脱出ゲームとはなんだ
閉じ込められた部屋に暗号やパズルが隠されていて、それを解くと部屋から出られるというゲームである。もとはネットで人気のゲームだったが、京都でSCRAPというフリーペーパーを作っている団体が実際に開催して大人気となった。
僕もいちど参加したことがある。独特の雰囲気は興奮したが脱出できなかった。謎解きが苦手なのだ。SNSで「天才は1分で解く」や「右脳派はすぐわかる」といった問題が流れてくるがすべて見ないようにしている。右脳でも左脳でもなく無能派だ。
参加した脱出ゲームの会場。大学生といっしょのチームになったのが新鮮だった
無能派の脱出ゲームは力ずく
我々が目指すのは重いものを持ち上げたら出られるとか、そんなことして大丈夫?と思うぐらい雑なことをするのが正解という脱出ゲームだ。
数学の問題で「角Aの角度を求めよ」という問題が出たときに実際に分度器で測ったことのある人が対象である。
おおまかな流れ
会場となる部屋から出るドアには鍵がかかっている。鍵はナンバーロック。部屋にあるしかけを解くと数字がひとつ手に入る。その数字をつなげると最後(といってもひとつしかないけど)の鍵の番号になる。
左下の門番がいるところに入って鍵を開けてください。門番はおきまりで寝てるかもしれません。
入場者は入れ替え制で人数制限を設ける。1回の入場者を限定する30人までとして、20分経つとドアが勝手に開くので全員脱出となる(いまさらっと脱出ゲームの根幹を揺るがすルールの説明をしました)。
(部屋のレイアウトは変更になる可能性があります)
現在予定しているしかけは以下の通り
1.鍵の箱を開けろ
2.ホワイトボードの問題を解け
3.クリックしろ
4.お父さんをどけろ
5.カーテンの向こうを覗け
6.おみくじを引け
7.ビンのなかを見ろ
8.ビンをあけろ
9.ルービックキューブを解け
10.幕を開けろ
11.風船を割れ
無能派すぎて必要以上にしかけを用意してしまった。日によって内容をちょっと変えることにしたい。
1.鍵の箱を開けろ(大北栄人)
数字が入った箱が用意されている。しかし箱には鍵がついている。それをどうにかして開けて欲しい。
数字が隠された箱
力ずくで引っ張ると
メキッ
これが正解
鍵の箱は40個ほど用意するが、なんども使ううちに(壊れたところはガムテープで補修します)たぶんぼろぼろになっていくだろう。初日か前半二日間でなくなる可能性が高いしかけである。
2.ホワイトボードの問題を解け(石川大樹)
乱数のような問題のような数字が羅列してあるホワイトボード。このなかからひとつの数字を探して欲しい。
この番号はなんだ?
ホワイトボード用のイレーサーで
キュキュッと消すと
答えは4!
当初、ホワイトボードマーカーに油性マジックのインクがうまくのらずにヒヤヒヤしたが、なんども書くことで克服!
3.クリックせよ(林雄司)
パソコンのモニター上のボタンをクリックするだけの簡単なしかけである。
ただ、マウスが不自然
左右をゴムでがっちがちに止めてある
マウスが非常に重くて操作しづらい。これはプロトタイプで不格好なのでもうちょっとかっこよくする予定。ならない可能性も十分あります。
4.お父さんをどけろ(林雄司)
会場の片隅に畳が敷いてあってお父さんが寝てる。その畳の下に番号が隠されているのだ。
ボランティアでお父さん役をやってもいいというかたはご連絡ください
お父さんにお願いしてどいてもらい、畳を持ち上げて番号をゲット!である。お父さんは力ずくではどけないでください(怪我をします)。あくまでもお願いして動いてもらうという平和的な方法でお願いします。
5.カーテンの向こうを覗け(石川大樹)
カーテンの向こうに数字が隠れているがカーテンに触れることはできない。
カーテンにふれてはいけない
近くにおいてあるうちわであおぐ
大勢であおいでカーテンをうごかす。そうするとちらっと数字が見える。これが意外に大変なのでがんばって欲しい。
6.おみくじを引け(べつやくれい)
このしかけは簡単。おみくじから数字が書かれた棒を引くだけである。
ただ、おみくじが大きいのだ
バズーカおみくじという仮の名前です
さらに振りにくくするため、重りを入れる予定とのこと。塩ビ管の素材感まるだしの外観はもしかしたらおみくじらしくなるかもしれません。
7.ビンの中を見ろ(林雄司)
ビンに貼られたラベルの裏側に数字が隠されている。しかしビンのなかには色の濃い液体が入っていて見ることができない。
このなかに数字が隠されている
2mほどのストローを用意するので飲み干してください
地主くんの記事にも登場した長いストローである(「
長いストローとストローによる勝訴」)。テストしたところ全員が首の筋肉が痛い、偏頭痛がするなどの症状を訴えたため本気でないかもしれません。
これまで出したことがないような声が出る
8.ビンをあけろ(石川大樹)
次もペットボトルを使ったしかけ。ペットボトルのなかに数字が書いた紙が折りたたんで入っているがペットボトルは密閉されている。
紙やすりでこすります
頑張れば開く
このような徒労するしかけを考えるときに過去の記事の経験が生きる。
デイリーポータルZ10年の徒労力(いま名付けた)が発揮されるイベントである。
9.ルービックキューブを解け(小堀友樹)
力ずくの脱出ゲームのなかでは知性が感じられるしかけである。ルービックキューブを解いたものには数字が与えられるのだ。
あからさまにおかしいルービックキューブ
ホワイトボード用のイレーサーで消して…
マーカーで着色
完成しました
ホワイトボード用マーカーで塗るとちょっとナチュラルすぎる雰囲気なので(代官山のTSUTAYA限定と言われたら信じそうだけど)、カッティングシートを貼る、ビニールテープを貼るなど別の方法も検討中である。
これが後日試したビニールテープ法。
ちまちま貼る
いい感じに頭の悪いルービックキューブになった
毎回ビニールテープが貼られるので最終日にはルービックキューブが巨大になっているかもしれない。いまから楽しみである。
10.幕を開けろ(安藤昌教)
幕の向こう側に数字が隠されている。その幕を上げるためのハンドルがある。しかしそのハンドルを回しても幕がゆっくりとしか上がらないギア比になっているのだ。
ギヤ比が意地悪なうえにハンドルが不自然に長い
まわすとゆっくりと幕が上がる
これは編集部安藤が自宅で制作しているのでどう動くのかは不明!
11.風船を割れ(べつやくれい)
風船のなかに数字が隠されている。
ぎゅーっと握って
割るのが正解
表面にセロテープを貼っておいて、なにか工夫すると見えるのかもと思わせておいて力ずくで割るのも面白いかもしれない。これは風船を買っておけばいいので4日間通してある自信がある。
まだあるしかけ
今回紹介したほかに以下が構想中である。
・体温を上げろ(運動して体温を上げたらクリア・サーモグラフィーで計測)
・背筋計を引っ張れ(数人で背筋計を引っ張って200キロオーバーしたらクリア)
・印鑑をおせ (印鑑が飛ぶ銃で婚姻届に印を押す)
・鍵をあけろ(ただし鍵が2メートルある)
開催まであと10日なのに構想中と言っているところが我ながらすごいと思う。焦る。
鍵は試してみたのだが思った以上に簡単だったので検討中である。
単純な鍵を開けるだけのしかけ
ただ、鍵が長い
棒の先に重りをつけるなどして難易度を上げたいところである。
集まれ!やさしい人
本稿はイベントの告知でもあるのだけど、こういうニュアンスなのでうっかりほんとの脱出ゲームを期待して来ないでくださいという予防線でもあるのだ。謎解きが苦手で広い心をお持ちのかたの来場をお待ちしております。
これは失敗しかけ。あぶり出しを摩擦熱で出そうとしているところ(出なかった)
スライドショーがまたおもしろい!(予定)
脱出ゲームはヨーロッパ企画が開催する
ハイタウン2012でおこないます!
日時:
2012年5月3日~6日(ハイタウンは4月28日~5月6日ですが、デイリーポータルZは5月3日~6日です)
力ずくの脱出ゲーム:
12:00,13:00,14:00,15:00(無料・入れ替え制・整理券はそれぞれ開始30分前にチケットセンターで配布)
スライドショー:
16:00~ (入場料500円・チケットは当日チケットセンターで販売)
場所:元・立誠小学校 (
地図)
スライドショーではおもにデイリーポータルZのアウトテイクスを紹介予定。載せられなかった写真、不自然な写真の謎など!他言無用でお願いします。
力ずくの脱出ゲーム・スライドショーには以下のメンバーが参加予定です。
林雄司、古賀及子、石川大樹、安藤昌教、橋田玲子、べつやくれい、大北栄人、小堺丸子、藤原浩一、地主恵亮、小堀友樹(日によって変わります)