余った"もと"でイカを炒めてみた
つまり、家で食べる分にはザリガニ料理の良さはあまり活かせないということだ。
余ったザリガニ料理の"もと"でイカを炒めてみた。
美味しくて、食べやすい。ザリガニに合う味付けはイカにもピッタリだった。我ながら良い見立てだ。と思ったら、
自宅に戻ってから水を張った容器に移して一晩泥抜きしたところ、翌朝になるとなぜか一匹減っていた。どこにいったのだろう?
幸い、試しに料理してみる分には十分過ぎる数が残っている。これ以上数が減る前に速やかに調理してやることに。
調理する前に、腸抜きと言ってフンの詰まった消化器を取り除いてやる。普段何を食べて生きているかわからない野外個体なので必須の工程と言えるだろう。
油に入れた瞬間めちゃくちゃに暴れたりしたらどうしよう、と危惧していたのだがそんなことはなく、彼らはあっさりと運命を受け入れて赤く染まっていった。あっぱれな連中だ。
1パックでザリガニ1.5kg分を調理できるらしい。全部入れると濃くなりすぎるから、3分の1くらいを入れて残りは取っておいた。
冷めないうちに味わっていこう!
ビニール手袋をつけて殻を剥きながら食べるのが正しいやり方だそうである。実際にやり始めると、これがなかなか難しい。
殻が固いのである。ちゃんと比較したわけではないけれど、車海老とかよりも全然固い。とはいえザリガニにも言い分があろう。殻はそもそも敵に食べられにくくするためにあるのだし、カメやサギといった敵で溢れた環境で生き抜いていくためには、これだけ強固な殻が必要なのだ。
そしてソースが飛び散る。この記事を読んでザリガニを食べたいと思った人は紙エプロンなどを用意しておくといいかもしれない。ザリガニが中国で「夏の風物詩」と認識されている理由の一端を早くも見た気がする。これは、屋外で食べるべきものだ。
思ったよりも身が詰まっていて美味しい。唐辛子と山椒をこれでもかと効かせた四川風の味付けもあって、ザリガニ固有の味とか香みたいなものは感じられない。エビと同じだ。というかおそらく、剥いた状態で出されたらエビと区別がつかないと思う。
「見た目のインパクトがあって、食べるのにちょっと手のかかるエビ」を想像してみてほしい。それが中国のアメリカザリガニ料理である。気の利いたことが言えなくて申し訳ないけれど、それ以上でもそれ以下でもないのだ。
アメリカザリガニの料理は美味しかったけれど、率直な感想を言うと「エビの方が剥きやすくて可食部も多いのでは?」と思った。味は区別がつかないくらい似ているのだ。
ただ、少し考えてみて実はこの「食べるのに手間がかかって可食部が少ない」部分にこそ中国でザリガニブームが起こった理由があるのではないかと考えた。
成都の茶館でお茶を飲んだ時の写真である。机の上を見てもらいたい。お茶請けに用意された食べ物は、殻のついたピーナツ、ひまわりの種、厚ぼったい皮のみかんと、どれも剥くのに手間がかかって可食部が少ないものばかりだ。そして、お茶の席ではこの一見すると欠点とも言える性質が好都合なのである。
殻や皮を剥いている間、手は塞がるけれど口の方は暇だから同席者と会話を続けることができる。可食部が少ないせいでなかなかお腹が膨らまないから長居することもできる。何より剥くと言う行為が適度に間をもたせてくれる。
アメリカザリガニは、社交のための食べ物だった。そして一皿で長居ができる料理がブームになるあたり、中国の懐の深さを見た気がしたのだった。
つまり、家で食べる分にはザリガニ料理の良さはあまり活かせないということだ。
余ったザリガニ料理の"もと"でイカを炒めてみた。
美味しくて、食べやすい。ザリガニに合う味付けはイカにもピッタリだった。我ながら良い見立てだ。と思ったら、
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