特集 2011年10月15日

長いストローとストローによる勝訴

3ページ目からこうなります
3ページ目からこうなります
僕らはいつだってコップやグラス、ペットボトルなど、液体の入った容器に手を伸ばせば飲むことができると信じている。

しかし、僕らはそれに油断しきっているのではないだろうか。いつかその容器が手の届かない存在になるやもしれない。今回はそれに備えたいと思う。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

手の届かないものになる可能性

昔は簡単に手が届いたものが時代の変化などにより、そうでなくなることがある。たとえば、どじょう。昔はたくさん捕れていたそうだけれど、現在はその数が減っていてなかなか捕ることができないと聞いたことがある。
昔はたくさん捕れたらしい
昔はたくさん捕れたらしい
昔は庶民の料理だったどじょうも、現在では高級料理となっており、庶民には手の届きにくいものになっている。そのようなことがいつ何で起きるか分からない。現在は簡単に手の届く物がそうでなくなることだってあるのだ。
米も手の届かないものになった時があった
米も手の届かないものになった時があった
僕が子供の頃には記録的な冷夏のために「米不足」が起こった。今まで食卓に普通に並んでいた米が急に手の届かない物になった瞬間だった。

去年は手が届いた物が今年には手の届かないものへと変化することだってあるのだ。僕らは常にそれらに備えておくことが必要なのだ。
これはSDカードのスロットが手の届かない存在になった時の写真(詳細はコチラ)
これはSDカードのスロットが手の届かない存在になった時の写真(詳細はコチラ

容器遠くなる問題

手の届かない物になってから対策を考えても遅い。常に先を見据えて対策を考えていかねばならないのだ。そこで今回考えるのが「容器遠くなる問題」だ。液体の入った容器(グラスとかペットボトルとか)が文字通り手の届かない存在になった時の対応策を考えるのだ。
現在は液体の入った容器に簡単に手が届き飲めるけれど、
現在は液体の入った容器に簡単に手が届き飲めるけれど、
こういう時代が来るかもしれない(僕と容器の間には絶対に近づけない何かがある)
こういう時代が来るかもしれない(僕と容器の間には絶対に近づけない何かがある)
何が起こるか分からない時代だ。
液体の入っている容器が手の届かない存在になる可能性だってなくはないのだ。「容器遠くなる問題」が起こるのだ。そんなことにはならない! という油断が禁物なのだ。起こってからでは遅い。いつだって事前に備えておく必要があるわけだ。
このようなことができなくなる時代のために
このようなことができなくなる時代のために

長いストローで解決!

この問題の解決への鍵はストローにあると思う。ストローとは、グラスやコップなどの容器に入った液体を吸い上げることができる筒状の棒のこと。これなら容器に手をつけずに飲むこともできる。
解決の鍵はストロー
解決の鍵はストロー
問題はストローの長さである。通常のストローの長さでは、別にストローを使わずに容器に手を伸ばし飲んだっていい。容器に手が届かなくなった時の対策を考えているので、この場合は、ストローを長くすればいいのだと思う。
つまりこうします
つまりこうします
ストローを長くすれば容器が手の届かない存在になっても、中に入っている液体を飲むことができる。「容器遠くなる問題」の解決策は長いストローなのだ。これなら容器が文字通り手の届かない存在であっても関係がない。
全然飲める
全然飲める
まず手始めに1メートルのストローで容器に入っている液体が飲めるか実験した。ストローと言ってもホースなのだけれど、問題なく容器の中の液体を飲むことができた。解決の鍵は間違いなく長いストローだ。
どんどん長くして行きます!(長い、長い前フリでした)
どんどん長くして行きます!(長い、長い前フリでした)
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2メートルのストロー

容器との距離が1メートル程では、頑張れば手が届くかもしれない。「容器遠くなる問題」では、もっと容器との距離が遠くなることも考えていかなければならない。ということで、1メートル延長して2メートルに挑戦する。
2メートルのストローに挑戦
2メートルのストローに挑戦
深呼吸でもこんなに吸わないよ、というくらいストロー(ホース)を吸う。するとペットボトルの液体がどんどん減っていくことが分かる。しかし、口にその液体はやってこない。ペットボトルの液体が全てなくなった頃に口に届く。時差が生まれるのだ。
キツいけれど飲むことはできる
キツいけれど飲むことはできる
2メートルもどうにか容器の中の液体を飲むことができた。「容器遠くなる問題」が2メートルまでなら問題ないことが分かった。しかし、容器がまだ手の届かない存在になるかもしれない。ストローを延長しようと思う。
ジョイントを使い
ジョイントを使い
ストローは5メートルに
ストローは5メートルに

5メートルによる幸福

次は2メートルのホースと3メートルのホースを組み合わせた5メートルのストローだ。もうどんなに頑張っても液体の入った容器には手は届かない。さっきから吸いすぎてか、頭が若干クラクラするし、飲みすぎで胃がチャプチャプするが問題解決のために頑張る。
必死
必死
2メートルのストローと比べると格段にキツい。ストローが長くなるほど、キツさ増す。長さとキツさは比例するようだ。1メートルより2メートル、2メートルより3メートルと着実にキツくなる。その比例に狂いはない。
キツい
キツい
しかし、吸い続ければ液体はストロー(ホースだけれど)を通ってキチンと僕の口へと届いた。疲れて家に帰ったら晩御飯が食卓に並んでいたような幸福感。

山頂で飲むコーヒーが美味しいのと同じようなことが長いストローによって生まれるのだ。容器に手が届いていた時代には感じることができなかった幸せだ。倒れそうなほどキツいけれど。
次は6メートル
次は6メートル

倒れるか、飲むか

「容器遠くなる問題」が起きれば、サッカー部の練習後の水分補給もこれになる。そうなるとサッカー人口は世界的に減ることになるだろう。
6メートルのストローに挑戦!
6メートルのストローに挑戦!
サッカーに限らず、運動する人が減ると思う。マラソンの給水所も上の写真のようになるのだ。マラソンどころではない。文科系の人口が増えるかもしれない。
全然飲めない
全然飲めない
さて、6メートルのストローだけれど、全然飲めない。容器の液体が減る雰囲気もない。僕の吸引力がもうほぼないのだ。周りに微妙にギャラリーも集まり、無理でしょう的な意見も出たが、その通り6メートルは無理だった。
長いストローは5メートルが限界みたい
長いストローは5メートルが限界みたい

文明の利器を使う

なにも自分で吸わなくてもいいかもしれない。「容器遠くなる問題」の解決策には長いストローしかないけれど、自分の吸引力に頼る必要はないのだ。吸って出す専門的な道具を使えばいいのだ。
灯油ポンプ
灯油ポンプ
ストロー(ホース)にこれを挿入して、後は赤い部分をポフポフすればいいだけである。これなら吸引力も必要ない。まぁ、楽。「容器遠くなる問題」は長いストローと灯油ポンプでほぼ解決しそうである。
この距離でも、
この距離でも、
完璧!
完璧!
容器には手は届かないけれど、液体はストロー、石油ポンプを通じて僕へと届いている。「容器遠くなる問題」が発生した折にはあちこちでこのような光景を見ることになると思う。一家に一個の灯油ポンプが、一人に一個の時代が来ることだろう。
今は異様だけれど、将来的には普通
今は異様だけれど、将来的には普通
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ストローで勝訴

次は筆記用具がなくなった時のことを考えたい。いつでも筆記用具があると僕らは油断しているのではないだろうか。何が起こるかわからない時代だ。その理由は先に書いたことと完全にかぶるので割愛して、「文房具ない問題」を解決したい。
墨も鉛筆もポールペンもなくなるのだ
墨も鉛筆もポールペンもなくなるのだ
多くはパソコンで書いてプリントアウトすればいいので、そんなには問題ないかもしれない。しかし、裁判で勝って「勝訴」と出す時は問題になる。勝訴と発表するくらい時間がかかった裁判だ。それがプリントアウトではあまりに味気ない。
墨がないのでこういうことができない
墨がないのでこういうことができない
頑張って勝った裁判には頑張って書いた「勝訴」の文字がよく似合う。プリントアウトでは頑張りがない。たとえ筆記用具がなくなろうとも勝訴の文字には頑張りが必要なのだ。そこで、ストローである。
裁判に勝ったぞ~
裁判に勝ったぞ~
やった~
やった~
勝訴!
勝訴!
筆記用具がなくなったらこのような感じで勝訴を発表すればいいと思う。発表の場にやって来てから「勝訴」の文字がクッキリ見えるまでの時間がドキドキを生み出し楽しいかもしれない。また頑張りも非常に感じられる。キツいのだ。
頑張らないと途中でやめたくなる
頑張らないと途中でやめたくなる

ストローで勝訴を作る

先の勝訴の文字はストローを使い作られている。僕が不器用なのか作るのに2時間もかかった。さらに驚くことに一文字5メートルもストローを使っている。2文字なので10メートルである。
まずボードに文字を下書き
まずボードに文字を下書き
ストローで勝訴を作るには、まず白いボードに鉛筆で勝訴の文字を下書きするところから始まる。筆記用具がなくなった時ように作ったのだけれど、製作過程で筆記用具を使っている。実際はなくなっていないのだから仕方がない。
下書きに沿って穴を開けチューブを通していく
下書きに沿って穴を開けチューブを通していく
10メートルのチューブがあれば2文字作れるが、先の実験で5メートルが吸える限界だったので、1文字ごとに独立するようにした。つまり「訴」だけを浮かび上がらせることもできるわけだ。そんな場面はなかなか無いけれど。
完成した勝訴をどうぞ(音でません)

コーラで勝訴

完成すれば後は裁判に勝って勝訴の文字を浮かび上がらせるだけだ。墨は黒いので黒っぽい飲み物をチョイスする必要がある。ベストはコーヒーだと思うが、僕はコーヒーを飲むとお腹が急激にゆるくなるのでコーラで勝訴を浮かび上がらせている。
裁判に勝ったぞ~
裁判に勝ったぞ~
やった~
やった~
勝訴!
勝訴!
先に書いたようにこの「勝訴」の頑張りといえばすごい。頑張って勝った裁判だろうから発表にもこのくらいの頑張りが必要だと思う。勝訴の文字を浮かび上がらせている間は吸い続ける必要があるので、もうコーラの味が分からないほど頑張っている。
勝訴を浮かび上がらせている間は必死
勝訴を浮かび上がらせている間は必死
その頑張りにカップルも足を止める
その頑張りにカップルも足を止める
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コーヒーだとより勝訴

一度勝訴を浮かび上がらせると、中を透明にするのに水を飲まなければならない。コーラを飲んだ後に水。かなりお腹がチャプチャプになる。冬場だったらトイレが異常に近くなると思う。
チャプチャプ
チャプチャプ
勝訴を浮かび上がらせる時間によるけれど、大体一回に350ミリほど飲んでいる。缶一本分である。ということで、家に戻りコーヒーで勝訴の文字を浮かび上がらせてみようと思う。より分かりやすくなると思う。
家の前でやります
家の前でやります
先にも書いたように、僕はコーヒーでお腹が急激にゆるくなるので家の近くで撮影を行った。途中で隣の人が帰って来て非常に気まずかったが、今となってはいい思い出だと考えたい。大家に連絡したりしていないか心配だ。
勝訴がより分かりやすいです(音でません)
やはりコーヒーの方が勝訴の文字が分かりやすい。もし「文房具ない問題」が起こり、勝訴を発表する時はコーヒーの方がいいようだ。勝訴を発表する人の選考に吸引力とコーヒーに強い人というポイントを追加する必要があるだろう。
若干うっすら勝訴が見えるけれど
若干うっすら勝訴が見えるけれど
文字がゆっくり浮かび上がり
文字がゆっくり浮かび上がり
勝訴と分かる!
勝訴と分かる!

気をつけたい!

勝訴を含め長いストローで液体を吸い続けた。ここ最近で一番クラクラしたと思う。しかし「容器遠くなる問題」や「文房具ない問題」が起きればこのようになるのだ。このような問題が起きないように頑張って行きたい。問題は何をどうすれば、このような問題が起きるか分からない点だ。でも、何かを気をつけて行きたいと思う。
この長さがベスト!
この長さがベスト!
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