特集 2011年12月3日

香美町観光大使として祭りで餅をまいてきた

香美町観光大使として餅をまいてきました。熱狂の餅まき!
香美町観光大使として餅をまいてきました。熱狂の餅まき!
誰でも観光大使になれる町、それが兵庫県香美町。縁もゆかりもない私も、ここの観光大使をさせていただいている。(詳しくはこちらの記事参照)

そんな香美町はマツバカニで有名な町。カニまつりでは最も古い歴史を持つという「かすみカニ場まつり」が毎年開催されているのだが、そこで行われる餅まき大会で、私が餅をまかせてもらえることになった。

そう、観光大使としてだ。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

前の記事:11月11日は立ち呑みの日

> 個人サイト 私的標本 趣味の製麺

カニ食べいこう、餅まきいこう(パフィー風に)

香美町というのは兵庫県の日本海に面した場所にあり、なんといってもズワイガニ、ベニズワイガニ漁で有名な町。

ここの誰でもなれる観光大使には、年に数回、香美町から観光案内などが郵送されてくるのだが、今回はカニ場まつりの案内と共に、宿泊優待券(無料ではなく割引)が送られてきた。

※観光大使は随時募集しています。詳しくはこちら
誰かを連れていくと、観光大使が割引価格で泊まれるという素敵な優待券。
誰かを連れていくと、観光大使が割引価格で泊まれるという素敵な優待券。
観光大使が11時間かけてやってきました(途中で電車に乗り遅れた)。ちなみにこのタスキは自前です。
観光大使が11時間かけてやってきました(途中で電車に乗り遅れた)。ちなみにこのタスキは自前です。
香美町は私の住む埼玉からだと気軽に行ける場所ではないのだが、せっかくの優待券を使うべく、「得して損とれ」の精神で、カニ場まつりにあわせていくことにした。

しかし、ただカニを食べるだけだとちょっとさみしい。せっかくだからと観光課の人に連絡をとり、カニ場まつりで観光大使らしいことをさせてくださいと無理なお願いしてみたら、なんと餅をまかせていただくことになった。
かにカニ日帰りエクスプレスというのがあって、関西の人は日帰りでカニを食べにくるらしいよ。
かにカニ日帰りエクスプレスというのがあって、関西の人は日帰りでカニを食べにくるらしいよ。
ここから世界へと旅立ってみたい。
ここから世界へと旅立ってみたい。
餅つきではない。餅まきだ。

千葉在住の友人から、近所にコンビニがオープンした時、餅まきをしていたという話を聞いたことがあるが、私は餅まき初体験。しかも、まかれる側ではなく、まく側としての参加である。

節分の日になると、池上本門寺でプロレスラーやタレントが豆をまくが、イメージとしてはそんな感じだろうか。

素人観光大使として、これ以上ない光栄な仕事といえるだろう。

知らない人の従兄会に混ざりがちな町、香美町

餅まきの話の前に、どうしても書きたい話と見せたいモノマネがある。

前回はまるっきり知り合いのいない町だったが、今回は違った。あえて前回と同じ宿に泊まり、夜には同じ飲み屋へといったのだが、どちらも私のことを覚えている人がいたのだ。

そして、新たに私を知ってくれた人も。
「 私を」というか、「このタスキを」かもしれないが、この町に私を覚えてくれている人がいるというのが心強い。
「 私を」というか、「このタスキを」かもしれないが、この町に私を覚えてくれている人がいるというのが心強い。
そういえば、あの滑り台でテープカットをしたんだよなあ。
そういえば、あの滑り台でテープカットをしたんだよなあ。
夕食までの間に散歩へと出たら、「すみません、観光大使の人ですか?」と、声をかけられた。

そうです。私が観光大使です。

一瞬このサイトの読者かなと思ったがそうではなくて、宿に併設されたカフェでケーキを食べていたら私が現れたので、誰だろうと思ったらしい。
「タレントですか?」と聞かれたが、一般人でごめんなさい。こんなタスキをした素人いないよね。
「タレントですか?」と聞かれたが、一般人でごめんなさい。こんなタスキをした素人いないよね。
とりあえずミス観光大使に任命しておいた。
とりあえずミス観光大使に任命しておいた。
この二人は私と同じく埼玉に住んでいて、法事のためにやってきた従兄同士なのだそうだ。

兵庫まできて埼玉県民に声をかけられるとは思わなかった。
夕飯は宿でカニをたっぷりといただく。勝手にカニ場まつりの前夜祭だ。
夕飯は宿でカニをたっぷりといただく。勝手にカニ場まつりの前夜祭だ。
カニ爪ダプルピースは香美町観光大使の基本です。
カニ爪ダプルピースは香美町観光大使の基本です。
で、食事を終えて風呂を浴び、前も来た「めいぷる」という飲み屋にいったら、さっきの二人がいたのだ。

しかも従兄が二人増えて四人になっていた。
めいぷるのママは前回の記事を読んでくれたそうで、タスキを出す前に気が付いてくれた。
めいぷるのママは前回の記事を読んでくれたそうで、タスキを出す前に気が付いてくれた。
初対面の従兄会に混ざるという珍プレー。
初対面の従兄会に混ざるという珍プレー。
知らない人の従兄会に混ざるなんて、基本的に人見知りの私にとって、まさかの展開といえるだろう。

しかも全員埼玉県民だったので(一人だけ「私は一応東京!」っていっていたかも)、会話の内容がレイクタウン(埼玉にある巨大ショッピングセンター)とかだ。
従兄会っぽいクオリティの森進一のモノマネを見せてもらった。美川憲一ではない。
観光旅行のはずが、まるっきり親戚の集まりに参加した気分である。こういう親戚いるわー。

明日がまつり当日でなければ、一緒に従兄として法事へと参加していたかもしれない。あぶないところだった。
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かすみカニ場まつりは雨だった

従兄会翌日のカニ場まつりは、心配された雨がしっかりと降っていた。

私はこの日が楽しみで、髪を切って万が一風邪でもひいたらいけないと、しばらく床屋にいっていない。それなのに雨。

冷たい雨にテンションも下がったが、餅をまく側ががんばらなくてどうするんだと思い直し、というのはオーバーだけど、とりあえず傘をさして会場へ。
会場付近は、これからまつりが始まるとは思えない活気のなさ。
会場付近は、これからまつりが始まるとは思えない活気のなさ。
でも屋根のある場所にいったら人がたくさんで一安心。無人のところで餅をまくのはイヤだもの。
でも屋根のある場所にいったら人がたくさんで一安心。無人のところで餅をまくのはイヤだもの。
焼きガニやカニ雑炊、カニ汁などが無料でふるまわれる。旅館はカニなしの安いコースでよかったと、観光大使らしくないことを考えてしまった。
焼きガニやカニ雑炊、カニ汁などが無料でふるまわれる。旅館はカニなしの安いコースでよかったと、観光大使らしくないことを考えてしまった。
このアツアツかに雑炊の早食い大会というデンジャラスなイベントもあるよ。
このアツアツかに雑炊の早食い大会というデンジャラスなイベントもあるよ。
よし、大丈夫だ。餅を楽しみにしている人はきっといる。

町長と一緒に餅をまくらしい

会場をぐるっと一周したところで、餅をまくために本部へ挨拶にいくと、以前お会いしたことのある方がいた。

誰あろう、香美町の町長さんだ。
中央が町長で、左はご当地キャラクターの松葉くん。
中央が町長で、左はご当地キャラクターの松葉くん。
町長には前回お会いさせていただき、正式に観光大使としての任命をしてもらったのだが(してもらわなくても正式な観光大使なのだが)、今回は隣に並んで一緒に餅をまかせていただくのだ。自分からお願いしたこととはいえ、それって私がやっていいのだろうか。

観光課の方からの「松葉くんの中に入りませんか」というありがたい申し出は断ってしまったのだが、今思えばやっておけばよかった。カニの中身。
餅まきを前に、町長がご挨拶。こういう立場の人と並んで餅をまくのか。
餅まきを前に、町長がご挨拶。こういう立場の人と並んで餅をまくのか。
どう緊張していいのかすらよくわからない状態で、このときの記憶があまりない。
どう緊張していいのかすらよくわからない状態で、このときの記憶があまりない。
ステージ横に用意された餅。紅白だ。
ステージ横に用意された餅。紅白だ。
袋を持った餅ハンター達。みんな本気だ。
袋を持った餅ハンター達。みんな本気だ。
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もう場違いを楽しもう

定刻通り、餅まき大会がスタートした。司会の方から餅をまく人が順番に呼ばれていく。

「……さん 香美観光大使 玉置豊さん」

おお、本当に私の名前が呼ばれた。予定通りなのに現実感がない。

ここで客席から笑い声が聞こえたような気がしたのだが、この並びで私の登場は、やっぱり違和感あるよね。
ちゃんとした役職の人達が、ちゃんとした格好で登っていく。それに私が続くのか。
ちゃんとした役職の人達が、ちゃんとした格好で登っていく。それに私が続くのか。
中国から観光誘致目的で呼ばれた人気ブロガーみたいだ。
中国から観光誘致目的で呼ばれた人気ブロガーみたいだ。
自薦じゃなくて任命される方の観光大使である「かすみ香りレディ」と並ぶという羞恥プレイ。私もあんなスーツが欲しい。

並んでみて気がついたのだが、私のタスキが左右逆で恥ずかしさ倍増。もう開き直って、この場違い感を楽しむしかない。
ちゃんと選考された観光大使にサポートされる自己推薦観光大使。なんだかすみません。
ちゃんと選考された観光大使にサポートされる自己推薦観光大使。なんだかすみません。
ずらっと並んだお客さん。危ないからあまり前にまいてはいけないという注意を受けたが、確かに将棋倒しとなりそうだ。
ずらっと並んだお客さん。危ないからあまり前にまいてはいけないという注意を受けたが、確かに将棋倒しとなりそうだ。

熱狂の餅まき大会

集まってくれたお客さんの餅に対する期待感がすごい。会場はいわゆる「出来上がっている状態」で、みんなが今か今かと餅を待っている。

さあ、餅まきのスタートだ。私(の餅)に熱い視線を送るお客さん、いやオーディエンスに向かって全力で餅をまかせてもらおう。
餅なんて投げたことがないから、力の入れ加減がよくわからない。
餅なんて投げたことがないから、力の入れ加減がよくわからない。
すごい。予想以上の熱狂ぶり。餅の中に小判でも入っているのかと思うほどの盛り上がり。

目の前で繰り広げられる節度を守った餅の奪い合い。これが餅まきというものなのか。
「もっと餅をー!」「こっちに餅をー!」 「玉置さーん!(幻聴)」
「もっと餅をー!」「こっちに餅をー!」 「玉置さーん!(幻聴)」
餅、大人気である。まあ配るものがドーナツでもうまい棒でも、同じ興奮かもしれないけれど、まくのが餅というのがやっぱりいいな。
私が投げたものがこれほど喜ばれることは今後あるまい。今この瞬間は、我が人生の中で、もっとも神に近づいた瞬間といえるだろう。
私が投げたものがこれほど喜ばれることは今後あるまい。今この瞬間は、我が人生の中で、もっとも神に近づいた瞬間といえるだろう。
なんだかロックフェスみたい。餅のおかげで、人気ミュージシャン気分が味わえた。餅最高。ロックンロール最高。

ずっと餅をまいていたい。

終わらないでくれ、俺の餅まき。

可能ならば、自腹で餅を買い足したいとさえ思った。
「お前らー!最高だー!」と、心で叫ばせていただいた。オーディエンスのエックスジャンプが見えた気がする。
「お前らー!最高だー!」と、心で叫ばせていただいた。オーディエンスのエックスジャンプが見えた気がする。
餅をまいている間、この人気だったら香美町の議会議員選に立候補したら当選するんじゃないかという錯覚に陥ったが、餅をまき終えた途端にさっとみんなこの場を離れていったのを見て、すぐに目が覚めた。

アンコールの声は掛からなかった。

アンコールじゃなくて、「アンコ入り」の声で、大福をまきだす風習を作りたいなと、去っていく人を見ながら思った。
お餅獲得、おめでとうございます。
お餅獲得、おめでとうございます。
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「香美にカミング音頭」でカニ場まつりをレポート

さて観光大使である私の役割は、餅まきだけではない。

餅まきですべてやりきった感があるのだが、かすみカニ場まつりをレポートし、みんなに伝えるという大仕事が残っている。
まさかまたこの曲を使う日が来るとは。
まさかまたこの曲を使う日が来るとは。
ということで、前回来たときに勝手に作った香美町のご当地ソング、「香美にカミング音頭」に乗せてお届けします。

久しぶりに聴いたけれど、やっぱり「目が泳いでいる歌声」ですみません。
餅まきのあとに行われたのが、アツアツかに雑炊の早食い大会。大丈夫なのかそれは。
餅まきのあとに行われたのが、アツアツかに雑炊の早食い大会。大丈夫なのかそれは。
参加申し込みは先着順。一番に申し込んだおばちゃんが選手宣誓をしていた。シュール。
参加申し込みは先着順。一番に申し込んだおばちゃんが選手宣誓をしていた。シュール。
優勝賞品はもちろんカニだ。字幕と写真はシンクロしていません。
優勝賞品はもちろんカニだ。字幕と写真はシンクロしていません。
六人ずつ戦い、各組一位の人にカニが渡されるらしい。
六人ずつ戦い、各組一位の人にカニが渡されるらしい。
持ってこられた雑炊が、遠くから見てもわかるくらい湯気が立っている。子供、大丈夫か。
持ってこられた雑炊が、遠くから見てもわかるくらい湯気が立っている。子供、大丈夫か。
箸でぐるぐる回して冷ます子供。そりゃ熱いよね。
箸でぐるぐる回して冷ます子供。そりゃ熱いよね。
何杯食べられるかを競うのではなく、誰が一杯を早く食べ終えるかを競う。そのくらい熱いということだ。
何杯食べられるかを競うのではなく、誰が一杯を早く食べ終えるかを競う。そのくらい熱いということだ。
あまりに熱そうなので、出場を控えた参加者たちがちょっと引き気味。
あまりに熱そうなので、出場を控えた参加者たちがちょっと引き気味。
勝利者が食べ終えるまで、三分くらい掛かる熱戦でした。
勝利者が食べ終えるまで、三分くらい掛かる熱戦でした。
カニのまつりなので、当然カニを売っている。お買い得価格らしいのだが、相場がまったくわからない。
カニのまつりなので、当然カニを売っている。お買い得価格らしいのだが、相場がまったくわからない。
カニにアウトレットという概念があるのか。
カニにアウトレットという概念があるのか。
正直に言うと、カニよりエビが好きだったりする。
正直に言うと、カニよりエビが好きだったりする。
タコ焼きではなくカニ焼き。トロっとした熱い餡をかけて食べるのがうまいんだ。
タコ焼きではなくカニ焼き。トロっとした熱い餡をかけて食べるのがうまいんだ。
屋台のメニューでカニグラタンって初めて見た。さすが日本最古のカニまつり。
屋台のメニューでカニグラタンって初めて見た。さすが日本最古のカニまつり。
セコガニというのはズワイガニのメス。これ、車で来ていたら絶対やったのに。
セコガニというのはズワイガニのメス。これ、車で来ていたら絶対やったのに。
片手ですくった生きたカニが全部もらえるという豪快なつかみどりなんだよ。やっぱり後先考えずにやればよかった。
片手ですくった生きたカニが全部もらえるという豪快なつかみどりなんだよ。やっぱり後先考えずにやればよかった。
模擬セリも参加したいけれど、生ものだから持ち帰れない。このまつり、家の近所でやってくれればいいのに。
模擬セリも参加したいけれど、生ものだから持ち帰れない。このまつり、家の近所でやってくれればいいのに。
ハズレなしの抽選会も大人気。エテガレイってなんだろう。
ハズレなしの抽選会も大人気。エテガレイってなんだろう。
抽選会の賞品を渡すかすみ香りレディ。私もその役やりたい。
抽選会の賞品を渡すかすみ香りレディ。私もその役やりたい。
ジオパークを巡る遊覧船の二代目三姉妹船長も出店。
ジオパークを巡る遊覧船の二代目三姉妹船長も出店。
「star・kiss・stick」、略して「S・K・S」。ひらたくいうと「ニギスの干物」。
「star・kiss・stick」、略して「S・K・S」。ひらたくいうと「ニギスの干物」。
名前ほどアイドルっぽくはないビジュアルだが、味はおいしいよ。
名前ほどアイドルっぽくはないビジュアルだが、味はおいしいよ。
香美超戦隊オジレンジャーが、ステージ上からストレートにS・K・Sの宣伝をしていた。
香美超戦隊オジレンジャーが、ステージ上からストレートにS・K・Sの宣伝をしていた。
観光大使のタスキをしていると、みんなちゃんと観光大使として扱ってくれます。これぞラべリング効果。
観光大使のタスキをしていると、みんなちゃんと観光大使として扱ってくれます。これぞラべリング効果。
自然とピースが出るのは、カニ場まつりだからですかね。
自然とピースが出るのは、カニ場まつりだからですかね。
彼女たちは私を何者だと思っているのだろう。
彼女たちは私を何者だと思っているのだろう。
カラオケ版はこちら。どうせなら香美町にゆかりのある演歌歌手とかが歌ってくれないですかね。
残念ながら雨が降り続く中でのイベントだったけれど、焼きガニ、カニ雑炊、カニ汁が無料で食べられたし、他ではみないような屋台料理も楽しめた。

でも悔しいのは、家までの道のりが遠すぎて、ここで生ものを買うことができないこと。天気が良ければ、カニでもエビでも好きなだけ買って、海辺でバリバリと食べていたと思う。

もっと餅をまきたい

それにしても、あの餅まきの興奮はすごかった。これぞ日本のまつりという盛り上がり。餅をありがたがる気持ちは、今後もDNAに刻まれていくのだろう。

今後も機会があれば、どんどん積極的に餅をまいていこうと思う。
この日発表された香美町版ジオパークキャラクターのジオン軍。いやジオンくん。
この日発表された香美町版ジオパークキャラクターのジオン軍。いやジオンくん。
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