母おにぎりの重量感
一般的なコンビニのおにぎりといえばこれ。
具によって値段が違うことに最近気づいた。
どっぷり。
右下はおにぎりではなく母です。
米が充ち満ちている。おにぎりというより米塊で言ったほうがいい。
母に計ってもらったところによると、これで重さは140gということだ。 一般的なコンビニおにぎりの重さは計測したところ約100g。40gの違いはこんなにでかいのか。
重さを頼りに再現。
重い。
竿で釣ってみたのは魚の重みに例えられたらとの考えからだったが、 そんな重さが分かるほど魚釣ってないことにやってみて気づいた。 なので竿のしなり具合から判断してもらいたい。
だから釣ってみた感想は「まあまあ重い」しかない。 ただこのまま鉄球のように振り回せば、トランプタワーを決壊させるぐらいの威力はある。
食べ物で大きいものにはとかく”ばくだん”と呼ばれるが、 ひょっとしてこういうのより重いのか。
220g。さすがにばくだんの方が重い。
ただこのばくだんおにぎり、中身がひれかつが重量のほとんどかもしれない。 実際食べたところ米の量は母のものの方がかなり多く感じた。
なお母おにぎりの形としては、三角にしようとして出来なかった的三角形。 具は夕食の残りの鮭で、普段海苔は巻いていない状態で出てくる。
海苔については、母によると「巻いておくと海苔がフニャッとするため」だそうで、いつもセルフで海苔を巻いていた。
なのに最初に送ってきた写真は海苔付きだった。
携帯だから小さいし。
というのが我が家のおにぎりである。 余所の家庭はいったいどんなおにぎりなのか、見せてもらいました。
お母さんのおにぎり見せて
ということで当サイトでお母さんのおにぎりを見せてくれる読者の方を募集したところ、ありがたいことに(たぶん)多数の応募があり、その中から今回は4名の方にご協力をお願いいたしました。
かなり小さい職人おにぎり
しのみやさんから頂いたおにぎりは、いきなり母のおにぎり感を覆すミニサイズ。
岡山出身のお母さんが握るコンパクトおにぎり。
密度が少ないため強く持つと崩れるというのは、一流の寿司職人が握った寿司みたいである。口に入れた瞬間溶けていくシャリのような。
崩れた写真も頂きました。一瞬こういうアバンギャルドおにぎりかとビックリした。
母のおにぎりQ&A
Q.他のおにぎりと見分けられますか
A.まったく出来ません!普通に三角なだけの何の変哲もないおにぎりなので、おそらく他のおにぎりにまぎれたら、まったく分からないと思います。
Q.いままでに形が変わったことはありますか
A.本人いわく、「三角にしか握れない」とのことで、ほかの形になったことはありません。ちっちゃい時の幼稚園のお弁当などだと、まん丸だった覚えがあります。
「ご飯を炊きすぎた時に食後のおやつ感覚で出されます。母がご飯の冷凍をしたくないときに炊きすぎたり残ったりした場合に、あまったご飯をおにぎりにして、食後に差し出されます。
そうするとなぜか食べてしまう不思議。おにぎりって、普通にご飯を食べるより、量を食べちゃいますよね。」
竿で釣っても軽い
データを元に再現。ゴリラと比べてもかなり小さい。
教えていただいた大きさと重さのデータを参考に自分でも握ってみた。 コンビニおにぎりの約半分ほどということなので約50g。 数字から分かるとおり相当ミニマル。ゴリラの背中に乗せられる。
全然しなりません。
竿で釣ってもほとんど手応えがないほど軽い。世の中にこんなお母さんおにぎりがあったなんて信じられない。
ばくだんを超えるおにぎり
続いてジマコさんのお母さん(大阪市浪速区出身の57歳)に握って頂いたおにぎり、かなり重量級です。
これはむっちりしてる。
大きさはコンビニおにぎりより少し大きいのに280gという前述のばくだんおにぎりを超える重さ。 具に分銅が入ってるわけでもなく、純粋に米の重みでこれなら相当でかい。
力こもってる。
母のおにぎりQ&A
Q.他のおにぎりと見分けられますか
A.写真でわかる通り、独特の「おはぎ」のような形ですので見分けは付くとおも います
Q.いままでに形が変わったことはありますか
A.もともと、うちの母が作るおにぎりは米俵のような形のいわゆる「俵型」でし た。
ところが15年ほど前、思春期を迎えた妹が「友達のお母さんが作るおにぎり は三角ばかりだ。俵型は恥ずかしいからうちも三角にしてほしい!」と言い出し ました。
しかし母は上手く三角には握れず、扁平でどことなくおはぎのような、 独特の形になってしまいました。
ゴリラと比べてもこの大きさ。
乗れる!
これは網が必要だ。
280gのおにぎりというのはほぼどんぶりみたいなものである。 竿のしなりも半端ない。松方弘樹に釣らせたらとても喜ぶと思う。
そして満腹なんてレベルではないぐらい、胃が米で満たされた。
全て海苔の漆黒おにぎり
TL125さんのお母さん(北海道室蘭出身78歳)おにぎり、全体が海苔で覆われて真っ黒です。
具は梅とおかかだそうです。
おそらく○の方。
おそらく△の方。ひよこのオスメス判別並!
母のおにぎりQ&A
Q.他のおにぎりと見分けられますか
A.持ってみたらわかるような気がします。密度の高さで。見た目より重いので。見た目では…白いところが見当たらない(仇のようにに海苔で隠す)という特徴でわかるかもしれません
「海苔べったりのおにぎりで育ったので,コンビニでも直まきおにぎりを買うことが多いです。初めて海苔後付タイプのコンビニおにぎりを食べたとき、パリッとしてふわっとしてて、これは違う食べ物だと思いました。おにぎりはべたっとしてみっちりしているという刷り込みがされてたんですね。
一度、高校時代に母が入院しているときに遠足があり、父親におにぎりを作ってもら ったのですが、大食いの父なので”小さ目に”と頼んだら、幼稚園児並みの大きさのおにぎりが出来ていました。」
ゴリラもおにぎりみたいなことに気づいた。
重量が121~137gと我が母おにぎりと重さは似てる。 そしてその見た目は海苔が全てを覆う漆黒のおにぎり。 もしナイトクラブに置かれてあったら誰も気づかないに違いない。
納得の重み。
またTL125さんはお母さんにインタビューもしてくれていたのだが、
「おにぎりいっつもあんな感じだよね」
母「そうだね。もっと大きいかもね。いや,もっとバラバラかもね」
「コメって,戦争中はなかったんでしょ?」
母「戦争中は終わるまではなんとかあったんだけど、 昭和20年て冷夏だったんだよね。そして男手がいないでしょ。だから何ぼやっても出来が悪くて。大根混ぜておかゆとかにしてたね。ごちそうって言えば,白いご飯で,お正月とかにね。昭和25年くらいになって,やっと良くなってきたね」
母「それから,朝鮮動乱があったでしょ?あれで景気が良くなったんだよね。それから状況が良くなったんだよね」
となぜか景気の話になっていた。
おにぎりの概念が拡張するおにぎり
最後ははねだんさんのお母さん(愛媛県今治市出身73歳)の郷土料理みたいなおにぎりです。
おにぎりです。
どちらも同じおにぎりです。
母のおにぎりQ&A
Q.他のおにぎりと見分けられますか
A.きなこがついてたらうちのって必ずわかると思います。今まできなこむすびをつくっている友達の親にあったことがありません
Q.いままでに形が変わったことはありますか
A.必ず俵型。三角むすびは母は握った事がないです
Q.きなこの由来について
「戦前~戦後しばらく海苔が高級品だったため、代わりにきなこをご飯が手につかないようにまぶしていたそうです。その世代の今治市の田舎の方ではきなこむすびは多かったそうですが、今つくってる人はそんなにいないでは?とのこと。
またおはぎのまわりにも手にくっつかないようにきなこを軽くはたいたりもしたそうです。」
未知との遭遇にゴリラも困惑。
「遠足に持っていくと必ず『それ何?』と聞かれました。
きなこ=お砂糖入りのあべかわにするタイプだと思ってる子が多かったから、おにぎりなのに甘いなんて!て感じでしょうね。勿論説明しても、美味しいとは思ってもらえませんでした。
美味しいのに私は子どもの頃からこれなんで違和感無かったですし、塩がきいたおむすびにうっすら大豆甘いきなこが合っていて今でも好きです。海苔はぺったりすると噛み切りにくいけど、きなこならそんなこともないし案外湿気でべったりもしません。」
重さは軽い。
味は、なんというかおばあちゃんちの戸棚に仕舞ってある お菓子のような感じだった。
もちろんちゃんと再現出来てるわけでもないので、これは各自ぜひ作ってみて欲しい。 すっごいお茶が欲しくなる。
母の数だけおにぎりがある
全世界の母のおにぎり大きく重い、訳ではないことが分かった。、重くもあり軽くもある。しかしそれ以上にそれぞれの個性がかなり際立っていたのではないだろうか。
コンビニのおにぎりもいまはかなりの種類があるが、 いつか「田淵さんちのおにぎり」とかそういう各家庭のおにぎりがコンビニで発売される日が来るかもしれない。