いきなり完成品をどうぞ
長い制作の苦労話を聞かされる前に、まず出来た動画をご覧下さい。
実にドラマチックだ。何に怒ったのかは知らないがとにかく謝りたくなる勢い。すみませんでした。
制作過程
さらなるドラマチックな動画は後ほど紹介するとして、 この装置を作るまでの昔話を聞いて下さい。
まずこのような設計図を描いた。
当サイトにおける設計図とは主にこのようなものです。
説明するまでもないが、スイッチを押したら何らかの装置が作動して空き缶などの物を振り向かせる、という仕組みである。
それをするにはどうすればいいのか。
全然分からない。
市販品でそういうのがあればいいけどそんな都合良いのはないだろう。 ラジコンのタイヤ部分に物を置いてそこで回転させるというのも考えたが、 振り向くというより回りっぱなしになってしまうのでダメだ。
たぶんなにかしらの電子工作が必要なんだろう。 そして色んな文献を探した末に形になったのがこれだ。
メカっぽい。じゃなくて本当にメカ。
どれが何をするものなのかとかを説明できるほどは理解してないので 詳しく説明しないけど、とにかくあのオレンジのがモーターで、回転角度なんかをパソコンのプログラムからあれこれ機械を通して制御している。
もしその辺りを知りたい方はテクノ手芸部さん著のテクノ手芸という本を読むと理解しやすい。この装置はそこに書いてあることをほとんど、というかほぼそのまま使ってます。
ボタンを押すと振り向き、数秒後にゆっくり戻るような動きにした。
自然現象により異音発生装置になる
モーターをパソコン経由で動かすところまではなんとかなった。 後は持ち出せるようにしてしまえばもう完成である。
が、パソコンから外してコンセントから電源を供給するような形にしたところで突然動かなくなってしまった。
モーターがヴィィィィーーンと異音を発生するだけのものに。
他にはとくにいじってないのでなぜこうなったのか分からない。 電源が変わっても問題ないようにはしてたはず。 しかもまたパソコンに繋ぎ直しても 異音発生装置のままでちっとも元に戻らなかった。なんで・・・。
その後も色々とやったけど救えず。 たぶんパソコンから離されたことがよっぽどショックだったと思う。 親元を無理やり離され慣れない土地での重労働、そりゃ異音も出すわ。
理系の考え方が出来ないからそういうので自分を納得させた。
新しいのを買えばいいじゃない
とりあえずあのモーターは不可抗力により自然に壊れたと思うことにして、 違うモーターを買ってきた。
前のより小さいのは、動作上の理由とかではなく経済力の問題です。
いきなり元のように繋ぐのも不安なので、まずスイッチ部分の基盤(白いの)を外し、 モーターの動きなどを制御している部分と直で繋げて動くか確認してみた。
あ、動いた。
こっちはやっぱり動かない。
写真だとどっちも止まってるように見えるのが残念であるが、 新しいモーターはちゃんとプログラム通りに回ってくれた。
怖いからこの段階で動画撮っておこう。
またいつ壊れるか分からない。だからまだ動いてるうちに動作しているムービーも撮ろうと思う。一つでも動画があれば保険にはなるだろうから。
そういう弱気な気持ちで撮ったドラマチックな動画がこちらです。
振り向いてるのは小さな紙コップ。選んでから後ろも前もないことに気がついて目玉を付けました。
ドラマチックかどうかよりとりあえずちゃんと動いてよかったです。
スイッチに繋いでないのでずっと振り向きっぱなし。
その後スイッチの基盤も付けたら問題なく動きました。
機械のお総菜化
前ページまででだいたいの中枢部分が出来上がったので、 ここまで来たら後は一つの箱に収め、キチンと工作としてまとめるだけである。
電子工作はよくタッパーにまとめると良いと聞くので、 今回の装置はタッパーにモータ用の穴を開けてそこに収容するようにしよう。 電子工作の難しさからいったら信じられないぐらい簡単な作業だ。
割れた。
裏も割れた。
その結果としてのお総菜化である。
動いたことに96%満足しているから見た目にこだわってる余裕なかったです。
とはいえ一番の懸念は、パソコンから離した瞬間に異音発生装置になりはしないかだ。
問題なく動く。
正直もう何がなんなんだか分かりません。でも動くなら良し!
ドラマチックをお楽しみください
振り向くまでこれが何か分からないし、振り向いたらより分かりにくい。戻っていく途中で付け鼻だとようやく確信が持てる。
小学校の卒業アルバムに載ってた自分。ドラマチックではあるが別になんのドラマも始まらない。
ここでハイパーモード発動
訳の分からないものたちが突然振り向くのは中々おもしろい。 効果音は後付けだが中々遊べる装置である。
ただ突然またおかしな挙動をするようになってしまった。 どんな動きか動画を見てもらおう。
振り向く前からピクピク動き、振り向いてからは激しくプルプル震えてしまう。
何もいじってないのになぜ?でも振り向く動作は出来てるし、これはこれでおもしろいから、「ハイパーモードになった」と思うことにしよう。
ちなみにこのハイパーモード、モーターを触ってみたらかなり熱くなっていたのでどうやら熱暴走が原因のよう。しばらくまって冷ましたら元の動きに戻ってくれた。
もうドラマチックマシーンv2.0.0
ここでドラマチックマシーンに改良を加えて、 より安定した形にしてみた。
不安定なプロジェクトはバージョンがどんどん上がる。
具体的にはモーターの土台をしっかりした木に変えた。あと左上の電池にお気づきだろうか、なんと電池駆動になったのである。これで持ち運びという自由を得た。
でもこの日はもう遅かったから外には出ません。
卵のような不安定な物も振り向かせられる。実にドラマチック。
チューブの調味料は裏表が同じ。でも振り向いてる感じがするのはそれが実際に振り向いてるから。
もう人生を終えた枯れ葉にさえ劇的ななにかしらのドラマが。
地球ドラマチック
やっぱりあの効果音を付けて振り向かせると、どんなものでもかなりドラマチックになった。音の効果はすごい。いやドラマチックマシーンもだ。
今後のバージョンとしては、効果音も実際にその場で出るようにして、 スイッチではなく赤外線で人を感知したら振り向くようにしたい。
実は企画の段階ではそうする予定だったのだが 赤外線センサーを買ってきたところ非常に難解な雰囲気を醸し出していたので即あきらめた。いま思えば本当に良かったと思う。