変なオブジェがあるなとずっと思っていた
祖母の家がある室野という地域に向かう途中、妙な建物やオブジェを見つける事があった。まずはそちらを紹介したい。
その1:巨大案内板
池尻という分岐点にある案内板。楽しげに手を広げて写ってますがこの直後クモの巣に手が当たり天井に張り巡らされた巣と足元に落ちている虫の残骸達に恐怖します。
田舎の風景に突如現れるモダンなデザインの案内板。遠くからも目立っていいなといつも思っていた。今回写真を撮る為に初めて近づいてみると階段がある事を知り登ってきた。
上からはいい眺め。(正直クモの巣と虫の残骸で心折れてますけど・・)
その2:半漁人が見守る池
お次は、兄が散歩中偶然に見つけた半漁人のオブジェが並ぶ池。
ここはいつも人間よりオブジェの方が多い
変なやついないか監視してるんス
アタイも見てるわよ
山の中の、道案内もロクにないこの場所。何も知らずに迷い込んだ先に人はおらずこんなオブジェがあったら怖くなると思う。TRICKに出てきそうな、私のイチオシスポットです。
背中が滑り台になっている
これら以前から知っていた3つのスポット、そして後ほど紹介する光景。並べると明らかに何かあるでしょと思うのだろうが、いずれも車無くしては移動が厳しい距離にあり、説明も無い為ずっと無関係だと思っていた。
こんな感じで突如ポツンとある
「大地の芸術祭の里」プロジェクト作品の一つだった
調べてみるとこれ、ここ十日町市と隣の津南町一帯の広大(東京23区以上!)な妻有-つまり-地域を使った国際的な芸術祭の作品の一つだったようだ。
以前ライターほそいさんが書いた「
光の館で空を見る」もその一つ。200以上にもなるオブジェや建物などがポツリポツリと点在している。
イナゴの傍にあるおススメ手打ち蕎麦
ちなみにこの巨大イナゴの傍のお蕎麦やさん。私の叔父の同級生が営んでいる事もあり何度も食べに来ているのだが、ひいき抜きにとても美味しいのでご紹介。
天ザル1,100円。うどの花やマイタケなど、プリプリ海老以外は近くで採れたこの土地ならではの新鮮な山菜。外のイナゴや田んぼを見ながらいただける。
薬味にクルミが。珍しい。そして美味。
私の叔父と同級生のご主人と、奥さん。
割烹そば処 まつお
新潟県十日町市犬伏3228
電話:025-597-3052
聞くとあのイナゴ、アーティストが「この場所がいい」と指定してきたのだそうだ。そういえば半漁人も池の近くにあった。無作為に置いている訳じゃないのか。
駅から見えてた変なオブジェも
電車を利用して来た時に降りるまつだい駅。そのホームから見えていた毒毒しいオブジェ、実はそれも芸術祭絡みと知った。近くに本拠地のような建物があったので行ってみる事に。
まつだい駅から走って1分
カカシ隊と呼ばれる地元のガイドさん
山のアートツアーに参加
建物に着くと、ちょうど山の中を散策するアートツアーの時間がきた。カカシ隊と呼ばれる地元のガイドさんについて行く。(要予約)
ガイドさん「道案内はするけど、アートの事は分からないから聞かないでね」
油が切れちゃって今は回ってないというトンボ作品
ゆるやかな山道をゆっくりと登りながらあそこにあるよ、と教えてくれたり次々浮かぶ質問に答えてくれる。先に挙げた3作品と比べるとずいぶん地味だなと思うものや、災害や油切れ等いろいろな理由で本来の姿を残していないものもいくつかあった。
でもたまにこういうダイナミックな作品に会える!
先端恐怖症の人にはヤバイ感じ
何を表してるかは分からなくても楽しい
この色鉛筆にはそれぞれ、世界各国の国名が書かれていた。それぞれの特色をもった国で世界ができてるよ、みたいな事だろうか。
伝えたいアートの意図は分からなくても、大自然の中にある不自然さが妙なテンションにさせてくれて楽しい。
ドラム缶をつなげたような作品。この日は暑かったため中に入ってみたら蒸し風呂状態だった。
大自然にある書斎。自由に本を読んでいい。
屋外アートならではの問題も多々
実際に歩いてみて周ると、写真だけでは伝わらない自然の厳しさに遭遇する。巨大案内版の蜘蛛の巣地獄や蒸し風呂ドラム缶もしかり。さらには・・
大量にいる毛虫(ところどころにね)
先日の地震、大雨による土砂崩れ
爪あと
さっきの建物に入ってみよう
こんな感じで1時間ほどかけてグルっと山を周りたくさんの作品を見せてもらった。次は駅から見えたあの白い建物「農舞台」に行ってみよう。
建物からの景色。棚田に浮かぶ文字・・何これ凄く素敵だ
棚田の美しい背景に、田んぼ作りの一年の様子が書かれた文章を合わせる立体アート。この土地ならではの贅沢さを感じる。
すぐ手前に文字だけ吊るしてあるところがあって、(確か1畳くらいの大きさ)
棚田の風景に合わせて楽しむ仕組み
駅から見えた毒毒しい花のオブジェも近くで見れる
この時は1人で観光しているのだけどそれでも凄く楽しい。魅力の一つとして、世界中のアーティストが関わっている事もあるのだろう、色んなジャンルのアートが楽しめるのだ。
館内も見どころが多い。時間足りない・・
ここは全てが黒板でできている教室。チョークでどこに書いてもOKと言われた
こんな絵を机に描いたって怒られないし
床に落書きしたっていい
好きなだけ好きな所に書いていいと言われるととまどってしまい、最初はつい教壇前の黒板に落書きをしてしまったが、そのうち机や床に書いちゃう。あー楽しい。
控えめにとまどいを書き表してもいい
ここに来たら誰もが子供の時に戻るわ(これ私が描いたのではありませんよ)
外はともかく、館内の中でまで楽しめるとは思っていなかった。
一休みでカフェコーナーへ
さっきの棚田が眺望できるカフェ
テーブルは鏡になっていて、天井にある四季折々の風景写真が見られる仕組み。
店員さんにお薦めされた「ひとくちメロンミルク」450円。甘さ濃厚なメロンと牛乳のミックスジュース。感動レベルで美味しかった。
それにしてもこの農舞台のスタッフさん達、閉館時間ちょい過ぎまでキョロキョロウロウロ質問攻撃していた私に、とても親切な対応をしてくれた。そういうのも含めていい所だ。
でもまだまだたくさん!紹介しきれない
ここまで掛け足で紹介したけど見たもの全部を一つ一つ紹介するにはページの問題があって無理。そして私が見れたのはほんの一部。
近くには日本三大薬湯の一つ松之山温泉もある事だし、興味を持たれた方は是非足を運んで欲しい。
今回駅周辺などで私が見つけられたもの
かまぼこ倉庫
堆肥を作るカエル。
これはよく分からなかった
ベンチ(一部損壊)
冬の時期は本物の雪だるまが入っているという冷蔵庫
あの世ぽい池
田植えをする巨人たち
ジブリぽいキャラ
「注文の多い料理店」の注文が書かれた扉
農舞台入り口。通ると方言で「よく来たねえ」と声が流れる
一番人気のお土産。中にお米2合分が入っている
農舞台受付でかまぼこ倉庫がかぶれる
トイレもアート
バス停もアート
もじゃもじゃもアート
森の学校キョロロ。時間があれば中に入りたかった。
意外な所にあった「翼」
絵になるブランコ
迷いながら探すのがまた良いのかも
それぞれ強い個性を放ってはいるが、作品の説明や案内がほとんど無く、たどり着くまでに時に道に迷う。(いや、ほぼ迷うと思う。)
そんな時は田んぼや畑仕事をしているじいちゃんばあちゃんに話しかけてみよう。「赤いフンドシしてたくさん並んだオブジェはどこですか?」そう聞けば、きっと喜んで教えてくれる。
たずねて見つけた「帰ってきた赤ふん少年」。意味わかんなくたって多少道に迷ったって、見つけたとき嬉しいし面白いんだからいいじゃない
また訪れる予感
かくれんぼをしているかの様に、広大な土地にポツンポツンといる面白アートたち。
当初は後悔しないようにどこか名所を見ておくか、程度の気持ちだったのに何これ。まだまだあるアートが気になる結果になっちゃった。色々周ってるうちにこの辺りの祭りも気になってきちゃったし・・きっとまた来るよ。
こういうアバウトな案内はある。確実に見たいなら「農舞台」で全体マップをゲットすべし。
大地の芸術祭の里
http://www.echigo-tsumari.jp/
問い合わせ先:025-595-6688
(3年に一度大祭典が催されるそうで今後もどんどん作品が増えるみたいです。次は来年の2012年開催予定。季節によってガイドやイベントが変わるので、行く前にサイトを見るか問い合わせましょう)