相場をたたきこむ
まずはお祭りに正面から参加して体にお祭りの相場をたたきこむ。たこ焼き8個で500円、じゃがバターも500円、くじは一回300円で、あんず飴が200円‥‥
じゃがいもにバターを塗ったものが500円なのか、とちょっと驚くだろう。
だがその考えは平地の考えだ。お祭りという高地の物価に慣れなくてはいけない。
お祭りの屋台、じゃがバター500円、たこ焼き500円、あんず飴200円
くじは300円。青少年が危ない!
地域主催のテントも出ていて、やきそば200円と適正価格。だが今日はこれを回避。
高級品じゃがバターをチョイス
どうだ、慣れただろうか?じゃあ、ここでクイズを。
じゃがバターが500円なら、さつまいもにバターを塗ったものはいくらだろう?
多分500円だ。じゃあパンにバターを塗ったものは?400円くらいしそうだし、お麩にバターは300円くらいだろうか。
なら石は?石にバターはどうだろう?
じゃがバターはこれで500円、妥当だ(祭りの気分)
石バターよりもじゃがバター
「石にバターだと200円くらいか。ならじゃがバター500円も道理だな」
そう思えた瞬間、あなたはこの祭りの参加証を手に入れたことになる。さあこの祭りの食べ物中、一番の高級品だったテキ屋のじゃがバターをチョイスだ。
焼いたじゃがいもにバターをとかして食べるあれである。質素なのか高級品なのかよくわからなくなってくる。
顔のテーマ「わっ、熱々じゃないですか!」
顔のテーマ「ほくほくでおいしい」
顔を作って食べるとどうなったか?
缶に詰まったバターが鉄板の上に放り出され、だぶだぶの海になってじゃがいもが揚げられるように合えられてく。下品ででうまい。こういうのが、野外では強いなというシンプルな味だ。
味はいいのだが、問題は顔だ。
記事になったときに、おいしそうな顔をしてるといいなと思い、3割ほど多めに熱がって食べたのである。するとどうなったか?
ものすごく繁盛した
店がすごく繁盛してしまった
店の前で「じゃーんこれでーす」「熱い!」「ホクホクだ!」などのテーマで顔を作って写真を撮ってると、宣伝効果になったのかお客さんがどんどん入ってきた。
けっこうな罪悪感である。メディアの影響力の大きさに悩むのは、新聞記者も、顔面記者(私)も一緒だろう。
ビールがうまい、という顔がよくわからなかった顔面メディア。お客、増えず。むしろ減る。
お祭りのビールに何をかいわんや
じゃがバターで熱くなった口はビールで冷そう。こちらはカップ一杯350円。ぐびぐび飲んだら 鼻からアロマが蒸気機関のようにブシューっと吹き出て産業革命一丁上がりである。
さあ、仕上がった。ここまで体を祭りになじませておいてから、ちょっと抜けだしてコンビニへ、である。
お祭りの近くのコンビニ。店の前にも漂うお祭りムード。
祭りの日のコンビニは延長線だ
祭りから一番近いコンビニの前。ここにも祭りが続いている。
歩行者天国になっていて、向かいの駐車場では車座になって飲んでいるはっぴ姿の人もいる。
さあここで重要なのは、まだここはお祭りの一部であると思うこと。もう一度復習しよう。ビール一杯は?そう、350円だ。じゃあこのコンビニでは?
ようこそパラダイスへ!冷えに冷えたお酒がこんなに並んで、しかも甘い、それでいて一本200円以下、え、ビールじゃなくてこんなに甘いのに一本200円しない!?(※写真は別店舗にて)
見たか、パラダイスを
店内に入った瞬間にすぐ天国を感じるだろう。何ていう心地のよさなんだろう、と驚くだろう。
そう、それは空調だ。クーラーという機械によって冷やされてるのだ。クー?ラー?お祭りにあれだけ馴染んだあなたなら知らないかもしれない。何しろさっきまで石にバターを乗せたものを食べようとしていたのだ。知らないのも道理である。
ここではクーラーという先端技術で気温がコントロールされているのだ。そうだ、これが未来のお祭りだ!
こちらビール軍団。ビールでないのにビールっぽさを追求してきたものがこの値段で並んでいたり、長かったりがこの値段なのだ、これ自体が祭りじゃないか!
商品が何よりすごい
体は気温で天国を感じ、頭は商品を見てドーパミンが放出されることだろう。圧倒的に安いし、何だこの手の込んだ商品は。
ビール一つとっても麦がどうのホップがどうの、そこまではわかる。うちの屋台でも麦焼酎は置いているよ?という関係者の方にこれを見てもらいたい。麦とホップ。そう、麦もホップも両方なのだ!
こんなに手の込んだ商品が壁一面全部違う。どうなってるんだここは。こんな屋台があっていいのか?ここは普通の祭りと一味ちがうのだ。(実際、ちがうけど)
ポテトもからあげも焼き鳥も全部買えて、それも市価(お祭り内)の1/3以下で!?ここはこういう慈善団体か何かですか?
こんな手の込んだもの、屋台で売ったら大行列ですけど、何ていう名前、え?ポッキー!?ちょっとメモしていいですか!
しかも専門家が作った味だ
じゃがバターと比べるものとしてフライドポテトを買った。食べてみるとふつうのポテトと何かがちがう。食感か?
「サクサク食感」と書いてあるのが、本当にそうなのだ。こ、これはテキ屋のおっちゃんにはむりだ‥‥。お祭りに心なじませたあとでは同情すらしてしまうだろう。
コンビニのフライドポテトは専門家の開発と偉い人の承認がある味。それでいて155円‥‥恐ろしいぞ、これは。
グガー。この食感は、白衣着た人が開発し、ネクタイ締めたお偉いさんがチェックした上でしか出せないぞこれ。
儲かった気にさえなる
ビールは銘柄が揃ってて全部冷えててしかも安いのだ。プレミアムモルツといういいビールを買ったら産業革命から次の段階、鼻の穴からアロマの工場労働が行われ、労働者階級による組合も生まれた。(うまかった)
しかもこれでポテトと合わせて500円しないのだ。ああ、安い。じゃがバター一個分くらい儲かった。なんならもう一個じゃがバターを買いに行ってもいいくらいだ。
あ~、もう、無粋!美輪明宏が怒り出しそう!
問題は情緒もへったくれもないところ
いかがだったろうか。お祭り中のコンビニはパラダイスだったろう。日常の二つを組み合わせて海外旅行に行ったような異世界体験。
問題が一つあるとすれば、情緒もへったくれもなく、むちゃくちゃ無粋だということだろうか。
いや、しかしこれで祭り風情もあったなら次からはコンビニで神輿が担がれることになるので、そこは棲み分けができている、と。そういうことにしておこう(させてください)。
ここで帰らず、スーパーに行ってみる
ここで祭りに帰らず、冒険は続く
ここで祭りに戻ってもいいが、冒険をまだまだ続けてみるのはどうだろう。
ここ下北沢にスーパーの品揃えとコンビニの営業時間を両立した店舗がオープンした、とチラシを配っていた。
そこに行ってみよう。お祭り中のコンビニでぐらぐらになった価値観をさらにぐらつかせるのだ。
なんだこのおにぎりの品揃えは!?屋台何店舗分?おっちゃん何人がかりで達成できるのだ?
このお祭り、品揃えがすごい
地獄めぐりのように次なる天国へ。入ったとたんに圧倒されるおにぎりの品揃え。なんだここは、おにぎり屋さんじゃないの?もしかしたら、お祭りじゃなくておにぎり屋さんじゃないのか?
と思っていたら、次の写真を見ていただきたい。そうなのだ、ここはおにぎり屋さんじゃなかった。フライ屋さんだ。
このショーケースにあんず飴とか入れて売れたら虫つかなくていいなあと思っている屋台の方も多いはず。そんなみんなの夢がここにある。
いっぱいありすぎてスイーツコーナーも光り輝いている
いや、実際に光ってる。こんな未来のお祭り屋台見たことない。
私は何を言っているのだろうか
多分ここ普通に来たとしても「品揃えが豊富でいいスーパーだね」となるくらいだろう。
そこを祭り感覚で挑むのだ。こんな何十種類もじゃがバターを置いた屋台なんてないし、あったとしたらその人は間違っている!
屋台できちんと調理できる品なんて限られているのし、そんなお店は早々にのれんを下ろしてもらいたいものだ。
ビールがさらに安くなって100円切った。お祭りが100円ショップ超えた瞬間である。(実際、ちがうけど)
珍しさもお祭りの醍醐味。おつまみ新生姜購入。
お祭り気分で考えも沸騰していく
そしてお祭りで350円だったビールが、100円を切った。第三のビールをさらに輸入するという工夫で、周囲の屋台から袋叩きにあうような値段を成立させたのだ。
これは危険だ。それでもこの屋台はやっていけてるわけだ。それはなぜか?
お母さん、もうお湯沸いてますよ
空手だろう。それも有段者だ。そうでなければ毒手だ。毎晩右手を毒液にひたしているのだ。それで引っかき傷でもつけられようものなら死んでしまう。
このビールの安さにはそんな秘密があると思ったが、もちろん本当はそんなものない。
石油や電気を使ったアロマの第二次産業革命が鼻の穴から。安いのにえらいな~。
お祭りを抜けだしてそのままデパ地下にまで向かいます
次はデパ地下だ
スーパーはすごい。安いうえに何でもある。あんな祭りがあったとは、世の中は広いものだ。(実際はない)
さあ、そろそろお祭りに戻るか、と思った自分に鞭打って電車に乗ってやってきましたデパ地下。
そう、冒険はまだつづく。私の価値観はぼろぼろに破壊され、足元の靴を探すのに一円札に火をつける日もそう遠くないだろう。
こんなにファンシーなお祭りが今まであったか!?
超絶ファンシー
このお祭り、洋菓子コーナーから入ったせいか、カステラを焼いたようなふんわり甘くい香りがただよう。
ほどほどの人混みも祭りっぽいといえば祭りっぽい。問題はお祭りを抜けだして一度電車に乗ってるという点か。改札を通るときに(…これも祭りだ)という思いを維持するのは辛かった。
だが、それを乗り越えてのデパ地下お祭り。フタを開けてみたらファンシーなお祭りだ。しかしその甘い香りに誘われて一つください、と言ったなら数千円とられたりする。高いぞ、この祭り。
周りを見渡してみると全員石油王に見える。石油王はお祭りでりんご飴代わりにショートケーキ食べてるにちがいない。
じゃがバターにする?たこ焼きにする?ぼく、トランプマシュマロ!なんて子供が言ったら張り倒しそうだ。
果物が5000円超えてきた。カットパイン300円と比べものにならない。
関西の情報ネットワークを駆使して
この果物、5,700円だって、すごいな~、と写真を撮っていたら「それやったら、あっちに二万円のぶどうあったで」という声が聞こえた。
スーツを着たおっさんがほれ、ほれ、とうれしそうに向こう側を指さしている。
また出た、イントネーションでそれと分かる同郷の人だ。私たちがいつもいつも下世話な場面で出会ってしまうのはなぜだろう。
石川産ルビーロマン21,000円、これを見つけて喜んでいる下世話ネットワーク。
お惣菜コーナーでポテト200g 578円。じゃがいもは一周して普通の屋台になってきた。
ビールは福岡の地ビール、ブルーマスター420円。これも屋台に近づいてきた。
うわ~、こんな濃いビール、お祭りで飲んだらいくらするのだろう?という味がした
残してたじゃがバターと並べてみると同化した。意外とじゃがバターの健闘が光った。
お惣菜コーナーでお祭りに復活
じゃがバターに近いものとしてポテトのお惣菜は578円、屋台のじゃがバターが500円だからそれほど変らない値段だ(こっちにはソーセージもつく)。そしてビールは普段見ないものを選んで420円。これも一杯350円のビールと同じくらい。
なんだかデパ地下はお祭りみたいだぞ。ほどほどに人混みも熱気もあるし、これはお祭りなんじゃないか?
デパートの地下では風情と神輿を抜いたお祭りが毎日行われているのではないだろうか。
組み合わせで天国化するコンビニ
天国からさらに向こう側へ行ってみたら、最後にはお祭りに戻ってきた。毎日お祭りがあればいいな、という思いは昔からみんなあったのだろう。デパ地下はなんとなくお祭りに似ている。
似てたのでお祭りだと思って、そのあとまたコンビニに行った。やっぱり天国だった。
このループが永久に続くといいが、それで終わりだ。今日もスーパーよりちょっと高いよな~と思いながらコンビニを利用した。
食べ物じゃない版もやった。ハンガー10本100円とか、フリマ的なとこに行ってからコンビニに行くと…
マスク一枚200円…ハンガー20本分か、すごい高級品だ!となれる。