特集 2011年10月19日

スライディングだけしてかっこいい写真

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スポーツでかっこいい動きと言えば、スライディングである。 足から滑り込むスマートさ。頭から飛び込む必死さ。 スライディングには無条件でかっこいいと思わせる要素が揃ってる。

実際、野球などでそこ別にスライディング必要ないだろと思う場面はたまにあるが、 それでもスライディングしてるとやっぱりかっこいい。 自分もスライディングしたい。

むしろスライディングだけしてかっこいいスポーツマンにみせたい。
1985年生まれ札幌市出身。髪がとても硬いため寝癖がなかなか直りにくい体質。そのためよく帽子をかぶっています。

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経験者に教えてもらう

スライディングだけやるといってもきっと高度な技術だろう。 素人が見よう見まねでやってもかっこよくはなりにくいのではないか。

そこで経験者に教えてもらうことにした。
経験者は左の人です。
経験者は左の人です。
フリーライターで当サイトライターでもある榎並紀行氏。 小学から中学までの9年間サッカー部所属の経験者だ。
経験者。
経験者。
本気ユニフォームとぼんやりユニフォーム。
本気ユニフォームとぼんやりユニフォーム。
経験者だけあってユニフォームも日本代表のレプリカである。 たいしてこちらはドンキホーテで買ったユニフォームぽいシャツ。 いろいろな意味で貫禄が違う。

素人スライディング

かっこいいスライディングを習う前に、まずはなにも教えられてない状態で スライディングをしてみよう。 見よう見まねでも案外うまくいけるかもしれないから。
スライディングタックルでボールを奪いにいく。
スライディングタックルでボールを奪いにいく。
スライ・・・
スライ・・・
出来てない。
出来てない。
落ち込んでる人。
落ち込んでる人。
芝生で寝てる人。
芝生で寝てる人。
ダメだ、圧倒的にかっこわるい。教えてください。

先生の模範スライディング

ギリギリまで待ち、
ギリギリまで待ち、
突破する瞬間に足を出してボールを止めて、
突破する瞬間に足を出してボールを止めて、
笑う。
笑う。
かっこいい。ちゃんとしたスライディングはやっぱりかっこいい。 それでいてその後は満面の笑み。 そのスライディングの鋭さと余裕は、笑いにおける緊張と緩和のようだ。
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スライディングは実用的技術だった

かっこいいスライディング写真を撮るために スライディングの仕方を教えてもらおう。
「寛平さんがボケたらちゃんとズッコける」
「寛平さんがボケたらちゃんとズッコける」
「四股はこう踏むでごわす」
「四股はこう踏むでごわす」
いやそんなことは言っていない。ちゃんと教えていただいた。 その内容はだいたい以下のようなもの。

・相手が利き足の方向に突破するよう誘導する(足が出しやすいため)

・ボールを見てギリギリまで待つ

・突破する瞬間に、足裏を見せないようつま先からボールに滑り込む

なるほど。それが分かればもう相手の突破を許すこともない。 次の試合では必ず勝ってみせるぜ!
次の試合とかないです。
次の試合とかないです。
榎並さんが教えてくれたのは普通にディフェンスとしてのスライディングで、 対してこっちがやりたいのはとにかく見た目だけがかっこいいスライディング。

申し訳ないが、志が圧倒的に低い者にとってそのアドバイスはあまり役に立たない。
とりあえず形だけ教えてもらう。
とりあえず形だけ教えてもらう。
技術的なことは置いといて、しっかりしたスライディングの形は教えてもらった。 これでだいぶ変わるはずである。
右足から滑り込む・・滑り込む・・。
右足から滑り込む・・滑り込む・・。
なんだこれ。
なんだこれ。
サッカーをしているはずが、
サッカーをしているはずが、
なぜかカンフーに。
なぜかカンフーに。
ようやくまともな感じに撮れたが、躍動感が全然ない。榎並さん立ってるだけだ。
ようやくまともな感じに撮れたが、躍動感が全然ない。榎並さん立ってるだけだ。
試しに撮影係の編集部安藤さんがやってみたら結構さまになってて悔しい。
試しに撮影係の編集部安藤さんがやってみたら結構さまになってて悔しい。

止まったボールなら出来るか

ドリブルしてる人からボールを奪うスライディングは初心者には難しいのではないか。

止まったボールに向かってスライディングする形をとってみた。
ボールを置いて、
ボールを置いて、
それに向かってスライディング。これなら外す心配はない。
それに向かってスライディング。これなら外す心配はない。
ただし届かない場合があります。
ただし届かない場合があります。
怪我には気をつけましょう。
怪我には気をつけましょう。
どうも怖がってしまい足先から滑り込むことが出来ない。 その結果として足がつっかかってしまいかっこいいスライディングにならないようだ。
もう一度先生の模範演技を見せてもらう。
もう一度先生の模範演技を見せてもらう。
怖がらないように・・・。
怖がらないように・・・。
あ、
あ、
怪我には気をつけましょう。
怪我には気をつけましょう。
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あきらめから来る発想

見た目だけがいいスライディングといえど一両日中に出来るものではない。 特に運動神経のない人にとっては。
もういいや。
もういいや。
そうあきらめたのは事実だが、かっこいいスライディング写真を撮ることはあきらめてない。

滑り込む一連の動きが難しいのなら、最初から滑り込んだ状態でいればいい。 後は相手がうまいこと足下にボールを置いてくれば、自分はなにもしなくてもかっこいいスライディングになるのではないか。
ここら辺の写真は見なかったことにしてもらう。
ここら辺の写真は見なかったことにしてもらう。
出た!かっこいいスライディング。
出た!かっこいいスライディング。
余裕のボール奪取。
余裕のボール奪取。
人は彼を微笑みのスライディンガー(スライディングする人の意)と呼ぶ。
人は彼を微笑みのスライディンガー(スライディングする人の意)と呼ぶ。

躍動感が欲しい

上記の方法でかっこいいスライディング写真は撮れた、と思う。

ただどうしても、動いていないため躍動感がない。 もっとこう、バシュッとした勢いある写真が欲しい。

そこでカメラのシャッタースピードを遅くしてみる。 この方法だと、ゆっくり動いても速く動いてるように見えるのだ。
ヨレヨレ歩いてるだけでもこの通り。
ヨレヨレ歩いてるだけでもこの通り。
これなら情けないスライディングもある程度ごまかせるはず。
時速80kmでドリブルしてくる敵。
時速80kmでドリブルしてくる敵。
時速120kmのスライディングで迎え撃つ。
時速120kmのスライディングで迎え撃つ。
この後、ビッグバンが起こった。
この後、ビッグバンが起こった。
かっこいい。キャプテン翼のようなダイナミックなシーン。 スライディングとして様になってるかどうかは正直よく分からないが、 よく分からないからこそかっこよくなってるような気もする。
実際にはこんなだから。
実際にはこんなだから。
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スライディングを避けるかっこよさ

ここまでスライディングしてるかっこいい写真を撮ることに注力してきた。

しかしスライディングを避ける方もそれはそれでかっこいい。 今度はこっちもやってみたい。
飛んでる方。
飛んでる方。
ただスライディングを避けるのは、ボールがある分スライディングすること以上に難しい。 ここはかっこいいスライディング写真を撮ったときと同じ手法を使おう。
なぜか分からないが、「情婦」という言葉が浮かんだ。
なぜか分からないが、「情婦」という言葉が浮かんだ。
相手にとって不足はない。
相手にとって不足はない。
敵のスライディングを圧倒的スピード(300kmぐらい)で抜き去る!
敵のスライディングを圧倒的スピード(300kmぐらい)で抜き去る!
30mぐらい飛んで避ける!
30mぐらい飛んで避ける!
全部ウソだけどかっこいい。
全部ウソだけどかっこいい。
これはカワイイ。
これはカワイイ。
スライディングが地を這う猛牛のようなかっこよさなら、避けるのは大空を滑空する大鷲のようなかっこよさである。スライディングはするのも避けるのもかっこいい。

ただ榎並さんだけ止まってて動きがないため、 食べ過ぎて休んでる人の横を飛んだ、みたいな雰囲気がなきにしもあらずである。

結局出来る人がかっこいい

やりたいことはだいたいやって満足した。そしてここまでして気づいたことは、スポーツのうまい人がやればどんなプレーでもかっこよくなるのではないかということだ。
うまい人のヘディング。
うまい人のヘディング。
余裕があるのがかっこいい。
余裕があるのがかっこいい。
うまくない人は余裕がない。
うまくない人は余裕がない。
鉄球でも当たってるのだろうか。
鉄球でも当たってるのだろうか。
余裕がないと早まってしまう。
余裕がないと早まってしまう。
必然のおもしろ写真。
必然のおもしろ写真。
先生のボレーシュート。
先生のボレーシュート。
重そうなのにかっこいい。
重そうなのにかっこいい。
同じことをしようとしてます。
同じことをしようとしてます。
ボレーシュートなんです。
ボレーシュートなんです。
現代のセルジオ越後ここにあり。
現代のセルジオ越後ここにあり。

榎並さんがかっこいい

かっこいいスライディング写真を簡単に撮ることは成功したのかどうか正直うやむやのままにしておきたい。

ただ一つ確実なのは、スライディングよりも榎並さんのかっこよさが際立っていたことである。
安藤さんにカメラを渡したらデジカメの中が榎並さんばかりになるのだ。
安藤さんにカメラを渡したらデジカメの中が榎並さんばかりになるのだ。
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