特集 2019年1月27日

全自動デザート製作機(デジタルリマスター版)

暑すぎる

もう疲れました。

毎日ものすごく暑いし、仕事は忙しいし、なんだか食欲もなくなってきました。

このままでは夏バテになってしまいそうなので、なにか甘いものでも食べてカロリー補給したいのですが、疲れているので準備するのも面倒。

楽しておいしいデザート、作れないでしょうかねえ。

2008年7月に掲載された記事の画像を大きくして再掲載したものです。

1974年東京生まれ。最近、史上初と思う「ダムライター」を名乗りはじめましたが特になにも変化はありません。著書に写真集「ダム」「車両基地」など。
(動画インタビュー)

前の記事:筑後川水辺のドボクさんぽ

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仕掛けを造る

というリードはかなり大げさなのですが、ひとつのキッカケからいろいろな仕掛けが動いて、自動的にデザートのようなものを作る機械ができたら面白いんじゃないかと思いました。

なぜ突然そんなことを思いついたのかは後で説明するとして、いろいろ考えて、次の図のような仕掛けを考えました。

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頭の中では完成

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理論上はこんなデザートができる予定

完成する(予定の)デザートは、生クリームとチョコレートで飾りをつけ、てっぺんにサクランボがちょこんと乗ったプリンアラモード。いかにもカロリーの高そうな、食べたら身体を動かさずにはいられなさそうな代物です。

ま、図を見てもなにがなんだかだと思いますが、僕の頭の中では完成し、動作も完璧だったので、なるべく家の中にあるものを使って頭の中の設計図を具現化し、このような装置を造りました。

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装置?

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かなりやっつけ仕事です

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ゴミではありません

メインフレームはプラスチック製の棚、そこにビニテで針金ハンガーを括りつけるなど、とてもあんな甘そうなデザートができるとは思えない無機質な外観です。

ここにプリンや生クリームをセットして動作させるわけですが、とりあえず買ってきた食材をご紹介しましょう。

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お皿に落とすので必ずプッチンプリンを

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生クリームでデザート度アップ

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なぜかマーブルチョコレート

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ふつうのサクランボはすごく高かったのでシロップ漬け

プリンは逆さまにしてプッチンしてお皿に落とすので、必ずプッチンプリンを使います。実験用も含めて、3個パックを5個買いました。チョコレートは、この装置が動き出すキッカケの重りとなるので、1粒当たりの重さを比較してマーブルチョコをセレクト。生まれて初めて、単位体積当たりの重さでチョコを選びました。

生クリームは1度に少量しか使わないので、小さめのマヨネーズの空チューブに使う分だけを入れました。

それでは、これらをセッティングし、実際どのように動くのか順を追って説明します。

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仕掛けの解説

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このゴンドラの中にマーブルチョコを入れるとトリガーになる
ゴンドラを吊っている紐がチョコの重さで引っぱられると
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紐は90度曲がってボールペンに結ばれていて、このボールペンは先を改造してプッチン機構に繋がっているので
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プッチン機構が折れてプリンがお皿に落ちる
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いっぽうゴンドラは少し降りると傾いてチョコがこぼれる
こぼれたチョコはプリンのまわりの装飾に
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またプリンの反対側に重りがついていて
プリンが落ちるとバランスが崩れて重りが下がる
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重りの反対側には風船を挟んだ布団用洗濯ばさみのストッパーがあり
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重りが下がることによってストッパーがはずれ、風船が針に刺さって割れる
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布団用洗濯ばさみは生クリームのチューブを挟んでいるので、風船が割れるとはさみが閉じてチューブから生クリームをしぼる
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また、重りの下には棒が伸びていて…
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さくらんぼを載せたスプーンのストッパーになっているのが、重りが下がると外れる
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スプーンはゴムに引っぱられて180度回転、お皿の上にさくらんぼを投げる
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スプーンはさくらんぼを投げながらビニールテープを押し出す
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転がったビニールテープはレールの端で棒を押す
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その棒は真ん中に支点がありてっぺんで水平に伸びる別の棒を押す
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水平の棒はその先でスプーンを押す
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押されたスプーンは後ろに倒れ…
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巨大なすべり台でプリンのお皿に突入!

というわけで、全てがうまく作動すれば、

1)プリンがお皿に落ちる
2)マーブルチョコがまわりを装飾
3)プリンの上に生クリームがしぼられる
4)そこにさくらんぼがトッピングされ
5)最後にスプーンが落ちてきて、ハイ、召し上がれ!

以上のプロセスを経て、おいしいプリンアラモードができ上がります。

では、さっそく実行してみましょう。動画を撮影したので見てみてください。そして動画の最後では、なぜ僕が突然こんな企画を思いついたのかが明らかに!

ごめんなさい、だじゃれです 

NHKの人気番組「ピタゴラスイッチ」と「スイーツ」をかけてみたかった、というだけの理由で、ピタゴラそうち風の仕掛けを作ったのでした。

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楽しくておいしい装置

これ、正確には「ルーブ・ゴールドバーグ・マシン」と呼ばれ、簡単にできることをわざわざ無駄に遠回りして表現する、という手法だそうです。

でもスイーツ製作機は全ての動作が結果に直結しているので、「ルーブ・ゴールドバーグ・マシン」の概念には当てはまらないかも知れません。

ひとつ分かったのは、「ルーブ・ゴールドバーグ・マシン」を実現させるためには、「微妙なバランス」とか「わずかな抵抗」といった、失敗する確率もそれなりにある動作を伴うため、無事にゴールする確率は決して高くない、ということ。スイーツ製作機もかなりの数の失敗を重ねた末、ゴールまでたどりついたのはたった1回で、プリンは最後の1つでした。これ失敗したらどうしようかと、本当に緊張しました。それでも生クリームの出が悪いし、それまでは全て成功していたさくらんぼが飛んでいってしまうなどのハプニングがありました。

では最後に、この全自動デザート製作機のプロモーションビデオ風の映像でお別れしましょう。

仕掛けよりもプリンのセクシーさが見どころです


手のかかるかわいいヤツ

初めて作った「ルーブ・ゴールドバーグ・マシン」は成功とも失敗とも言えないものでした。

大学の研究室が本気で取り組んでいるピタゴラそうちには遠く及ばないけど、でも自分が作った仕掛けが連動しながら進むのは見ていて本当に楽しくて、突貫工事だった割にはかなり愛着が湧きました。

可能性は無限にあると思うし、夏休みの暇つぶしにひとつ作ってみてはどうでしょう。

あ、でも食べ物を使うのはお勧めしません。同じものを死ぬほど食べることになるので。

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実験に使ったプリンはスタッフ(1名)がおいしくいただきました!げぷー。
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