特集 2011年8月18日

どこだか分からなくなるお店めぐり

そば処 名古屋 戸塚原宿店
そば処 名古屋 戸塚原宿店
「銀座ブラジル 浅草店」という喫茶店を発見して感動したことがある。銀座なの?ブラジルなの?と思ったらどちらでもなく浅草だったという感動。

新潟には「ラフォーレ原宿」の支店があって、「ラフォーレ原宿・新潟」というらしい。いっしゅん原宿?と思うが即座に否定されて新潟と判明する心のうつろいが好きだ。

そんなふうに一瞬どこだか分からなくなるお店をめぐってみました。
1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)


> 個人サイト ツイッター(@mitsuchi)

銀座のブラジルの浅草へ

まずは浅草の銀座ブラジルへ行ってみよう。

地下鉄銀座線の田原町駅で降りて北へ向かい、浅草ROXの交差点を右へ折れると、アーケードが見えてくる。
なんかいろいろすごいことになってるなと思ったので大きめで
なんかいろいろすごいことになってるなと思ったので大きめで
この商店街には「セキネ」という肉まんのお店がある。芸人の林家ペーさんがビートたけしさんにお土産で送ることが何十年も続いたある日、たけしさんから「ほんとは肉まん好きじゃなかったけど、ペーさんに悪くて言い出せなかった」と言われて泣いたという逸話があって、ここに来るとそれを思い出してぼくもつらくなる。まあそれはいい。

スカイツリーのそびえるアーケードを進むこと数分でそのお店は見えてくる。
高らかに銀座ブラジル浅草店
高らかに銀座ブラジル浅草店

銀座なのか?浅草なのか?ブラジルなのか?

お店に入り、いったいそこがどこなのかをはっきりさせようと思った。いや、浅草なのは分かってるんだけど、もしお店のなかがどうしようもなくブラジルだったら、もうそこはブラジルってことでいいんじゃないかと思ったのだ。言ってることがだんだん分からなくなってきましたかね。

中に入ると、そこは地元の人がモーニングを食べにくるお店という雰囲気で、あまりブラジルではなかった。当然ながらブラジル人もいなかった。
アイスカフェオレを頼む。うまい。
アイスカフェオレを頼む。うまい。
まあブラジル人はいないだろう。うすうす分かっていた。タイ料理屋「ティーヌン」に必ずタイ人がいてコップンカーって言ってくれるのとは違う話だ。
と思ったら正面にブラジルが
と思ったら正面にブラジルが
正面に大きく南米の地図が描かれていて、ああよかった、ブラジルの要素があったと思った。でもその隣には笑点や落語のポスターがいくつも貼られていて、ブラジルを上回って浅草だった。

銀ブラとは銀座でブラジルコーヒーを飲むこと

はっきりさせよう。アイスカフェオレを飲み終えたぼくは思い切ってレジに行き、「いったいここは銀座ですか?ブラジルですか?浅草ですか?!」と詰め寄るくらいの勢いで「お勘定をお願いします」といった。店主の女性は「350円です」といった。

お話を聞くと、銀座の本店はもうなくなってしまって、いまはこの浅草のお店だけらしい。銀座でブラジルコーヒーを飲むのが「銀ブラ」と言われてもてはやされたころにはだいぶ賑わったんだよと、自慢とさみしさが入り混じるような声で教えてくれた。
お店の入り口に写真。これは昔の銀座本店だろうか。
お店の入り口に写真。これは昔の銀座本店だろうか。

グローバル三角形

視点を地図に移してみよう。銀座からダイナミックに海を渡ってブラジルへ飛び、そこから急に浅草へ戻る。それが「銀座ブラジル浅草店」という店名を見たときのぼくの心の動きだ。地球上にその3点を打てば大きな三角形ができるだろう。

より大きな地図で 銀座ブラジル浅草 を表示
銀座と浅草が近すぎて三角形に見えないが、拡大していくと実は三角形だと分かる。東京の上空1万キロメートルくらいから遠くこの三角形がブラジルまで延びていくのを見ることを想像して欲しい。なんてグローバルな世の中なんだろうか。

銀座+外国+日本の支店

銀座ワシントン新宿サブナード店の名前も同じ構造だ。
あこがれの銀座を本店とし、遠い異国のワシントン、そこからぐっと新宿に戻ってくる。あこがれタイプとでも言おうか。
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