正月の青い空。そびえ立つのは郊外居住者の友、ハードオフ。現在、ブックオフよりも、急激に増えているらしい。
まずはオモチャ関係主体の、ホビーオフのほうをひやかす。ガラスケースに商品が陳列されていて、まるで中野ブロードウェイのよう。しかしこのペコちゃん、一体いつのペコちゃんなんだ? エアロビクスが流行った時代って30年前ですよ?
古いゲームも(レキシィデータ!)。こういうのは、値段が高いのは、なんとなく分かる。
UFOキャッチャーのフィギュア。これは私の好きなキャラクター、クリーミィマミちゃんなんですが、値段見たら、ヤフーオークションと同じ価格帯でした。妥当。
オモチャコーナーの、ホビーオフは、きちんと値段が付いていた。
それ相応のものに、それ相応な値段が…。
でもハードオフの楽しさは、そこじゃない。
もっとハチャメチャな、フリーダムっぷりだ。
そう、自由さ。
……最初、店の奥の、その前に立った時、同行した友人が
「ゴミの山だろうか、宝の山だろうか…」
と、呟いたほどだ。
自由すぎる品揃え、自由すぎるディスプレイ。
中古のそろばん、売る人がいるのか。840円か。高いのか、安いのか?
この42円のネズミ人形は、50個くらいあった。1個42円。42円って何だ。
埼玉県のマスコット、「コバトン」の自転車カゴカバー。こんなのも買い取ってくれるのか。
一体なんだこれ、と思ったら、裏を見たら鏡でした。
景品のお皿も42円(これはたくさん余っているらしく、いろんな店舗で見かけた)。コレが欲しくて、努力した人もいただろうに。
……すいません、彼は一体誰なんだろう。でもスペシャルなグッズっぽいですよね、定価は高そう。なんだろうなあ、ファンを辞めちゃったのかなあ。
こういう、「中身の入ってないテープ」は売っていた(空カセットとか、マニアは欲しいらしいですよね)。
そして身長ほどの大きさの皿。5万円位でした。
頭がぐらんぐらんした。
要するに現在のハードオフは「フリーマーケットを店舗にしちゃいました」、という感じの店なのだ。
しかし、フリーマーケットと違って、売り手の顔が見えないぶん、モノと自分の緊張感が発生しない。
貼付けてある値段だって、「なんでこれがこの値段なのか」理解出来ないものばかり。
これ、何?
これ、何でここにあるの?
これ、誰が買って、どこに持っていくの?
グワーッと考えてしまう。モノの洪水の中で。
某所、駐車場にあった看板。ケーキやビールがもらえて、車が当たるホテルなんて、すごいよね。ああ、郊外はすごいよ。出身地、わが埼玉よ…。
いやあ、もっとすごいものが売っていましたよ!
「なんでこんなにベビーカーが置いてあるんだろう」と思ったら、売り物だったり。
人んちの実家にころがっていそうな、使用済みスポーツ器具なんかも、お手頃値段で置いてあるし。
釣りのルアーなんかもある。こういうのって、リサイクルするものなの…?
怒り顔+ビール=ニコニコ顔、という謎のキャップも売られていた。いや、まあ、そうなんだけどさ。
大正琴は500円より。気軽に始められますね!
あまりにも売っているモノが強烈にバラバラなので、何かに絞って見なければと思って、私はCDを主にチェックしていた。結局、20枚くらい買ったのだが、1枚が100円のものばかりだったので、合計2000円分だ。
しかし、店舗によって、CDの扱いも随分違っていた。音楽ファンのいる店では、価値のあるCDには、きちんと値段が付いていた。音楽ファンのいない店では、CDがただプラスチックの箱にぶっこまれているだけ…。買う側としては、箱に突っ込まれているだけのほうが、「何が出て来るか分からない」ぶん、楽しかったのだけれど。
AKB48、SKE48のCD。こういう「ああ、一人で何枚も買ってから、売ったんだなあ」っていう光景は、全国どこの中古屋さんでも見かけますけども。
ビートルズにだけ、妙に特化している店があった。一枚一枚ポップも付けてあって、レコード盤の状態も書いてあったから、絶対にファンだと思う。
同じくビートルズに特化した店にて。
カセット、オープンリールのテープも充実。
同じくビートルズに特化しか店にて。最後の「?」が気になる。ビートルズは好きでも、最近の音楽には詳しくない方なのかな?
某店のジャンクコーナーにて、鈴木亜美のアルバムに、亜美さんが書いたっぽいポップが封入されているCDを発見。
えええ、本人が書いたのかなあ、印刷かなあ。っていうかこれ付録なの?
いやあ、楽しかった。
結局私は、CDのほか、マンハッタンポーテージのバッグ(ほぼ新品で2000円)と、アメリカ製のマグカップ(62円)を買った。
友人は、アップル純正キーボードを、やはりほぼ新品のを2000円でゲット。もう一人の友人は、CDとDVDと、なぜかヨーヨー(62円)を購入。
しかし、帰路、みんなグッタリ疲れていた。
店の情報量の多さに、やられたんだと思う。
「とりあえず、何でも売りに行っていいのね。
そして、運が良ければ、何かに巡り合うのね。」
ということだけは、分かった。
ああ、すごいよハードオフ。日本の文化を変えるよ、ハードオフ。
うちの近所にも出来るといいのに!!!!!