貝殻爺と行く、貝殻集め
どうしても増倉さんと貝殻拾いに行ってみたくて、お願いして連れてきてもらった。
この海岸は三浦半島でもいい貝が集まる場所なのだとか。
ナックルウォークとは
この海岸は増倉さんが言うように、本当にたくさんの貝殻が流れ着いていた。逆に多すぎてどれを拾っていいのかわからないほどである。
とはいえほとんどの貝殻が割れたかけらだった。この中から完品の微小貝を見つけることなんてできるのだろうか。しばらく中腰で目を凝らしていたのだけれど、5分くらいで目がちかちかしてきた。
これはなかなかの体力勝負だぞ、と振り返ると増倉さんは波打ち際ぎりぎりを四つんばいで攻めていた。
鼻先が浜につきそうな勢いである。中腰で眺めていただけの自分を恥じた。
「ナックルウォーク」はチンパンジーとかゴリラなんかが歩くやり方なのだが、貝殻集めにも適しているという。貝殻集めにはナックルウォーク、覚えておいてほしい。
ナックルウォークの位置から浜を見る増倉さんの目が鋭い。
眼力とはなにか
貝殻は半分埋まっているかもしれないしひっくり返っているかもしれない。図鑑だけを見ている人は、正しい向きできれいに撮られた写真しか知らないから、埋まっていたりひっくり返ったりしているとそれを貝だと認識できない。そこでイメージする力、つまり眼力が必要となる。
この日僕が今拾った貝はほぼリリースでした。
おもしろい。
貝殻あつめひとつとっても、マスター(達人)に教えてもらうとこんなに深く学ぶことがあるとは。
脳に電極を刺したい
増倉さんと話していると、自分の親世代とはとうてい思えなくて、うんうんそうだよねー、と友だち感覚で同意してしまうのだ。
貝拾いの眼力もさることながら、興味の対象がものすごく広い。興味の幅を広げていくうちは、人は年をとらないのかもしれない。
貝殻は思い出の抜け殻
増倉さんは貝殻のことを「思い出の抜け殻だわな」と言っていた。抜け殻を集めて分類しておくことで、思い出が今とがっちりつながるのだ。その対象が増倉さんの場合たまたま貝殻だったのであって、物自体は人それぞれでいいと思う。
なにしろ増倉さんでも30年やって道半ばというのだから、早めに始めないとまずい気がしてきました。
いますぐ始めよう
貝殻爺こと増倉さんはこれからも貝殻を集め続けるのだろう。これからがんばって追いつく気もしないが、偉大な先輩を見つけた気がした。長く続けるには早く始めるしかないのだ。
最初はいくつかのブログを平行して運用していたという増倉さんが「シンプルで使いやすいから」という理由で現在まで続けているのがgoo blogらしい。
増倉さんへの道は、まずは始めることから始まる。