一日一本を守る方法
いつも飲んだ缶はゴミ収集日まで玄関の横に置いておく。
今日もロング缶を二本飲んでしまった。こんな人生はダメだ。
重ねると一本に。これなら人生大丈夫!
高橋名人が残した言葉「ゲームは一日一時間」を拡大解釈するとお酒は一日一本まで。
それを守れない自分はなんてダメなんだと罪の意識を抱えながら、スペース省略のために 二本の缶を上下に置いたことで気がついた。これなら一本で済むじゃないか。
頭脳は子供、身体は大人の工作
アルミ缶はそのままで重ね合わせられるように作られているので、二本を一本にするには穴を開けて繋げればいいだけである。
上の飲み口は缶切りで簡単に切れた。
「いい汗かいたわ」。そう言ってる風に見える顔が、これからやろうとしてることに対して後ろめたい気持ちにさせる。
底は缶切りを使えないので錐を使って大胆かつ慎重に。
途中から大胆一辺倒になった。
中身に入らない位置に接着剤を塗る。
ザ・自由研究以下。
こういうの中学校の自由研究で見たことある。空き缶を集めて作ったロボット、 の一部分だ。
もしこれを学校に提出したら親や先生に怒られるのだろう。 本当に大人になって良かった。
バベルの塔。
トランペットを吹くように
一日おいて接着させた缶を持ち、河原にやってきた。
荒川の土手に建設されるバベルの塔。
本当は近所の公園で飲もうとしたのだが、既に先客がいてしまった。
それに昼から公園でお酒を飲むのはダメ人間度高い感じがする。 河原なら爽やかな休日の午後ということでOKな気がする。
魅惑の黄金の液体を二缶分投入。
あ、爽やかじゃない。
満杯に入れても下の缶は落ちないので一応成功。
手に持つとずっしり二缶分の重みを感じる。量的にはいつも飲んでるのと変わらないのに、 一本が大きいと迫力も違う。まるで力士かプロレスラーになった気分だ。
正面から見ると普通。
横から見ると河原でトランペット練習してる人。
遠目から見るとそういう金管楽器を吹いてるようだ。 お酒を飲んでるだけなのにそんな素敵趣味をしてるように見えるなんて都合が良い。
飲酒メンバーとしてステージに上がりたい。
バンドメンバーは飲酒以外の全パート募集しております。
お酒は適正量で
バベルの塔は随分高いところまで建設した後壊れたが、 こっちのバベルの塔はたぶん三本ぐらいでとてもダメになってしまいそうなので、 もう建設はやめておいた方が良いと思います。