特集 2011年8月24日

清水の舞台から飛び降りる覚悟はいかほどか

清水の舞台から飛び降りる覚悟、昔から緊張する場面で覚悟を決めるときの慣用句としておなじみだ。

ただ古い表現なので、現代の感覚だと 具体的にどれくらいの覚悟なのか分かりづらい。

清水の舞台から飛び降りる覚悟は、日常生活でいうとどれくらいのレベルなのだろうか。 今回はそれを心拍数から探ってみようと思う。
1985年生まれ札幌市出身。髪がとても硬いため寝癖がなかなか直りにくい体質。そのためよく帽子をかぶっています。

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清水の舞台

まずは清水の舞台から飛び降りす覚悟を計るため、清水の舞台にやってきました。
清水の舞台外観。
清水の舞台外観。
清水の舞台内。
清水の舞台内。
清水寺自体も高いが小高い山の上に立てられているので、 遠くに見える景色はかなり高い。

また舞台は外に向かって斜めに下がっていて、それも恐怖感をそそる。
全て木組みなのも不安で怖い。
全て木組みなのも不安で怖い。
写真右の女子高生は高所恐怖症らしく、柵にしがみついている。 やはり清水の舞台から飛び降りる覚悟は相当なのだろうか。

計測方法

さてどうやってその覚悟を計るかというと、 心拍数の上昇で計測する。
これが心拍計。トランスミッターを胸に装着して、腕時計型のモニターで数値を見る。
これが心拍計。トランスミッターを胸に装着して、腕時計型のモニターで数値を見る。
現在の心拍数は106bpm。
現在の心拍数は106bpm。
普段の心拍数はだいたい75bpm前後。いま既に数値が高いのは、 清水寺まで登ってくるのに体力を使ったからだ。

ここではこの数値を基準にして、 清水の舞台から飛び降りる覚悟を決めたときにどれくらい上がるか計ってみる。

覚悟になるのが困難

ところで「清水の舞台から飛び降りる覚悟」とは言っても実際本当に 飛び降りるわけにもいかないので、やれるのはできる限り身を乗り出して下を覗くこと。

それでも高いところなら結構ヒヤヒヤしてしまう性格なので、計測にはあまり問題ない ように思われた。
ここを覗いたら奈落が・・・
ここを覗いたら奈落が・・・
見えない。
見えない。
下を覗こうとしたらそこはまだ板が続いてて、ちっとも真下を覗くことが出来なかった。
むしろ下がる心拍。
むしろ下がる心拍。
これはいかんと思い、舞台の横の方に移動した。 こっちは正面からに比べて床板がせり出してないのだ。
ここならダイレクトに高さを感じる。
ここならダイレクトに高さを感じる。
下の土まで見えます。
下の土まで見えます。
後は想像力を膨らませて、飛び降りる気持ちになれればいいのだが・・・。
イメージ中。
イメージ中。
疲れがとれてきました。
疲れがとれてきました。
そうはいっても本気で飛び降りる覚悟になるのは難しい。 高さも確かにあるのだが、現代の高層ビルに慣れてしまっているので 気を抜くとすぐ落ち着いてしまい、心拍数がぐんぐん下がる。

マズイ、これでは清水寺に来た意味がない。なんとしても心拍数を上げなければ。
イメージ・・イメージ・・イメージ・・・。
イメージ・・イメージ・・イメージ・・・。
上がった。
上がった。

清水の舞台から飛び降りる覚悟:104bpm

必死で飛び降りる覚悟になってみることでなんとか心拍数を上げることが出来た。気の持ちようで心拍数は上げたり下げたり出来るのか。

この104bpmがマークした中で最高スコアである。 これを清水の舞台から飛び降りる覚悟をしたときの心拍数として、 日常生活の緊張する場面と比較していきたい。

なお途中で「もしここで突然全裸になったら・・・」と想像したことも正直に告白しておく。心拍数はそのとき劇的に上がった。
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現代の高所:サンシャインビル

清水寺から飛び降りる覚悟、とはつまり高いところから飛び降りる覚悟ということだろう。

現代は清水寺より圧倒的に高い建物がたくさんある。 そこから飛び降りる覚悟の心拍数はより高くなるのだろうか。
元東洋一の高層ビル、サンシャイン60。
元東洋一の高層ビル、サンシャイン60。
展望室の高さは226.3m。
展望室の高さは226.3m。
来たときの心拍数は99bpm。
来たときの心拍数は99bpm。
サンシャイン展望台は60階の高さ226.3mで、展望台としては現時点で都内一。 高層ビルにはもうけっこう慣れているのだが、それでもちょっと興奮するほど。

これで清水寺の時と同じように下をのぞき込み 飛び降りる覚悟をイメージして、最高心拍数を計る。
うってつけのがあった。
うってつけのがあった。
いやこれ、覚悟がどうとか関係なく怖いです。
いやこれ、覚悟がどうとか関係なく怖いです。
そのときの心拍数107bpm。
そのときの心拍数107bpm。
のぞき込んだ時点で普通にかなり怖い。 してその結果は107bpmと清水寺よりも高かった。怖いもの。

ただ怖くて飛び降りる覚悟になんか一切ならなかった。 ただ立つ覚悟。飛び降りるより緊張する。
これを見てるのも怖い。
これを見てるのも怖い。

入りにくい店に入ろうとして入らない

僕はどんなところに旅行しても食事は常にガストや松屋などのチェーン店にしかいかない。場所は違っても注文方法やメニューは同じなので安心できるから。

だから個人経営でやってる店にはまず行けない。 特に常連のたまり場的な雰囲気のするところは絶対ムリである。
まさにこういう店。
まさにこういう店。
しかも偏見の塊なので、ラーメン屋といえば頑固親父だと思っている。 だからラーメン屋にも行ったことはないし、未来永劫行くことはないだろう。
入る決意をする前の数値87bpm。
入る決意をする前の数値87bpm。
しかし今回は緊張する必要があるので、遂に入らなければいけない。 いけないのだ。

・・・いや、でも、清水の舞台から飛び降りる覚悟というのは「そういう覚悟がありますよ」ということだから実際に飛び降りてるわけじゃない。

だから入らなくていいかもしれない・・。いや、やっぱり入るべきか・・。
ラーメンで精神錯乱。
ラーメンで精神錯乱。
ラーメン屋の親父は絶対に頑固親父だ。 入店したときに挨拶しなかったら怒られるに決まってる。

運良く怒られなくても、声が小さいから注文を取りに来てもらえないかもしれない。 もし聞こえたとしても、「声が小さい!」と殴られる可能性もある。

特に理由はなくても、なんかもう存在自体で怒られると思う。
悩みが頂点に達した時、97bpm。
悩みが頂点に達した時、97bpm。
そして結局入らず、いつものすき家に行った。
落ち着く。
落ち着く。
一応言っておくと、ラーメン山田屋は頑固親父が怒りまくるお店ではたぶんないと思います。僕が病気なだけです。
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クラッカー鳴らすときのドキドキ感

あまり日常でもないが、クラッカーを鳴らすときかなり緊張する。
パーティの文字を見て沈む心。いまの心拍数は71bpm。
パーティの文字を見て沈む心。いまの心拍数は71bpm。
どれくらいの力で紐を引っ張ると鳴るのか緊張ポイントだ。

いいの?いいの?これぐらいでいいの? そうおっかなびっくり引きながら、どこで鳴るか分からないから緊張する。
鳴らすようなイベントには参加してきませんでした。
鳴らすようなイベントには参加してきませんでした。
緊張しすぎて病気になる。
緊張しすぎて病気になる。
ピークは100bpm。
ピークは100bpm。
清水寺や高層ビルに比べたら数値はだいぶ低い。ただ上がり幅が大きく、実に30近く上がってる。 ギリギリまで引っ張って・・・鳴らさない、というやり方が緊張感を誘ったか。

クラッカーを鳴らさなかったのは、 必要なのはクラッカーを鳴らす覚悟なので、実際に鳴らしてしまうと 覚悟を通り越してしまうからだ。清水の舞台から本当に飛び降りてはいけない。 そもそも公園でクラッカー鳴らしたら迷惑になる。

ただ家に帰ったらたまらなくなって一本鳴らした。寂しかった。

ノーパン

私は今パンツを履いていません。
私は今パンツを履いていません。
覚悟を強いられるような緊張する場面はいざ考えてみるとあまりなく、しかも自発的には起こしにくい。次どうしよう。

そして悩んだ結果、ノーパンになってみることにした。 覚悟による緊張を明らかに履き違えた(履いてないのに)行為だが、 ドキドキするのは同じはずだ。
しかし落ち着いついてる。
しかし落ち着いついてる。
人生初ノーパンなのに心拍数はほぼ平常。精神的な面で言えばむしろ普段より良いかもしれない。

要因としては、気温が30℃と体温に近いためあまり違和感を感じないこと、 パンツのゴムひもによる締め付けがないため楽なことがあげられる。

ノーパンはとてもいい。

怖い話を読む

怖い話はどちらかというと得意でも苦手でもない。読んでから数日間ちょっと睡眠障害が起こる程度だ。
明るい部屋で離れて読みましょう。
明るい部屋で離れて読みましょう。
読んだ内容は最近流行ってるらしい「意味が分かると怖い」系の話。

オーソドックスな怖い話よりも意味が分かってからヒヤッとする方が 心拍数上がりそうだからだ。
読む前は83bpmだったのが、
読む前は83bpmだったのが、
読後は96bpmに。
読後は96bpmに。
ちなみにノーパン撮影後に帰ってきてからすぐだったので、 読んでるときもノーパンのままだった。 結構怖かったので、パンツを履いてたら100を超えていたかもしれない。

覚悟グラフ

ここまでの結果をグラフにまとめた。
こうやってみると、全体的に覚悟したときの心拍数はあまり変わらないように見える。 その中で目立つのはクラッカーの心拍数の上昇具合と、ノーパンの落ち着き具合。

ノーパンだったら入りにくい店にも入れただろうか。

クラッカー<清水寺<60階ビル

今回味わった緊張する場面では、60階ビルの展望台から下を覗き込んだ時が最も心拍数が高かった。次いで清水寺、クラッカーの順番。

つまり清水の舞台から飛び降りる覚悟とは、現代で言うと「クラッカーを鳴らすよりも高く、高層ビルから下を覗き込むよりは低い覚悟」と言えるだろう。

とりあえず緊張するような場面ではノーパンになるのが良さそうだ。
ノーパンだと3倍速で動ける(うそ)。
ノーパンだと3倍速で動ける(うそ)。
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