特集 2011年9月1日

いいエスカレーターの見つけ方

このような素敵なエスカレーターが誰でも簡単に見つけられるようになります。
このような素敵なエスカレーターが誰でも簡単に見つけられるようになります。
エスカレーターが好きだ。
しかしエスカレーターならなんでもいいというわけではない。「いいエスカレーター」と「普通のエスカレーター」がある。
そして「いいエスカレーター」に出会うためにはそれなりのコツがある。
今日はわたしがおもう「いいエスカレーター」の条件と、その見つけ方をまとめたい。
1984年うまれ、石川県金沢市出身。邪道と言われることの多い人生です。東京とエスカレーターと高架橋脚を愛しています。

前の記事:大阪のまんなかで、夢の一寸法師体験

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「駅前ビル」と「デパート」と「ダイエー」を狙え

いいエスカレーターを見つけるために必要なもの、それは地図だ(普通だ)。
よし旅行だぞ、とか、よし次の客先打ち合わせ、初めて降りる駅だぞ、というときにはまず地図を広げ、「いいエスカレーターがありそうな建物」を探す。
いいエスカレーターありそうポイント1:
「駅前ビル」
駅前ビルのいいエスカレーター代表選手、日本伝統の丸ボディ、赤手すり。 これは大阪駅前ビル1号館。
駅前ビルのいいエスカレーター代表選手、日本伝統の丸ボディ、赤手すり。 これは大阪駅前ビル1号館。
丸ボディ、というのは私が勝手につけた愛称であるが、湾曲したガラスのボディを持つじつにかわいいタイプで、これには古い順に全照明型、部分照明型、全透明型の3つがある。
日本の場合、戦前のものは戦時中の金属供出で失われてしまったので、エスカレーターのレトロといったら戦後生まれのこのタイプ。
で、このレトロタイプがよく見られるのが駅前ビルというわけだ。
いいエスカレーターの条件1:
丸ボディ
新橋の駅前ビルには全照明型赤手すりのしかも一人乗り(幅が狭い)タイプ…いますぐなにかしらの文化財に指定して保護してほしい…!
新橋の駅前ビルには全照明型赤手すりのしかも一人乗り(幅が狭い)タイプ…いますぐなにかしらの文化財に指定して保護してほしい…!
東京交通会館は有楽町の駅前ビル。西村さんの傑作記事「アンテナショップ国盗り合戦」の主要舞台ともなった。
東京交通会館は有楽町の駅前ビル。西村さんの傑作記事「アンテナショップ国盗り合戦」の主要舞台ともなった。
いいエスカレーターありそうポイント2:
「デパート」
そして地方に赴くときのチェックポイントは専ら「デパート」である。
駅前ビルって言ったって地元金沢の主要な駅と言ったら金沢駅しかない。エスカレーターがついてる建物といったら、デパートなのだ(他の商業施設はだいたい平屋)。
私のエスカレーター原体験は地元のデパート、香林坊アトリオの、ここからの眺め。この心憎いシンメトリーづかい。
私のエスカレーター原体験は地元のデパート、香林坊アトリオの、ここからの眺め。この心憎いシンメトリーづかい。
デパートのエスカレーターのすばらしいところは、エレベーターに対して、エスカレーターが明らかに主役然としているところだ。エスカレーターがなくてエレベーターだけのデパートを想像してみてほしい。大混乱ですよ。みたまえ、この開放的なエスカレーター吹き抜け大空間を!
そしてデパートといえば、そごうの象徴トリプルクロスエスカレーターのチェックも忘れてはならない(これはそごう千葉)
そしてデパートといえば、そごうの象徴トリプルクロスエスカレーターのチェックも忘れてはならない(これはそごう千葉)
いいエスカレーターの条件2:
大胆な空間づかい
というわけでデパートのいいエスカレーターの条件は、エスカレーター自体というよりも、エスカレーター空間の開放性や豪華さだったりするのだが、もうひとつ忘れてはならないのが、日本で初めてエスカレーターが実用化されたのがデパート(日本橋高島屋)であるということ。そして、私の愛する丸ボディ赤手すりエスカレーターが生まれたのも、やはりデパート(これもやはり日本橋高島屋)であるということだ。
日本橋高島屋にはいまでも当時の形を忠実に再現したレプリカ版が待ち構えている。エスカレーターファン巡礼の地。足を向けて寝られない。
日本橋高島屋にはいまでも当時の形を忠実に再現したレプリカ版が待ち構えている。エスカレーターファン巡礼の地。足を向けて寝られない。
いいエスカレーターありそうポイント3:
「ダイエー」
もうひとつ、必ずチェックすべきなのは「ダイエー」である。
初めての地でショッピングモール的な建物を見るとは必ずチェックしていた(し今もする)のだが、イオンとヨーカドーには何度がっかりさせられたことか。あそこには汎用型の最新薄型手すりタイプしかない。小売業界の趨勢に詳しくはないが、ことエスカレーターに関してはずれがないのは俄然、ダイエーなのだ。
当たり前のようにきちんと整備された丸ボディがお出迎え!
当たり前のようにきちんと整備された丸ボディがお出迎え!
しかも!この丸ボディ、スクエア手すりときたからもう!
しかも!この丸ボディ、スクエア手すりときたからもう!

その2:まっぷるを読め!

いままで見てきたのは主にレトロなエスカレーターだったが、いいエスカレーターはレトロだけではなく最新型にも潜んでいる。

そして最新型エスカレーターは、普段は全然縁がないような最新おしゃれスポットにこそあるのだ。そういう最新おしゃれスポットは何に載っているかというと、まっぷる(でもいいしるるぶでもいいし、東京カレンダーでもいいが)である。
大阪に行くときにまっぷるを読んでいてそこに出ていた写真に「こ、これはスパイラルエスカレーターに違いない…」と確信し赴いたらはたしてそうだった、心斎橋BIG STEP。東京でいうとラフォーレ原宿みたいなビルだ。がしかしスパイラルの、しかもシースルータイプを擁するので侮れない。
大阪に行くときにまっぷるを読んでいてそこに出ていた写真に「こ、これはスパイラルエスカレーターに違いない…」と確信し赴いたらはたしてそうだった、心斎橋BIG STEP。東京でいうとラフォーレ原宿みたいなビルだ。がしかしスパイラルの、しかもシースルータイプを擁するので侮れない。
いいエスカレーターの条件3:
スパイラル
まわりの街歩き好きの皆さんのあいだではほぼ悪者的扱いの六本木ヒルズにも、私は足繁く通っている。格好いいから。
まわりの街歩き好きの皆さんのあいだではほぼ悪者的扱いの六本木ヒルズにも、私は足繁く通っている。格好いいから。
いいエスカレーターの条件4:
巧みなライティング

その3:エスカレーターファン必携の書、2冊!

まっぷるのほかに、いいエスカレーターガイドとして私が信頼を置いている本がふたつある。
ひとつはこれ、『新東京地下鉄全駅ガイド』。(人文社編集部 編/株式会社人文社/第1刷/2008年)
ひとつはこれ、『新東京地下鉄全駅ガイド』。(人文社編集部 編/株式会社人文社/第1刷/2008年)
この本の素晴らしいところは、ロングエスカレーターのありがちな乗り換え駅にCG立体図がついてるところ。
たとえば北千住だとこんなふう。B1Fから2Fまで直通のロングエスカレーターが見える。
たとえば北千住だとこんなふう。B1Fから2Fまで直通のロングエスカレーターが見える。
そして行ってみるとかっこいいエスカレータートンネルのお目見えだ!
そして行ってみるとかっこいいエスカレータートンネルのお目見えだ!
いいエスカレーターの条件5:
ロングトンネル
地下鉄駅っていうのは複雑で、闇雲に歩き回っても目的のエスカレーターにたどり着けないことがある。かなりある。そんなエスカレーターファンの悩みを一気に解決する、格好のロングエスカレーターガイドとなっているのだ。
もう1冊はこれ。日本で5本の指に入るデパート好きで、エレベーター、エスカレーターにもかなり造詣の深い寺坂さんの著書、『胸騒ぎのデパート』(寺坂直毅 著/東京書籍株式会社/第1刷/2009年)
もう1冊はこれ。日本で5本の指に入るデパート好きで、エレベーター、エスカレーターにもかなり造詣の深い寺坂さんの著書、『胸騒ぎのデパート』(寺坂直毅 著/東京書籍株式会社/第1刷/2009年)
正直に告白すると、私のエスカレーター知識の1/3以上は寺坂さんから教わったものだ。池袋西武の日立の筆記体ロゴとか。というかふつうの「デパート」の本にそんなところまで載ってないよね。そう、この本はふつうじゃないんです。
正直に告白すると、私のエスカレーター知識の1/3以上は寺坂さんから教わったものだ。池袋西武の日立の筆記体ロゴとか。というかふつうの「デパート」の本にそんなところまで載ってないよね。そう、この本はふつうじゃないんです。
ほかにもシンドラーのエスカレーターの手すりが「つ」の字(くわしくはこの記事)だとか、大切なことはすべて寺坂さんから教わった。

いいエスカレーターまとめサイトを作っています

見つけ方と称していろいろ書いてきたが、旅行の計画をたてるときにいつもおもうのは「どこかに素敵なエスカレーターの情報が場所ごとにまとまっている便利なサイトはないだろうか…」ということだ。そして気づく、「それっていま私が作ってるんだった」と。

というわけで、これからいいエスカレーターを勢力的に巡っていこうというひとにはうってつけのサイト(自分で作った)があるのでおすすめさせてください。

http://www.tokyo-esca.com/esca/

まだ123基しかまとめていないので途上ではありますが。もっともっと、素敵なエスカレーターに出会いたい。
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