朝エッセイ 2025年11月1日

応急ホースセラピー(2025.11.1 朝エッセイ/伊藤健史)

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伊藤です。

今年の夏休みに与那国島を訪れました。沖縄本島から南西へ約500km、日本最西端に位置するこの島は、台湾からはわずか111kmの距離にあり、他の沖縄諸島とは異なる独特の自然や文化を持っています。

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車で1時間もあれば一周できてしまうコンパクトな島の周囲は大半が断崖絶壁で、その上に広がるのどかな牧草地では牛と共に日本在来の小さな馬、与那国馬(よなぐにうま)が放牧されています。

放牧の放ち加減がものすごく、馬たちは牧場を出て車道だろうとおかまいなしにうろつき、草を食んでいます。

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馬とふれあうことで心身に癒しを得る行為をホースセラピーといいますが、ごく身近にふれあえる与那国馬は生き疲れた私に極上のホースセラピーを提供してくれたのでした。

そんな感じで馬やら絶景やらにセラピーされて観光していた昼下がりに、突然激しい腹痛に襲われました。
ジンジンと突き上げるような痛みに耐えながらなんとか公衆トイレを見つけ駆け込むと、入口の前に一頭の与那国馬が立っていました。

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 ちょっとごめんよと入ろうとすると入口は閉め切られており、使用禁止と書かれていました。私と馬は閉ざされたトイレの入口をはさんで見つめ合いました。

かわいい、はらいたい、かわはらいたい、いたかわいい、いかいい......。
相反する感情が交錯し、しまいには同化するように絡み合いました。迫りくる腹の痛みとトイレが使えない絶望感を融和してくれているのは間違いなく目の前でつぶらな瞳をしているこの小馬。壊れたトイレの前で絶望に暮れる来訪者に即効性のあるセラピーを与えるために、ホースは日がなここで立ちつくしているのではないか。

ありがとう....撮るよ。苦悶の表情で写真を1枚撮ると、私は踵を返して車に乗り込み、別のトイレを探しました。
無事に腹痛がおさまった後、あの馬は単に暑かったから日差しを避けていただけなのではないかと思いました。


いよいよ三連休ですね。本日の記事です。

玉置さんがインドっぽくというテーマで芋煮を再解釈する催しを企画。インド料理の手練れたちが集まって想像を遥かに超えるインドマニアックスな芋煮が繰り出されます。
用意するべき素材を玉置さんが忘れまくっているのもポイントです。

トルーのへんな記事(敬意)の最新作はふとんカバーのひもから広がる世界。ふとんカバーとふとんをむすぶひも、あれ違う場所同士でむすんで無惨に形がよじれますよね、みなさんそうですよね。そうに違いない。

16時の「これすごくない」はスピード違反の罰金とラーメンの金額を比較して載せているラーメン店の看板、罰金やラーメンの値段が改訂されるとちゃんと看板も修正されていくというキメの細かさ。こんな店の作るスープがうまくないわけがない(と思います)


またお会いしましょう。

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