結果どちらも美味かったので良しとしますが!
コロッケ半蔵

京都府京都市東山区新橋通大和大路東入ル3林下町440-2
豆匠屋 大忠

京都府宇治市宇治妙楽49
とりあえず天下一品で気分を変える。京都ですから。
とりあえず天下一品で気分を変える。京都ですから。

京都のおばんざい最前線へ

ではここなら!とやってきたのが、京都の台所・錦市場。一番の繁華街・四条河原町そばにある、生鮮品から乾物・おばんざいまで様々なお店が並ぶ通りです。京都ならではの品も多いので観光客も多く立ち寄ります。やはり外国人もけっこういますねえ。漬け物樽とかの写真撮ってる。
若い頃はピンと来なかったけど歳食って来るとまた別の面白さが。
若い頃はピンと来なかったけど歳食って来るとまた別の面白さが。
住んでた学生時代は食材といえば100円餃子とか45円コロッケに夢中だったので、まずこの市場に触れる必要はなかったんですが、今見ると面白いですねえ。それも料理出来ないのでおそうざい系中心ですが。

そんな自分がひきつけられたこのお店、「井上佃煮店」。おおお、これぞおばんざい!な逸品がいっぱい!
のれんと薄暗さが市場感。デパ地下はこんな暗くない。
のれんと薄暗さが市場感。デパ地下はこんな暗くない。
品揃えがザ・京都って感じですねえ。
品揃えがザ・京都って感じですねえ。
そんな京料理とか知らないけどね…。しかしこういう店だと大皿料理みたいなのばっかりでしょ?と思ったら大間違い。コロッケだってあるんだぜ!
けっこうこういう食べ歩きアイテム多いです、錦市場。
けっこうこういう食べ歩きアイテム多いです、錦市場。
食べ歩き用に作られたような牛肉コロッケ(30円!)そして焼きそばコロッケにチョコレートコロッケ!この中だとチョコが気になるところだけど、今回はいちおうおばんざい系を通してるので焼きそばコロッケ、いってみますか。
錦市場をバックにマヨネーズどーん。
錦市場をバックにマヨネーズどーん。
外も味濃きゃ中も濃い!
外も味濃きゃ中も濃い!
衣の中はみっちり焼きそばが…と思ったら、刻んだそばめしっぽい感じですね。それに外の衣にどっしり乗ったマヨネーズに紅ショウガなどなど。ガワはたしかにコロッケだけど、これだけいろんな濃い味詰まってるともはや別物!もはやコンパクト焼きそばだ。
井上佃煮店

京都市中京区錦小路通柳馬場西入中魚屋町485
以上、おばんざい系コロッケを食べ歩いてきましたけど、「観光地アイテム」としてのコロッケの普及ぶりを感じましたね。それだけに、やや割高かなという品もあったりなかったり…。地元商店街らしいノーマルコロッケも好きですけど、オリジナリティ溢れるコロッケの登場に期待したいところです。しかし、あらためて記事にしてみると京都ってどこも住所長いですね。
1人食べ歩きは写真が暑苦しいですね。
1人食べ歩きは写真が暑苦しいですね。

同店はあととんかつやエビフライスイーツもあり。
同店はあととんかつやエビフライスイーツもあり。

揚げ物旅のデザートはこちら

あとコロッケとは別ですが、からふね屋珈琲本店で「からあげパフェ」も食べてきました。これが意外と美味い。アイスクリームの天ぷらとか、シェイクにフライドポテトとか、「油とクリーム」って合うんですよね。ただ、それも温度が一定のうちで、全体がぬるくなってくると…。ちゃんと完食したけどね!
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