人生初の「真・濡れ手に粟」
まずは「濡れ手に粟」という状態を再現してみたい。この言葉、よく聞きはするが実際そういう目に合うことはなかなかない。濡れた手を粒状の何かに突っ込む勇気はない。後が面倒だ。
何件か回ってやっと手に入れた「あわ」。保険にと買っておいたキビともども、今後は米とともに炊き込む所存。
手を濡らしてレッツ・トライ!ああ何だか落ち着かない。
こういう状態を見て「ああ、労せず利益を得てるなー」とはとても思わないだろう。取るの大変だろうなーとは思う。
おててを濡らすその前に
さて本題の「濡れ手にアクアビーズ」だが、アクアビーズがいったい何なのかわからないとまったく話が進まないので、一度これで遊んでみよう。
左がそのアクアビーズ、右が配置するときにガイドとなるプレート。
ガイドの上にビーズを置いて、絵や模様を構成していく。
ビーズを置き終わったら、霧吹きで水を撒いてビーズを湿らす。
水に触れると、水溶性のこのビーズが少し溶け、言ってみればビーズ同士が溶接されたようなことになる。ビーズが完全に乾くと、けっこうしっかりと接合する。
乾いたあとにガイドから取り外せば、ブローチやマスコットなどいろいろな遊び方ができるというものだ。
乾いたあとにガイドから取り外せば、ブローチやマスコットなどいろいろな遊び方ができるというものだ。
卵を背中で孵化させる、ピパガエルだ。
たくさんの粒状のものを見ると、ここで一発、「DNAの二重らせん構造」モデルを再現したいという気持ちになる。作れるとかっこいいだろう。が、画像を検索して一発であきらめた。こりゃー大変だ。
でもあきらめきれない。
雑誌「Newton」のイラストを参考に、原子核の崩壊モデルを再現。和菓子の「かのこ」に似てしまった。
粟とビーズはやっぱり違った
ビーズ同士がくっつくのが面白くて、ついつい長く遊んでしまった。二重らせんは他の機会に譲るとして、さて本題の「濡れ手にアクアビーズ」だ。手肌の色に近いビーズをまとめ買いだ。
そういやBB弾に激似。
さて、バットにぶちまけるぞー。ビーズ大尽である。
このビーズの中に濡れ手を突っ込むわけだが、このまま突っ込むと手肌にビーズがしっかりとくっついてしまう。作業用の薄いビニール手袋をして、たるみの出ないようテープで巻いて、改めて手を突っ込むとしよう。
このビーズの中に濡れ手を突っ込むわけだが、このまま突っ込むと手肌にビーズがしっかりとくっついてしまう。作業用の薄いビニール手袋をして、たるみの出ないようテープで巻いて、改めて手を突っ込むとしよう。
手を濡らしてレッツ・ゴー。
ガーン。まあ、そうなるよな。
球の大きさ・重さと表面のテクスチャー等の理由で、最初は手にあまりくっついてくれない。でも「濡れ手にビーズ」と言うからには、もっと手をビーズまみれにしないといかん。よってここからは1粒1粒、手作業でつけていくことにする。うひゃー。
乾くまでは逆さにすると落ちてしまうので、落ちないような箇所に沿って貼っていく。
手の向きを変えるたびに、ドライヤーで乾燥を速める。お、手がピパガエルそっくり。
傾けると落ちてしまう真ん丸なビーズに四苦八苦しつつ、3時間くらいかかってようやく手全体にまぶし終えた。作業中に「あれ今いったい何やってんだ」と我に返る頻度なら、今までやったことの中で5本の指に入るかもしれない。
この「5本の指」も、ビーズくっつけるの大変でした。話がうまくつながった。
この「5本の指」も、ビーズくっつけるの大変でした。話がうまくつながった。
もっと「手先からデジタル世界に召喚される」ような絵をイメージしていたが、できてみりゃ単にごつい軍手だ。
いちおう演技してみる「うおおお、私の手があちら側に!」
ずっしりと分厚く重いが、接合部分は割と柔軟なので動きに多少余裕がある。少しづつ動かしていき、ビーズはそのままに、手をスポッと抜くことができた、のはいいが、怖い。
ダリの絵に、こんな感じのがあったような。
Nice to meet you!
かくして、「濡れ手にアクアビーズ」は「濡れ手に粟」のようには簡単にいかなかった。人生も推して知るべし。利益は苦労して得るものなのだ。